「年商1000億円に向けて」とニュースに見出しが踊った10月14日の銀座三越のリモデルグランドオープン。2010年の増床リモデルから5年が経過し、売上は当時の約600億円から750億円へと拡大。インバウンドの増加とともに、2020年に向けて周辺は大型商業施設のオープンも続々と控えている。街自体が大きく変化しつつあり、1,000億円は夢の数字ではなく実現可能な目標となった。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋・代表取締役社長が集まった記者たちに「1,000億円は視野に入った」と語った、銀座三越グランドオープン時の会見インタビュー全文。―まず、今回のリモデルに関しての感想はいかがでしょうか?大西:リモデルというのはスポット的に行うというよりも、お客様の変化に対してお応えできているかが全てです。5年前のリモデルで大きな課題だった婦人服の売上が厳しかったことで、結果的に食品のシェアが大きくなってしまいました。今回のリモデルでは婦人服の独自性や編集ショップの強化が課題でしたが、正直、まだ道半ばと言わざるを得ません。この銀座の街で独自性を出していくには、ブランドに頼らない、婦人服の本当の編集平場をもっと作らないといけないと思っています。―その課題とは具体的にどういう部分でしょうか?大西:今回の課題は、5年前に増床した東側4階で大きなブランドを集積して効率が非常に悪かったという部分をどうするか、ということでした。結果的に、その修正がブランドの入れ替わりになってしまったということは否めません。そこは思い切って編集にするとか、本館の3、4階(の自主編集売り場)があるなかで、もう少し自分たちでMDを構成するべきではなかったか、という反省点はあります。―伊勢丹新宿店でできている“独自性”がなぜ、銀座店で実現するのが難しいのでしょうか?大西:難しい質問ですね。お客様のテイストが違うことも事実です。今は商品統括部が横串で通っており、バイヤーがMDを統括しているので、新宿店でやったことを銀座店でということは可能なはずですが、この2年で実施した組織の変更がまだ十分に機能しきれていないということと、後は、ブランドの入れ替えではなく、“独自性”を持ったMDをまず優先して店づくりを行うという強い意志が十分に発揮されていないということだと思います。―自主編集に関して、全体のどのくらいの売上シェアを目標としているのでしょうか?大西:会社全体では仕入構造改革を含めて中期的に25%を目標にしています。ただ、銀座店と新宿店はこれを上回らないといけないと思っています。銀座店では、新館4階のラグジュアリーと本館平場MDの精度向上をどのように行っていくかが鍵だと思っています。―今回のリモデルによって売上はどの程度増加を見込んでいますか?大西:私は5年前に銀座4丁目の角でこの店を構えたら最低1,000億円はやらなければダメだと言いました。当時の店長、統括部長にそれは無理だと言われましたが、今やそれは実現可能な目標となりつつあります。8階にオープンする空港型免税店の売上は公表していませんが、それを含めると現在800億円強は目指せるので、将来的には1,000億円が視野に入ってきていると思います。―2020年に向けて銀座の街が大きく変化してきていますが、その中で銀座三越が目指す方向性は何でしょうか?大西:銀座の街自体が大きく変化しています。以前の銀座は良い意味で整備されて「世界の銀座」と評価されましたが、今は良い意味で多様性のある街になりつつあります。この店を中心に晴海通りの東西の街並みは全然違います。その中心で商売をさせていただいているからには、当社の強みを発揮していかなければいけないと思っています。銀座の街にどう影響を与えるかということも重要ですが、新しいお客様に来ていかなければならないと思っています。ご来店いただいているお客様は年間2,000万人いらっしゃいますが、売上は1,000億円にも満たないということが課題ですので、ご来店いただいたお客様に対して本当に一対一のおもてなしをして、買い回りしていただける環境を作ることが重要だと考えています。―新しいお客様というのはどの層でしょうか?大西:この数年、特に都内東部、湾岸エリアにお住まいの比較的若いファミリーのお客様が増えていますが、銀座は本来商圏が広い場所なので、都内西部のお客様にも来ていただける店作りをと考えています。―今後さらに銀座は来街者が増えることが予想されますが、入店客数はどのくらいの伸びを見込んでいらっしゃいますか?大西:銀座店の店舗面積(約37,000平米)なので、現在の2,000万人を3,000万人にとは考えていません。それよりも一人あたりの購買額を増やすことの方が重要だと思います。婦人服が弱いため、食品のバランスが高くなり、どうしても客単価が下がってしまいます。もっとファッションを打ち出す店にすべきだと考えています。―今回のリモデルにおける外国人観光客に向けての対応はございますか?大西:外国人観光客だけということではなく、対象とするお客さまの関心度を分析して店作りをしなければならないと考えています。現状この店の外国人のお客様の売上は20%を超えており、そのお客様に対応したMD構成にしていきますが、一方的にそちらに向かって対応を進めていくと言うことではありません。そういう意味で、今回のリモデルでは外国人のお客様に関しては、年内にオープンを予定している空港型免税店で対応していきたいと考えていますが、決して外国人のお客様向けの店づくりを進めるわけではありません。―来春にはロッテも市中免税出店というニュースもあり、今後、市中免税店は増えていくと思いますが、市中免税店での三越伊勢丹らしさはどう打ち出していく方針でしょうか?大西:大きな括りの中でラグジュアリーや化粧品というのはありますが、我々らしさということでは「ジャパンプレミアム」をしっかりブランディングしていきたいと思っています。8階の市中免税店は、その初めてのお披露目となる予定なので、我々にしかできない日本の良いモノをどれだけプレゼンテーション出来て、評価いただけるかがロッテさんなど他の市中免税店との差別化になっていくかと思います。Text:野田達哉
2015年10月29日日本橋三越本店5階リビングフロアで、21日より「第1回メゾン・エ・オブジェ凱旋フェア」がスタートした。三越伊勢丹が日本の良品を紹介する「ジャパン センスィズ(JAPAN SENSES)」の一環。メゾン・エ・オブジェは毎年1月と9月にパリで開催されているインテリア・プロダクトデザイン業界の見本市。家具、テーブルウエア、インテリア装飾品などライフスタイルを構成するあらゆるアイテムを対象とし、「メゾン」「オブジェ」「ラグジュアリー、デザイン&空間デザイン」で会場が構成され、毎回3000社以上が参加。8万5000人の業界関係者が世界から来場する。この数年「クールジャパン」のブームと共に、日本ブランドの高いクオリティ、デザイン性が同展でも高い評価を得ており、カルチャーリゾート百貨店を標榜する日本橋三越本店が、日本で初めてとなる「メゾン・エ・オブジェ」の名前を冠して、今回の展示に取り組んだ。5階のリビングステージ(プロモーションスペース)と各売り場で11月3日まで展開され、来年6月には1階の中央ホールでの開催が計画されている。今回、プロモーションスペースに出展しているのは、FEDECA(兵庫・刃物/ナイフ)、服部源ト(京都・インテリア雑貨/モビール)、SUZUSAN(有松・インテリア雑貨/ランプシェード)、NuAns(埼玉・デジタルライフ製品/モバイルバッテリー他)、Qurz(東京・ステーショナリー/ノート、ボックス、定規、コーヒーミルその他)、Sfera(京都・家具・インテリア雑貨/パーソナルファニチャー、インテリア雑貨)横山竹材店(京都・インテリア/竹細工)、花結晶(京都・陶器/食器・花器)、吉川染匠(京都・インテリア/京友禅文様メタル加工アートフレーム)の9社9ブランド。それ以外にも通常のリビング売り場で、 OKUYAMA DESIGNの食器、SUSギャラリーのチタンカップ、BUNACOの木工食器、DENSHIROの茶筒、MARUNAOの箸、UNILLOYのホーロー鍋、SIWAの和紙雑貨、ミマツ工芸のステーショナリー雑貨などが、「メゾン・エ・オブジェ2015」参加ブランドとして展開されている。
2015年10月22日タサキ(TASAKI)が10月14日、銀座三越1階のジュエリーフロアに新店舗をオープンした。タサキ銀座本店、松屋銀座店に続く、タサキにおける銀座エリア3店目となる同店では、ブランドのモダンかつスタイリッシュな世界観が表現された。店内では、タサキのクリエ イティブ・ディレクター、タクーン・パニクガルが手掛ける最新コレクション「キュリオシティ(Curiosity)」や、ジュエリーデザイナーのメラニー・ジョージャコプロスやマリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックがデザインを手掛けたジュエリーなどが展開される。また、オープンを記念して、マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックとのコラボレーションラインであるTASAKI by MHTの「マイ パール(My Pearl)」シリーズから、11月6日に発売される新作ジュエリー「テンダーキス ガーネット(tender kiss garnet)」を同店限定で先行発売された。22Kイエローゴールドや、あこや真珠、ロードライト、ガーネットなどが用いられた同ジュエリーは、ネックレス(66万円)とブレスレット(59万円)の2アイテムで展開されている。
2015年10月21日大東企業は10月26日、「寿司居酒屋 銀座まるし」を東京都・銀座にオープンする。同店は銀座の焼肉店"まるし"ブランドの新業態で、銀座を中心に都内に10店舗を構える「個室会席 北大路」完全プロデュースのもと、新感覚の「寿司×居酒屋」として誕生する。メニューは「特選にぎり盛り(8貫)」(税別1,800円)や「サザエのつぼ焼き」(税別1,000円)、季節商品の「白子ポン酢」(税別600円)、「かき酢」(税別600円)など。総括調理長の監修で、まるしブランドの「品質・パフォーマンス」のこだわりはそのままに厳選した築地の素材を使用した寿司料理を提供する。
2015年10月16日9月より段階的に進められてきた銀座三越の全館改装が10月14日に完成し、リモデルグランドオープンした。今回、オープンしたのは6階紳士服・雑貨フロアと7階リビングフロアで、年内に8階フロアが空港型市中免税店のオープンが予定されている。オープニングセレモニーでは三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長・大西洋、三越銀座店長・浅賀誠と共に前田典子がゲストとして登場。テープカットならぬ、“綱引き”で幕を落とすと白地に銀ロゴののれんが現れ、今年創業85周年を迎える同店の新しい角出を祝った。「長年にわたり、世界の銀座の4丁目の交差点で商売をさせて頂いているということが奇跡にも近いこと。これが終わりではなく、新たなスタートとして世界のお客さんに満足していただける店を目指したい」と大西社長自ら、入り口で入店を待ちわびた顧客を出迎えた。「“最旬グローバル百貨店”のテーマのもと、新しい形の百貨店にチャレンジしていきたい」と話す浅賀店長が、今回のグランドオープンに際し、「是非見て頂きたい」と意気込んだのが7階リビングフロアの情報発信基地「グローバルメッセージ」ゾーン。オープニングを飾った「未来へ繋ぐ茶箱展」は、千利休ゆかりの国宝茶室「待庵」の修復の際に出た古材を使って作られた茶箱に、クリエイターやプロデューサーなどが見立てた作品を10月27日まで展示している。ファッションデザイナーではソマルタ(SOMARTA)の廣川玉枝、マトフ(matohu)の堀端裕之、関口真希子、アーティストの木村浩一郎、シンプリシティ(SIMPLICITY)の緒方慎一郎、プロダクトデザイナーの酒井俊彦、ifs未来研究所の川島蓉子、ハースト婦人画報社社長のイブ・ブゴン、パティシェの辻口博啓、陶芸家の細川護光、内田鋼一など多彩な顔ぶれが参加した。茶の湯のテーマは、それ以外にもジャパンエディションのゾーンで俳優の井浦新の“見立て”による茶道具、工芸品をセレクトしたコーナーも展開。10月23日には購買顧客を対象とした井浦新監修の招待茶会も予定されている。
2015年10月15日14日、リモデルグランドオープンした銀座三越6階に、デンハム(DENHAM)とブラックバレット バイ ニール・バレット(BLACKBARRETT by NEIL BARRETT)、マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)などが新たにオープン。従来7階で展開されていた、コムデギャルソン オム ドゥ(COMME des GARCONS HOMME DEUX)なども同フロアに移設オープンした。カジュアルなプライベートシーンを演出する6階メンズフロアのシティスポーツ、シティリラックスゾーンに新規導入されたもので、デンハムは今シーズンの立ち上がりから好調なデニムアイテムを牽引するブランドとして伊勢丹メンズ館でも好調。ブラックバレット バイ ニール・バレットは伊勢丹メンズ館に次いで国内2店舗目の展開となり、そのモードな世界観がインバウンド顧客にも高い支持を得ている。今回、両ブランドが新たに加わったシティスポーツの売り場は「都会的でスポーティなスタイリングが、銀座らしいツヤ感のあるブランド」(井染尚二バイヤー)を中心に新たにゾーニング。従来から展開されていた、ハイドロゲン、ディーゼル、セオリー、ジョゼフ オム、マッキントッシュ・フィロソフィー、ブラックレーベル・クレストブリッジ、23区オム・アルジャンで構成。中でも、23区オム・アルジャンは、今回新たに全アイテムが銀座三越との共同企画となる商品となり、ブランドも「アルジャン=銀」とネーミングされた。また、ジョゼフ オムはエスカレーター前のプレゼンテーションスペースで本国で展開されているカフェで出されているのと同じコーヒーマシン、コーヒー豆を使ったドリンクサービスを実施。英国ウィークに合わせブックセレクションのコーナーも設置され、カルチャーを含めた提案が図られている。マーガレット・ハウエルが導入されたリラックスカジュアルゾーンは、ネイビーとホワイトをキーカラーにシーズンを問わずコンフォートなアイテムを揃える編集ゾーン。クロ、ブルーブルー、サイドスロープといったデニムやインディゴ、ニットなどで独自のモノ作りを展開するジャパンブランドと、AG、スリードッツ、フランクアンドアイリーンなどのインポートブランドでMDが構築されている。今回のリモデルオープンに合わせて銀座三越限定アイテムも数多く登場。カナダグースからは人気モデルの「ブルックフィールド」をシティリラックスのキーカラー、ブルーに合わせて限定で展開。その他、デンハム、ディーゼル、セオリー、ブラックバレット バイ ニール・バレットなどでも限定アイテムが用意されている。(Vol.03へ戻る)
2015年10月15日「松屋銀座」「三越銀座店」「プランタン銀座」「銀座・和光」(いずれも東京都中央区)は10月21日~11月3日、「GINZA FASHION WEEK(GFW)」を各店舗で実施する(プランタン銀座のみ10月22日から開催)。同イベントは、「世界のGINZAからファッションで日本を元気にする」を目的に、銀座から世界に向けて旬のファッションを発信していく企画。今回で9回目の開催となり、将来的には銀座地区全体の取り組みに規模の拡大を目指していくという。今回も、各店舗が「JAPAN」をテーマにさまざまなイベントや商品を用意。そのほか、銀座「オータムギンザ2015」とのコラボレーション企画も開催する。松屋銀座のテーマは「JAPAN POWER」。婦人服・婦人雑貨のテーマは"Ginza White"で、白の着こなしを提案する。紳士フロアは「MADE IN JAPAN」で、日本のクラフトマンシップにあふれた紳士服・革小物などを紹介する。食品・リビングでは岩手県に注目し、漆器文化や商品を紹介。岩手県産漆を使って仕上げた安比塗漆器工房の器などを販売する。三越銀座店は「JAPAN SENSES」がテーマ。自然と共生する生活文化、ていねいで繊細なものづくり文化を提案する。近畿地方をクローズアップし、京都の伝統芸能である京組みひもや日本酒や古都の食文化も紹介する。プランタン銀座は「Made in Japan」をテーマに展開。日本製ならではの着心地の良い洋服をおしゃれに着こなす「上級Lady Style」を提案するという。伝統とトレンドを併せ持つ神戸シューズのフェアも開催。抹茶やゆずなどを使用した和スイーツの販売も行う。銀座・和光は今回初の参加となる。「Wako WaのWaza」をテーマに、気鋭の日本人デザイナーの感性と技が生きる同店限定の品々を展開する。日本の風土と優れた技術が生み出す素材や、伝統と進化が融合するデザインのバッグやコート、ストールなどを紹介する。会期中、4店舗が協力し「オリジナルチャリティトートバッグ」(税込648円)を販売。売り上げの収益はすべて、東日本大震災被災地の子どもたちを支援する児童健全育成推進財団に寄付するという。購入後、トートバッグを持って4店舗を巡ると、各店でプレゼントやサービスを受けることができる。4店舗合計4,000個で、なくなり次第終了。
2015年10月15日銀座三越6階のメンズの自主編集売り場「クレアティーボ」が14日、リモデルオープンした。同売り場は、同店が2010年に増床リモデルした際に、紳士の洗練された顧客を対象にカジュアルを中心とした「銀座スタイル」としてデビュー。前回のリモデルから5年が経過して、銀座というマーケットにおけるカジュアルの定義を一歩進めたセレクトとなっている。「(この5年間で)お客様自身が成熟したことを踏まえ、銀座での関心が高いドレスシーンに着目し、ドレスカジュアルのゾーンを中心に再構築。それにプラスしてスポーティーなカジュアル、“エレガントスポルティーボ”と呼ばれるゾーンの両軸でのトレンドの再発信を目指した」と話すのは同売り場の日浦正博バイヤー。そのドレスカジュアルの核となるブランドとして新たに導入されてのがルイジ ボレッリ(LUIGI BORRELLI)。ナポリシャツを代表する老舗カミチェリアの同ブランドは、現在、イタリアンクラシコを代表するトータルラグジュアリーブランドとしてグローバルに展開されている。これまで同店では7階のYシャツ、ネクタイ売り場で扱われていたが、今回「クレアティーボ」の顔となるブランドとしてトータルのアイテムで展開される。そのほかにはインコテックス(INCOTEX)やPTなどのパンツ、タリアトーレ(TAGLIATORE)やザ・ジジ(THE GIGI)、イザイア(ISIA)、ラルディーニ(LARDINI)のジャケットなどイタリアンクラシコブランドを中心としたスターアイテムが並ぶ。売り場の中央にはプレゼンテーション力を高めるために雑貨のゾーンを設置。ザネラート(ZANELLATO)のレザーアイテムを集積し、ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)、ボリオリ(BOGLIOLI)、ヤコブ コーエン(YACOB COHEN)、マッキントッシュ(MACHINTOSH)などのインポートブランドを、従来以上にセレクト色を強め、約200平米の売り場をゆったりした環境でフィッティングまでを楽しめるような提案が図られた。「5年前のリモデル時、既にイタリアンクラシコはトレンドとして注目されていたが、お客様自体のブランド認知や商品の情報量はこの5年で格段に高くなっている。そのため、“最旬”を掲げる百貨店としてさらに情報発進力を高めていかなければならない。(銀座三越は)新宿伊勢丹メンズ館との買い回り性も高いため、シーズンのトレンド性を意識し、アイテムをベースとしたスタイリングを楽しみながら、比較購買しやすい環境を整えた」と日浦バイヤーは話す。(Vol.02へ戻る)
2015年10月14日ヴァレクストラ(Valextra)は10月14日から20日まで、銀座三越で期間限定プロモーションイベントを同店6階インターナショナルコレクターズ/ヴァレクストラで開催する。「Change of Color in Autumn ~秋に見つける自分色~」をテーマに、ヴァレクストラのレザーグッズを豊富なカラーバリエーションで展開。名刺入れ(3万8,880円、4万1,040円)、ラウンドジップミニウォレット(6万1,560円)、iPhone6ケース(3万1,320円)など、顧客が希望するカラーで注文できるカラーオーダー会を実施する。
2015年10月14日10月7日、銀座三越5階のメンズフロアがリモデルオープンした。「GINZAジェントルマン」のビジネスシーンを新たに提案した同フロアのコンセプトを、正木美地マネージャーに聞いた、第2回目。――「GINAZAジェントルマン」の特徴を一言でいうと、どういうテイストなのでしょうか?「GINZAジェントルマン」の特徴は、常に紳士的で周囲への気配りを忘れず、節度と礼儀をわきまえ、時代の中心に身を置き、「本物」「本質」の中に、遊び心を持っていること。だから、メンズフロアの商品にはちょっとした“外し”感覚や、“くすぐり”ポイントがあります。そこが伊勢丹新宿店メンズ館や日本橋三越本店とは違うところかもしれません。別の言い方をすれば、色気や艶ですね。形はベーシックなのに、色が今っぽい。我々が言うところの「最旬」とは、そういう意味でもあるんです。――今回のリモデルでは、全フロアで「銀座スタイル(ジャパンフィルター)」を強調されていますね。「ジャパンフィルター」の商品は、各アイテム、ショップ内で、歳時期などで展開を拡大し、さらに「旬」や「NEW」の商品をクローズアップして展開を強化いたします。――インバウンドのお客様に対しては、ジャパンを強調した方が提案しやすいのでは?国慶節や春節などには、各ショップでの展開を拡大して、インバウンドのお客様にご提案していきます。今のアジアのお客様は、ブランドにこだわらず「良いもの」「高感度なもの」を選ばれます。それがジャパンメイドだったらより購買意欲が増す、ということ。以前のような海外ブランド志向、メイド・イン・ジャパン信仰からはずいぶん変わりました。アジアのお客様にも、日本の感性(カラーリングやフィット感)を加えてアレンジした商品などに非常に興味を持たれ、ご購入されるようになりましたので、各ショップ単位で、こうした「ジャパンフィルター」商品をクローズアップした展開を実施してご提案していきます。――感度の高さという点で、(日本とインバウンドのお客様に)違いはあるのでしょうか?国内のお客様とインバウンドのお客様の「感度」や「こだわり」に違いがなくなりつつあります。ファッション感度の高いインバウンドのお客様はかなり増えました。特に銀座三越には、「高感度な商品」「拘りの商品」をお求めになる方が増えています。特に春節、国慶節の時期は、例えば靴だと国内のお客様でもかなり“感度・拘り”のお客様が好まれるブランド、イタリアの「サントーニ(SANTONI)」やスペインの「マグナーニ(MAGNANNI)」がよく売れます。――5年前に増床リモデルした時に比べると、メンズフロアの売上はどのように変化していますか?毎年、前年の2ケタの伸びを実現しています。また目標値に対しても大幅増で推移しています。それに寄与しているインバウンドの売上は、現在、全体の約2~3割を占めています。アジアの高感度なお客様はブランドを知らなくても、自分の価値観でこれらの靴を選ばれるのです。スーツの生地なども同じですね。――銀座の百貨店のメンズフロアはこの秋、リニューアルラッシュです。さらに現在、工事が進められている数寄屋橋交差点の「銀座5丁目プロジェクト」や、松坂屋銀座店跡地の「銀座6丁目プロジェクト」など、新店舗がオープンすれば、銀座の百貨店はさらに激しい競争の時代に入ります。未来に向けた銀座三越メンズフロアの戦略を教えてください。リモデルコンセプトである「GINZAジェントルマン」にさらに共感していただくために、商品・展開・環境・販売サービスに至るまで、常に「GINZA ジェントルマン」に相応しいのかを追求して参ります。また、そういうお客様に共感していただきたいために、メンズフロアは編集を軸とした売場作りをしました。「GINZA ジェントルマン」というお客様像に合わせて編集した売場が、自分軸で商品を選ぶお客様、自分流のアレンジを大切にされるお客様の支持をどれだけ得られるか。そこを見極めながら、新たなメンズフロアを創造していくつもりです。(Vol.01に戻る)
2015年10月13日銀座三越5階のメンズフロアが10月7日リモデルオープンした。湾岸エリアの開発、インバウンドの拡大など、この数年で同店を取り巻く周辺環境は大きく変化した。しかしながら、銀座で買い物をするという“粋”なスタイルは変わらない。前回のリモデル以降、前年比2ケタ増の伸びを持続する同店の掲げる銀座スタイルとは?“粋な男の仕事時間の流儀”をテーマに、「GINZAジェントルマン」のビジネスシーンを新たに提案した同フロアの正木美地マネージャーに、今回のリモデルのポイントを聞いた。――今回のリモデルは、2010年9月の増床リモデル以来となる大がかりなものです。最初に、前回のリモデルでメンズフロアのどこがどう変わったのかを教えていただけますか?2010年以前の銀座三越は、比較的オーセンティックなお客様に支持されていました。客層も、わざわざ地方から銀座へお買い物にいらっしゃる方が多かった。メンズフロアとはいえ、女性の代理購買が多かったのも特徴ですね。増床リモデル後は、男性顧客が増え、商品に対して高感度で拘りのあるお客様が増えました。年齢層も若干下がって40~50代になり、ファミリーやご夫婦での来店が目立つようになりました。地域的には湾岸エリアにお住まいのお客様が増えましたね。さらに、年々男性のお客様像が変わってきたんですよ。奥様に勧められたから買うのではなく、自分の趣味嗜好を主張する「自分軸」型の男性が増えてきたのです――それが今回のリモデルのコンセプトにつながっているわけですね。そうです。「GINZAジェントルマン」というコンセプトが持つ意味は、自分自身の感覚で本物・本質にこだわるお客様にお応えする、ということ。世界を舞台に活躍するビジネスエリートのために、品格あるワードローブと身だしなみを提案できるフロアづくりを行いました。――具体的な売り場の構成を教えてください?5階で最も力を入れているのは、銀座スタイル「GINZAクローゼット」です。ここは、スタイリスト(販売員)がお客様の「なりたいスタイル」を引き出す新しい接客の場。スーツ・ジャケット・ネクタイ・シャツなどがアイテム毎に編集され、その真ん中にある「コーディネイトテーブル」で、お客様はスタイリストと一緒にイメージするスタイルを作る過程を楽しむことができます。もうひとつは「GINZAドレスアップサロン」。メジャーメイド・スーツやオーダーシャツなどを扱います。このショップの特徴的なポイントは、お客様が「どんな恰好をされたいか?」を、スタイリストがじっくりカウンセリングすることから始め、多様化する「個性」にお応えします。商品をディスプレイした18体のトルソー、ベーシックなファッションスタイルの典型である1970年代の映画を映し出すモニター、会話のきっかけづくりになる洋古書などは、全てスタイルを具体的にイメージしていただくためのツール。お客様に「スタイルを見て、具体的にイメージしていただいてから」生地を選んでいただく販売スタイルが最大の特徴のサロンです。――フロア全体が「ラウンジ」がテーマだと言うことですが?「GINZAジェントルマンズ・ラウンジ」では、筆記具・カメラ・喫煙具などの趣味性の強いアイテムと、バーバーやシューシャインなどこだわりのサービスを掛け合わせた形で提案します。モノとコトを融合する場として講習会やPOPUP・新作発表会・オーダー会などを開催するプロモーションスペースも用意。今回のコンセプトを象徴するような場と言ってもいいでしょう。(Vol.02へ続く)
2015年10月13日草間彌生、村上隆、奈良美智の作品が一同に展示される「草間彌生と現代アート展」が三越銀座店7階ギャラリーで、10月21から27日まで開催される。同展では草間の版画やドローイング、立体作品を中心に展示。同氏の作品は、画面を隙間なく覆う網目模様やドット、ユーモラスなフォルムの果物や花が描かれ、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションや野外芸術祭のオブジェなどでも知られている。このほか同展では、世界的な活躍を見せる村上隆、画家で彫刻家である奈良美智の作品も合わせて紹介される。【イベント情報】「草間彌生と現代アート展」場所:三越銀座店7階ギャラリー会期:10月21日~27日時間:午前10時30分~午後8時(最終日は午後6時終了)
2015年10月10日三越伊勢丹ホールディングスは、三越の新しいショッピングバッグ(紙手提袋)で用いている「実り」のデザインを用いたギフトボックスを数量限定で発売する。販売開始は10月14日。小(863円)、中(977円)、大(999円)の3サイズで、各500点限定(完売次第終了)。このたび発売されるギフトボックスは、2014年4月より三越デパートの新しいショッピングバッグとして採用されている「実り」のデザインを用いた、贈り物そのものを包むためのラッピングボックス。同デザインは人間国宝・森口邦彦氏が手がけており、伝統的な友禅の技法を取り入れて、たわわに実るりんごが幾何学文様で表現されている。同年のグッドデザイン賞および毎日ファッション大賞話題賞を受賞して話題となった。また、ギフトボックスは大・中・小の3つのサイズが用意され、ボックスの側面は「実り」のデザインの配色に合わせて「小」が白、「中」が赤、「大」が黒となっている。ボックスの蓋を留める専用のゴムが付属する。各ボックスの寸法は、「小」が縦20×横13×高さ4cm、「中」が縦33×横23×高さ6cm、「大」が縦37×横27×高さ8cm。なお、三越では今後もこの「実り」デザインを採用したアイテムのさらなる商品化を検討していくとのことだ。
2015年10月07日ケンゾー(KENZO)が10月7日から13日まで、伊勢丹新宿店3階のリ・スタイル、及び銀座三越4階のグローバルメッセージスペースにて、2015-16秋冬コレクションのポップアップショップをオープン。森に住む仲間達がともに守り合い力強く生き抜くことや、その仲間意識などが表現された2015-16秋冬コレクション。温かみを感じさせるドレープやボリュームのあるシルエット、グラフィカルな光線、夜に咲く花などがモチーフに採用された。ポップアップショップの店内では、2015-16秋冬コレクションの世界に、アメリカのアンダーグラウンドフィルムの映画監督・グレッグ・アラキによるショートムービー「HERE NOW」の世界が融合された。ケンゾーの自由なスピリットと、万華鏡のようなサイケデリックなグレッグ・アラキの世界観がぶつかり合うことで、ランウェイとは異なる視点からコレクションを楽しむことが出来るようになっている。なお、会場には「HERE NOW」のビジュアルを使用したフォトブースも登場する。また、ハッシュタグ「#KENZOISETAN」、「#KENZOMITSUKOSHI」、「#KENZOFW15」をつけてSNSに投稿した画面をショップスタッフに提示すると、今シーズンのモチーフを使ったブレスレットをプレゼントするサービスも実施している。
2015年10月07日日本橋三越本店は11月29日まで、「日本橋三越 室町酒場」を屋上テラスに期間限定でオープンしている。○ちょっと肌寒い夜にうれしいメニューがそろう同企画は、夏のビアガーデンに引き続き、屋上テラスを有効活用するもの。肌寒い夜にふさわしい鍋をはじめ、酒、つまみなど、体も心も温まるメニューを豊富に用意するとしている。また、酒蔵との企画「日本酒飲み比べセット」も提供する。「おすすめプラン」は、料理が、少し甘めの江戸味噌仕立て「国産牛鍋コース」と「ちゃんこ鍋コース」。いずれも惣菜とサラダバーなど10種が付く。料金は1人4,600円(税込)でドリンクは別料金。2名より予約を受ける。ドリンクは、アルコール類が540円(同)から、ソフトドリンクは324円(同)から用意している。「日本酒飲み比べセット」は、グランドメニューに「大七」を用意。限定酒として「獺祭」も提供する。営業時間は、平日が18時から21時まで。土・日・祝日は、12時から15時、17時から20時の入れ替え2部制。オーダーストップは、それぞれの終了時間から30分前となる。
2015年10月05日三越伊勢丹は6日より順次、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店の基幹3店舗で、2015年クリスマスケーキの予約をスタートする。今年の共通ディレクションテーマは「ファンタスティックテーブル」。独自性の高いクリスマスケーキを豊富に用意。各店で顧客の嗜好に合わせたケーキを紹介する。○伊勢丹新宿本店は42型をラインアップ伊勢丹新宿本店のテーマは「セレンディピティ(=幸運をつかむ能力)」。パティシエやブランドにとって「運命を変えるほどの出会い」をクリスマスケーキで表現する。14日から予約スタート。品ぞろえは、カタログ掲載が42型。うち、伊勢丹限定が6型、新宿本店限定が28型、三越伊勢丹限定が2型となる。パティスリー・アカシエの「エクセシフ」は、タヒチ・ボラボラ島のバニラに巡り会い、その香りに惹きつけられたパティシエの興野 燈氏による。"エクセシフ(過剰)"と名付けるほど、バニラを使った。直径約17cmで限定50点。価格は7,020円となる。「ルージュ・ベーゼ」は、M.O.F.ショコラティエのクリスチャン・カンプリニ氏と、ハイアット リージェンシー東京のペストリー・ベーカー料理長・佐藤浩一氏のコラボレーション。アダムとイヴの運命を変えたエデンの園にある禁断の果実にインスピレーションを得た。直径約15cm、限定250点で5,400円となる。アディクト オ シュクルの「フレジエ ノエル2015」は、ラグジュアリーショートケーキ。マダガスカル産バニラを使ったクリームと苺の酸味を、ラズベリーとキルシュの芳香が包む。下段横幅約12cm、限定100点で5,616円。○三越日本橋本店は55型を用意三越日本橋本店のテーマは「妖精たちのクリスマス」。妖精たちが作り出す「幸せが訪れるクリスマス」を絵本のようなカタログで表現。北欧の妖精・ニッセを飾ったケーキや、ボリュームの大きいケーキなどを用意する。予約は6日から。カタログ掲載が55型。うち、三越限定が11型、日本橋本店限定が30型、三越伊勢丹限定が5型となる。オクシタニアルの「ホーリーナイト」は、雪だるまをデザインしたケーキ。バニラ風味のマスカルポーネムースにいちごのクリームとゼリーを合わせた。縦幅約22cm、限定50点で5,400円となる。デメルの「ハーゼルショコラーデントルテ」は、チョコレートスポンジに、飴掛けしたヘーゼルナッツとチョコレートのガナッシュをサンド。オーナメントをトッピングした。 直径約15cm、限定70点で5,184円。東京會舘の「シャーロット・ノエル」は、2段のショートケーキ。幸せな家族と、皆から愛される小さなプリンセスのために、ティアラやベビーシューズをあしらった。直径約17cm、限定70点で7,020円。同店限定となる。○三越銀座店は個性際立つ50型三越銀座店のテーマは「ohako(おはこ)」。シェフ・ブランドの十八番のレシピによるケーキなど、それぞれの個性が際立つケーキを紹介。6日から予約スタート。品ぞろえは、カタログ掲載が50型。うち、三越限定が12型、銀座店限定が24型、三越伊勢丹限定は3型となる。ルラシオンの「レオパール カフェ」は、野木将司シェフの十八番のひとつ「シャンティ・カフェ」が引き立つようにエスプレッソとピスタチオが寄り添う。エスプレッソはバリスタが抽出したものを使用。横幅約17.5cm、限定50点で5,400円。東條會舘 レストラン アルゴの「フレジエ マカロン」は、ケーキをカットすると中央のベリーのソースが下に流れる。いちごやフランボワーズ、ピスタチオの濃厚な香りと味わいが楽しめる、なめらかな口当たりのケーキだという。直径約16cm、限定40点で5,400円。サン・フルーツの「あまおうの森のクリスマス」は、福岡県産の大粒のあまおうが80%以上を占めるフルーツショップ十八番のケーキ。横幅約16cm、限定30点で1万800円。※価格はすべて税込。
2015年10月05日三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹)とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)は10月2日、マーケティング事業を推進する新会社の設立を中心とした包括的提携に向け基本合意書を締結したことを発表した。両社によると同提携は、両社のアセットを有機的に融合することにより、三越伊勢丹が掲げるビジョン世界随一の小売サービス業グループ」とCCCが掲げる「世界一の企画会社」の実現を加速度的に推し進めることを目的としている。提携に向けた主な基本合意の内容は、両社のノウハウを活かしたマーケティング新会社を設立(出資比率 三越伊勢丹:51%/CCC : 49%)することや、2016年春より、三越伊勢丹の国内百貨店子会社で「Tポイント」の利用を可能にすること、両社が共同でライフスタイル提案型商業施設を展開するなど新たな事業の企画・開発を検討していくことなどを盛り込んでいる。
2015年10月05日季節は秋本番だが、すでにクリスマス商戦に向けた動きは各業界で始まっている。特に毎年大きな注目を集めるのは、クリスマスケーキだろう。三越伊勢丹では、10月14日から今年のクリスマスケーキの予約を、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の基幹3店舗でスタートする。これに先駆けて10月1日、三越日本橋本店がクリスマスケーキの試写会を開催した。今年、基幹3店舗では共通のテーマ「ファンタスティック テーブル」のもと、各店が独自性の高いクリスマスケーキを企画。五感に訴える独創性の高いものから、家族三世代で集う特別な日にふさわしいゴージャスなもの、ボリュームたっぷりのビッグサイズのものなど、各店の顧客層の嗜好に合わせたケーキが展開される。三越日本橋本店には、ファミリー層に向けたクリスマスケーキが登場。「妖精たちのクリスマス」をテーマに、ウェディングケーキと記念日スイーツを展開する「アニバーサリー(Anniversary)」による、北欧に伝わる妖精・ニッセをモチーフにしたケーキ「House at little Christmas」(50点限定 7,560円)や、フランス菓子専門店「オクシタニアル(Occitanial)」が手掛けた、雪だるまをモチーフにした可愛らしいケーキ「ホーリーナイト」(50点限定 5,400円)、ウィーン王宮御用達の老舗洋菓子ブランド「デメル(DEMEL)」による、チョコレートをたっぷり使った「ハーゼルショコラーデントルテ」(70点限定 5,184円)など計55型のケーキがラインナップとして並ぶ。今年の特徴について、三越日本橋の担当者は「昨年の売上げは前年比118%だったので伸びてはいるのですが、1日に物理的にお客様にケーキをお渡しできる最大値は決まってしまっているので、売上げ面よりもイメージに重点を置いて企画しました。百貨店ではなくてはできないことを、基幹3店舗それぞれのストアコンセプトを表現できれば、というのが今年の特徴です」と語る。さらに、三越日本橋店での展開については「『妖精たちのクリスマス』というがテーマなので、ご家族でクリスマスを楽しまれる層に向けた、モチーフもののケーキが多いです。例えば、妖精だったり、プレゼントの箱の形だったり、ティアラだったり。男の子や女の子が喜んでくれるようなものを、とパティシエの方々にお願いしましたので、シンプルなショートケーキのようなものも取揃えてはいるのですが、比較的デコラティブなものが今年は多くなりましたね」とのこと。また、“カルチャーリゾート百貨店”を店舗テーマとして掲げている三越日本橋店だが、今回の企画ではケーキ以外にもその心は息づいている。「ケーキを食べる時に、美味しいだったり、楽しいというのはもう当たり前になっているので、選んでいる時、カタログを眺めている時にもその楽しいさが生まれればと思い、“日本一遊べるケーキカタログ”を目指しました。実際にどうしたかというと、『脱・カタログ化』です。カタログから“絵本”を作ってしまいました。北欧に伝わる妖精・ニッセがクリスマスの準備をしている、というお話を全ページにストーリーとして入れて、二世代、三世代でクリスマスケーキを選ぶところから楽しめるものを目指しました」と明かしていた。また、伊勢丹新宿本店では「セレンディピティ(幸運をつかむ)」をテーマに、“運命を変えるほどの出会い”を表現した計42型のケーキが、三越銀座店では「ohako(おはこ)」をテーマに、シェフやブランドが十八番とするレシピや得意な技が光るものなど計50型のケーキが展開される。
2015年10月02日9月30日にリモデルオープンした、銀座三越M5階婦人服フロア「GINZAコンテンポラリー」。「洋服を美しく綺麗に着ること」をコンセプトに、ターゲットは、銀座で働く、あるいは周辺地域に住み、銀座が生活の場となっている顧客層だ。だからこそコンテンポラリーでありながら、その顧客層のライフスタイルに応じた“上質”なデイリーウェアを揃え、従来のMDからドラスティックに変貌をとげた。M5階フロアは大きく、「デイリーリッチ」「ドレスアップ」といったカテゴリーに分類されている。デイリーリッチとしては、自主編集型ショップ・ミグジュアリー(Mixury)と共に、セオリーリュクス(Theory luxe)、マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)が登場。MDは洗練された美しさ、ときめくデザインがポイントになるとか。「セオリーリュクス」ではオンリーMIの中でも銀座三越限定のブラックドレスを展開。黒一色でありながら、フラワーペイズリーの地柄を入れて、華やかさをプラスしたアイテムだ。マッキントッシュロンドンは、充実した小物を武器に、ブランドのアイコンでもあるゴム引きのコートなどを打ち出して、ブランドを浸透させていく。この他、デイリーリッチには、アドーア(ADORE)、ベイジ(BEIGE,)、プレシャスミックス(Precious-Mix)、フィロディセタ(Filo di Seta)、シビラ(Sybilla)が並ぶ。また、同フロアのドレスアップカテゴリーでは、セミフォーマルやビジネスウーマンのディナーなど、文字通り、ドレスをメインにした“コンテンポラリースタイル”のMDに特化し、他との差別化を明確にしていく。レリアン(LEILIAN)では、得意とする高品質なモノづくりを軸に、コンテンポラリーで上質なMDを提案する“アーバンライン”を中心に展開。ドレスアップスタイルのバリエーションを広げる取り組みを強化。ランバン コレクション(LANVIN COLLECTION)も、同ブランドの他ショップとは大きく異なり、ブランドの中でも、パリで発表されるコレクションのエッセンスをより忠実に反映したラインからセレクト。ドレスアップアイテムを中心に構成し、フリルをポイントにしたブラックドレスなど、銀座三越別注アイテムでブランドを盛り上げる。タエアシダ(TAE ASHIDA)は、現代女性を魅力的に見せるエレガントでモダンなスタイルを提案。銀座らしく、特に働く女性を意識したフォーマルからタウンまで幅広いラインナップを取り揃っている。また銀座三越のエポカ(EPOCA)は、他店に比べてスカートやドレスなどの中でも、特にイレギュラーヘム、プリーツといった、ディテールにポイントがあるアイテムが人気という。そこで、銀座地区で人気が高いという、これらのデティールを盛り込んだニットドレスを同店限定で10月14日のグランドオープンに向けて企画している。湾岸地域に住むニューリッチにとって、銀座は自転車で家族揃って訪れる場所となりつつある。決してハレの場所ではなくなってきているのだ。M5階は、そうした顧客層がデイリーのアイテムを購入する場としての役割を担っていくようだ。
2015年10月02日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)が9月末、銀座三越本館4階に新店舗をオープンした。同ショップは、床に木製の寄木細工で仕上げたパーケットフローリングと同柄のモノトーンのウールカーペットを、壁にはモノトーンのトロンプルイユの壁紙を採用することで、クリーンでエレガントな世界観を演出。ランダムに継ぎ合わされたカフェテーブルが、シュールな遊び心を感じさせる。店内では、ウィメンズウェアのプレタポルテを始め、レザーグッズやシューズ、アクセサリー、ファインジュエリー、フレグランスなどブランドの幅広いアイテムが展開される。
2015年10月01日銀座三越が9月30日から10月13日まで、“はたらく×磨”がテーマの「Go!Go! Office Workers! わたしらしくかがやく、はたらく」キャンペーンを全館で開催する。地下2階では、糖質の摂取量を制限できることで近年注目を集めている“ローカーボ”という考え方で、カラダを“磨く”ためのスイーツを紹介。フレデリック・カッセルのローカーボスイーツなどを販売するほか、7階では10月10日に、お香のあるライフスタイルを提案する「モダンインテリアで楽しむお香教室」を開催。かゆらぎお香 柘榴・金木犀の「白磁 三角七宝透かし香炉」(1万3,000円)を発売する。その他、「わたし」を磨くワークショップやセミナーなども実施。10月3日には“美人過ぎる書道家”として知られる涼風花の美文字レッスン(午後1時から、午後3時から、各回約45分/9階銀座テラス、テラスコート/定員各回20名)が、10月4日にはバレエダンサーの竹田純による自宅で出来る簡単バレエエクササイズレッスン(午後2時から、約45分/9階銀座テラス、テラスコート/定員各回20名)が、10月10日、11日にはスエード靴のお手入れ教室(各日午前11時から午後6時まで/2階婦人靴)が開かれる。また10月7日から13日までは、Googleが様々なサポーター企業とタッグを組んで行う女性の社会での活躍を応援するプロジェクト「Women Will」の一環となるイベント(9階銀座テラス、テラスルーム・イベントスペース)を開催。はたらくママの時短勤務や、フリーランスの働き方など、ワークもライフも思い切り楽しむためのノウハウが紹介される。
2015年10月01日歌舞伎座をモチーフとしたストールが、銀座三越からデビューした。東京・葛飾柴又に本社を構える丸枡染色と松竹、銀座三越の創業100年を超える老舗の3社コラボによる、まさしく“メイド・イン・TOKYO”で、銀座の新しいお土産として注目を集めている。販売されているのは、第1期の歌舞伎座の写真と現在の第5期歌舞伎座の建築図面をモチーフにした2型各3色。薄手の素材のため、旅行などにも汎用性が広く、海外の顧客のニーズにも対応したデザインとなっている。また、同売り場ではデザイナー・コラボレーション企画として、中山路子と銀座三越限定アイテムを開発。ミュベール(MUVEIL)のアーカイブの中から、バタフライ柄とチェリー柄のストール、さらに今シーズンのトレンドアイテムの広つばの中折れ帽が提案された。さらに“レース”をテーマにしたアイテムでは、原田美砂の「ミサハラダ」、谷口真理子の「モディスト」、2人の日本人帽子デザイナーが今回のリモデルのためにデザインした帽子を展開。フィルダニエレ、MMコレクションのストールも提案されている。
2015年10月01日9月30日、三越銀座店M5階婦人服フロア「GINZAコンテンポラリー」に、自主編集型ショップ「ミグジュアリー(Mixury)」がオープンした。同店M5階のリモデルにおけるフロアコンセプトは、「洗練された美しさを追求する大人の女性に愛されるラグジュアリーサロン」。顧客層を「銀座をホームグラウンドにする女性たち」として、観光で訪れる海外からの顧客を強く意識する同店3、4階フロアとは一線を画す。今回、新たに誕生した「ミグジュアリー」のテーマは、「ひと目惚れの一着を旬に着こなす銀座の女性のためのサロン」。バイイングを担当する、栗田泉子バイヤーによれば、「銀座のお客様は、ブランドにこだわったり、着ていくシーンを想定して服を選ぶというより、『素敵!』『欲しい!』といった感性で服を買われる。そこで『ミグジュアリー』では、その感性に応えられる品揃えを目指して、普通なもの、定番的なものは極力排除した」と大胆なセレクトを語る。女性は年齢にかかわらず、淡々と仕事をこなすニュートラルな気分の日もあれば、素敵な男性に会った日にはテンションが上がったりと、エモーショナルな変化を楽しむもの。そんな気分を買い物でも味わえるような売り場に、という狙いがM5階の品揃えに表現されている。投入ブランドは、ミグジュアリー、ジョハク、メゾンドウーマンといった三越伊勢丹のプライベートブランドの他、エム・フィル、ソフィードール、ケイタマルヤマ、ヴゼット、シークレットクロゼットなど。オープンに際しては、売り場コンセプトを象徴するブランドとも言えるシークレットクロゼットのポップアップイベントを開催。コートを中心にしたスタイリングを提案する。女性の美しさと華やかさを意識した、ロング&リーンのシルエットを品良くまとめている。また、銀座でしか買えない銀座コンテンポラリースタイルを「圧倒的な規模で」展開するという旗印のもと、特にプライベートブランドでは、各ブランドに担当バイヤーを置き、百貨店の枠を超えて、これまで以上にパターンや素材にこだわり、モノ作りの現場にまで踏み込んだ商品展開を行っていく。そこには「服を美しくキレイに着ることを徹底的に追求する」という、同フロアの哲学が顕著に表れている。というのも、服を美しく着こなす最も基本的、かつ重要な要素は、サイズだ。卓越したデザインでも、極上の素材でもサイズが合っていなくてはどうしようもない。そこで「ミグジュアリー」では、PBを中心に日本人の体型を加味したサイジングを展開する。結果的に“Japan made”を多く揃うことにも繋がり、他のフロアと比較しても、国内ブランドの充実度は群を抜いている。フロアの設えも大きな特徴だ。全体は100平米ほどだが、2箇所に広めのテーブルと椅子を贅沢に配置。顧客が、自分なりのスタイリングを完成させるべく、リラックスして服を見分ける場として用意している。「銀座のサロン」の名に恥じない、上質なデイリーウェアが並ぶショップは、銀座に慣れ親しんだ、目の肥えた女性たちの期待にも応えてくれそうだ。
2015年10月01日9月23日にリモデルオープンした銀座三越4階婦人服のインターナショナルモードフロア。今回、新たにラインナップされたラグジュアリーブランドから登場する限定バッグの“銀座感”が話題を集めそうだ。今回新たに導入されたサカイ(sacai)からは、フォックスファーのクラッチバッグ(8万5,000円)が2色展開(内、1色が銀座三越限定)で登場。同ブランドの今シーズンのチーフのストライプ柄で、これまでなかったファー使いのクラッチは、まさに銀座らしいサカイの“itバッグ”だ。また、同じく同店デビューのアレキサンダー マックイーン(Alexander McQueen)からは15SSにデビューしたバッグ「レジェンド」のウミヘビ革(30万9,000円)が先行販売アイテムとして用意された。さらに、ジバンシィ(GIVENCHY)からは「アンティゴナ」(25万9,000円)の限定トリコロールカラーが登場。光沢のあるパテント素材のボルドーとホワイト、ブラックは海外からも注目されること間違いなしだ。バッグではこの他にも、ステラ マッカートニー(Stella McCartney)のシグネチャーバッグの「ファラベラ」(10万1,000円)から銀座三越限定のクラッチがゴールドカラーのチェーンで登場するのを始め、サンローラン(SAINT LAURENT)がプレシャススキンのバッグ、バレンシアガ(BALENCIAGA)の人気ライン「アリーナ」から限定カラーのムートンバッグ(24万7,000円)、マルニ(MARNI)のトート(17万9,000円)が同店限定アイテムとして販売される。(※バレンシアガ、サンローランは10月14日オープン予定)新規導入されたブランドからバッグ以外の限定品として、バーバリー(BURBERRY)のトレンチコート、プロエンザ スクーラー(Proenza Schouler)のウールコート、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)からもスペシャルアイテムが登場する。
2015年09月26日銀座三越の1階ハンドバッグ売り場に、トッズ(TOD’S)の新店舗がオープンした。訪日外国人の売り上げが拡大する同店舗に対応し、銀座ならではのVIP顧客とインバウンド向けの商品構成を拡充。同ブランドが継承するサドラリー(馬具製造)の技術と最新テクノロジーを生かした新作、さらに人気シリーズの中でもエレガンスで落ち着いたアイテムが揃う。同店では今回のオープンを記念して、この秋冬で3シーズン目を迎える「トッズ フラワー バッグ」のブルー×ネイビーカラーのマットカーフのバッグ(15万6,000円)を銀座三越限定アイテムとして販売。銀座レディに使いやすいピッコラ(M)サイズで提案されている。「フラワー バッグ」は、今秋冬コレクションでもモチーフとして登場したメンフィス柄デザインのレザーワークが登場。スレッド加工、ステッチワーク、フリンジ使いで、メイド・イン・イタリーを代表するサルトリアルの手法を生かしたラインは、クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドラ・ファッキネッティらしい、フェミニンでプレシャスなアイテムに仕上がっている。また、銀座三越では1階バッグ売り場に先駆けて、2階婦人靴フロアにもトッズのコーナーが新たに加わった。
2015年09月25日銀座三越のリモデルーー4階婦人服フロアでは、コムデギャルソン(COMME des GARCONS)、メゾンマルジェラ(Maison Margiela)、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、サカイ(sacai)、バーバリー(BURBERRY)、といった錚々たるインターナショナルブランドが仲間入りする。今回のリモデルで、メゾンマルジェラやアレキサンダー・マックィーンなど、これまでの三越銀座店では、想像しなかったようなモード感の強いブランドも登場しているのは注目だ。また銀座四丁目に由来する「4th of GINZA」(そして4階にあるの意)は、編集型のショップ。アクネストゥーディオズ、ヌメロヴェントゥーノ(N°21)、アキラナカ(Akira Naka)、マメ(mame)など世界志向のブランドも扱う。こちらも確かに最旬のブランドが揃っている。4階の婦人服フロアを担当する渡辺恒氏は、「最旬というコンセプトの根底は3階の婦人服フロアと変わらないものの、4階フロアは富裕層に向けてグレードの高いサービスを提供していきたいと思います」と話す。銀座に路面店は数々あるものの、それらをひとつひとつ巡って欲しいものを探しているような時間はない、という顧客の「マイフロア」となりたいと渡辺氏は言う。確かに、もちろん顧客はショッピングを目的に銀座を訪れるだろう。しかし銀座には劇場もあれば、世界に名だたるグルメもある。経済的な余裕もあり、かつ社会的地位もあり、という目の肥えた顧客が集まる世界有数の場所だ。大人が過ごすには最適な場所だ。中でも、この銀座三越4階の婦人服フロアを訪れる顧客には、忙しく世界を回るというビジネスウーマンも少なくないだろう。「ですから、そうした目利きができるお客様がしっかりワンフロアでお買い物を完結することができるような品揃えを心がけました」(渡辺氏)。言ってみれば、多彩な世界の旬の洋服が一度に楽しめるストレスフリーなショッピングゾーンが誕生したのだ。当然、顧客は国内外を問わない。そうした多様な顧客からは、インターナショナルブランドへの要望も多かったという。「ぜひ一緒にやりたいと思っていたブランドさんは今回、すべて入ってもらいました」とリモデルの完成度について自信をのぞかせる。「この5年間の実績が評価されたのだろうと思います」。実は増床リモデル前、銀座三越の課題は、お客様の滞在時間が短いことだった。しかし前回の増床リモデル時に行った取り組みが奏を効して、今回のリモデルにおいては「幅広い層の集客が望める銀座三越」として認知されるようになったのだろう。また4階におけるおもてなしという側面では、百貨店らしい姿勢を打ち出している。「銀座のお客様に限らず、今の時代に“ファッションフリーク”という方はあまりおられません。服はやはり服であり、衣食住というライフスタイルの中のひとつのカテゴリーに溶け込む存在でいいのです。服によって劇的に暮らしを変えたいという発想もお持ちではないでしょう。だからこそ、我々はお客様のライフスタイルをきちんと勉強して、接客に生かすことが大切だと考えています」。例えば、4階を訪れる顧客には、ジョー マローン ロンドン(Jo MALONE LONDON)のフレグランスが人気だ。しかも今、上級者の気分は“フレグランスコンバイニング”と称した重ね付けだ。そこでブランドの販売スタッフを率いて、地下1階にあるジョーマローンのショップに赴き、この手法を勉強する。「速攻性はありませんが、そんな地道な取り組みによって銀座三越らしい接客ができるはずだと考えています。結果として、フロアがひとつのブランドとして認知いただれば幸いです」と、渡辺氏は意気込む。銀座は今、開発ラッシュと言っていいだろう。海外からの訪問客を迎えるべく、多くの商業施設がリニューアルオープンする。その中でも銀座三越は、本質的に良いものを求める上質な顧客に向けて更なる進化を遂げていくようだ。
2015年09月22日「日本の良いものを銀座の地から発信したい」、9月16日のリフレッシュオープンでは、その思いを形にした銀座三越のコスメフロア。今回のリモデルに合わせ、同店から季刊のコスメ誌『Ginza Style BEAUTY』が創刊した。「売り場からの発信性を高めて行きたい。その上で、銀座三越らしい新しさを熟慮した」と、今回のリモデルのコンセプトを話す三越伊勢丹化粧品バイヤーの佐藤希奈佳さん。同誌は広報誌ながら、バイヤーの彼女自身が編集者の立場となって発信。実際に手に取る読者との距離を近づけた誌面構成になっている。例えば、“「きれい」のレベルアップに必要なエッセンスは?”というテーマでメイクアップアップアーティストをゲストに迎え、自らが対談。巻頭メッセージも女性ファッション誌風で、充実したコンテンツが並ぶ。「2015年秋 創刊号」のキャッチコピーは「銀座から、世界へ。」。新しく取扱いを開始するブランドの紹介を始め、スキンケアやメイクアップ、フレグランスにヘアケアなど、ブランドの魅力を詰め込んだ一冊に仕上げられている。「海外のコスメブランドは、その洗練されたパッケージが目を引き、モダンでスタイリッシュなものが多く、そこがカッコいい。それに対して、日本のブランドは慎ましく、シンプルな印象。しかし、優れた研究に裏付けされ、(商品の内容は)非常に高品質であることはビューティ関係者にはよく知られている。そんな日本の良さを銀座三越の選んだ化粧品から伝え、提案して行きたい」と佐藤バイヤーの思いは熱い。佐藤バイヤーの言う「“自分史上最高の美”を目指す、すべての銀座のお客様へ」が見え、探す助けとなる『Ginza Style BEAUTY』を手に、新しくなった銀座三越で自分にひそむ、まだ見ぬ美しさを見つけたい。
2015年09月17日サンクトガーレンはこのほど、三越伊勢丹限定ビール「Hop Relax(ホップリラックス)」(330ml / 税込540円)を三越伊勢丹各店にて発売した。同商品は、「IPA(インディア・ペールエール)」と呼ばれるイギリスを発祥とするスタイルのビール。9月2日~7日に伊勢丹新宿店で実施したクラフトビールフェア「Feel The Craft Beer」では先行発売を実施し、6日間で約550本を販売したという。「IPA」はビールの"苦味の基"となるホップを大量に使用するのが特徴で、同商品も通常のビールの2倍以上の苦味をもつビールとしている(数値上のもので、実際の感じ方はさまざまな条件によって異なる)。また、ホップは品種によって異なる香りをもち、ビールに華やかな香りをもたらすという。同商品には「アマリロ」と「ガーゴイル」といったホップを使用。甘いシトラスを思わせる香りが楽しめるとのこと。販売店舗(9月14日現在販売決定店舗)は、「伊勢丹新宿店」「伊勢丹立川店」「伊勢丹府中店」「伊勢丹松戸店」「伊勢丹浦和店」「JR京都伊勢丹」「日本橋三越本店」「銀座三越」「千葉三越」。なお「日本橋三越本店」では、9月27日にサンクトガーレン代表取締役・岩本伸久氏によるワークショップ「クラフトビールを学ぶ」(税込1,620円)を実施する。
2015年09月17日9月16日、銀座三越の3階婦人服・婦人肌着フロアがリモデルオープンする。前回の増床リモデルから5年が経過し、大きく変化したと思われるのが顧客層だ。今回のリモデルのポイントを担当マネージャーに聞いた。3階「TOKYOモード1」を統括し、「ニューヨーク ランウェイ」を担当する、セールスマネージャーの右近一成氏によれば、当時、歌舞伎座を皮切りに主要な建物の建て替えが進み、「銀座のお客様が変わる」という印象はあったものの、特にこの2、3年は、周知のように劇的に海外からの顧客が多くなった。加えて、湾岸地域の開発によって周辺3区の人口が増え、日本人の顧客もいわゆる“湾岸ファミリー”を軸とする新富裕層、中でも「消費経験が豊富で高感度な30代~40代のお客様の割合が増えた」と言う。そうした顧客層には、「このブランドでなければ嫌」といったブランド信仰は見られない。但し、目は肥えている。そこで「国内外のブランドを同列に見て、等身大のファッションを楽しみ、自分なりの審美眼を持ったお客様を対象に、東京ブランドと世界発信ブランド、それぞれを東京、銀座というフィルターを通した時、どのような編集ができるのだろうと考えて生まれたのが、今回の結果です」と右近氏は語る。変化した顧客層を背景に、3階では「最旬のTOKYOモード」と銘打ち、ファセッタズム(FACETASM)、タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)といった、東京ブランドでまとめた「ル プレイス」、国内外の最旬ブランドを東京という視点で切り取る「ニューヨーク ランウェイ」という2つの編集型ショップに力を注ぐ。両ショップともに大きく変わったのは、扱いブランドのテイストの幅が大きく広がったことだ。右近氏はこれについて、テイストや用途にこだわらないミックスコーディネイトというファッショントレンド、先述した顧客層の変化とともに、顧客の志向そのものの変化を指摘する。「これまでは、コンサバならコンサバ、アバンギャルドならアバンギャルドと、年齢を重ね、ご自身の志向が固まるとそのまま、というお客様が多かったが、最近のお客様はいくつになってもトレンドを追い続けようとする」という。そこで、これまでカジュアルでスタイリッシュな品揃えだった「ニューヨーク ランウェイ」には、ポップでフェミニンなブランドが登場し、他方、「ル プレイス」には、ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)、タロウホリウチ、ファセッタズムなど、これまでなら銀座三越には出店しなかったようなブランドがお目見えして、よりモード感が強くなった。顧客にとっては一層、「自分で選び、コーディネイトする」楽しさのある売り場構成と言えるだろう。特筆すべきは、スニーカーを常時150足ほど展開すること。スポーツテイストのトレンドが続き、レーシーなスカートにスニーカーというコーディネイトは当たり前になっている中、これまで銀座三越としては、ナイキ(NIKE)やニューバランス(New Balance)などスポーツブランドのスニーカーを扱ってこなかったが、今回のリモデルでは、スニーカーの品揃えは圧倒的に充実することとなり、トータルコーディネイトの視点からも大きく進化している。さらに新しい試みとして、「ル プレイス」担当マネージャーの大原悠子氏は「ファッションが持つ、ワクワクドキドキという感覚が詰まったブランドを紹介していくのはもちろんだが、ただ最旬の服、つまり“モノ”が集まっているというだけではなく、コトという側面からアピールしていく」と言う。その一環として「ジャパニーズコミュニケーションステージ」なるコーナーを新設し、デザイナーの思いを伝えるイベントを企画していく。9月16日からは、コーヘン(Coohem)やユウミアリア(Yuumi ARIA)といったブランドのデザイナーの手による写真を展示する。顧客には「服の売り場に写真が並んでいる」という意外性を与えたり、あるいは服に興味を持った顧客に対して、そのデザイナーの人間性にも触れる体験を提供したりと、モノを買うだけに留まらない、さまざまな角度からのコミュニケーションを生む場と位置づけている。また、リモデルのキーワードとしてもう一つ挙げているのが「銀座のおもてなし」。最近の女性の顧客には、男性に見られるような作りや素材に対するこだわりが感じられるようになってきたことから、販売員には、モノ作りへのこだわり、モノの価値をお客様と共有し、会話を弾ませていくことを実践していくという。また外国人の顧客に向けては、店舗全体で中国語など外国語の通訳スタッフを増やすという。同フロアの「ニューヨーク ランウェイ」は、同店の中でもいち早く編集色を打ち出し、特に感度の高い女性たちに支持されていたが、右近氏は「今回のリモデルは、理想としている形がほぼ100%実現したと思う」と自負する。顧客としては、その自信に大いに期待したい。
2015年09月15日2010年の9月にリニューアルして5年。銀座三越の化粧品の売り上げは当時の売り上げ目標50億円から大きく上回り、昨年度は89億円にまで成長した。さらに9月16日にオープンするリモデルでも、同店の化粧品フロアは大きく変貌を遂げる。その背景には何があり、どのような理由があるのか?三越伊勢丹の化粧品バイヤー、佐藤希奈佳さんに話を聞いた。「まずは、売り上げが大きく伸びたことで、売場スペースなどの環境上の問題を改善する必要にあったこと。また、お客様に満足だと感じて頂くためには、ブランドのラインナップを見直す必要があると考えました。品揃えの豊かさはもちろんのこと、銀座店に行けば常に新しさを感じられるコスメフロアにできるよう、注力しました」。では、銀座三越にとっての新しさとは、どのようなものであるのか。それは「グローバルの視点で日本を見ると、日本=銀座であり、日本の中心であるという捉え方」が鍵だと言う。確かに、多くの海外旅行者にとっても銀座は東京を代表する街だ。「コンセプトは“ジャパンを世界に発信していく、ビューティー・トータル・ショップ”です。銀座ならではの魅力を内包しながら、“this is japan”の考え方も含んでいます。その上で、美しさを追求し続ける30代から40代を中心とした女性に“自分史上最高の美しさ”を提供し得るショップを目指しました」。その具体的な変化、銀座三越の考える新しさについては、「コスメフロアであるB1(地下1階)は、これまで化粧品とアクセサリーで構成していましたが、今回物販はコスメに集約。“ジャパンビューティー”を大きく打ち出します。日本の誇る、日本を意識したブランドを紹介しています。その大きく拡大したコスメフロアには、“ジャパンビューティーセレクトゾーン”を設けているのが特徴。ジャパンブランドの中からとりわけトレンド性の高いメイクアップブランドを集約して展示し、さらにヘアケアアイテムや家電などもラインナップしています。また、注目度の高いBURBERRY(バーバリー)やNARS(ナーズ)を導入した“グローバルメイク”のゾーン、JILL STUART(ジル・スチュアート)の三越伊勢丹首都圏初出店など、感度の高い方々の美を意識しました」と佐藤バイヤー。今回のリニューアルに伴い、地下鉄からの入り口となる地階は「香りでお出迎え」をコンセプトに、従来の売り場スペースから倍増したフレグランスのコーナーを設置。最旬のグローバルなビューティ情報を発信する季刊誌も刊行予定で、新たな歴史を刻む銀座三越の化粧品売場は、情報とモノが交差する最新の売り場を目指す。
2015年09月14日