フリーアナウンサーの川田裕美(36)が14日、オフィシャルブログを更新し、第1子妊娠を発表した。川田は、「私事で大変恐縮ですが、この度、第一子を授かりました」と明かし、「出産は8月末の予定で、安定期に入りましたのでご報告させていただきます」と発表。「今年に入って体調の変化に気付き、新しい命を授かった嬉しさが込み上げてきましたが、同時に、初めてのことでとても不安でもあります」と吐露しつつ、「私達のもとにきてくれたかけがえのない命を、夫婦力を合わせて大切に守っていきたいと思っておりますので、あたたかく見守っていただけると幸いです。今後も体調をみながら仕事は続けて参りますので、どうぞよろしくお願い致します」と前向きな気持ちを伝えている。川田は2019年10月、ブログを通じて「かねてより交際しておりました音楽関係の仕事をしている方と入籍しました」と報告。「この先、どんな事があっても二人同じ方向を向いて、力を合わせて楽しい人生をつくっていきたいと思います」と抱負をつづっていた。
2020年03月14日ミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。稽古場にて、音楽監督と指揮を務める塩田明弘に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。『ジキル&ハイド』『天使にラブソングを~シスター・アクト』『ラ・マンチャの男』など数多くの作品を手掛け、日本のミュージカル界に欠かせない塩田。アンドリュー・ロイド=ウェバー作品も手掛けてきた中で、本作については「『キャッツ』が1981年に初演されて、『オペラ座の怪人』が1986年、この『サンセット大通り』は1993年の作品。“円熟期”の大作のひとつだと思います。美しいバラード『With One Look』や、哀愁を帯びた『Surrender』、ドラマティックに歌う『As If We Never Said Goodbye』など、主人公ノーマの心情を映し出した楽曲が多いのが特徴です」と話す。日本初演から音楽監督と指揮を手掛けてきて、三度目の上演となる今回は「譜面が変わり、楽器の編成も変わりました。ホルン、バストロンボーン、ギター、エレキベースが増えたんですよ。ロイド=ウェバーの得意とする重低音の楽器が増えて、17人編成となり、より壮大になると思います。アレンジメントとしては、登場人物、特にノーマですが、彼女たちの情景を、音楽によってもっと強く見せるというような変更が多いです」。その変化は作品全体とも通じており、「今回、ノーマの想いや、ジョーの想い、いろんな登場人物の想いの表現がより深くなっているなと感じます。カタチでいかず、より内面的なもの、心の中での葛藤のようなものも伝えようとしていると思う。それは音楽でも、演技でも」と明かす。初演、再演では舞台の後方で演奏をしていたが、今回はオーケストラピットにて演奏される。「音が明らかに変わると思いますよ。オーケストラピットだと、役者の呼吸を直で感じることができるので、演奏のタイミングも合わせやすい。そうすると歌声も自然と乗っかっていく。より一層深みのある演技と音楽を、皆様にお届けすることができると思います」塩田が「今回は主演のふたり(安蘭けい・濱田めぐみのWキャスト)の違いがより顕著だと思う」と語ったミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演予定。取材・文:中川實穂
2020年03月09日「太田裕美」と聞けば、甘く透明感のある歌声と、86万枚を超える大ヒットを記録した『木綿のハンカチーフ』を思い浮かべる人が多いだろう。そんな太田裕美さん(65)が、デビュー45周年となる19年9月8日、自身のブログで乳がんであることを公表。多くのファンを驚かせた。「ごく初期ながら、公表せず黙っていたかもしれません。でも、私の場合は初期ではなかったし、抗がん剤治療を始めたら外見が変わってしまう可能性もあったので」抗がん剤治療は副作用がきつい。しかし太田さんには、活動を中止して治療に専念する、という選択肢ははじめからなかった。初めての治療に不安は感じたが、歌手活動を休むことで感じる心の負担を避けたかったという。「抗がん剤の治療を受けながらでも、とにかく仕事は続けたい」と、主治医に訴えた。「先生は、『仕事をしながら治療をしている人はたくさんいるから大丈夫ですよ』と言ってくださって。でも、これは私の場合であって、人それぞれの選択があると思うんです」病気になって、たくさんの“気づき”があったという太田さんは、闘病しながらこの1年を駆け抜けた。デビュー45周年の昨年。太田さんは、1年前から制作を進めていた8年ぶりのシングルをリリース。45周年記念アルバムには初となる『木綿のハンカチーフ』のセルフカバーを収録するなど、力を入れていた。レコーディングは昨年2月。そんな矢先にわかったのが、乳がんの罹患だった。覚悟していた太田さんは、冷静に現実を受け止めた。「異変を感じたのは昨年の3月末くらいでした。胸に大きめのしこりを感じて、これはまずいな、と。でもライブの予定がずっと入っていたので、ひと段落して検査を受けたのが5月末。そしたら先生が、『すぐに治療しましょう』と。ショックというより、あぁやっぱりな、という感じでしたね。一番ショックを受けたのは、夫だったかも。次男は医療関係の仕事をしていて知識もあるので、『治る病気だから』と励ましてくれました」7月に手術をし、入院は4日間。退院して3日後にはステージに立った。問題は、8月からの抗がん剤治療を乗り切れるか、だった。実際に治療を受けてみると、予想以上に体力を奪われた。「抗がん剤を打って4〜5日間は、もうれつな倦怠感に襲われて動けなくなるんです。長男に、『ものすごく体力が奪われる……』とLINEで弱音を吐いたら、『そりゃ、地球上でモルヒネと並ぶくらいに強いクスリだからね。でも、だからがん細胞もやっつけられるんだよ』と励まされて」夫の智彦さんも、副作用で手が荒れやすくなった太田さんを気遣って、食器洗いや洗濯などをしてサポートしてくれた。太田さんは、副作用が切れる合間を縫うように、ステージに立ち続けた。「幸いライブは週末が多かったので、週のはじめに抗がん剤を打つと、ちょうど副作用が抜けるころにステージに立てるんです。もう、あとは気力で乗り越えました」そして改めて、自分にとって音楽がいかに大事かを再認識したという。歌うことで、かえって元気になっていく自分を感じたのだ。乳がんを公表したのち、様々なメッセージが寄せられた。励ましや、知人のがん治療についての打ち明けなど、多くのファンが太田さんと気持ちを共有し、太田さん自身も勇気付けられたそうだ。「みなさん、私が元気な姿で最後まで歌えるのか心配してくださっていたみたい。その思いがステージまで伝わってきましたね。45年間歌ってこられたのは、“奇跡”のようなことなんだな、って思います。(45周年コンサート)を終えてみると、病気も重なって、なんとか大きな節目を乗り越えたという安堵感もあったのかもしれません」そして、太田さんは46年目の一歩を歩み始めている。深みを増した太田さんが、今後どんな歌声を聴かせてくれるのか期待しよう。「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月08日2019年にデビュー45周年を迎えた歌手の太田裕美さん(65)。大ヒット曲『木綿のハンカチーフ』の初セルフカバーなど、今までにない挑戦をした45周年記念アルバムをリリースした。そんな太田さんが胸に異変を感じたのは、レコーディングを終えた昨年3月末。2ヶ月後に検査をすると、乳がんはもう初期ではなかったーー。内視鏡手術後、休養せず抗がん剤治療をしながら、ライブを続けることを決断。ステージを乗り切れたのは、自分から切り離せないという、歌に「元気」をもらえたからだった。しかし、太田さんにも活動が重荷になっていた過去があったという。歌とともに歩んできた太田さんの半生をたどった。小さい頃から歌うことが大好きだったという太田さん。小学3年生の時からピアノを習い始め、すでに作曲もしていたという。最初の転機は、中学3年生で訪れた。「ある日、クラスメートの1人が、“スクールメイツ募集”のはがきを持ってきたんです。当時、私は座・タイガースのジュリー(沢田研二)の大ファンだったから、同じ事務所のスクールメイツに入れば会えるかな、と(笑)」軽い気持ちで受けた太田さんだったが、見事合格。歌唱力と音楽センスが認められ、74年に『雨だれ』でソロデビュー。19歳だった。アイドルのような容貌の太田さんが、ピアノを弾きながら透明感ある声で歌う姿は新鮮で、人気を集めた。「私の場合は、フォーク系の歌手のように音づくりにもこだわりながら、テレビやバラエティにも出てアイドルの仕事も…。そのおかげで2倍忙しかったけど、様々なジャンルの方と仕事ができたことは、いい経験でした」75年発売の4枚目シングル『木綿のハンカチーフ』が大ヒット。しかし、やがてこのヒットが太田さんの重荷となっていく。「いまでこそ代表曲があるのは歌手としてすごく幸せなことだと思うけど、当時は、新曲を出しても『“木綿”はいい曲でしたね』と言われてしまう。生意気にも、『もういいかげん、“木綿”は卒業したい』と思うこともありましたね」デビュー当時から、「いずれ音楽に対する思いを見つめ直す時期が来る」と感じていた太田さん。「休んだらファンに忘れられてしまうよ」と反対する事務所の社長を押し切って、82年、27歳で単身ニューヨークに渡る。「忘れられてしまうなら、私はそれだけの存在だったってこと。仕方ないと思いました」ニューヨークは刺激的だった。「いまでもそうですけど、マンハッタンのど真ん中に立っているだけでエネルギーを感じるんです。東京とは、生きている人の“本気度”が違う気がして」髪もバッサリ切った。語学学校に通い、休みの日には本場のミュージカルやライブに通う日々。「すごく楽しくて。でも、『楽しみ尽くしたらまた歌いたい』と思うように。自分の人生と歌は切り離せない存在だと気づいたんです」8ヶ月間のニューヨーク生活を終え日本に帰国。歌手活動を再開する。30歳で結婚し、のちに長男と次男を出産した。「育児に手がかかるうちは、子供に聞かせる童謡アルバムを制作したり、ほかの歌手に楽曲を提供したりして、自分のペースで音楽活動を続けていました。次男が幼稚園に入って、自分の時間が持てるようになり、『ライブがしたい』と思うようになったんです」41歳の時、ライブ活動を再開し、本格的に歌手活動に復帰した。「ピアノ一本での弾き語りライブだったので、お客さんが来てくれるか心配でした。でも、すごくたくさんの方が来てくれて。あぁ、待ってくださっていたんだなぁと」45周年の大きな節目、そして乳がんの発覚を乗り越え、昔を振り返った太田さんは言う。「先のことより、この一年を生きるのに必死というのが正直な気持ち。積み重ねた分だけ、深みのある歌を歌える歌手になりたいと思っています」これからも、歌とともに歩んでいくーー。「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月08日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲を、さまざまな演出家がそれぞれの色合いで上演するプロジェクト「KERA CROSS」。2019年に鈴木裕美が『フローズン・ビーチ』を上演したのに引き続き、第二弾となる今回は生瀬勝久が『グッドバイ』を手がける。『グッドバイ』はもともと、太宰治による未完の遺作『グッド・バイ』をもとにKERAが描き出した作品。2015年に仲村トオル、小池栄子らをキャストに迎えて上演され、読売演劇大賞の最優秀作品賞等も獲得している。コミカルでスピーディな会話の応酬とスタイリッシュな美術や振付。演劇の面白さが詰まった名作舞台だ。さらに今年2月には成島出監督による今作の映画化作品も公開を控えている。闇の商売で儲け、たくさんの愛人をもつ色男の雑誌編集者・田島は、心を入れ替えて愛人たちと別れる決意をする。そのために怪力で大食いの美女・キヌ子と手を組むが……。今作では藤木直人が田島を、ソニンがキヌ子を演じる。さらに真飛聖や入野自由、小松和重といったバラエティに富んだキャストが顔を揃え、生瀬自身も出演する。『橋を渡ったら泣け』『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』といった作品で演出を務めてきた生瀬。KERA作品には『祈りと怪物〜ウィルヴィルの三姉妹〜』や『陥没』など、いくつも出演している。役者として体感してきたKERAの作品を、演出家としてどのように料理するのか、その手腕に期待したい。本日1月11日・12日(日)に東京・かめありリリオホール、1月16日(木)に山形市民会館 大ホール、1月18日(土)に新潟・長岡市立劇場 大ホール、1月21日(火)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、1月23日(木)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、1月28日(火)に香川・レクザムホール 小ホール、1月30日(木)・31日(金)に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、2月2日(日)に福島・パルセいいざか、2月4日(火)から16日(日)まで東京・シアタークリエにて上演。文:釣木文恵
2020年01月11日英国演劇界を牽引する劇作家サイモン・スティーヴンスの新作『FORTUNE』が、2020年1月13日から日本で世界初上演される。本作の製作発表が2019年11月28日に都内で行われ、サイモンのほか、主演を務める森田剛、共演する吉岡里帆、田畑智子、根岸季衣、鶴見辰吾、日本初演出のショーン・ホームズ、美術・衣裳のポール・ウィルスが出席した。【チケット情報はこちら】本作は、悪魔に魂を売った男の顛末を描いた、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作『ファウスト』を現代のロンドンを舞台に置き換え、人類に訴えかけ続ける作品の重大なテーマをリアルに迫ってくるストーリーとして新たに作り上げた意欲作。製作発表でサイモンは「素晴らしいチームで、最高の作品作りができることを光栄に思う。特に今の自国のことを考えると、どんどん国が小さくなり、世界の他の国々に対して背を向けているような状態になりつつある。このような国際的なコラボレーションで、一緒に何かを作って、コミュニケーションをとって、共通のものを分かち合いながら創る作品は、これまで手がけてきた作品の中でも、最も重要な作品と言ってもいい」と語っていた。主演の森田は、サイモンの代表作『夜中に犬に起こった奇妙な事件』で数学に天才的な才能を持つ15歳のアスペルガー症候群の少年を演じたが(2014年、鈴木裕美演出)、本作では過去の出来事から喪失感を抱えて生きながらも、恋人・財産・名誉と望むものすべてを手に入れるために悪魔と“契約”を結び、闇へと落ちていく二面性を持った映画監督・フォーチュンを演じる。製作発表で森田は、『夜中に~』のこと振り返りながら、「ものすごく苦労した。そこにまた飛び込むのは勇気のいること。でも、サイモンの戯曲を読んだときに、僕にとってもチャレンジで、すごく刺激のある舞台なので、ぜひやりたいなと思った。初上演なので、“日本が1番良かった”と思ってもらえるようにしっかりやりたい」と意気込んだ。フォーチュンの父親・ショーン役を演じる鶴見は「小難しくて難解な話かなと思いながら台本を読み始めたら、現代的で、濃密で。読んでいくことが非常に面白かった」と語り、「俳優は常にチャレンジをし続けていく仕事。一生挑戦し続けて、新しいものを見つけて、どう表現していくか。そのふさわしい機会を与えていただいた。有意義な仕事で、役者冥利に尽きる」と熱弁した。東京公演は1月13日(月・祝)~2月2日(日)、東京・東京芸術劇場プレイハウス。松本公演は2月7日(金)~9日(日)、長野・まつもと市民芸術館主ホール。大阪公演は2月15日(土)~23日(日・祝)、大阪・森ノ宮ピロティホール。北九州公演は2月27日(木)~3月1日(日)、福岡・北九州芸術劇場大ホール。チケット発売中。取材・文・写真:五月女菜穂
2019年12月03日フリーアナウンサーの川田裕美(36)が29日、自身のブログを更新し、かねてより交際していた音楽関係の仕事をする一般男性と結婚したことを報告した。川田は「この度、私 川田裕美はかねてより交際しておりました音楽関係の仕事をしている方と入籍しましたことをご報告させていただきます」と報告。「同じ大阪出身で、とても朗らかで面白く、思いやりがあって頼もしい彼と一緒にいると、安心できて素直な自分でいられます」とお相手について紹介した。続けて、「この先、どんな事があっても二人同じ方向を向いて、力を合わせて楽しい人生をつくっていきたいと思います」とつづり、「仕事は変わらず続けて参りますので、引き続き応援していただけると嬉しいです。今後とも宜しくお願い致します」と締めくくった。
2019年10月29日歌手の太田裕美(64)が9月18日、乳がんを公表した。治療をしながらも「歌っていく」と明かし、ネットではエールが上がっている。同日、ブログを更新した太田は「突然で驚かれると思い、なかなか公表出来ませんでした」と切り出し「乳癌に罹患しました。すでに7月の京都のコンサート後に手術をし、8月から抗癌剤治療に入っています」と報告。しかし来春までのスケジュールが決まっていることや11月に開催されるデビュー45周年を祝うイベントを控えていることを理由に、「あえて、治療しながら歌っていく、ということを選択しました」と明かした。太田は「病気になって初めて知る“気づき”がたくさんあります」とつづり、「神様はまた新たな試練を与えて下さってるんだ、と現実をしっかりと受け止め」家事などの日々の営みを大事に続けていくと述べた。そして、こう結んだ。「これからもまごころ込めて歌っていきます。今までと変わらず、太田裕美の音楽を愛し、応援していただけることを心から願っています」太田の発表は話題を呼び、Twitterでは「太田裕美」がトレンド入りを果たした。さらにエールが上がっている。《大変驚きました。裕美さんの想いお察し致しました。大丈夫です、頑張りましょう》《裕美さんの強いプロ意識に感銘を受けました。裕美さんの歌手活動と、治療も応援させていただきます。》《私達の願いは1日でも長く裕美さんの歌声を聞いていられること、どうぞ最善の選択を》治療を受けながらも歌い続けると発表した太田。04年、本誌に登場した際には育児中にも歌手活動を続けていたことについて語っていた。太田は育児と家事が大変だったと明かしながらも、その分「1年に3~4回の仕事が楽しかった」と回想。さらに「無理をしない」「あきらめない」「心に正直に生きる」という3カ条を心掛けていると告白し、こう語った。「自分の好きなものをあきらめる必要はないんです。私の場合はそれが『歌』だった。いちばん私の好きなことだし、天職だと思っています」
2019年09月19日1980年から1990年代の小劇場ブームを牽引した劇団「自転車キンクリート」の代表作のひとつ、『絢爛とか爛漫とか』。若い4人の小説家の泣き笑いを通して、普遍的な人生の命題を浮き彫りにする名作だ。初演の演出を手がけたのは、同劇団を旗揚げした鈴木裕美。戯曲を深く掘り下げ、活き活きとした人物像を描き出す手腕で、これまでに多くの演劇賞を受賞している。8月20日(火)に幕を開けた今回の公演は、花も実もある若手俳優4人の競演はもちろん、鈴木が1998年の再演以来、21年ぶりに演出を担当する点も話題だ。【チケット情報はこちら】昭和初期の東京。処女作のあと2作目が書けずに悩んでいる小説家・古賀(安西慎太郎)の書斎に、批評家志望のモダンボーイ・泉(鈴木勝大)と、女性賛美の耽美小説家・加藤(川原一馬)、破天荒な小説が注目を集める諸岡(加治将樹)がやってくる。あるダンサーに恋心を募らせる加藤のために、みんなでダンスホールに繰り出そうというのだ。“小説を書かなければ”と焦る古賀に、「人生修業は、すなわち文学修業だ」とうそぶく諸岡。四者四様の文学への想いは、彼らの人生そのものを模索する姿に重なり……。「カンパニー全員で過ごしてきた時間を信じ、手を取り合い、とにかく楽しんでやっていきたいと思っています」と言う安西は、自意識と現実のはざまで葛藤する古賀を熱演。その姿は小説家という枠を超え、いつの時代にも見られる“何かをしたいのに、何をしたらいいのか分からない”若者像そのものを表わしているかのようだ。批評家として他の3人とは少し異なる立ち位置の泉役・鈴木勝大も、「観劇にいらしてくださる皆様には、舞台上の4人と過去の自分が結び付くような素敵な瞬間がきっとあると思います」とコメント。物事を斜めに見ているかのようで、言葉や表情の端々に誠実さがにじむ泉像を作り出している。一方、女性賛美が過ぎて、仲間から“エロ・グロ・ナンセンスな小説を書いている”と揶揄される加藤を演じる川原。「部屋に置いてあるものから細かい動作、4人の中で繰り広げられる会話まで、ひとつひとつを楽しんでいただけたら」との言葉通り、端正なたたずまいと丁寧な役づくりで“芸術家の業(ごう)”に説得力が出た。その“作家としてのいずまい”は、加治も同様。豪放磊落ながら、なにげない言葉に作家らしい知性がにじむ諸岡を、自然体で演じている。「四季折々の音や匂いと共に今を懸命に生きる若者の姿をご覧いただき、今作が皆様の明日への活力となれば」というコメントも、本作の魅力を伝えて的確だ。「彼らの息遣いや体温まで感じていただけるような親密な劇場。私の古くて新しい友人たちに、どうぞ会いに来てください」という鈴木裕美の言葉の意味を、劇場でぜひ実感してほしい。公演は9月13日(金)まで東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて。文:佐藤さくら
2019年08月26日脚本の背景を丁寧にたどり、血肉の通った人間像を描き出す手腕で、数多の演劇賞を受賞している演出家・鈴木裕美。彼女が日本女子大在学中に劇作家の飯島早苗らと旗揚げした劇団「自転車キンクリート」は、1980~90年代の小劇場ブームを牽引したことで知られる。中でも1993年に初演された『絢爛とか爛漫とか』は、4人の小説家の春夏秋冬を通して、笑いの中にも普遍的な人生の命題を浮き彫りにする名作。26年間、多くのカンパニーで演じられてきた本作が、本日8月20日、東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて、いよいよ初演演出の鈴木の手で幕を開ける。舞台は昭和初期の東京、純和風住宅の一室だ。この部屋の住人で、処女作のあと2作目が書けずに悩んでいる小説家・古賀(安西慎太郎)と、批評家志望の泉(鈴木勝大)、耽美小説家の加藤(川原一馬)、さらに破天荒な小説が売れ始めている諸岡(加治将樹)がことあるごとに集い、軽口をたたき合いながら物語は進む。友情や恋を楽しむ一方で、理想と現実の間で悩み、己の道を模索する4人。誰にでも覚えのある、ほろ苦くてどこか温かい日々が、美しい四季の中で展開してゆく。1993年の初演から26年、女性4人が演じる『~モダンガール版』を追加してオリジナルの男性版『~モダンボーイ版』と併せて上演された1998年からでも21年ぶりに本作の演出を手がける鈴木。改めて初演の思い出を聞いてみると、「この作品は脚本の飯島が“書きたいことがある”と言って持ってきたんです」との答えが返ってきた。「当時の自転車キンクリートは、テーマやモチーフを飯島と私で考えながらつくっていたんですけど、この作品は別でしたね。そういう意味では主人公の古賀はもちろん、他の登場人物にも飯島自身の心情を託したところはあると思います」と鈴木は話す。「ただ、魂の叫びをそのまま書いたものではなくて、一個の作品として成立させるというのは、意識していると思います。あるクリエイターの言葉で、“ケガをして血が出ているところを見て見て!”というのは子供の、素人の表現で、こう治しましたよ、とかさぶたを見せるのが大人の、プロの表現だというのがあるんです。この作品がある種エンタテインメント作品に成り得ているのは、そういうところかもしれないですね」と振り返る。毎年4~5本の作品を演出し、そのどれもが高い評価を得るなど精力的に活動を続けている鈴木だが、本作にはやはり特別な想いがあるという。「たくさんの作品に携わってきましたが、この作品に関しては不思議なことに、古賀や泉、加藤、諸岡は“会ったことがある人”という感覚なんです。だから今回新しい俳優さんたちとやる稽古場は、旧知の友人が新しい肉体を得て生まれ変わったかのようで、“また会えた”という気持ちなんですよね」と笑う鈴木。キャストについて問うと、「4人とも“他の仕事もできたけど、たまたま役者をやっている”のではなく、“この世に〈演じる〉という仕事があってよかったよね”と感じる人たち。そういう人じゃないとこの作品の役は演じられないと思っていました。稽古が終盤を迎えた今も、それは間違っていなかったなと感じています」また演出に関しては、「初演のつもりで」向き合っていると鈴木は言う。「むしろ初演より、戯曲に忠実にやっていますね。初演当時の小劇場演劇華やかなりし頃は、アドリブを差し挟んで、役者と役の線引きが曖昧なほうが、お客様に、より“真実”を感じていただけたという実感があります。でも今は、役の後ろに役者さんがぴったり寄り添うことで、お客様に“真実”が伝わると感じます。だから今回は戯曲に描かれていることを深く掘っていくことで、役者4人の魅力を際立たせるアプローチをしているところですね」創作で苦悩する傍ら、“フロイライン”をナンパするために策を練ったり、みんなでダンスホールに繰り出したりと、男子ならではのにぎやかなシーンも魅力だ。「男性の、まっすぐで純情で、かわいらしいところ……愛すべき“おバカ”なところも楽しんでいただきたいと思います。女性はもちろん、幅広い世代の男性にもぜひ観ていただきたい」と意気込む。「登場人物は小説家だけど、“オレは才能がないんだ”とか“アイツのほうが上手い”なんていう感情は、きっとどなたでも感じたことがあると思うので。まぁ、俳優さんは、だいたいそう感じてますけども(笑)」と、辛口ながらもコメントには愛情がこもる。“真実”はいつも甘くはないが、ウィットと知性で着陸するのが鈴木演出の妙味。たくさんの観客に愛されてきた本作を、改めてじっくりと味わいたい。取材・文:佐藤さくら
2019年08月20日紫綬褒章をはじめ数々の演劇賞を受賞しているケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA・56)。彼の戯曲を連続上演するシリーズ「KERA CROSS」の第一弾『フローズン・ビーチ』(7月31日~8月11日、東京・シアタークリエにて。以降、8月31日まで大阪、静岡、愛知、高知、高松でも公演)に出演する鈴木杏(32)は、子役の時代から芝居に魅了された実力派だ。「手を伸ばしても届きそうもない憧れの演出家や共演者、ハードルが高い戯曲……ワクワクしすぎて稽古が始まるまで台本を手に途方に暮れていたほどです(笑)」(鈴木・以下同)本作は、’87年から8年ごとの夏の日に焦点を当て、16年にわたる4人の女たちの心の内をあぶり出すミステリー・コメディ。複雑に絡み合ったそれぞれの運命が予期せぬ結末へと向かっていく、スリリングな会話劇だ。「私の役は、ブルゾンちえみさんが演じる友人・市子に振り回され、いろんな壁にぶつかりながら生きていく女性。自分というものが定まっていなくて、周りの人の支えがないとふわふわしてしまう。密室劇で、それぞれの本性がむき出しになっていくさまは激しいけれど、現実的だと思います」吸い込まれるような大きな瞳。32歳になり、最近、絵画を始めたという。「絵は安定剤みたいな感じです。写経に近いかな。生活の中の娯楽ってすべて女優という職業につながってしまう。本を読んでも演劇を見ても、感性の点で職業と切り離せなくなってしまって。だから絵を描くのは息抜きのようなものです」30代になって、“以前より楽になった”と語る。「無駄に頑張らなくなりました。20代は自分じゃないものになろうと必死だった。だから空回りしたり自分をイヤになったり……でも、そんな自分と向き合って生きていくんだなと悟ったときに、ダメな部分もあってもいいかな、と。すると、その時々に頑張りたいことに、肩に力を入れずに立ち向かえるようになったと思います。たとえば、『それ、できないんだよね』と正直に言うのが恥ずかしくなくなって」キャリアが長い彼女。KERAや演出の鈴木裕美とも10代で知り合ったそうだ。「安心できる親戚のおじちゃんとおばちゃんみたい(笑)。裕美さんは15歳の私を演劇の世界に引きずり込んでくれた大事な存在なんです。萎縮したり緊張したりすることなく、カッコつけずに思いっきりトライできそうです」
2019年08月05日7月12日に神奈川でプレビュー公演が開幕した、KERA CROSS第一弾『フローズン・ビーチ』。ケラリーノ・サンドロヴィッチが岸田戯曲賞を受賞した戯曲を、鈴木裕美が演出する。出演は、鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。これから25日(木)に新潟公演のち、28日(日)に福島、31日(水)から東京・シアタークリエ、その後、大阪、静岡、愛知、高知、香川にて上演される。ひと足先に開幕したプレビュー公演では、その丁寧に手がけられた作品に大きな拍手が起こった。【チケット情報はこちら】物語が起こるのは、大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランド。1987年にはようやく電話がひかれたばかりだった島の、海の音が聞こえる別荘に、女性達が集まってくる。別荘の持ち主である資産家・梅蔵の娘、萌(花乃)は心臓が弱い。その双子の妹・愛(花乃/二役)を訪ねてきた親友の千津(鈴木)とその友人の市子(ブルゾン)。ふたりはバカンスに来ているようでもあるが、なにやら思惑があるようで……。軽快な会話に、客席からは笑い声があがる。一見コメディだが、女達それぞれが不穏な思いを抱えている。みんなでリビングにいる時にはニコニコ笑っていても、誰かと誰かがふたりきりになると実は……と隠されていた思いが垣間見え、まるで覗き見しているような気持ちになる。そこに、遠出をしていたはずの萌と愛の義理の母・咲恵(シルビア)が予定より早く帰ってきたことで、それぞれの思惑が予想外の方向へ走り出す。5人の女はどうなっていくのか。1987年、1995年、2003年と、彼女たちの8年毎の変化を、観客は追っていくことになる。舞台中央に、大きなバルコニーがある。そこから聞こえる波の音、そしてブルーと白を基調にしたこぎれいな部屋が、カリブの海を思わせる。美しく落ち着いた場所だからこそ、女達の情念がコントラストとなり際立つ。また、場面が変わるごとにスクリーンに映し出される絵本のようなイラストも、彼女達の滑稽さとコミカルさをつのらせる。生々しい感情を抱えた登場人物たちが、愛しいキャラクターに思えてくる。4人の女優のバラバラな個性が、鈴木の丁寧な演出のうえで互いにぶつかり合う。動きだしてしまった運命は止められない。憎んだり、愛したり、心配したり、救われたりしながら交差する女達の16年はとてもスリリングで愛しい。いろんな面を持つ彼女達を見て、人間って面白いなと思えてくる、不思議で魅力的な舞台だ。撮影:桜井隆幸
2019年07月17日7月中旬から全国ツアーがはじまる舞台『フローズン・ビーチ』。1998年に発表されたケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の脚本を、鈴木裕美が演出。愉快で訳ありな“5人の女”によるサスペンスコメディだ。その公開稽古が行われた。【チケット情報はこちら】公開されたのは<第一場>。1987年の夏、千津(鈴木杏)と親友の市子(ブルゾンちえみ)は、双子の姉妹・愛と萌(花乃まりあ二役)の父親の別荘に来ていた。そこに、愛と萌の盲目の継母・咲恵(シルビア・グラブ)が予定より早く旅行先から帰ってくる……。継母のせいで母が死んだと思っている愛は、咲恵に苛立ちをぶつける。しかし当人はあっけらかんと笑い、ワインを飲んでいる。盲目の役のため、シルビアは焦点を合わせず少しずれた方へ顔を向けて話すが、コミュニケーションを自然に感じさせる。険悪なふたりに挟まれ、気をつかう千津。演じる鈴木杏は大きな目をキョロキョロと動かし、いたたまれなさと困惑がとても伝わる。一方の市子は、超マイペースで楽しそうだ。初舞台というブルゾンだが、緊張感はありつつも、細部まで真剣に気を配っているのが感じられる。不穏な空気が漂う……。演出の鈴木裕美は「誰かが誰かを殺そうと思ったりもする」とサスペンスフルな雰囲気を煽りつつ、「救ったり救われたりもする不思議な本。まずは出演者4人が面白い」と強く推した。KERA作品に2度の出演がある鈴木杏は「ケラさんの脚本はやっぱり大変。楽しみながら苦しんで、稽古するほど深まる」と感想を語る。ブルゾンちえみの演じる市子は真逆で「(市子は)ちょっとわけがわからない。論理的でなく、本能で動いている。でもけっこう憎めないんじゃないかな?」と愛着が湧いてきたようす。花乃まりあは、性格の違う双子をどう演じるのが楽しみだ。急きょ代役として遅れて参戦したが、「温かく迎えていただいて感謝」と安心した表情を浮かべる。座組についてシルビアは「和気あいあいとして体育会系の集まりのノリ。ずっと笑っている稽古場」と紹介した。演出の鈴木は「面白くするためなら何でもやります!みたいな4人が集まった。すでにファンの多い作品だけど、やっと自分たちの『フローズン・ビーチ』になってきた」と手応えを感じているようだ。上演は7月12日(金)神奈川でのプレビュー公演を経て、新潟・福島・東京・大阪・静岡・愛知・高知・香川を8月末にかけてめぐる。取材・文・撮影:河野桃子
2019年07月08日女優のシルビア・グラブが、2日に都内で行われた舞台『フローズン・ビーチ』の稽古場公開に登場し、鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、鈴木裕美とともに取材に応じた。2005年に俳優の高嶋政宏と結婚し、おしどり夫婦としても知られるシルビア。6月26日に義父である高島忠夫さんが老衰で亡くなったことについて、「自分が子供の頃から見てた大大大スター。義理のお父さんでもありますが、業界での大先輩が1人いなくなったのはすごく寂しいことですし、当然家族としても寂しいところです」と心境を吐露する。「お顔を見たときにすごく穏やかな顔されてたので、『お疲れ様でした』と言いたいです」と様子を明かしたシルビアは、夫・政宏について聞かれると、「突然というわけではなかったので、心の準備はできてたのかなという様子でした」と説明する。義父との思い出について、シルビアは「初めて実家でご両親と会うときに、うつ病であまり人と会ってなかった時期なのに、パジャマから着替えて髪の毛をとかして私と会ってくれたらしいんです。家族の中で明るくなった瞬間があったのかなと思うと、すごく思い出深いです」と振り返る。「結婚式も来てくれたし、嬉しかったです。穏やかで朗らかで、なんでも受け止めてくれるようなお父さんでした」と故人を偲んだ。義理の母である寿美花代について聞かれると、「ずっと一緒にいたので、こちらも心配ですけど、大丈夫だと思います」ときっぱり。改めて「いろいろありがとうございました。そしてお疲れ様でした。I hope you have a wonderful after life.」とメッセージを送った。シアタークリエ連続上演シリーズ『KERA CROSS』の第1弾となる『フローズン・ビーチ』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチが1998年に作・演出を担当し、劇団「ナイロン100℃」公演として新宿・紀伊國屋ホールで初演された。女性同士の心の機微を描く密室劇の傑作として第43回岸田國士戯曲賞を受賞したナイロン100℃の初期代表作とも言われている。大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランドにある別荘の一室で繰り広げる女たちの姿を描く。
2019年07月02日舞台『フローズン・ビーチ』の公開稽古が2日に都内で行われ、鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ、鈴木裕美が登場した。シアタークリエ連続上演シリーズ『KERA CROSS』の第1弾となる『フローズン・ビーチ』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチが1998年に作・演出を担当し、劇団「ナイロン100℃」公演として新宿・紀伊國屋ホールで初演された。女性同士の心の機微を描く密室劇の傑作として第43回岸田國士戯曲賞を受賞したナイロン100℃の初期代表作とも言われている。大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランドにある別荘の一室で繰り広げる女たちの姿を描く。いつものメイクとの違いを指摘されたブルゾンは、「よく気づきました! ブルゾン感を残しつつ、ブルゾンでもいけないという」と苦労を明かし、本番では「これより薄くなるかもしれないけど、(稽古では)一応これくらいにしてみた」とメイクの塩梅について語る。さらに鈴木裕美は「稽古場にも、”ブルゾン”で来て、”ちえみ”で帰っていくときがある。仕事が終わってフルメイクでやってきて、すっぴんで帰っていくから、来たとき違う人」と笑い、鈴木杏は「こないだは、帰りの車の中でメイクを落としてた」と暴露した。舞台初挑戦となるブルゾンについて、鈴木杏は「なんとも言えない面白さがある。真剣にやってればやってるほど、面白すぎて破壊されちゃう。笑っちゃって稽古にならない瞬間があって、これをどうやって本番までに克服していけばいいのか」と課題を感じている様子。またブルゾンは、演出の鈴木裕美について「文字だけじゃ気づかないことがある。4人同時にガチャガチャやってることを読み解く、同時に大音量で演奏してるものの楽器を聞き分けてるというか」と驚きを表す。体調不良で降板となった朝倉あきの代役を務める花乃は、途中参加となったが「できるようになるまで絶対に続けてくださる方なので、正直に頑張りたいと思っています」と演出に感謝していた。「現在の点数は?」と聞かれたブルゾンは、「35億点……と言いたいところですけど、本番までに35億点になれるように頑張りたいです」と真剣に回答。周囲から「何点満点!?」とつっこまれていた。舞台『フローズン・ビーチ』は、7月12~14日(プレビュー公演)に神奈川・社のホールはしもと・ホール、7月25日に新潟・長岡市立劇場 大ホール、7月28日に福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール、7月31日~8月11日(8月5日は休演)に東京・シアタークリエ、8月16~18日に大阪・サンケイホールブリーゼ、8月21日に静岡・静岡市清水文化会館マリナート、8月23日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、8月28日に高知・須崎市立市民文化会館 大ホール、8月31日に高松・レグザムホール(香川県県民ホール)小ホールにてそれぞれ公演される。
2019年07月02日ナンセンス・コメディをベースに、多様な作品を世に送り出してきた劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。近年は『グッドバイ』『百年の秘密』など、現代文学ともいうべき厚みのある作品群も続々と発表、高い評価を得ている。そんなKERAが、1998年に主宰する劇団ナイロン100℃で上演し、第43回岸田國士戯曲賞を受賞した作品が『フローズン・ビーチ』だ。今回の再演は、シアタークリエ連続上演シリーズ「KERA CROSS」の第1弾。KERAと、演出を担当する鈴木裕美、そして出演者の鈴木杏、ブルゾンちえみ、朝倉あき、シルビア・グラブがそろった制作発表に足を運んだ。【チケット情報はこちら】物語は海外のリゾート地で展開。バカンスにやってきた千津(鈴木)と友人の市子(ブルゾン)は、島を開発している資産家の娘・愛(朝倉)の別荘を訪ねる。そこへ愛の父と、後妻の咲恵(グラブ)が旅行から帰宅。咲恵を憎む愛は、父の愛を独占する病弱な妹・萌(朝倉の2役)のことも気に入らない。そんななか、市子がはずみで愛をベランダから突き落としてしまう……。8年後、再び同じ別荘に集まった4人は、ある衝撃の事実を目の当たりにする。人物像を丁寧に描くことに定評のある鈴木裕美は、「(女優陣は)剛の者がそろっていて、絶妙な取り合わせ。一緒にKERAさんの世界に冒険できれば」と期待する。一方、映画・舞台ともに多くの賞を受賞している鈴木杏にとっても、ナイロン100℃の手練の女優陣が演じ、伝説となった本作は大きな挑戦のようだ。「読めば読むほど途方に暮れています(笑)。稽古場でとことん苦しんで、楽しんで、私たちの新しい『フローズン・ビーチ』をお届けしたい」と語った。これが初舞台で、鈴木裕美から「かなりの演劇少女で驚いた」と明かされたブルゾンは、「KERAさんの作品で、裕美さんの演出でと、本当に私でよかったんだろうかと思ってしまうのですが、今はもう100%の力でぶつかるしかないという気持ち。再演を楽しみにしている方たちの期待に応えたいです」と高揚した表情を見せた。また朝倉は、「私も作品に、共演の皆さんに立ち向かわなければと緊張していましたが、本読みを経て、自分に何が出来るのか見つけていきたいという気持ちに。今はとてもワクワクしています」と頼もしい発言。そして意外にもKERA作品初参加となるグラブは、「今回は(得意の)歌……ない、と(笑)。焦りしかないのですが、この年でこういう機会を与えていただくのは幸せなこと。なにより女性だけの4人芝居は最近では珍しいので、世の女性たち、ぜひ楽しみにしていてください!」と力強く語った。サブカルチャーの出自をもつKERAの作品が、日比谷の真ん中に位置するシアタークリエで上演されるのも今回が初めて。KERA は「信頼できる方とだったら、いつでもやります(笑)。今回は初演から21年経って、当時の“未来”が今ではどう映るのか、僕自身楽しみにしています」と言う。動き出した「KERA CROSS」に、今後も注目だ。7月12日(金)神奈川公演を皮切りに全国を巡演。取材・文/佐藤さくら
2019年05月15日7月25日(プレビュー公演は7月12~14日)より公演される舞台『フローズン・ビーチ』の制作発表が13日、東京・日比谷シアタークリエで行われ、鈴木杏、ブルゾンちえみ、朝倉あき、シルビア・グラブ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、鈴木裕美が出席した。シアタークリエ連続上演シリーズ『KERA CROSS』の第1弾となる『フローズン・ビーチ』は、ケラリーノ・サンドロヴィッチが1998年に作・演出を担当し、劇団「ナイロン100℃」公演として新宿・紀伊國屋ホールで初演された舞台。女性同士の心の機微を描く密室劇の傑作として第43回岸田國士戯曲賞を受賞したナイロン100℃の初期代表作とも言われている。その傑作が、人間群像を深く描き切る人気演出家・鈴木裕美の演出によって再演。大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランドにある別荘の一室で繰り広げる女たちの姿を描く。この日まで何日かにわたり本読みを重ね、数日前に配役が決まったというキャスト陣。千津役の鈴木杏は「まさか自分が『フローズン・ビーチ』の世界に入る日が来るなんて思ってもいなかったのですごく不思議な気持ちです。オリジナルキャストの女優さんの皆さんを尊敬してやまないので、すごく光栄であるのと同時に大きな挑戦だと思っています」と話し、「台本を読めば読むほど途方に暮れてしまって、泣き出してしまいそうなので、この作品でしか出会えないキャストの皆さんととことん苦しんでとことん楽しみ、私たちの見える新しい『フローズン・ビーチ』の景色を探したいと思っています」と意欲を見せた。本作で初舞台となるブルゾンちえみは、市子を演じる。「お話を聞いてシンプルにうれしくてワクワクしたのが一番最初でしたが、いろんな事を知れば知るほど『私で良かったのかな?』と思いました。生まれたての赤ちゃんに高級料理を食べさせるような有り難みが分かるのかという状況で贅沢だと思っています」と恐縮しきりだったが、「逆に知らない分、100%何も知らない状態でぶつかって行こうという気持ちなので、しがみついていきます。本当に頑張るしかないという感じですね」と意気込んだ。劇中ではブルゾンちえみ扮する市子に振り回される千津役の鈴木は、ブルゾンちえみの印象について「この人に頼って行こうと思えるぐらい頼りがいのある方なんです。どっしりと構えてくださる方で、鈴木裕美さんに怒られたらブルゾンさんの後ろに隠れようと思っています」と話し、朝倉も「本当にすごく素敵で可愛いんです」と称賛。するとブルゾンは「皆さんブルゾン推しで(笑)」と照れ笑いを浮かべながら「本当にネタの方で持ってきた刀で戦うしかないですね」と決意をにじませると、鈴木は「その強さってありますよね。1人で見られる、with bも含めて3人で見られる経験があれば、舞台でも全然大丈夫だと思いますよ」と太鼓判を押していた。舞台『フローズン・ビーチ』は、7月12~14日(プレビュー公演)に神奈川・社のホールはしもと・ホール、7月25日に新潟・長岡市立劇場 大ホール、7月28日に福島・いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール、7月31日~8月11日(8月5日は休演)に東京・シアタークリエ、8月16~18日に大阪・サンケイホールブリーゼ、8月21日に静岡・静岡市清水文化会館マリナート、8月23日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、8月28日に高知・須崎市立市民文化会館 大ホール、8月31日に高松・レグザムホール(香川県県民ホール)小ホールにてそれぞれ公演される。
2019年05月14日タレントのマツコ・デラックス、フリーアナウンサーの川田裕美が13日、都内で行われた資生堂の化粧品『薬用 ケアハイブリッドファンデ』発表会に出席した。資生堂ジャパンは、ファンデーションと薬用スキンケアを融合した資生堂「薬用 ケアハイブリッドファンデ」を発表。 それに伴い、CMキャラクターにマツコ・デラックスを起用した新CM「ケアハイブリッド誕生」編が3月21日より全国で放映される。「年間3500時間のファンデタイムで、素肌までキレイに。」をテーマにした同CMは、いくつもの女性の肖像画が並ぶ不思議な部屋にいるマツコ・デラックスが、同商品の効果を知って驚きを見せるという内容となっている。化粧品のCMは初出演となるマツコ。「資生堂がこんなことして良いの? 資生堂だからオカマが出る? IKKOさんも出てたけど、オカマ好きの会社なのね」と言いたい放題だったが、「資生堂さんのCMに出させていただくなんて、いつ死んでも良いですよ。色んなことに気づかせてもらったわ。その頃だったら出られないけど、だいぶ敷居が低くなって有り難いわよ」と独自の表現で喜びを表した。自身の意見も取り入れたというCMについて「どうやったら売れるかは資生堂さんの方が知っているわけだから、わがままって訳ではないのよ」と言い訳をするも「一緒に協力したわ。頑張りましたよ」とやり切った様子。また、市販される前に使用したという同商品の効果は「忙しくてストレスがある46歳のオヤジがこの肌を意地しているのはこれですよ」と驚きの表情で「皆さん買ってよ! 本当に買ってね! それが全てです。本当にいい商品なんだから!」とアピールした。イベントの後半にはフリーアナウンサーの川田裕美も登壇。忙しくてメイクをおろそかにしてしまう川田にマツコは「前の日にケアしなかったとしても、これで変わるってことよ。美容液だから働く女性向き!」と同商品をすすめ、川田の年齢(35歳)を聞いたマツコは「これからが大変よ。35歳ぐらいまではどうにかなるんだから」とアドバイスを送って同商品をプレゼント。喜んだ川田から「明日から使います! テレビ映りがよくなりますかね?」と問われたマツコは「良くなるわよ。でもスキップは止めないでね」と話し、「本当、可愛いのね。昔の80年代のアイドル顔だよね。本当にこんなに可愛いなんてビックリした。テレビ映り微妙なんだな」と言いながら初対面の川田を賞賛していた。
2019年03月14日フリーアナウンサーの川田裕美が8日、東京・新宿の紀伊國屋書店 新宿本店でエッセイ本『あんことわたし 日日大あん吉日』(発売中 1,300円税抜き ぴあ刊)の発売記念イベントを行った。2015年に読売テレビを退社後、フリーアナウンサーとして活動している川田裕美の初めてとなるエッセイ本は、好物というあんことともに歩んできた半生のほか、あんこへの愛やアナウンサーという仕事に対する思いなどを、自身の言葉で綴っている。初めてのエッセイを出した感想として川田は「自分が本を出せるとは思っていなかったので、出来上がるまで現実味がありませんでしたが、無事完成して安心しています」と安堵の表情を浮かべながら「読んだ方からの感想も続々いただきまして、一つ一つ読む度に作って良かったなと思っています」と満足げ。「自分の半生といってもそんなに中身がないんじゃないかと思っていたのでページが埋まるか不安でしたが、食べ続けてきたあんこのことを書きたいと思ったら書きたいことがいっぱい出てきてまとめるのに苦労しましたね(笑)」と苦労も語った。さらに「あんこの情報や自分の半生以外にも就職活動で感じたことや宮根誠司さんをはじめ皆さんから学んだことも書いていますので、ぜひ読んでいただけたらと思います」とアピールした。幼稚園に入る前からあんこが大好きだという川田。「もう止まらないですね。一生止まらないと思いますよ(笑)。1日必ず1回は何かしら食べています。ポリフェノールや栄養価も高いので、だから健康なのかなという気もします。最近は登山にハマっていて、山を登ってからのあんこがまた格別なんです」と笑顔を見せた。また、同エッセイ本の帯には指原莉乃のコメントも書き記されている。「さっしーもあんこが大好きで、お食事に誘ってくれたりします。だからさっしーには読んでもらいたいし、感想を聞きたいと思いました。そしたら『すごく家族に会いたくなった』と言ってくれて、うれしかったですね」と感謝の言葉を口にしていた。
2018年10月09日「中学のときにね、気になる女のコがいたんですよ。彼女は、当時、札幌オリンピックで銅メダルを取ったフィギュアスケートのジャネット・リン選手に似てて、学校中の男子が憧れたかわいらしいコでした。僕はもやもやしてたんですけど、ある日、意を決して電話で告白しようと思ったんです」 主演作『シラノ・ド・ベルジュラック』にちなんだ青春の思い出を話してくれた吉田鋼太郎(59)。今回、フランス古典の名作に挑む。 本作は不憫な三角関係を描く純愛物語。剣豪で詩人のシラノは、美人のロクサーヌに思いを寄せるも、醜い容姿を気にして告白できない。一方、彼女は誠実な美男子・クリスチャンに恋心を抱く。彼も彼女に気持ちが動くが、口下手で進展しない。そこで、シラノは彼に代わってロクサーヌに愛の詩を贈ることに……。 さて、吉田自身の告白のゆくえは? 「彼女の家に電話したはいいけど、とっさに彼女のことを好きな別の男子の名前を出して『あいつがあなたのことを好きだと言ってるよ』って言ってしまって。自分の気持ちは伝えられなかったんですよ。ダメだなぁ、俺……。しかも見事にビンゴ!お互いに気があったらしく、2人は付き合い始めちゃった。おいおい、何やってんだ、俺!?(笑)」 本作と重なるエピソードだ。男たちの心をつかむ美しいロクサーヌ役は、黒木瞳。吉田自ら推薦した。 「黒木さんは大好きな女優さんで、映画『嘘を愛する女』では、同じシーンには出ていないんですけど、今治市のロケを見に行きました。そして、もう1人僕が推薦した演出家の鈴木裕美さん。彼女は微に入り細に入り演出がわかりやすいんですよ。体を鍛えて節制して、立ち回りとせりふ、役者に要求される2つの要素を見事にやり遂げなければと思います」
2018年05月21日「トイレでもお風呂でも、つねに台本を読んでいますね。再発見や蓄えのためにジャンルを問わず読書も。『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』や『こころ』『行人』はいつも結局は再トライしても途中で投げ出しますけど」 そう語るのは、舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』で主演を務める吉田鋼太郎(59)。今回、フランス古典の名作に挑む。 本作は不憫な三角関係を描く純愛物語。剣豪で詩人のシラノは、美人のロクサーヌに思いを寄せるも、醜い容姿を気にして告白できない。一方、彼女は誠実な美男子・クリスチャンに恋心を抱く。彼も彼女に気持ちが動くが、口下手で進展しない。そこで、シラノは彼に代わってロクサーヌに愛の詩を贈ることに……。 男たちの心をつかむ美しいロクサーヌ役は、黒木瞳。吉田自ら推薦した。 「黒木さんは大好きな女優さんで、映画『嘘を愛する女』では、同じシーンには出ていないんですけど、今治市のロケを見に行きました。そして、もう1人僕が推薦した演出家の鈴木裕美さん。彼女は微に入り細に入り演出がわかりやすいんですよ。体を鍛えて節制して、立ち回りとせりふ、役者に要求される2つの要素を見事にやり遂げなければと思います」 ’16年に亡くなった蜷川幸雄演出の舞台『ムサシ』の上海公演を成功のうちに終え、休む暇なく本作の稽古に入った吉田。オフの日はどのように過ごしているのだろう。 「レンタルビデオ店に出向くことなく、Netflixで黒澤明監督や小津安二郎監督の映画を見ています。最近は韓国映画も面白い。『ヒマラヤ地上8,000メートルの絆』には気合入ってましたよ」 そんな彼も、来年で60歳に。今年は50代最後の年だ。 「来年は還暦ですよ。休ませてくれぇ、もうおじいちゃんなんだから(笑)。健康のために生後9カ月の犬の散歩を朝晩の日課にしているんです」 “鋼”に似合わず弱気な発言なのだった。
2018年05月21日120年の時代を超えてなお、上演され続けるエドモン・ロスタンの純愛物語『シラノ・ド・ベルジュラック』。舞台は17世紀のフランス。剣の達人で詩人のシラノは誰もが認める男の中の男だが、自分の醜さを恥じて愛する従妹ロクサーヌに本心を伝えられない。詩を愛する美しいロクサーヌは、若くハンサムな軍人クリスチャンと惹かれあう。ふたりから信頼されるシラノは恋の仲裁役となり、愛をうまく言葉で表現できないクリスチャンに力を貸す。彼からロクサーヌへ渡す手紙に自分の真の想いを託して…。「シラノ・ド・ベルジュラック」チケット情報シラノには吉田鋼太郎、ロクサーヌは黒木瞳、そして大野拓朗と白洲迅がWキャストでクリスチャンを演じる。2016年の『花より男子The Musical』に続く鈴木裕美の演出で、2年ぶりの舞台となる白洲が来阪。稽古開始を控え、その思いを語った。「久しぶりの舞台なので、すごく新鮮です。吉田鋼太郎さん、黒木瞳さん、おふたりの強いエネルギーを感じながら舞台に立てることが一番の楽しみでもあり、怖くもあります。でも、すごい経験だと思うので挑戦ですね。やるしかないという気持ちです」と意気込みを語る白洲。演じるクリスチャンについては「とにかく純粋だと思う。とても熱い情熱を抱く一方で、ちょっとオバカなところも(笑)。登場人物の中で一番おもしろいキャラクターだと思うので、おもしろく、可愛く、愛されるおバカなキャラクターをコミカルに演じたい」。会見でスラスラとしゃべっているように思うが、実はそうではなかった。ロクサーヌへの想いを言葉に出来ないクリスチャンに、白洲は「とても共感します」と言う。「僕も本当に口ベタで、そのまんま。基本は人の話を聞いていたいんですよね。自分の話をするのは、恥ずかしくなってしまうので、あまり得意じゃないんです」と、シャイな一面も。今回の上演台本はマキノノゾミと鈴木哲也。演出の鈴木と共に、これまでにない『シラノ』を創り上げるとか。「今ふうの若者言葉とかも入ったりするので、より伝わると思います。古典の戯曲ですが、現代的なシラノになると思うので楽しみにしていただきたいですね」。白洲は舞台が好きだ。「稽古の時間も数多い公演の回数も、それだけチャレンジする場があるということ。これだけ時間をかけてひとつの作品を作っていけるのは、すごく贅沢で幸せな時間。お客様の前に立てることを心から幸せに思い、楽しみに感じています」。公演は、5月15日(火)から30日(水)まで東京・日生劇場、6月8日(金)から10日(日)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2018年04月06日1月11日、新国立劇場2018/2019シーズンのラインアップ説明会が行われ、舞踊芸術監督の大原永子、次期演劇芸術監督の小川絵梨子が、それぞれ新シーズンの方針を語った。4期目を迎える舞踊芸術監督の大原は英国ロイヤル・バレエで初演され、演出の斬新さや多様性ある振付で注目を集めた『不思議の国のアリス』をオーストラリア・バレエと共同制作のもと、日本のバレエ団として初めて上演することを発表。『くるみ割り人形』『シンデレラ』など新国立劇場を代表するような演目も並ぶ。また、新国立劇場バレエ団所属のダンサーたちの成長にも触れ、「彼らの踊りをみてほしい」と語る。さらに海外で実力をつけたダンサーたちのなかにも、この劇場に立ちたいと熱望している人々がいることを明かし、「20年の歴史は海外のナショナルバレエ団に比べると浅いけれども、一生懸命走って追いつこうとしている」と話した。30代にして演劇芸術監督に就任した小川は「幅広い観客層に演劇を届ける」「演劇システムの実験と開拓」国内外の作り手との交流による「横の繋がり」を方針に掲げ、全キャストをオーディションで選ぶ鈴木裕美演出の「かもめ」、1年間をかけて作品を育てていく「こつこつプロジェクト」など特徴ある試みを発表。かねてよりファンだったという少年王者舘の新作公演や、同世代で信頼をおいている上村聡史演出によるギリシャ悲劇「オレステイア」の日本初演など、魅力的な演目が並ぶ。また、小川自らの芸術監督就任後初演出作品としては登場人物が3人のみのデイヴィッド・ヘアの「スカイライト」を蒼井優主演で上演することも発表された。オペラ部門の芸術監督に就任する大野和士は「オペラ、バレエ、演劇の部門を横断し、ひとつの作品をそれぞれで上演するようなこともできたら」と新たなコラボレーションが生まれる可能性を示唆。新シーズンを迎える新国立劇場に期待が募る。説明会後の演劇記者懇親会に参加した小川は「自分の任期だけでなく、50年後を見据えて長い目で取り組みたい」と表明。上演の有無さえ決めず、じっくりと時間をかけて作品と向き合う「こつこつプロジェクト」について問われると「自分も参加したいほど。私自身、千秋楽の日に“ここから稽古を始めたい”と思うことがあるんです!」と熱弁。さらに「たくさんの観客を呼べる公演と、練り上げることを第一とした公演、両極端のものをやりたい。それは決して相反するものではないとも思う」と意欲を見せた。2018/2019シーズンは10月からスタートする。取材・文/釣木文恵
2018年01月12日テキスタイルデザイナー・鈴木マサルの展覧会「鈴木マサルのテキスタイル展 - 目に見えるもの、すべて色柄 - 」が、2017年12月9日(土)から2018年1月14日(日)まで、福岡・三菱地所アルティアムで開催される。自身のブランド「オッタイピイヌ(OTTAIPNU)」に加え、マリメッコなど国内外のメーカーやブランドでもデザインを手がけている鈴木マサル。鮮やかで奥行きのある色彩、そしてユーモア溢れるモチーフとダイナミックな構図がもたらす不思議な世界観にファンも多く、2012年からは各地で展覧会を開催し、好評を博している。福岡では初開催となる本展では、展覧会タイトルにもある"目に見えるもの、すべて色柄”をテーマに、彼がこれまでに発表してきたテキスタイルや傘、ラグ、ファブリックパネルなど、約100点の作品を展示。四方の壁、床、空間の全てが、鈴木マサルの色と柄で埋め尽くされる。なお、会期序盤には、デザインジャーナリストの高橋美礼を聞き手に迎えたトークショー、テキスタイルでオリジナル缶バッジを作るワークショップが開催されるほか、併設ショップ内ではオッタイピイヌのアイテムや書籍も販売する。【開催概要】「鈴木マサルのテキスタイル展 - 目に見えるもの、すべて色柄 - 」開催期間:2017年12月9日(土)〜2018年1月14日(日)※12月31日(日)、1月1日(祝)は休館日会場時間:10:00〜20:00入場料:一般 400(300)円、学生 300(200)円、高校生以下 無料※( )内は前売り料金/チケットぴあ・10名以上の団体料金※アルティアムカード会員・三菱地所グループ CARD(イズムカード)会員無料※再入場可■トークショー日時:2017年12月16日(土)時間:開場 13:45〜、開演 14:00〜 およそ90分会場:セミナールームA(イムズ 10F)参加費:500円 ※入場料は別途定員数:60名(自由席・要予約)予約TEL:092-733-2050(アルティアム)※予約開始は12月1日(金)より■ワークショップ日時:2017年12月17日(日)受付時間:13:00〜15:00会場:会議室(イムズ 8F)講師:鈴木マサル参加費:1つ 800円 ※限定100個(無くなり次第終了)※混雑状況によって、整理券を配布する場合あり
2017年11月10日クラフトバンドの開発・販売を手がけ、作り方の教室も営む〔M’sFactory(エムズファクトリー)〕の代表・松田裕美さん。クラフトバンドとは紙製のバンドで、バッグなどの手芸品に使う材料。〔M’sFactory〕ではオリジナルのクラフトバンドを開発していて、豊富なカラーバリエーションが人気の理由です。かつては専業主婦だったという松田さんに、クラフトバンドとの出合いから極めるまでの道のりと、手作りする魅力についてお話を伺いました!“誰かのために作る”のがハンドメイドの楽しさ——〔M’sFactory〕が発信するクラフトバンドの作品は、“手芸”の域を超えたアートですね!松田裕美さん(以下、松田さん):ありがとうございます。紙のバンドとはいえ、応用の幅が広くて、実はいろいろできるんです。——クラフトバンド自体は、以前からあるものなんですか?松田さん:はい。もともとは、古くからある梱包用の紐でした。それが加工され、ハンドメイドの材料になっていったんです。ただ、いわゆる再利用の“エコバンド”のようなものが主流で、おしゃれとは言い難いものでした。——そうなんですね。まずお聞きしたいのですが、松田さんが思うハンドメイドの魅力とはなんでしょうか。松田さん:さまざまなジャンルのハンドメイドがあると思うのですが、共通することは“作る喜び”だと思います。誰かのために創作する、それを贈るという喜びもまたあります。——自分のためのものというよりは、ギフトですね。松田さん:はい。受け取った人が喜ぶ顔を想像しながら作っている瞬間が、実は一番楽しいと思うんです。「あの人は紺色を好んで着ているから、似合う色でバッグを作ってあげよう」と思い描きながらみなさんも作っていらっしゃるのではないでしょうか。——作る過程と手渡す瞬間、どちらもハンドメイドの魅力であると。松田さん:私は、贈り物はただやみくもに高級なものを買ってくればいい、と思っていません。包装紙のまま渡されるより、「あの人が私のために時間を割いてくれた」と伝わる方がインパクトも大きいですよね。そこで使えるのが、ハンドクラフトを用いたカゴやバッグです。——なるほど!松田さん:クラフトバンドなら、小さなカゴ1つが2時間ぐらいでできますし、材料代も500円ほど。そこにフルーツや、ちょっとしたクッキーを焼いて入れるのはどうですか?それが市販のクッキーでも、手作りのカゴに入って入れば、ぐっと価値が高まりますよね。さらに小物入れとして二次利用もできます。——形として残るのはいいですね。松田さん:見るたびに「これは、去年あの人が私の誕生日に編んでくれたもの」と、ずっと思いが残るでしょう?クラフトバンドで作ったものは、紙なのですが、何年でも使えるのがすごく良いところなんです。“手芸嫌い”の松田さんが協会を立ち上げるまで——松田さんご自身は、もともと手を動かすというか、何か作ることがお好きでいらしたのですか?松田さん:実は……私は“手芸”が大嫌いで(笑)。編み物も縫い物もできなかったんです。——意外ですね!松田さん:学生時代は家庭科の裁縫の授業が、もう本当に大変!針に糸を通して何か縫うとかボタン付けがとにかく嫌いで(笑)。子どもに持たせる学校の雑巾など、作るのに苦労しました。専業主婦になってからは、ビーズが流行ったら試して……とあれこれトライしてみたのですが、ダメですね。——そんな松田さんがどうしてクラフトバンドに目覚めたのでしょう!?松田さん:私、工作は得意だったんですよ。牛乳パックやダンボールで何かを作ったりする方が好きでした。“編み棒よりはノコギリ”というタイプですね。そしてクラフトバンドには、工作の要素があるんです。というのも、針や糸は必要ないし、使うのはほぼハサミとボンドだけ。——なるほど!工作の感覚。松田さん:クラフトバンドが広く受け入れられている理由も、そこかもしれませんね。道具が少なく、しかも手軽。“安い・早い・簡単”が特徴です。クラフトバンドの師匠を求めて静岡まで走る!——松田さんが、クラフトバンドに初めて触れたのはいつですか?松田さん:きっかけは、上の子が小学生の時に住んでいた地域での、PTAの集まりでした。同じクラスのお母さんたちで月に1度集まって、お茶をしながら何かを作る会があったのです。「手芸か……」と渋々足を運んだのですが、渡されたのは、紙のヒモとボンドとハサミ。「バッグを作りましょう」と言われて、私の大好きな木工用ボンドを使ってたった2時間でバッグが完成したのです。「これが材料費500円!?」とすごく感動してしまって。そこからクラフトバンドを使ったバッグの大量生産の日々が始まりました。——出会ってすぐにハマってしまったんですね。松田さん:当時は専業主婦だったから、暇な昼の時間をバッグ作りに費やしました。お世話になった方や、お姑さん、近所の人に編んであげたり。主婦のお小遣いは少なくて、贈り物に何か高いものを買う余裕もありませんでしたから。——松田さんの作品は、代官山あたりのセレクトショップで、数万円で売っていてもおかしくないクオリティだと思います。松田さん:バッグやカゴに限らず、コースター、ペン立て、ごみ箱など、家中のものがたいてい編めますよ。強度も特徴なんです。椅子のカバー、屏風なんかも編んでみました。何でもできることがわかると、楽しさはどんどん広がっていきます。——この棚にはまる収納グッズが欲しいけど、100均にも売っていない……という時に、ぴったりのサイズの収納を自分で作ることができるのですね。松田さん:そうです。私の場合は、はじめはハウトゥー本で学び、徐々に独学で作り進めていきました。でも、それでは何種類も編めません。周囲に「教えてほしい」という人が増えてきたのですが、そもそも教えるほど自分に技術がなく愕然として……。——独学から、教室を開いたのですか?松田さん:いえいえ!最初は友人相手のボランティアでした。そもそも友達からレッスン料を取るのはどうかと思っていましたし、資格もないくせに……と自信のなさもありました。それが、「もっとこういうものは教えられないの?」と友人からの要望が増えていったんです。そこで、クラフトバンドの材料の仕入れ先だった工場の社長さんに、「資格が欲しいのですが、編み方を教えてくれる先生はいませんか?」と相談しました。そうしたら、静岡に名人がいると。——静岡!?松田さんのお住いは千葉ですよね?松田さん:でも、静岡にすごい先生がいる、お免状を出してくれるかどうかわからないけどきっと教えてくれると聞いたら、居ても立っても居られなくて。夫に内緒で通うわけです。静岡まで、毎月。——もしかして日帰りで!?松田さん:ええ(笑)。朝の6時に主人を見送り、そこから急いで支度をして、子どもをおぶって新幹線で行きました。でも夕方には戻らないと、上の子も学校から帰ってきてしまうから、滞在2時間ぐらいで習って帰ってきて、先生からの宿題をやって、また翌週行って、というのを半年ほど続けました。——お免状はもらえたんですか?松田さん:はい。正式なものは世の中にはなかったのですが、先生が、「どうしても」と言う私に手書きのお免状をくださいました。——すごい情熱です!松田さん:静岡の先生には13種類の編み方を習いまして、いよいよ教室を開きました。会費は500円。やっとスタートです。でも、すぐに行き詰まるんです。私が半年で習ってきたことは、半年後には生徒さんが追い付いてしまいますから。それでまた「あれっ?」となりました。資格まで取ってきたのにこれは困った、と。そこで自分で協会を立ち上げる決意をしたのです。13種類ぐらいでは全然お話にならないからもっと編み方を考えよう!と。——それが現在の〔M’sFactory〕の礎(いしずえ)ですね。松田さん:編み物というのは世界中にいく通りもあります。バナナの葉で編んだ屋根や、木の皮やツルなど、どんな国にも“編む”技法があるんですね。世界中の編み方を集めて調査を始めました。あれこれ取り寄せ、自分で解体しては編み直して。半年がかりで100通りの編み方を1冊のテキストにまとめたのです。それを持って協会を立ち上げました。——100通りもですか!松田さん:それだけあれば、組み合わせが無限に広がっていきます。テキスト1冊をマスターしていただければ、ハンドクラフトで編むには一生困らないだけの知識が身に付きます。——応用していけばいいわけですね。松田さん:協会と同時に会社も立ち上げ、今年でちょうど15周年。今になって思うのですが、よくやったなあと思います。もともとは専業主婦の身でしたから。とにかく夢中で、辛いとは思いませんでした。——現在はたくさんの講師の方を育成されていますよね。松田さん:私がそうだったように、ビジネスを退いて主婦をしていても、ブランクがあっても、手に職を付けられる女性がもっと増えるように、協会を立ち上げたんです。実際、リタイア後に60歳から教室に通い始めて先生になった方もいらっしゃるんですよ。今うちで最高齢の先生は90歳です。——それはすごい!そんな風に“第二の人生”を始められるってステキです。松田さん:女性の人生って長いですよね。しかも途中には、就職、結婚、出産、退職、子育て、介護、自分の病気……とさまざまな出来事があります。そこで、うちの教室のコースは途中でお休みしてまた復帰できるようにしてありますし、価格もなるべく抑えているんです。カラーとネーミングは女性社員のアイデアの結晶——誰もが取りかかりやすい点もやはりクラフトバンドの魅力と言えますか?松田さん:そうですね。ハサミとボンド、固定するための洗濯バサミ。全部100均で買えます。作業する場も汚れないし、材料費も安い。私がこだわったのは、まさに“特別なものはいらない”ところです。——〔M’sFactory〕の特徴は、何といってもクラフトバンドの豊富なカラー展開ですよね。松田さん:現在は約200色ほど展開していて、業界でもここまで色を持っている会社はうちだけだと思います。——微妙なニュアンスのパステルカラーなどは、社内でアイデアを出し合って開発しているんですか?「イチゴチョコパイ」や「オレンジミルフィーユ」など、ネーミングもユニークです。松田さん:社員は全て女性なのですが、みんなに色や柄のアイデアを出してもらい、多数決で新色にするかを決めています。おいしそうな名前のものが目立ちますよね(笑)。——初めてハンドクラフトで何かを作る場合、どんなものがいいでしょうか。松田さん:小さめのバッグやカゴでしたらそれほど大変なことはなく、初回でも2時間ほどでできます。次のステップで、ちょっと難易度の高い“網代編み”に挑戦していただくと、また違った風合いのものができて楽しいですよ。かつて教室はご高齢の方が多かったのですが、近ごろは、「インスタ映えするから」と若い女性も増えています。——リミアユーザーのみなさんにもぴったりと言えそうです!松田さん:取りあえず手始めに、何かを作ってみていただきたいです。続けていくうちにアレンジができるようになって、楽しさが増していきますから。——ありがとうございました!【松田裕美(まつだひろみ)】株式会社M’sFactor代表取締役/クラフトバンドエコロジー協会会長。著書は『今日がときめくかご&バッグ』『クラフトバンドで作る毎日使いたいかご&バッグ』(きこ書房)など多数。M’s Factory●聞き手藤島由希●カメラ柏木鈴代
2017年10月11日子供から大人まで楽しめるブロードウェイミュージカル『フロッグとトード~がま君とかえる君の春夏秋冬~』が7月23日(日)に初日を迎える。その公開稽古と囲み取材が行われ、取材には川平慈英、鈴木壮麻、戸井勝海、中山昇、宮菜穂子、樹里咲穂、演出・鈴木裕美が登壇した。ブロードウェイミュージカル『フロッグとトード』チケット情報本作は、小学生の国語の教科書でもおなじみの人気絵本『ふたりはともだち』(著:アーノルド・ロベール)が原作の人気ミュージカル。2匹のかえる“かえる君”と“がま君”のおかしくも心温まるやりとりが描かれ、日本では5度目の上演となる。キャストの川平、中山、宮は初演から続けての出演、鈴木と樹里は2015年公演から2度目の出演、戸井は初出演。ガマガエルのがま君(川平)とアマガエルのかえる君(鈴木)が冬眠から目覚め、再び冬眠するまでの1年間を描く本作。公開稽古では、冒頭部分~前半の4シーンが披露された。原作絵本の雰囲気を再現したセットに、楽しい音楽と賑やかな会話で物語は展開していく。川平と鈴木が演じる2匹のかえるは素直で無邪気で実に魅力的。お互いが大好きな2匹のやりとりは愛らしく、見ていると思わず笑顔になる。そして、鳥やネズミ、カタツムリなどを次々と演じ、テンポよくかえるたちに茶々を入れるのは樹里、戸井、中山、宮。本番ではさらにさまざまな生き物を演じ、舞台をより楽しいものにする。稽古後の囲み取材では、まず演出の鈴木裕美が「新しくもう1回つくり直そうという感じで稽古できて、とても楽しいです。今回は、物語の魅力をより力強く、よりストレートにお伝えできるのでは」とコメント。キャスト陣は意気込みを聞かれ「5回目の出演にしてやっと理解できるシーンがたくさんあって(笑)。前回までは1シーン1シーン力技で、肩ひじ張ってみせてたんですけど、今回、頭から最後のエンディングが自分の中で一本繋がって、その波に乗れば、あとは自分が楽しむだけにやっとなれました」(川平)、「僕は2回目なんですけど、前回、死にもの狂いだったところから少し経って、自分の中で消化することができた部分などもふまえての今回です。今回もいろんな土地を回って、子供たちからおじいちゃんまでいろんな人にエールをもらいながら、この小動物の世界にみんなで共感していきたいなと思っています」(鈴木壮麻)。川平が「今は鎧を着ないと生きていけないような世の中だけど、この作品を通して少しでも、他人をあるがままで受け入れる寛容さややさしさを感じてほしい」と語る本作は、7月23日(日)の埼玉・志木市民会館パルシティを皮切りに全国で上演。東京では、東京芸術劇場 プレイハウスで8月16日(水)から20日(日)まで。取材・文:中川實穗
2017年07月20日アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が26日、東京グローブ座で行われた主演舞台『蜘蛛女のキス』フォトコール及び囲み取材に、共演の渡辺いっけい、演出の鈴木裕美とともに登場した。今回が初の単独主演舞台、初のストレートプレイ挑戦となる大倉。「今日は初めてづくしで。フォトコールも、(カメラが)パシャパシャいう中で芝居するのも初めてで、やばかったですね。くじけそうになりました。何回も」と語った。演出の鈴木とも初となるが「風の噂で厳しいと聞いていたのですが、ぜんぜん優しいというか、すごく熱心に演出してくださって」と感謝。鈴木は「稽古に入るまでに脅しすぎたので、稽古はもう脅さないようにしようと思いました」と説明した。大倉は鈴木から事前に「ちょっとした手紙」をもらっていたことを明かし、「『頭の良さも必要で、理解力もなければ難しいもの』だと聞いた瞬間は、足の力が抜けそうになりました」と振り返る。しかし「難しいと言われるほど『よしよし』と思うようにしました」と気持ちを語り、「やってても難しくて、わからなかったりすると、どんどん落ちていっちゃうので。落ちないように、頑張れって言いながら」と稽古中の気持ちを思い返していた。その様子をそばで見ていたという渡辺は「裕美ちゃんの物腰は柔らかいんだけど、言っていることのレベルがどんどん上がっている。とんでもないレベルのことをやってくれと言ってるのに、大倉くんはそれを『はい、はい』と受け止めていたので、すごい」と絶賛。鈴木も「初めてなので大倉くんだけがわかってないんですけど、実はすごいレベルの高いことを言っていて。案外とんでもないことを要求しててもしれっとやってしまっている」と褒めると、大倉は「今、聞きました」と驚いていた。改めて大倉は「『はい』って言いながらわかってない時はいっぱいありましたよ」と苦笑。「一体何を言ってるんだろう、でもやってみるしかない。でもやっているうちに、近づけたのかなみたいな感覚はありました。そういう積み重ねでした」と述懐し、「すごく面白い舞台だと思います。そんなに構えずに見ていただけたら」とメッセージを送った。同作はアルゼンチンの作家マヌエル・プイグが1976年に発表した小説をもとに、プイグ自身が戯曲化し、1981年に世界初演されて以来、ストレートプレイ、ミュージカル、映画と様々な形で公開されてきた。ブエノスアイレスの刑務所に収監された若き革命家・バレンティン(大倉)と、未成年者に対する背徳行為で投獄されたゲイの中年・モリーナ(渡辺)によって繰り広げられる会話劇。公演は5月27日~6月18日、東京グローブ座にて上演される。
2017年05月26日アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が26日、東京グローブ座で行われた主演舞台『蜘蛛女のキス』フォトコール及び囲み取材に、共演の渡辺いっけい、演出の鈴木裕美とともに登場した。同作はアルゼンチンの作家マヌエル・プイグが1976年に発表した小説をもとに、プイグ自身が戯曲化し、1981年に世界初演されて以来、ストレートプレイ、ミュージカル、映画と様々な形で公開されてきた。ブエノスアイレスの刑務所に収監された若き革命家・バレンティン(大倉)と、未成年者に対する背徳行為で投獄されたゲイの中年・モリーナ(渡辺)によって繰り広げられる会話劇となり、鈴木裕美が演出を務める。刑務所という設定のため、ヒゲを生やしボロボロの格好で現れた大倉は「こんな汚い格好でテレビに出るの初めてですよ。とりあえず形からということでやってみました。落ち着かないですね。全部が」と苦笑した。渡辺演じるモリーナと心を通わせていくことになるが、演出の鈴木も「究極のラブストーリーではあります」と宣言した。大倉は渡辺とのシーンについて「ちょっとざわっとする感じはある」と答え、「普通、ノンケっていうんですかね? だったと思ってたのに、こういう機会があってということなので」とネタバレを気にして言葉を選びつつ、フラットな雰囲気で渡辺に信頼を寄せている様子を見せた。一方、渡辺は「僕は受け入れるだけ」と大きく構え、「役に入ってるからですけど、一瞬恍惚な感じになりますよね」と大倉とのシーンの心境を説明。大倉について「男の僕が見てもいい男。密着するシーンとか、かなり近いところで目を見合わすところで『いい男だな~』と思いますよ」と語った。また大倉のファンに対しては「代わってあげたいなと思います」と頷き、「1日代わる日を作りましょう。応募してください」と示した。稽古中の渡辺について「甲斐甲斐しいというか」と表現した大倉は、シーンをやり直す際も大倉の持っている小道具を「はい、って戻してくれる。役もそういう感じなんですけど、優しいなあ」としみじみ。渡辺は「『優しいな』って言われるためにやってるとこある」と答え、周囲を笑わせていた。公演は5月27日~6月18日、東京グローブ座にて上演される。
2017年05月26日アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が、舞台『蜘蛛女のキス』の主演を務めることが28日、わかった。俳優・渡辺いっけいとの二人芝居に挑戦となる。同作はアルゼンチンの作家マヌエル・プイグが1976年に発表した小説をもとに、プイグ自身が戯曲化し、1981年に世界初演されて以来、ストレートプレイ、ミュージカル、映画と様々な形で公開されてきた。ブエノスアイレスの刑務所に収監された若き革命家・バレンティン(大倉)と、未成年者に対する背徳行為で投獄された中年・モリーナ(渡辺)によって繰り広げられる会話劇となり、鈴木裕美が演出を務める。大倉は「いつかストレートプレイにはチャレンジさせてもらいたいと思っていました」と心境を語り、「自分が生まれたころに創られたこの世界的に有名な作品に出演させていただくのは、嬉しさと同時に不安も感じています」と告白した。「すごく難しいお芝居なので、演出の鈴木裕美さんに全力でついていきたいですし、ご指導いただきたいと思っていま す」と謙虚に語った大倉。「渡辺いっけいさんはキャリアのある役者さんですので、二人芝居をやらせていただくのはとても光栄なこと ですし、全力でぶつかっていきたいと思っています」と意気込んだ。渡辺も「実に素晴らしい戯曲ですが、演じるのはかなり難しい。当然、尻込みしました」と不安があったものの、「「大倉君もきっと同じ気持ちなのでは……?」と思い至り、「自然と やる気が出てきました」と経緯を明かした。「きっと稽古が始まれば、越えなければならない幾つもの山が待ち受けている事でしょう。でも一つ一つ、お互いを 確認し合い、登って行ければと思います」と展望を見せた。演出の鈴木は同作について「今まで私が演出させて頂いた戯曲の中で、その素晴らしさに於いても、難易度に於いても、 指折り」と説明する。「ストレートプレイ初舞台の大倉さんにとって大変高いハードルであるのは間違いありませんが、 先日お目にかかった時『嘘をつきたくない』と仰っていたので、大変頼もしく感じました」と期待を寄せ、「持てる想像力を最大限に駆使した稽古をする」と宣言した。公演は5月27日~6月18日、東京グローブ座にて上演される。
2017年03月28日フリーアナウンサーの川田裕美(33)が23日、オフィシャルブログを更新し、俳優・綾野剛(35)の神対応エピソードを明かした。「少し前に綾野剛さんが『ピーチCAFE』のインタビューを受けてくださって、お誕生日が近かったことからプレゼントを渡しました」と始まる今回の投稿。川田がレギュラーを務める番組に綾野が出演した際、綾野の誕生日(1982年1月26日生まれ)が近かったため、出演者からプレゼントを渡すことになった。誰が選んだプレゼントかは明かさず、綾野本人に欲しいものを選んでもらった。高級マスク、似顔絵入りの酒などがあり、綾野が選んだのは川田セレクトの「お笑い番組のDVD」。綾野は「何かお返ししなきゃ」と言い、「川田さん、ややあんこバカですもんね!」と川田の大好物が「あんこ」であることを知っていたという。そして後日、同番組の収録現場に届いたのが箱詰めされた大量のあんぱん。川田が載せた写真には10箱以上が写り、「届きました!!」「本当に送ってくださるとは」「こんなに大量に!!」と感激をあらわにする。「しかも、冷やして食べるクリーム入りの生あんぱん」「ありがとうございます!!」と感謝の思いをつづった。ブログには「綾野さんの心遣いに、全員感激!」「ホントありがとうございました」と共に、共演者とあんぱんを頬張る写真も。川田だけでなく他の出演者に対するお返しと配慮に、コメント欄には「アヤノサンドロスさん、優しい」「さすが」「お人柄が出てますね」と絶賛の声が書き込まれている。
2017年02月23日