最近、あらゆるものの値上げが続いて、節約をしたいと思っている人も多いですよね。ただ、節約生活ってなかなか続けられない、何をしたらいいのか分からないと思ったことはありませんか?美容や健康に関心が高い女性が集まるanan Beauty+ clubのメンバー約100人に、オススメの節約術についてリサーチしました!1度で効果絶大の節約といえば※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。みなさんがこれまでに実践してきた数ある節約術の中から、まずは、1回するだけで節約につながった経験を教えてもらいました。「スマホの見直し。ソフトバンクから楽天モバイルに変えたら月々の料金が5,000円ほど安くなった。年間で考えると大きい」 (38歳・専門職)「あまり家から出なくなったので、ほとんどWi-Fiのあるところで生活しています。なのでギガを使わない基本プランへ変更しました」(30歳・会社員)多くの人が通信費を見直した結果、大きな節約につながっているようです。格安スマホへの乗り換えや、契約プランの見直しをして、数千円単位の節約に。なかには、7,000円も安くなったというもケースも!固定費は1度見直すと、節約効果が続けて得られるのもいいですよね。私も、今年、格安スマホに変更したのですが、月5,000円ほどの節約になりました。コロナで外出する機会が減り、データ通信量をあまり必要としなくなったことが、乗り換えのきっかけでした。コツコツの積み重ねが効く!オススメの節約術続いて、オススメの節約方法、節税法を教えてもらいました。「夕方遅い時間にスーパーへ行く。雨だとさらに安いのでまとめ買いする」(38歳・専門職)「安いスーパーや八百屋に行って、お肉や野菜をたくさん買い冷凍しておく」(30歳・会社員)スーパーでの割引やまとめ買いは、1回の節約金額は小さくても、塵も積もれば山となるので侮れませんよね。私も、スーパーに行くと予定になかったものまで買ってしまいがちなので、できるだけまとめ買いをして、スーパーに行く回数を減らすことを意識しています。そして、食材の冷凍保存をしている人も多くいました。野菜やお肉など、意外に冷凍できる食材は多いですよね。最近、納豆が冷凍できることを知って、とても驚きました。まだ実際に冷凍したことはないのですが…。他には、こんな節約術を実践している人もいました。「PayPayのキャンペーンをやってる街にいく」(32歳・会社員)「大田区に住んでるので、大田区の商品券を使う。20%分のポイントが付いてくるので2万5,000円分買って3万円使える」(38歳・専門職)最近は自治体の支援も充実していて、地域ごとに独自のクーポン発行や割引施策がありますよね。自治体の商品券を購入するために長蛇の列ができているというニュースもよく目にしました。私は、エリア限定や期間限定のサービスと聞くと、お財布の紐が緩んで、逆に使いすぎてしまうタイプです。お得なポイント活用法次に、最近の節約術としてもおなじみになってきた、電子決済やポイ活等の活用法を聞いてみました。「ポイントは基本なんでも貯める」(32歳・会社員)「楽天payを使うとさらにポイントがたまるので、スーパーやコンビニで使っています。大きな買い物は普通に買って、少ない金額の時にポイントで支払います」(30歳・会社員)「ソフトバンクに長期加入しているとPayPayのポイントがもらえるので、少しでも節約できているはず」(34歳・会社員)小さな積み重ねですが、いつのまにか大量のポイントが貯まっていたという経験ありますよね。キャッシュレス化が進み、私は最近あまり小銭を持ち歩かないので、ちょっとした金額や端数を支払うときにポイントが便利だなと感じています。また、効率よく貯めるために、クレジットカードやスマホなどさまざまなものを楽天にして、1種類のポイントを集約しているという人もいました。節約に大貢献するオススメのクーポンポイントの他にも、クーポンで割引を狙う方法もあります。オススメのクーポンや、よく使うクーポンを教えてもらいました。「マクドナルドのクーポンはよく使う。メルカリなどで店舗指定のポイント還元があるときに買う」(38歳・専門職)「ファミレスやマクドナルドのクーポン。行く時は先に調べてからクーポンのあるメニューを選ぶ」(38歳・無職)マクドナルドのクーポンを活用している人が多くいました。確かに、多くのクーポンを発行している印象があります。さまざまな店舗のクーポンのほか、LINEやメルカリなどのアプリ内で発行されるクーポンを活用している人もいました。私も、SNSや検索サイトのクーポンは普段からチェックするようにしています。来年こそは始めたいお金のこと最近は、節税や投資の新しい制度など、お金にまつわるいろいろな話題がありますよね。そこで、2023年に始めてみたいお金に関わることを聞いてみました。「制度が変わったら、NISAとiDeCoを増額する」(34歳・会社員)「つみたてNISAは今やっているので、株式投資にも挑戦してみたいなと思っています」(30歳・会社員)投資初心者でも比較的始めやすいと言われている、つみたてNISAやiDeCoに関心を持っている人が多くいました。私は、投資や税金の勉強は難しそうと思ってなかなか挑戦できずにいたのですが、数年前に「老後2,000万円問題」が話題になったタイミングで、つみたてNISAを始めました。他にも、個別株の投資や、保険の見直しなどを考えているという声があり、お金に関していろいろ学んだり、取り組んだりしてみたいというみなさんの意欲を感じました。続かなかった節約法最後に、やってみたけど続かなかった節約方法も聞いてみました。「食品の購入を週1回にすること。余らせたり、週半ばで足りない物を買うついでに他のものを買ったり、結局節約にならなかった」(34歳・会社員)「家計簿アプリ。最初は楽しく入力していたのですが、1か月も続きませんでした」(30歳・会社員)家計簿アプリは、私も挑戦したことがあるのですが、続きませんでした。1度レシートをもらい忘れたことをきっかけに、記録を怠りがちになってしまい、いつのまにか入力しなくなりました。最近は、せめて食費だけでも管理してみようかなという気持ちはあるのですが、まだ再開できていません。コツコツ続けることが大事とは分かっていても、行動にするのは難しいですね。楽しく続けられる節約法を!節約術のリサーチ、いかがでしたでしょうか。いろいろな節約方法がありましたが、挫折しないように楽しめるというのも、続けられる節約のポイントかもしれませんね。みなさんのエピソードを参考に、ぜひ自分に合った方法を探してみてください。(C)Hispanolistic/Getty Images(C)d3sign/Getty Images文・高橋あやか
2023年01月05日記録的な円安が影響し、『ラッシュ』という言葉がぴったりなほど値上げの発表が相次いでいる2022年。中でも飲食物の値上げ発表はとどまることを知らず、ネットでは毎月のように値上げ発表に対する嘆きが上がっています。原材料などの高騰で、製造コストも上昇しています。企業側も、値上げをするにあたって苦渋の決断を下しているのでしょう。ファミリーマートの『値上げ時期』が思いやりを感じると話題に2022年12月9日、コンビニチェーン店『ファミリーマート』が一部商品の価格改定を発表。コスト高騰や円安の影響を受け、レジ前で取り扱うチキン類を中心に、値上げを実施することを明かしました。今回、価格が変更されるのは、人気商品の『ファミチキ』を含む以下の11品です。・ファミチキ198円→220円・クリスピーチキン(プレーン)160円→178円・クリスピーチキン(ハバネロホット)160円→178円・スパイシーチキン160円→185円・ジャンボフランク168円→190円・ハッシュドポテト108円→128円・アメリカンドッグ118円→138円・鶏つくね串140円→160円・炭火焼きとりももタレ108円→128円・炭火焼きとりかわタレ108円→128円・炭火とりかわ塩108円→128円『ファミチキ』は、さまざまなコンビニチキンの中でも人気の高いメニューの1つ。価格改定が発表されるやいなや、ネットではついに『ファミチキ』が200円代になることも含め、悲しむ声が上がりました。そんな中、注目が集まったのは価格改定の実施日。『ファミリーマート』によると、これらの値上げは同月26日に行われるといいます。12月26日…それは、一大イベントであるクリスマスの翌日。そして、クリスマスは多くの家庭がチキンを食べる日とされています。自らもコスト高騰で苦しむ中、『ファミリーマート』はこの価格改定を決めたのでしょう。気遣いが伝わってくる価格改定に、いろいろな声が上がりました。・クリスマスの翌日からにしてくれるところに、『ファミリーマート』の優しさを感じて泣いた…。・「せめて、クリスマスまでは同じ価格で…」という気遣いがすごい。・値上げは悲しいけど、決行の日付を見たら感謝しかない。泣ける。クリスマス当日は、多くの人が『ファミチキ』を笑顔で食べられる日になるでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年12月10日電車、バス、タクシーなど“生活の足”に値上げラッシュが押し寄せている。「コロナ禍でテレワークが浸透し、移動需要に変化が出ています。最近人出が戻ってきたとはいえ、コロナ前の混雑には程遠い状況です」そう話すのは交通技術ライターの川辺謙一さんだ。すでに一部のバス会社や一部地域のタクシーでは値上げが始まっている。鉄道会社も、来春には続々と運賃が上がる予定だ。「鉄道会社にすれば乗客が減っても、運行は止められないので経費は変わらない。営業利益は大きく減ってしまったでしょう。とはいえ、利用客の減少、つまり売り上げの減少を理由に値上げしたいとは言いづらい。利用客の理解も得られにくいでしょう。そこで、ホームドアの整備などバリアフリー対策を進めるため、その費用の一部を利用客にも負担してもらうというのが、多くの鉄道会社が来春の値上げを行う大義名分です」(川辺さん・以下同)増税以外の理由で、JRが値上げするのは30年以上ぶりだ。「公共交通機関のなかでも、特に鉄道は安易に値上げできない仕組みがあります。国土交通省に値上げの申請をし、自動改札機の更新などに半年~1年ほどかかります」次の値上げリストにも、鉄道値上げは来年以降の予定がずらりと並ぶが、バスやタクシーは近々の予定が並んでいる。■電車・バス・タクシーの値上げ一覧【鉄道の値上げ】〈’23年3月〉東急電鉄:初乗り区間は約10円値上げ。平均改定率は12.9%。JR東日本:運賃は一律10円の値上げ、通勤定期は1カ月280円などを上乗せ。東北、上越新幹線などのグリーン料金を3割程度値上げ。東京メトロ:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月370円などを上乗せ。西武鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。東武鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。小田急電鉄:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。子どものICカード運賃は全線一律50円を据え置き。〈’23年春〉JR四国:初乗り区間は20円の値上げ、改定率は12.51%。定期の改定率は通勤が平均28.14%、通学が平均22.43%。一部の特急料金も改定予定。〈’23年4月〉静岡鉄道:運賃は一律20円値上げ、通勤定期は17.6%の値上げ。平均改定率は 12%。近畿日本鉄道:初乗り運賃は一律20円値上げ、平均改定率は17%。値上げは27年ぶり。JR西日本:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月300円などを上乗せ。阪神電気鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。阪急電鉄:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。大阪メトロ:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。京阪電気鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月370円などを上乗せ。伊豆箱根鉄道駿豆線:初乗り運賃は20円の値上げ、平均改定率は14.5%。定期の改定率は通勤が24%、通学が10.1%。大雄山線は2024年春に値上げ予定。【バスの値上げ】〈’22年11月〉広島バス:広島市内均一運賃エリアを拡大し、均一運賃を190円→220円に。呉市生活バス:路線により10~40円の値上げ。〈’23年3月〉三重交通:初乗り区間は10円の値上げ、平均改定率は4.1%。通勤定期は6.8%の値上げ。〈’23年3月16日〉川崎鶴見臨港バス:大人210円→220円に値上げ。28年ぶりの改定。【タクシーの値上げ】〈’22年11月14日〉東京都23区と武蔵野市、三鷹市:初乗り料金の上限を420円→500円に。加算料金は、233メートルごとに80円→255メートルごとに100円に改定。〈’22年12月5日〉愛知県名古屋地区:初乗り料金を450円→500円に。加算料金は、231メートルごとに80円→232メートルごとに90円に。〈’23年以降(時期未定)〉岩手県:初乗り料金の上限を540円から60円以上値上げ。加算料金は、264~290メートルごとに100円を基準に検討する。「鉄道は沿線地域の交通を独占していると考えます。同じ経路を同業他社と競合するバスやタクシーとは、値上げの意味が違います」確かに、値上げが困るといっても、複数路線が使える地域以外は、私たちはいつもの電車を利用するしかない。値上げがわずか10円だとしてもキツいだろう。たとえば小田急電鉄では、乗車距離にかかわらず6カ月の通勤定期券が3240円の値上げ。夫婦2人だと6000円以上出費が増える。「JR東日本は’23年3月から新たな定期券を導入します。それに以前からお得なチケットなどもあります。これらをうまく利用すれば値上げに対抗できるでしょう」■運転免許返納もお得乗車につながる川辺さんに値上げに負けないお得な乗り方を教えてもらおう。【1】JR東日本「オフピーク定期券」「コロナ禍の3密回避や満員電車の緩和など、以前からピーク時間をずらした乗車にポイントがつくプログラムがありました。来年3月以降はそれを発展させて、平日朝のピーク時間帯以外に使える定期券を10%引きで発行します」ピーク時間帯は乗車駅によって決まっている。新宿など都心に近い駅は7時30分~9時などで、都心から離れるとピーク時間帯は早くなる。ピーク時間帯に乗車した場合は、定期としての利用はできず通常のICカード料金が必要だ。「早めの出勤など、ピーク時間をはずせる人におすすめです」【2】東京メトロ24時間券「1日に何度も乗り降りする場合は各社の1日乗り放題券がお得です。なかでも東京メトロの24時間券はさらにお得です」24時間券は大人600円で、使用開始から24時間乗り放題。使用開始が午後3時なら翌日の午後3時まで、初乗り170円区間を4回以上乗れば元が取れる。【3】特急券はネット申し込みで早割特急券を予約する場合はネット申し込みがお得。なかには20日前までの予約で半額になることも。【4】JR西日本「おとなび」おとなびは50歳から入会できる会員制サービス。ネット予約でJR西日本の新幹線や特急列車が何回でも3割引きになるなどお得チケットが満載だ。JR東日本なら「大人の休日倶楽部」など、各社の会員制サービスを探してみては。【5】運転経歴証明書でバス・タクシーが割引に運転免許証を返納したら「運転経歴証明書」の申請を。免許証と同様に身分証明書として使える。さらに運転経歴証明書の提示でバスが割引になったり、タクシーチケットがもらえる自治体もある。お得な方法を賢く使って、値上げ分を取り戻そう。
2022年11月24日今年最大の値上げ月となった10月。原材料の高騰などにより6500品目を超える食品が値上げされた。最も多いのが冷凍食品やレトルトなどの加工品で、食用油やたれなどの調味料や飲料が続く。「どんどん頼ってほしいのが、スーパーのオリジナルであるプライベートブランド(以下、PB)。各社力を入れているので、この物価高でもお買い得品が多いんです」そう教えてくれるのは、食文化研究家でスーパーマーケット専門家のスギアカツキさん。「流通コストがかからないPBは、ナショナルブランド(NB)より安いのが魅力。販売データや消費者アンケートをもとに商品開発されているため、下ごしらえ済みの冷凍野菜や健康志向食品など、消費者のニーズに合わせた商品が充実しています。柔軟性があり、NB商品にはないような珍しい商品も豊富。ある大型店舗では分析カメラを導入し、消費者行動にもとづき、品ぞろえを充実させています」(スギさん・以下同)食品のなかには、“おいしすぎる”と話題になるほどの商品も。「名店とのコラボ商品は、驚くほどクオリティが高い。大手メーカーとの共同開発も信頼があります」アレルギー対応や糖質カットのPB食品も、大ヒットしている。「『ライフ』では、専門店の半額程度で購入できる、ヴィーガンスプレッドがすごく売れています。全粒粉のパンやうどん、そうめん、雑穀入りレトルトご飯も人気です」■PB食品がいい7つの理由【1】続々値上げの「調味料」「加工品」が圧倒的に安い!卸売業者を通さないPBは、醬油や食パンなど定番品もお買い得。ほかにも大量生産やパッケージを簡単にするなど努力で価格を抑え、安さを実現。【2】「鍋の素」「カレー」など、ほかにはない「レトルト」が!他店にはない、独自の発想やこだわりの味のレトルトが充実。ご当地鍋つゆからイタリア・ナポリのパスタ料理まで、驚く種類の豊富さ。【3】“あったらいいな”の主婦の気持ちが商品に!スーパーの顧客データや主婦へのアンケート調査から、徹底した消費者目線で作られる。小分け包装や加工済みの魚など使いやすい商品が人気。【4】有名料理店などとの「絶品コラボ」商品がある!名店やキャラクターの“看板”を背負ったコラボ商品は、妥協のない商品作りでおいしさに外れなし。食のプロもうなる逸品ぞろい。【5】「冷凍おかず」はすぐおいしい&ボリューム満点!バリエーションが豊富な冷凍食品は、スーパーがいま最も力を入れているジャンル。使いやすくておいしくて、外食以上の満足感も!【6】“面倒なとこやっときました”な「下ごしらえ商品」が充実!新トレンドとして増えているのが、主婦にうれしい手間と時間を省いてくれるPB。裏ごし済みや骨を取ってカットされた魚まで!【7】健康志向のニーズに応えた商品が続々!ヴィーガンスプレッドまでPBで手に入る時代。健康志向やアレルギー対応食材のニーズが増えた昨今、しっかり商品化して対応。■地方スーパーのPBはお土産としても優秀最近では、量販店や高級スーパーのPBも見逃せないという。「面白い商品をそろえているのが『ドン・キホーテ』の“情熱価格”。メッセージを伝えやすいPBの特徴を生かし、すごく長い商品名や説明書きで作り手のこだわりを全面的に表しています。そして、今人気があるのが、岐阜県発祥の業務用スーパー『アミカ』。冷凍食品に強く、酢飯の“冷凍シャリ玉”など独自路線がすごいんです。郊外型スーパー『ヤオコー』は業界内人気が高く、ソーセージなど定番商品が安くておいしいと評判。高級スーパーの『成城石井』もこだわったPBをそろえています」いまスギさんが注目しているのが、全国のご当地スーパーだ。「地方のスーパーがPBを持つようになってきました。比較的小ロットでもメーカーが対応できるようになったため、地域の色を持つ商品がどんどん発売されています」たとえば、長野県・群馬県のツルヤ、山梨県・長野県のいちやまマート、山形県・宮城県のヤマザワ、兵庫県のヤマダストアー、沖縄県のジミーなど、地域に根ざしたスーパーで開発されたPBには、知られざる逸品が豊富。「地元ならではのPBは、“地元愛”にあふれ、その土地で親しまれている味を楽しめます。地元の人が愛用する、安くて確実においしいPBは、お土産にもぴったり。ジャムやお菓子、麺類、ソーセージなど加工品のコーナーをのぞいてみて」もはや価格だけじゃないPB。使い分けて、楽しみながら節約につなげることができるという。「たとえば、パスタは価格重視PB、ソースはプレミアムPBと組み合わせる。外食の代わりに高級スーパーのPBでプチぜいたく。満足感は高く、食費も浮きますよ」【PROFILE】スギアカツキスーパーマーケット専門家、食文化研究家。スーパーや食のトレンド情報をSNSやメディアで発信している
2022年11月02日今回は美容、健康やエコに関心が高いanan Beauty+ clubのメンバー約100人に「かさまし食材」についてリサーチ。値上げや円安が止まらない今、おうちごはんから節約してみるのはいかが?手軽な価格で作れる「超簡単レシピ」についてもご紹介します。女性約100人に聞いた「オススメのかさまし食材」anan Beauty+ clubのメンバーに「かさまし食材」についてリサーチしたところ、節約になるかさまし食材についての情報が多数。今回は厳選して、オススメかさまし食材のベスト3をご紹介します。第3位 じゃがいも「お腹にたまるし、見た目のかさましにも良い」(34歳・自由業)サラダや炒め物、ハンバーグやたまご料理に入れてもおいしいじゃがいも。入れるだけで食べ応えが増します!第2位 キャベツ「特にスープや炒め物で重宝しています」(32歳・会社員)100円以下で購入できるスーパーが多く、コスパが良いキャベツ。千切りやざく切りなど、切り方で食感が変化するため飽きずに楽しめます。第1位 豆腐「木綿豆腐は、アレンジによってはお肉みたいな食感にもなる」(34歳・専門職)「ヘルシーなので頻繁に使います」(30歳・会社員)1番多かった回答は「豆腐」。味噌汁に入れたり、お肉料理に混ぜたり、サラダに入れたりと、簡単に1品をボリュームアップしてくれてgood。またこちらも1つ100円以下の商品も多いですから、節約になること間違いなしです。フードライターの筆者がオススメするのは、玉ねぎと豆腐でかさまししたハンバーグ。お肉の量が少なくてもたくさん作ることができ、ふわふわ感が増します。作り方は、微塵切りにして炒めておいた玉ねぎ半玉と、水切りした木綿豆腐200g、鶏ひき肉80gに、味噌小さじ2を入れてよく混ぜ合わせて、食べたいサイズをタネにして焼くだけ。大根おろしとポン酢をかければ絶品!また、ベスト3以外には、きのこもやし乾燥わかめ納豆などが挙がりました。アンケートにはありませんでしたが、こんにゃくおからしらたきなども腹持ちが良くコスパがいいので、かさまし食材として最適です。女性約100人に聞いた「オススメの簡単一品レシピ」続いては、簡単レシピについて。「今日、ごはん作るのめんどくさい…」そんな日にこそ作るべきレシピを、女性たちに教えてもらいました。1. しらすトースト「バケットにしらすとチーズをのせてトーストするだけ」(38歳・専門職)のせてトーストするだけと簡単なのに、しらすとチーズの風味が相まって絶品! 朝ごはんにピッタリです。2. 余り野菜を入れたお味噌汁「冷蔵庫に少しだけ余っている野菜を使ったり、こんにゃくなどのかさ増し食材を入れる」(34歳・会社員)具だくさんなお味噌汁っておいしいですよね。ついつい余ってしまいがちな食材を、お味噌汁に入れれば食品ロスがなくなりエコ!3. キムチ豆腐「豆腐にキムチとごま油をかけて、海苔もかけたら完成」(34歳・専門職)ごま油とキムチ、海苔は相性がいいに決まってます…! 筆者も作ってみましたが、韓国海苔をかけても美味。4. セロリの葉っぱツナサラダ「ポン酢とマヨネーズの味付けで、セロリの葉っぱまで美味しくいただけます。ツナとの相性バッチリ」(35歳・専門職)タンパク質と、ビタミン、食物繊維もとれるなど健康に優しいレシピ。筆者はセロリを購入すると余らせてしまいがちなので、このレシピは非常に気になります。5. カプレーゼ「桃でも、トマトでも、マスカットでもおいしい。簡単なのに映えるからお気に入り」(32歳・会社員)トマトなどの野菜や果物に、モッツァレッラチーズ、バジルを交互に並べて、オリーブオイルと塩をかけたら完成と、実は簡単に作れるカプレーゼ。オシャレな見た目にテンションが上がります。筆者のオススメは、出来上がったカプレーゼをオーブンやグリルで7~8分焼いて"焼きカプレーゼ"にすること。とろーりチーズが溶けて、トマトはこんがり。ピザのトッピングのような香ばしい味わいが最高です。手軽にできる節約から始めたいできることから節約したいという人こそ、まずは自炊をして節約するのはいかがですか? 簡単一品料理を参考にすれば、おうちごはんを楽にしてくれること間違いなし! 気になった人は、ぜひマネしてみてくださいね。(C)Boris Jovanovic/Getty Images(C)kazoka30/Getty Images(C)Aneta_Gu/Getty Images(C)yasuhiroamano/Getty Images文・武市彩花
2022年10月25日疲れている時や、うっかりしてしまった時、こんな事態に遭遇することはありませんか。「冷蔵庫の中に…食材が全然ない!」食材がないと、どうしても質素な食事になってしまうもの。もしくは、外食や宅配サービスを利用せざるを得ない状況に…。そんな状況に直面した、現役のシェフとして働いている麦ライス(@HG7654321)さんは、手元にある限られた食材でピラフを作ることにしました。その結果、即席だったにもかかわらず、とても食べ応えのある一品が完成!レシピと使った食材をシェアすべく、Twitterに投稿しました。【作り方】1.カットしたマイタケ1袋を、バター小さじ2杯で炒めたら、コーン缶(60g)を半分ほど入れる。2.解凍した冷凍ブロッコリー5個、ご飯約300g、白コショウ少々、コンソメ顆粒小さじ1杯ほどをちょうどいい味になるまで加え、炒めたら完成!冷蔵庫に何もなくて無性にピラフが食べたくなってパパッと作ったら美味しかったので共有❗️カットした舞茸1袋をバター小さじ2で炒めたらコーン缶1/2(60g)解凍した冷凍ブロッコリー5個(出てきた水も)ごはん300gぐらい白胡椒少々コンソメ顆粒小さじ1〜ちょうど良くなるまでを加え炒めたら完成❗️ pic.twitter.com/YTAb7oOSUk — 麦ライス@シェフ/料理家 (@HG7654321) October 18, 2022 もちろん、これは麦ライスさんの冷蔵庫事情に合わせて作られたピラフなので、ご自身の冷蔵庫に入っている食材に合わせてアレンジも可能でしょう。マイタケ以外の食材を使った場合も、上記の味付けの行程を参考にしてみてくださいね。麦ライスさんによると、白コショウを抜いてみたところ、麦ライスさんの幼い我が子はおいしそうに食べてくれたのだとか。「これなら、自分でも作れそう!」という声が上がっている、麦ライスさん流の『即席ピラフ』。比較的短時間で作ることができるため、家事や子育てで忙しい人にも、オススメできそうです![文・構成/grape編集部]
2022年10月20日相次ぐ値上げの波は、コロナ禍で普及した“宅飲み”にまで及ぶことに。毎日の晩酌を楽しみにしているという人も多いが、何も対策を講じないでいると、支出の大幅増を招きかねない。10月1日、食品が一斉に値上げされた。帝国データバンクによると、10月は今年最多の6700品目が対象になるという。値上げの波はいったいどこまで続くのか。経済評論家の加谷珪一さんは、食品の値上げの背景と見通しをこう解説する。「昨今の値上げの原因は、原油価格や輸送費、人件費などの高騰が重なったものです。コロナ禍にウクライナ問題と世界で重大事が続き、値上げが止まらなくなりました。その波はまだまだ続くでしょう」そしてこの値上がりサイクルは、「商品の性質によってタイムラグが生じる」と加谷さん。「パンなどの小麦由来の食品は、製造費のうち原材料が占める比率が高く、加工品度が低い。真っ先に値上げされる食品群です。そこから徐々に原材料比率が低く、調理やパッケージングなどの手間がかかる食品へと、値上げされる品群が移っていきます」ではかっぱえびせんなどのお菓子や加工肉などで、今年に入って2度目の値上げがされる理由は?「本当は2割以上の値上げをしたくても、一気に上げてしまったら売れなくなってしまいます。まずは買ってもらえるギリギリのライン(たとえば10%増)で値上げしたものの、その後の物価高騰に耐え切れず、再値上げするというパターンがあると思います」(加谷さん)今月値上げされる食品のなかでは「酒類・飲料」のカテゴリが2991品目に上り最多となる。「一番搾り生ビール」「スーパードライ」など10月に初めて値上がりしたビール類は、何度も値上げされているパンのように「麦」由来の商品。それなのになぜこのタイミングで価格が上がったのかーー。■ビールの値上げには酒税改定の影響も「ビールは確かに麦由来の製品ですが、製造費のうち原材料は15%程度と低く、逆に25~30%と高く占めているのは酒税です」その酒税は来年に改定される。ビールの税率が下がり、発泡酒は据え置き、一方で新ジャンル(その他の醸造酒、リキュール等)が大幅にアップされる予定なのだ。「いま売れている新ジャンルは来年の値上げで一時的に売り上げが落ち込むと予想されます。そのため、いまのうちに主要商品であるビールを値上げしておくべきと判断したのかもしれません」ビールと同じく値上げされた「竹鶴」「ジョニーウォーカー」などのウイスキーについて加谷さんはこう解説する。「海外で人気が高い『山崎』などを国産ウイスキー最大手であるサントリーが4月に値上げしていました。世界各国の高価格に国内価格を近づける狙いがあったと思われ、他社も並んだ格好です」酒類の値上げには、14日に147円台に突入した「円安」状態の影響もあるのではないだろうか。「ワインなどはとくに円安に影響されます。11月解禁のボージョレは、フランスで100%瓶詰めまでされたものを輸入するので、契約時の為替レートが値上げ幅に大きく影響するでしょう」チーズや生ハムなどのおつまみの値上げにはこんな背景が……。「昨今、急激な経済発展を遂げているアジアなどの新興各国では、食も高級志向になり、チーズや生ハムなどの”贅沢品”の価格が世界的に上がっているんです。また、輸入量が多いチーズや生ハムは円安の影響で、さらに価格が上がっています」このように晩酌で並ぶほとんどの食品に、値上げの影響が及ぶ。毎日ビール1本とチーズを楽しんでいる場合、夫婦で月2000円の家計負担増にーー。私たちが「失われた2000円」を取り戻すためには何が必要なのか。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに教えてもらった。「まずは食品の『最安値』をスマホやPCでチェックすること。全国の価格情報を扱うサイト『価格.com』では食品も扱っていますので、最安値や平均的な値段がいくらなのかを把握しましょう」次に探すのは、プライベートブランド(PB)商品だという。「ビール類をはじめ、PB商品でそろうものは多いので、出費を抑えるのを最優先にしたい食品の場合は積極利用するといいでしょう」さらに、金券ショップでビール券や商品券を数パーセント程度安い値段で買い、商品をスーパーやショップで購入する方法も。「金券ショップでの注意点は、購入する商品券などを必ず目当ての店で使えることを確かめてから買うことです」飲み方を変えるのも一つの手だと言うのは前出の加谷さんだ。「『ビール×チーズ』のような値上げ率の高いものではなく、価格がほとんど変わらない国産の米を使った『日本酒×おせんべい』に変えると値上げの影響が少ないかもしれません」買い方×飲み方を工夫し、負担を最小限に食い止めて、値上げの波を乗り切ろう。
2022年10月20日手ごろな価格で、おいしいドーナツが楽しめる『ミスタードーナツ』。2022年9月26日、『ミスタードーナツ』が一部商品の価格を値上げすると発表しました。『ミスタードーナツ』では、同年3月にも値上げを実施していましたが、ドーナツの主原料である小麦や食用油などの原材料の高騰により、年内二度目となる価格改定に踏みきったようです。ミスタードーナツでは、主原料である小麦粉や食用油等の原材料高騰によるコスト増加を要因として、3 月 1 日より一部商品の価格改定を実施しました。しかしながら、この改定幅を上回って国際情勢や為替変動により原材料および包装資材・物流費など諸経費の上昇が続いています。このような状況下の中、コスト上昇分を内部努力で吸収することが困難であると判断し、これからもおいしい商品を安定的にお届けするために一部商品の価格改定を実施させていただきます。ミスタードーナツーより引用現在販売中のドーナツ、パイ、マフィン39種が10~20円ほど、また、『ドーナツポップ』の単品が3円、セット商品が10~30円ほど値上げするとのこと。価格改定される商品の中から、価格改定後の金額例を一部ご紹介します。下記はすべて、税抜き価格です。【ドーナツ】【パイ】【マフィン】【ドーナツポップ】『ミスタードーナツ』の価格改定のニュースに、ネットからはさまざまな声が上がっています。・『ミスタードーナツ』も値上げか…。でも、仕方がないし、大好きなので応援の気持ちも込めて買いに行きます!・いくらになろうとも、『ゴールデンチョコレート』がある限り、通い続けます!・そのくらいの値上げならいいんじゃないでしょうか。・原材料の高騰は仕方がない。いろいろな値上げに合わせて、みんなの給料を上げてくれー!『ミスタードーナツ』は、同年11月25日から商品価格の改定を行います。価格改定前には、全国の『ミスタードーナツ』に多くの人が押し寄せそうですね。[文・構成/grape編集部]
2022年09月27日「昨年来、食品の急激な値上げを実感します。そのなかでお菓子は数年前から価格は変えずに内容量を減らす“ステルス値上げ”がされてきました。子供も購入する商品であるため、価格を上げるのが難しい部分もあったのでしょう。しかし、もはや企業努力だけでは価格を維持することができなくなってきているようです」こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。チョコパイ(9月6日〜)などチョコレート類、ポテトチップス(9月1日〜)などスナック類、あずきバー(9月1日〜)など氷菓類と、値上げ商品は全方位的だ。スーパーなどに並んでいるお菓子を集めると、その種類はのべ64にも及んだ。「特に注目すべきは、9月5日に20円から23円に値上げしたチロルチョコと、今年4月に10円から12円に値上げしたうまい棒。チロルチョコは今の形になって以来29年ぶり、うまい棒は発売以来42年で初めての値上げです。値段のキリがよく、10円玉で購入できる商品の値上げは、メーカーにとって苦渋の決断だったのでは。お菓子業界の値上げの異常事態ともいえるでしょう」(柏木さん・以下同)値上げの主要因は、原油価格高騰による物流・製造コストの増加、ウクライナ情勢の悪化などによる小麦や油脂の価格上昇、そこに1ドル約140円台も記録した急速な円安で、輸入コストが増大したことが追い打ちをかけた。こうした背景のほかにも、お菓子類特有の事情が隠されているようだ。「まず、お菓子の原材料に目を向けると、気になるのは小麦粉同様に、砂糖が急騰していること」今年7月、昨年来4度目となる値上げで6%増になったばかり。「原料の輸入コスト高騰、円安によって高値が続いている状態です」チョコレート製品に欠かせないカカオも高騰。各菓子メーカーが商品値上げの要因と挙げているのは、パーム油の高騰だ。【解説】2022年値上げされた&されるお菓子現在、ひまわり油の世界的な産地であるウクライナがロシアに侵攻され輸出が滞っている。そのため各国でひまわり油の代替品としてパーム油の需要が増加。パーム油の産地であるインドネシアでは、じつに70%値上げされた製品もあるという報道も。「チョコレート製品に欠かせないカカオも、数年前から産地の人手不足などにより、各国で供給不足の状態が続き値上がり傾向でした」さらに直近ではカカオ産地であるガーナの天候不良、円安による輸入コスト増が重なった形だ。原材料以外にも要因が。「とくにお菓子は個包装が施される商品。石油化学製品である包装資材は、原油価格の影響が大きいといえます。また、9月の値上げには井村屋や赤城乳業などの氷菓の値上げも目立ちます。氷菓の場合は製造段階でも輸送段階でも冷凍処理が必要なので、コストが大きいのです」こうした状況下、企業努力だけでは価格を維持できず、上半期に約10%、さらに9月以降に10%以上“再値上げ”する商品も。「一度に20%以上値上げすると購買行動への影響が大きいので、段階的に値上げしたいメーカーの思いもあるのではないでしょうか」つまり、一度値上げした商品が、再値上げしないとは限らないのだ。「今後も容赦ない値上がり傾向は続きそうです。’21年の家計調査によると、お菓子の月の平均支出額は7,350円。お菓子の価格が平均13%増したという帝国データバンクの数値を基に計算すると、おやつ代は1カ月955円増。今後の値上げも考慮すれば、これまでよりも月1000円を超える出費増を覚悟すべきでしょう」だからこそ、日々の対策も求められる。「定価で買わずドラッグストアや量販店など安売りの店で買う、特売のときにまとめ買いする、安さが売りのPB商品などを利用するなどして、乗り切りましょう」現実はスイーツのように甘くはないのだ。
2022年09月08日「秋から値上げされるものの多くは加工食品。ということは、できるだけ加工食品は買わず、生ものは“使い切る”ことを意識すれば、値上げのダメージを最小限に抑えられます」そう語るのは節約アドバイザーの和田由貴さん。「家庭から出るロスの半分は野菜。皮ごと料理したり、半端野菜も使い切って。秋はお得な旬野菜が多く出回るため、余らせそうなら冷凍保存しましょう」料理に欠かせない調味料は、PB(プライベートブランド)商品がおすすめだという。「いまPBは安いだけでなく“本家”に負けず劣らず美味しい。“本家”のマヨネーズは450gで税込436円ですが、西友のPBなら400gで224円です」食品ロスをなくすためにはスーパーでの買い回り方も大事。「私はまず安売りしている旬の食材で献立のメインを決めます。献立作りが苦手な人やレパートリーが少ない人は、その場でスマホの画像検索を活用して。これで割高な『〇〇の素』を使わなくても、基本調味料と旬の食材だけでおいしく作ることができます」注意点は、“食欲の秋”に負けないこと!「スイーツやビール、ワインなど嗜好品の値上げは、家計に影響を与えがちなので注意が必要。“おこづかい”に計上し、その中でやりくりしましょう」それでは和田さんも実践する【10の食費節約ワザ】を見ていこう。【1】“食欲の秋”は食後に買い物へ「お腹がすいていると、すぐ食べられる菓子パンやお惣菜などを買ってしまいがち。冷静に買い物ができる食後、とくに朝食後の午前中が狙い目です。夕方の遅い時間はNG」(和田さん、以下同)【2】スーパーではまず肉、魚売り場をチェックせっかく旬の魚が安く出回っていたり、肉の特売があったりするのに活用しなければもったいない。「買い物は、肉や魚売り場→野菜→加工食品の順に回りましょう。献立のメインが安く決まるだけでなく、無駄な野菜や食材を買う頻度が減ります」【3】調味料や加工食品はPB商品を値上げ幅の大きい調味料やハム、ソーセージ、チーズなどの加工食品は、PB商品を選択しよう。「PBは価格を据え置きしているスーパーがほとんど。メーカーの特売価格には負けますが、いつでも安く買えるのがありがたい」【4】使い切りレシピ画像を活用する旬の食材を安く手に入れても、量が多くて中途半端に余ってしまったりすることも。「スマホで“食材名+レシピ”で検索したあと“画像”にすると、レシピ画像が出てきます。画像だとイメージがつかみやいので、すぐレシピが見つかるはず」【5】りんごの搾り汁を使って安い鶏肉を美味しく鶏肉に下味をつけるとき、醤油や酒などと一緒にりんごの搾り汁を加えると、いつもより軟らかくジューシーに。「リンゴ酸という成分に肉の繊維を軟らかくする効果があります。肉500gに対して大さじ半分程度でOK。少しの絞り汁を料理に活かせば、高級肉に変身します」【6】かさ増しに欠かせないきのこは冷凍保存旬を迎えるきのこは特売になりやすく、秋の食卓の救世主! 和洋中どんな料理にも使えて腹持ちが良く、うま味が加わることで料理を美味しくかさ増しできる。「きのこは生のまま冷凍が可能。冷凍するとうま味が増すといわれています。しいたけやなめこはそのまま、えのきだけやしめじは石づき部分を切り落とし、小房に分けて冷凍。たくさん買っても日持ちしますし、使うときは凍ったまま加熱調理するだけ」【7】余った野菜は「あんかけ」に野菜の使い切りを徹底している和田さん。「野菜室に収納かごを置き、半端野菜を入れておけば、しおらせることがありません。半端野菜は刻んで炒め、とろみをつけてあんにし、メイン食材にかけると簡単にボリュームアップ。あんかけにすれば、どんな野菜でもメイン料理となじむので野菜室整理の定番です」【8】豆苗や青ねぎ、ごぼうは再生栽培で再収穫野菜の根元や切れ端を育てる再生栽培は、気軽に収穫を楽しめるという。「豆苗は根元を水につけておくだけで、2回ほど収穫できます。大根、かぶ、にんじんなどの根菜類も同じく水耕栽培で葉が出るので、スープの浮き実や料理の彩りに使えます。青ねぎは根元4cm程度、キャベツは芯を土に植えると再び伸びますし、ごぼうも発芽した茎を植えたら、細いごぼうを大量に収穫できました」【9】食費は3:1に分けて管理する食費の予算を守るには、1カ月の予算を3:1に分けて管理すること。「例えば月4万円の予算なら、3万円と1万円に分け、3万円は日々の買い物に、1万円をお米や調味料など長期で使う食品に充て、月1回まとめ買いします。そうすれば“予算を日割り計算していたのに月末に食費が足りなくなる”という失敗を防げます」【10】秋の限定スイーツは“おこづかい”で買う栗やさつまいも、かぼちゃなど魅力的な季節のスイーツが増える秋。9月1日からカルビーのポテトチップスや井村屋のあずきバーなど、お菓子やアイスも値上がりするが、和田家では嗜好品代は食費と別枠にしているという。「スイーツやお酒などの嗜好品は、家計ではなく“おこづかい”に計上します。“おこづかい”の中でやりくりすることで、自制心が働きますし、ドラッグストアなど、より安い店を選んで買うようになります」
2022年09月02日みなさん、こんにちは! 10歳と7歳のやんちゃ兄弟を育児中のなーみんです。ここ最近いろいろな物が値上げされていて、皆さんもいろいろ工夫をしていると思います。今日は我が家で取り入れた、「節約するところとしないところ」についてです。■値上げが痛い電気代…でも節約を避けるのは?値上げで一番衝撃を受けたのが電気代です。今年に入ってからの電気代がとにかく高い! なのに使用料は去年とそんなに変わっていない…。そして電気代が一番高くなるのが夏! 今年は梅雨明けも早かったしいつもよりエアコンを付ける時期が早かったです。でも我が家はエアコンの節電はしません!節約して熱中症になったら病院代のほうが高いですし、子どもも暑がりだし体調を崩させるわけにもいかないので電気代が高くなってもエアコンは悩まずつけることにしました!■一方、我が家が節約することにしたのは…子どもたちがテレビで動画などを見ていて、それが垂れ流しになってることが多いんです。各々ゲームなどをし始めてテレビはBGM的な存在。「見てないなら消して」と子どもにも耳にタコができるくらい言っているんですが、全然ダメです…。いつもテレビついてます。なのでそんなときはすぐ消してるんですが、夏休み中はもっと恐ろしいことになりそうなので夏休み中のルールとして「テレビを見ないなら消す」を徹底したいと思います。あとはドライヤーもちょっと節電しています!私は髪の毛が長くて完全に乾かすのに10分以上かかってしまいます。乾かす時間が短くなるというマイクロファイバーのタオルでなるべく髪の毛の水分を取ってから乾かすようにしてドライヤーの時間を短くしています。節電と言っても本当に小さなことばかりなんですが、チリツモになってちょっとでも電気代が安くなればいいな~と思っています!みなさんは節約、何かしていますか?
2022年07月28日ここ最近いろいろな商品が値上げされています。そこで今回は「買い物を控えるようになったもの」と「それでも我慢できないもの」について健康、美容、エコに詳しい女性たち約100名が集まるanan Beauty+ clubのメンバーにアンケートを実施!どのような値上げ対策をしているのか聞いてみました。値上げして買わなくなった、買う頻度が低くなったものは?まずはanan Beauty+ clubメンバーに「値上げが行われたことによって買わなくなった商品や、買う頻度が少なくなった商品」についてリサーチしました。※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。「甘いものが好きで毎日のように買っていましたが、最近はあまり買わないようにしています」(31歳・会社員)「ケーキやお菓子」(30歳・会社員)まず目についたのが、お菓子やケーキといったスイーツ類。値上げされたことをきっかけに、ダイエットの大敵となるスイーツ類を控えるようになったという回答が多数ありました。「時間つぶしのカフェ。歩いて時間をつぶす方がダイエットにもなる」(35歳・専門職)「スタバ」(37歳・会社員)続いて気になった回答が、スターバックスなどのカフェに使うお金です。値上げへの対策として、お金がかかるカフェでの時間つぶしを、ウォーキングなどのお金のかからない運動に切り替えるという回答が見られました。「献立を決めてから買い物をするようになった。カット野菜をやめて、全部調理するようになった。コンビニではほとんど買わない」(38歳・専門職)「肉類はスーパーで割引きになっているものしか買わなくなった」(38歳・その他)日々の献立や食料品購入を工夫するという回答もありました。「テーマパークチケット。なんだか気軽に行ける値段ではなくなってきて、めっきり行かなくなりました」(30歳・会社員)また驚いたことにテーマパークのチケット購入を控えるという回答もありました。仕事を頑張った自分へのご褒美でもあるテーマパークですが、生活必需品ではないため仕方がないと考える方もいるようです。逆に値上げしても、絶対に買ってしまうというものは?一方で、値上げが行われても我慢できずについ購入してしまうものもあります。そのような商品についてもリサーチをしてみました。「アイス!ふとした時に食べたくなる!」(25歳・会社員)「アイス。ジメジメした夜寝る前に毎日食べてしまう」(30歳・会社員)やっぱりアイスを我慢できない!そんな回答が多数ありました。これから暑くなる季節を迎え、より冷たくて甘いアイスを食べたくなるのは間違いありません。「カフェラテ。毎日の楽しみなので、カフェラテだけはいくら値上げしても買うと思います」(30歳・会社員)「カフェ代。毎日一回はコーヒーを飲まないと気分が上がらないので」(31歳・会社員)「コーヒーは妥協するとマジで全然美味しくないのでコーヒーに関しては値段じゃないなと」(35歳・自営業)カフェラテなどのコーヒーへの出費は控えられないという回答もありました。気分転換やモチベーションを高めるためコーヒーが欠かせないという気持ちは理解できます。「旅行関係。せっかくだから!と出してしまう」(41歳・会社員)旅行に関する費用は出してしまうという回答も。滅多にない特別な出費だからこそ、値上げに影響されずお金を使ってしまうということでしょう。値上げ傾向が続くなかでも、つい買ってしまう商品は、次の3パターンに分かれるようです。1. どうしても我慢できないもの。2. モチベーションを高めるために必要なもの3. 滅多にない特別な支出やはりスイーツなどをどうしても我慢できない人は多いようです。スイーツは値上げにより買わなくなった商品としてもあげられていましたが、我慢できないものにもあげられています。結果としてスイーツは節約時、真っ先に控えるものであると考える人も多い一方、我慢できないものであると考える人もいることがわかりました。節約を行い値上げラッシュを乗り切ろう!いかがでしたか。さまざまなモノが値上がりしている昨今。そんな風潮を受けて今回20代〜30代の女性たちが「買い物を控えるようになったもの」と「それでも我慢できないもの」をご紹介しました。彼女たちの意見を参考にみなさんも上手に節約することで「値上げラッシュ」を乗り切っていきましょう。(C)David Espejo/Getty Images文・中村砂織
2022年06月30日業務スーパーには、忙しい主婦にうれしい下処理済みの食材がそろっています。そしてどれも大容量でコスパ抜群! その中でも特に使い勝手が良く、業務スーパーマニアがリピート買いしているミックス野菜3品を、簡単でおいしい活用法と併せて詳しく紹介します。★関連記事:【業務スーパー】コスパ良し!イソフラボンや食物繊維が豊富!腸からきれいに「腸活フード」が買い「ごぼう人参ミックス」でアレンジ3days業務スーパーの冷凍コーナーで販売されている「ごぼうにんじんミックス」(購入時:178円)は、面倒な皮むきやアク抜き処理・カット済みのとっても便利な定番人気商品。たっぷり500g入りで冷凍のまま調理できるのもうれしいポイント。1日目:1袋使ってたくさんきんぴらごぼうを作る私はまず1袋すべてを使ってきんぴらごぼうを作ります。醤油・酒・みりん・砂糖を加えて強火で炒め煮をして、仕上げにごま油を回しかけて再度炒め、白ごまを混ぜれば完成。1日目はそのままきんぴらごぼうとして食卓へ。ちなみに1人前約25円ほどでできます。2日目:きんぴらごぼうをアレンジしてごぼうサラダの完成2日目はきんぴらごぼうにマヨネーズを加えてよく混ぜ、ごぼうサラダに。甘辛い下味がしっかりとついたごぼうサラダ、わが家の子どもたちにも好評の一品。1人前約25円ほど。3日目:ごぼうサラダにチーズをのせてトーストに食パンにごぼうサラダ、チーズをのせて焼いて、ごぼうサラダトーストにしました。これが絶品で元気の出るおいしさです。食パン6枚切り1枚分を使って約45円でできます。「和風野菜ミックス」で煮物もラクラク5種の根菜が大きめの一口大にカットされた「和風野菜ミックス」(購入時:198円)も使い勝手が良く、時短にもなり重宝している商品。こちらも500g入りです。冷凍のまま鍋で煮て時短豚汁豚汁を作るときは何種類もの具材を用意し、カットや下ゆでをして……となかなか手間がかかりますが、「和風野菜ミックス」があれば冷凍のまま豚肉と一緒に煮て味噌を溶かせば完成。煮込んでとろっと柔らかくなったさといも、にんじん、シャキっとしたれんこんやごぼう、たけのこも食感を楽しめ、食べ応えのある汁物に。「和風野菜ミックス」に入っていない長ねぎと豚肉は別途用意し、一人前約45円でできました。メインおかずのいり鶏もおいしくできる!カットした鶏もも肉を炒めて、和風野菜ミックスを冷凍のまま加え、だし汁と醤油・みりん・酒を加えて汁気がなくなるまで煮たら、炒り鶏の完成です。味がしっかり染みてご飯が進むおいしさ。野菜ミックスに鶏もも肉とこんにゃくをプラスして一人前約65円でした。次章では意外と使い勝手のいい「山菜ミックス」を紹介します。さっと水洗いですぐ使える「山菜ミックス」水煮の山菜ミックス(購入時:148円)は200g入りで、手ごろな価格がうれしい商品です。これまでと同じく下ごしらえ済み。水洗いをしてすぐに使えます。おつまみにもおすすめ!山菜ナムル水洗いして水気をしっかり除いた山菜ミックスと電子レンジで1分ほど加熱調理したもやしを合わせてごま油と塩で調味すれば、あっという間にナムルの完成! 副菜としてだけでなく、おつまみにもぴったりの山菜ナムルは一人前約20円でできました。トッピングして山菜そば、余ったら炊き込みご飯も山菜ミックスがあれば簡単においしい山菜そばが楽しめます。おそばに山菜ミックスをトッピングするだけ。パッと済ませたい自分用の昼食によく作るメニューです。こちらは一人前約90円ほど。そばつゆと山菜が余ったら、研いだお米と一緒に炊飯器へ。おいしい炊き込みご飯ができますよ!まとめ野菜の皮むきやアク抜き、カットなどは手間と時間がかかります。面倒な工程を省くことができ、冷凍のまま調理可能なミックス野菜は、常備しておくととっても重宝します! コスパもいいから節約にもなりますね。気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事内の価格表記は、すべて消費税込みの価格です。著者/舞(42歳)コストコ・カルディ・業務スーパーマニアの3児の母。学生のころから続けているバレーボールを今でも継続中。家事・育児に追われながらも、なるべく体を動かし健康・若さを保つべく日々奮闘中!
2022年06月26日日頃から多くの人に食べられているお菓子、『ポテトチップス』。お菓子メーカーのカルビー株式会社が発表したデータによると、同社の『ポテトチップス』シリーズは、2020年度の1年間で、約10億袋の生産がされています。2022年6月22日、カルビーは、そんな『ポテトチップス』をはじめとするお菓子などの食品を、値上げすると発表しました。値上げの対象となる商品は、『ポテトチップス』51品のほか、『じゃがりこ』12品や『かっぱえびせん』2品など、合計85品。これらの商品に対し、10~20%ほどの値上げが予定されています。また、おみやげ商品として分類されている『ポテトチップス』など37品に対しても、5~20%程度の値上げを行うそうです。また、『シリアル』など一部商品については内容量の変更も。値上げと内容量の変更は、同年9月1日から順次行っていくとのこと。今回値上げを行う理由について同社は、「エネルギーと原材料価格の高騰に、自社努力では難しい状況にあるため」と説明しています。世界の情勢を踏まえると、値上げも仕方ありませんね。ネット上では、カルビーが商品を値上げすると知った人々から、さまざまな反応が上がっています。・むしろ今までの価格で売ってくれてありがとう!値上げしても買い続けます。・値上げは仕方ない!『ポテトチップス』が大好きだからこれからも変わらずに買いたいと思う。・値上げをしても、カルビーにはこれからもおいしい『ポテトチップス』を作ってもらいたい!「引き続き、安心安全で満足してもらえる商品を提供できるように」ともコメントしていた同社。値上げをしても、私たち消費者は今まで通り『ポテトチップス』を味わっていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年06月22日「パン、パスタなどの7月からの値上げが発表されました。いずれも、今年に入って2度目の値上がりとなります」こう話すのは、流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。山崎製パンは食パンの「超芳醇」をはじめ、141品目の出荷価格を7月1日の出荷分から平均で7.1%値上げする。フジパンと敷島製パンも最大9%の値上げを発表した。また、ニップンと昭和産業は7月に小麦粉やミックスなどを、8月にはパスタや乾麺などをそれぞれ値上げすることを決定している。「小麦粉製品は値上げのサイクルが速く、他ジャンルの食品の値上げの先例になるといえます」6月はカップ麺、アイス、7月は香辛料、食用油、10月にはビールと、今後値上げが予定されている食品は枚挙にいとまがない。「そういった商品も、小麦粉製品と同様にさらなる値上げが発表される可能性は否定できません」私たちが家庭で消費するモノの価格動向を示す「消費者物価指数」は、東京都区部の最新統計(4月分)で前年同月比プラス2.5%。「総務省が発表している『家計調査』によれば、昨年の2人以上世帯の平均消費支出は月額で『27万9024円』。これに『プラス2.5%』ですから、6月以降は月額で『6976円』も出費が増える計算になります」じつに毎月「7000円」の出費増!あらゆる品目が値上げされるなか、私たちはどのような手を打つべきなのか――。加谷さんと、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに最新の節約習慣を教わった。■まとめ買い・定期便を活用する値上げ実施前に買っておくまとめ買いには、「商品ごとに向き不向きがある」と話すのは柏木さんだ。「まとめ買いが有効な品物の原則は『消費期限が長い』ものや『かさばらない』もの。ビールなどの箱買いは、製造日から時間がたつと鮮度が落ちることがあります」ビールのほか、トイレットペーパーなど場所を取るものは「定期便」を利用するのがよいそうだ。「アマゾン、楽天などのECサイトの定期便や、各メーカー独自の定期お届けサービスもあります。私は化粧品も定期便で購入していますが、使い切るスパンで配達されるのが理想。1カ月で使い切るのか、3カ月なのか、自分のペースをきちんと把握しましょう」■還元より割引を重視するお店が掲げる「50ポイント付与(還元)」と「50円値引き(割引)」では、その価値が大きく異なる。「『50円値引き』はその時点で現金50円分の得になりますが、『50ポイント付与』は次回購入時に初めて使えるサービス。『値引き』品を買うほうが『ポイント付与』より価値は高いです」(加谷さん)「ポイント付与は、リピーターを増やすというお店側のメリット。買う側は必ずまた行くお店でないと意味がないのです」(柏木さん)■日用品をスーパーのPB商品にイオン「トップバリュ」、イトーヨーカドー「セブンプレミアム」、西友「みなさまのお墨付き」などのPB商品(プライベートブランド)は、食料品からティッシュ、洗剤まで数千品目あるといわれ、一般メーカー品より2~3割安い。「さらに、イオンと西友では現時点でまだ値上げされていません。『6月30日まで据え置き』と発表しました」(柏木さん)品質もメーカー品と遜色ないため、日用品をPBに切り替えるメリットは大きいという。だが、そもそもPBが安く提供される理由は?加谷さんが解説する。「PB商品のほとんどは、メーカーが製造した品物に、スーパーが自社のラベルを貼って直接販売しています。メーカーとスーパーのパワーバランスは昨今、スーパーに傾いています。そこでスーパーが『安くて品質がいい』PB商品を多く出すようになりました」メーカー側には、自社製品と合わせた大量生産で製造コストを抑えられるというメリットがある。■ふるさと納税で生活必需品を寄付金額から2000円を引いた額が住民税・所得税から控除・還付されるため、実質2000円の負担で返礼品が受け取れると人気のふるさと納税。返礼品では、スイーツをはじめとする特産品に人気が集まるが、カップ麺やトイレットペーパーなど生活必需品を返礼品としている自治体もあるので、要チェックだ。「例年、11~12月は駆け込み需要のため品薄になったり、返礼品もお歳暮用の割高なものが多くなりがち。余裕のあるうちに、家計の助けになるものを選んでおくのが得策です」(柏木さん)■保険料・NHKは年払い住民税、国民年金や、民間の保険の保険料、NHK受信料などは、1年分を一括で払うことで、割引が受けられる。「年払いにする優先順位をつけるべき」と話すのは柏木さんだ。「一般の保険会社の個人年金保険は、途中解約した場合、返戻金は掛金の9割程度しか戻ってこないものが多い。保険料を払いそこね、結局止めてしまうことを防ぐためにも、ボーナス時などに一括で支払う『年払い対象』にしたほうがよいでしょう」■サブスクの使用状況を点検「動画配信サービスは1つずつの料金が安いからと、つい月の支払い額がかさんでいる人も多い」と指摘する加谷さんの提案は、一度“すべて解約”してみること。「全部やめることで、本当に見たかったコンテンツが浮き彫りになります。そのぶんだけ再契約すれば、大幅な支出カットになるはず」■小売店の「下取り」を利用する「洋服の青山では、着なくなったスーツなどを持ち込むと、下取りとして10%オフのクーポン券がもらえます。紳士服のコナカでも、持ち込むアイテムごとに下取りの額や購入品の割引率が異なるサービスがあります」(柏木さん)衣料品のほか、家電量販店でも商品によって下取りの対象になるものがあるという。値上げのトンネルの出口が見えないなか、節約も“長く続けられるもの”であることが求められる。最後に加谷さんが語る。「日ごろからスマホなどで価格をよく調べる習慣がつけば、結果的に“息が詰まらない節約”が達成できるはずです」できることから1つずつ習慣にし、家計負担増の波を乗り切ろう。
2022年05月27日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか? 大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。 今回は実際に募集した義実家トラブルエピソードをご紹介します!食材を持ち出す義妹以前、義両親と同居していたときのことです。頻繁に義妹が家にやってきて、勝手に冷蔵庫を開けて食材を持ち帰ったりしていました。姑に「うちで買っているものもあるからやめるように言ってほしい」とお願いしたところ、「うちの娘が実家で何しようと自由でしょ」と言われ…。考え方が圧倒的に合わないと思い、時期を見て同居を解消。その後もなぜか「冷蔵庫に食材を足して!そうじゃないと、義妹ちゃんが困るでしょ」と言われましたが無視しています。(会社員)音が鳴るものが嫌いな姑義父は他界してから結婚したので、義母1人との同居でした。私の子どももかわいがってくれて、海や川に遊びに連れて行ってくれたり、おもちゃを買ってくれたりしていました。ところが姑は、音が鳴るものが嫌いな性格。自分の機嫌が悪いときは子どものゲームの音や、遊んでいる声にも「うるさい!」と叫びます。風鈴や電話の着信も嫌いなんて変わっていますが、姑に合わせて生活せざるを得ませんでした…。自室もあったのに、共用のリビングにいて毎回うるさいと言われ、気を遣う毎日。しかし、義兄が大好きな姑は、同じことを義兄の子どもがしていても全く注意しません。その場で同じことをしてもうちの子どもだけ注意して、そんな生活に嫌気がさして主人が追い出しました。親戚中に私たちが悪いと言ってまわっていますが、よく状況を聞かずに悪く言う人たちとはこちらも付き合いたくありませんので、現在は自由に生活できています。(女性/看護師)いかがでしたか?こんな義家族と付き合うとなると骨が折れそうですね。せめて旦那さんだけは味方でいて欲しいものです…。以上、義実家トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年05月16日商品の値上げが連日報じられるなか、まだその発表がされていない品目もある。“原材料比率”という視点に立って考えてみると、今後の値上げの傾向が見えてくるという――。「急激な円安の進行が止まらず、4月20日には一時1ドル129円台をつけました。約20年ぶりの水準ですが、この傾向が変わる要素は見当たりません」こう話すのは、市場の動向に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。今年3月には1ドル115円台で推移していた円相場が、1カ月足らずで15円もの円安に。この異常事態は、家計にも大きな影響を及ぼすことになるという。帝国データバンクの4月の調査「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート」によれば、今後1年以内に値上げを行うと回答した「飲食料品・飼料製造」企業は「73.1%」にのぼる。「原油価格高騰と流通網の混乱、ウクライナ情勢という値上げの要因に、輸入物価を押し上げる円安が加わったことで、値上げの対象は今後ほぼ全品目に広がると予想されます」(加谷さん・以下同)今年はすでにパンやパスタなどの主食をはじめ、食用油、みそ、ティッシュなど、生活必需品の多くが値上げされた。間髪入れず、5月以降の値上げも続々と発表されている。6月の値上げ予定が目立つが、加谷さんによれば、この傾向を読み解くための指標があるという。「“商品の価格”に“原材料の費用”が占める割合を『原材料比率』といいます。この比率が高いほど値上げサイクルが速い、という傾向があります。原材料比率を商品カテゴリー別に把握しておくと、家計を守るための指針にもなるでしょう」そこで、加谷さんが独自に調査した原材料比率をもとに、値上げのサイクルについて解説してもらった。まずは、すでに多くのメーカーが値上げを実施したパンについて。「パンの原材料比率は30~40%です。小麦を焼き上げてから店頭に並ぶまでの工程が少ない=原材料費率が高い商品の代表格です」同様の原材料比率が6月値上げの「スープ、ソース、食酢」。7月の「オリーブオイル」(35~40%)もほぼ同じカテゴリーと考えてよい。「原材料費の高騰が販売価格に直結しやすいため、企業が値上げをせずに我慢できる幅が狭い、とも言えるのです」原材料費が今後も上がれば、さらなる値上げも予想されるという。■8月に値上げに踏み切る企業が続出の可能性も次いで原材料比率が高い食品には「カップ麺」「菓子類」「アイス」「乳酸菌飲料」など多くの品目があり、比率は25~30%。「『3割』以内に収めるのが原材料比率の理想ですので、この『25~30%』がボリュームゾーン。発表分は6~7月に集中していますが、8月以降の値上げに踏み切る企業も多くなるでしょう。特に、すでに業界大手の『日清食品』が値上げを発表しているカップ麺については、競合他社の追随が相次ぐことも予想されます」酒類では「ワイン」が20~25%、「ビール」「焼酎」で15~20%と、種類によって原材料比率に幅があるという。「ワインの多くは海外産ぶどうを原材料としていますので、輸送コストの高騰などに加えて『円安』の影響も出てきたと考えられます」これからおいしい季節になるビールだが、アサヒビールは10月1日出荷分から「スーパードライ」「クリアアサヒ」をはじめ162品目を店頭価格で6~10%値上げすることを発表。ビール業界でも他社の追随が続く可能性は十分にありそうだ。ほかに原材料費率が低い品目として、「化粧品」(10%ほど)がある。「宣伝費などの比率が高い化粧品業界でも、原材料費の高騰が著しいため、価格を見直さざるをえない企業が出てくると予想されます。 秋商戦の9月ごろからは、5%ほどの値上げは覚悟しておいたほうがいいでしょう」原材料比率の低い品目は“値上げのサイクルが長く” “保存がきく商品”が多いのが特徴だと加谷さんは言う。「そうした品目は、ある程度ストックしておくことを考えるのも、支出を抑える策の一つになります」まだまだ終わりの見えない未曽有の値上げラッシュ。その波に賢く備えることが、家計が受けるダメージの軽減につながる。
2022年05月09日「4月以降も続々と値上げが発表されています。原材料費が値上がりしていること、原油価格高騰により製造、流通のコストが上がっていることなどが大きな原因です。新型コロナの影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢が不安定な状況であることから、今後さらなる物価上昇が続くと予想されます」こう警鐘を鳴らすのは、消費生活アドバイザーの和田由貴さん。新年度を迎えた4月1日以降、ミツカン(78品目を約3〜13%・6月1日〜)、明治(スーパーカップなど94品目を約2.4〜8.6%・5月1日〜)、メルシャン(ワインや焼酎など約340品目を約8〜10%・7月1日)など、食品、飲料メーカーが相次いで値上げを発表。コンビニでもセブン—イレブン(弁当や総菜など約60品目を約2〜15%・4月初旬〜)、ファミリーマート(コロッケなど10品目を約3〜12%・4月5日〜)と、大手が値上げに踏み切った。「コンビニやスーパーでは今後、ほとんどの商品が値上げされる可能性があり、食費のさらなる負担増が危惧されます」(和田さん・以下同)そこで本誌は食品の値上げによって食費がいくら増えるのか?朝食、昼食、夕食ごとにシミュレーションしてみた。その結果、おやつ、晩酌も合わせて1人あたりの食費は1日で156.3円増加。1カ月(31日)で4,845円。夫婦2人ではじつに9,691円の負担増となることがわかったのだ。【メニュー例】食費は1人あたり156.3円増加する/日■スーパーで特売野菜から買うのはNG!この食費負担を少しでも減らす方法はあるのだろうか?和田さんによると、食材を安く買うことも重要だが、“食品ロス”をなくすことこそが、節約に大きな効果をもたらすという。「食品ロスの約5割は野菜。これに果物を合わせると約7割になるといわれています。野菜や果物はしなびたり、傷みやすくて足が早い。まず、余分に食材を買わないことを意識しましょう」そこでポイントとなるのが、買い物をするときの順番だ。「スーパーなどに行くと、入口付近に野菜や果物が特売品として並べられていて、すぐにカゴのなかに入れてしまいがちですが、これが無駄な買い物につながります。まずここは素通りして、肉や魚といったメインの食材を決めてから、最後に付け合わせなどで必要な野菜をカゴに入れる。買い物の順番を変えるだけで余分なものを買うことが減るため、節約と同時に食品ロスも減らせます」さらに、お酒類やインスタント食品などの、値上がり前の“買いだめ”はやめたほうがいいと、和田さん。「たとえば、缶酎ハイなどを箱買いでストックしておくと、ついつい“もう一缶だけ”と、飲んでしまいがちです。カップ麺やお菓子なども同様で、余分に置いてあると、それほど食べたくなくても、ちょっと小腹がすいただけで“食べようかな”という気になってしまいます。消費が増えると、結果的にまた買い足すことになる。買い置きは一見お得なようで、食費の支出を大きくする可能性があるため、注意が必要です」ふだんの買い物習慣を見直して、値上げの波を乗り切ろう!
2022年04月14日数十円の低価格で購入できるため、駄菓子は子供の遠足のおやつとしても親しまれています。2022年1月、駄菓子の定番の1つであるスナック菓子『うまい棒』が、値上げされることが発表されました。1979年の発売開始以来、42年もの間、税抜き10円で販売されていた、『うまい棒』。同食品を販売する株式会社やおきんによると、原料価格の高騰などに伴い、販売価格を12円に引き上げることになったといいます。『うまい棒』値上げのコメントが「泣ける」と話題に10円玉のワンコインで購入することができた『うまい棒』の値上げは、幅広い層に衝撃を与えました。ついに値上げが行われる、2022年4月1日、株式会社やおきんはTwitterアカウントにメッセージを投稿。そこに書かれていたのは、値上げの決意や、駄菓子への愛でした。なくなっちゃうほうが、悲しいから。うまい棒値上げのニュースが流れたとき、そんな声をたくさんいただきました。1979年の発売以来初の価格改定は苦渋の決断でしたが、思いもよらなかったお客さまからの温かい言葉の数々に、感謝の気持ちでいっぱいです。子どもたちのお駄賃でも買える「10円」という値段にこだわっていられたのは、製造・流通に携わる関係各位の協力と、なによりうまい棒を応援してくれる皆さまのおかげです。未来の子どもたちにも、これからも駄菓子のおいしさと楽しさを届けていくために。ちゃんと利益を出すことで、駄菓子文化の存続と発展に努めていきたい。やおきんの、2円分の決意です。@Umaemon_40thーより引用うまい棒からのお知らせです。 #42年間ありがとう #今日から12円 pic.twitter.com/rhws5Fnaan — うまい棒【やおきん公式】@第2回うまい棒川柳受賞作発表中! (@Umaemon_40th) March 31, 2022 最後には、「駄菓子に未来を」というひと言が添えられた、同社のメッセージ。今回の件について「たったの2円の値上げ」と思う人も多いでしょう。しかし、子供がお小遣いで買うことを考えると、2円は大きいのです。文面からは同社が値上げを行うかを悩み、苦渋の決断を下したことが伝わってきます。同社のメッセージは拡散され、真摯な内容に多くの人が心打たれました。・なくならなくて本当によかった!今後も食べ続けます。・最初の一文で泣いた。本当に、販売終了してからじゃ遅いんだよね。・逆に、42年間も値上げしなかったのがすごい!かっこいいなあ。いいものを世の中に届け続けるためには、資金が必要となります。きっと今後も、『うまい棒』は駄菓子を代表する存在として、多くの人に愛されることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年04月02日年明けから食料品やトイレットペーパーなど生活必需品の値上げが止まらない。「いつも買っていた食パンがある日突然20円も値上がりしていたので、びっくりしてしまいました。値段が高くなっても今まで食べ続けていた食パンを買い続けるのか、それとも値段が据え置きの安い食パンに替えるか、考え込んでしまいました」(50代・主婦)このように今、家計を預かる主婦たちの頭を悩ませているのが、スーパーでの値上げラッシュ。どの商品も平均で2~9%と値上がりの幅は大きく、家計へのダメージは計り知れない。「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。「これ以上切り詰めるなんて無理!」と嘆く人は多いと思うが、加谷さんは家計で見直すところはまだあると語る。「これからも続く値上げは節約一辺倒では乗り切れないと思います。たとえば、家電や車などの高額商品は買い換えの時期をずらす、あるいはグレードを下げて安い商品を長く使うなどの工夫をするだけでも、かなりの節約につながります。車は維持費がかかりますので、出費を抑える必要の出てくる、夫が定年退職を迎えるタイミングで手放したほうがいいでしょう。いわゆる“シェアリングエコノミー”を活用して、車は保有するのではなく、カーシェアの利用をおすすめします」(加谷さん・以下同)ネット上のサービスを使った物々交換や中古品の売買は当たり前になっているので、お得な情報を入手するためにも、ITは使いこなせるようにしたほうがいいという。また、現役時代は通勤定期券を使っていたので交通費はあまり気にしなかった人が多いかもしれないが、リタイア後は、外出するたびに交通費がかかる。今後、公共交通機関の運賃の値上がりは必至なので、郊外での生活はリスク大。「高齢になれば車の運転もできなくなりますし、徒歩でスーパーに出かけられる人とそうでない人では健康寿命にも差が出てきます。60歳を過ぎて再雇用で働くときにも、すべての仕事がリモートで完結するとは限らないので、郊外に住むのはデメリットになるケースも出てくるでしょう。駅近の中古マンションなどへの住み替えを視野に入れて、ミニマムな暮らしを目指しましょう」年金収入で生活が成り立たないときは夫婦で働くことも想定して、家計の見直しをしよう。【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある
2022年03月25日「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。その背景には、「3つの理由」があると加谷さんは指摘する。「コロナ前から続いている問題ですが、アジアやアフリカなどの国では、人口の増加に伴い経済活動が活発化しています。食料品などの需要に対して供給が追いつかない状況が続いていて、モノの値段が上がってきているのです。もう1つは、アメリカと中国の政治的な対立です。アメリカは物資を中国以外の国から調達する、あるいは国内産に切り替えなければならなくなりました。ところが、中国ほど大量生産して安くモノを売る国はないため、今までどおり物資の調達ができなくなり、結果的に値段が上がってきてしまいました」(加谷さん・以下同)さらにここにきて、世界で広がりつつある“脱炭素”の影響が出はじめている。「産油国の側からすると、石油はいずれ使われなくなるエネルギーなので、今のうちに高く売っておきたいという思惑があります。産油国が増産に応じないのは、価格を下げたくないからなのです。原油価格に連動してガソリンの値段が上がってきているところに、コロナ禍による物流の混乱が加わり、輸入品の価格上昇に拍車がかかっています。これらは、短期的に収まる話ではなく、これから5年、10年と続いていくものだといえます」原油価格の上昇はガソリンの値段に直結するほかにも、さまざまな製造コストや、工業製品の原料価格にも影響してくる。そして、ここに来て新たな不安材料が出てきた。2月下旬に勃発したロシアによるウクライナへの軍事侵攻だ。原油価格はこれまで1バレルあたり90ドル程度で推移していたのが、3月3日には約年半ぶりに116ドルを突破した。「火力発電に使われる天然ガスの価格は原油価格に連動しているので、原油価格が上がれば、電気料金、ガス料金の値上げにも直結してきます。また、公共料金は上がり続けていますので、すでに家計を直撃しています」今年の1月からはすでに小麦粉の価格上昇に伴いパンやパスタの値段が上昇。加工の工程が少ない食用油も、原材料の高騰に伴い値上がりした。冷凍食品やコーヒー豆なども、輸入品に関しては、物流コストの上昇が重なり値上げされることに。そして、3月からは食料品を中心とした値上げラッシュが次々に始まった。マヨネーズやトマトケチャップ、醤油、みそなどの調味料から、ハム・ソーセージ、缶詰、レトルトカレーや即席麺まで、これまで値上がりしにくかった加工品などが続々値上がりする。「メーカーは、加工の工程が多い製品については、人件費を削減するなどして値上げを抑える努力をしてきましたが、原材料費や燃料費が高騰したため、値上げに踏み切らざるをえませんでした。小売店は、仕入れ値が上がっているので、本来は最終的な小売り価格を上げなければならないはずですが、客離れを恐れ、今のところはコスト削減で値上げをせずにしのぐ努力をしています。ですが、そうした努力ももう限界。仕入れ値の上昇分は最終小売り価格に転嫁せざるをえない状況になるでしょう。4月以降は値上げがさらに本格化してくるはずです」’79年から1本10円で子どもたちに親しまれてきた駄菓子の「うまい棒」も、4月1日から12円にアップ。食料品以外にも、衣料品や自動車用のタイヤ、トースターなどの家電製品、バス運賃の値上げが予定されている。5月以降は、原油価格高騰の影響から、加工食品以外に生鮮食品の値段も上がることが予想される。国内のビニールハウスなどで栽培されている果物や野菜を中心に、燃料費や配送コストの上昇が見込まれるためだ。魚介類も例外ではなく、漁船の燃料代の高騰がダイレクトに響いてくる。「庶民の味方、100円ショップも100円で販売する品数が減って、200円や300円の価格帯の品物が増えてくることが予想されます。あるいは、値段を据え置いたまま内容量を少なくして販売する『ステルス値上げ』が顕著になってくるかもしれません。今までもお菓子などでステルス値上げは見られましたが、たとえば、今までと同じコーヒーのドリップパックでも安い豆を使ってグレードを落として販売することも考えられます。今後、原材料費や燃料費の高騰に耐えられなくなってきたら、メーカーはダイレクトに価格に転嫁してくるでしょう」原油価格の高騰といえば、思い起こされるのが、’70年代に起きた“オイルショック”だ。’73年10月に中東の産油国が原油価格を70%引き上げたことにより、一気にインフレ懸念が高まったオイルショックでは、トイレットペーパーなどの買い占めが起こり、今でも原油が高騰するたびに「オイルショックの再来?」と騒がれる。「原油価格が2月下旬に1バレルあたり100ドルを超えましたが、140~150ドルまで一気に上がることはないと思いますので、急激なインフレは起こらないでしょう。ただ注意したいのは、’70年代のオイルショックは2回あり、1度目は急激なインフレとともに給料も上がったので、それほど家計へのダメージは感じられなかったそうですが、’79~’80年にかけて起こった2度目のオイルショックの際は多くの企業で給料が上がりませんでした。今回は2度目の状況に似ています。物価は上昇するのに給料が上がらないので、家計へのダメージは大きくなるでしょう」将来的に気になるのは、人口減の影響。鉄道やバスなどの公共交通機関は、燃料費の高騰により料金の値上げに踏み切るケースが見られるが、それに加えて、日本は人口が少なくなることが予想される。利用者の減少が続けば、運賃収入だけでは路線を維持できなくなり、断続的に料金の値上げが行われる可能性があるという。これから何の値段が上がるのか知ったうえで今までの消費行動をいったんリセットして。値上げに負けない家計をつくろう。■2022年春からの値上げカレンダー【3月】マヨネーズ(味の素、キユーピー):約2~10%UPサバ缶(ニッスイ、マルハニチロ):約3~20%UPドーナツ(ミスタードーナツ):約7~9%UPコーヒー(味の素AGF):約20%UP醤油(ヤマサ醤油):約4~10%UP路線バス運賃(西日本鉄道):10~150円UPハム・ソーセージ(伊藤ハム):約4~12%UPティッシュ・トイレットペーパー(大王製紙):約15%UP【4月】うまい棒(やおきん):20%UPトマトケチャップ(カゴメ):約3~9%UPチーズ(雪印メグミルク):4.3~10%UP家電製品(BALMUDA):10製品を平均8%UPタイヤ(ブリヂストン):約7~10%UPボンカレー(大塚食品):1箱あたり11円UP生めん類(東洋水産):6~13%UP照明器具・蛍光灯(Panasonic):5~30%UP食用油(日清オイリオ):1kgあたり40円UPみそ(ハナマルキ):約5~13%UPウイスキー(サントリー):5~28%UP高速道路料金(首都高速道路):上限を1,320円から1,950円にUPバス・トイレ(LIXIL):最大40%UP【5~7月】〈5月〉コカ・コーラ1.5リットルPETボトル(コカ・コーラ ボトラーズジャパン):約6%UP〈5月・予測〉スーツ等ビジネス用衣類:15~20%UP〈6月〉即席めん(東洋水産、明星):約6~12%UP〈6月〉お茶づけ海苔(永谷園):約5~9%UP〈6月・予測〉フルーツ:5%UP〈6月・予測〉鶏肉:7~10%UP〈6月・予測〉カカオ豆、ピーナツ:10%UP〈7月・予測〉白物家電:10%UP【8月以降】〈8月までに〉衣料品(ファーストリテイリング):値上げ幅は未定〈9月・予測〉ビール:5%UP〈9月・予測〉魚介類:7~10%UP〈9月・予測〉豚肉:最大5%UP〈9月・予測〉紅茶:10~20%UP〈10月〉医療費(75歳以上で年収200万円以上):窓口負担が1割から2割にUP〈10月〉火災保険料(10年契約の廃止):実質的に保険料UP〈10月・予測〉宅配送料:3%UP〈10月・予測〉バス・タクシー:3~5%値上げ議論が本格化〈10月・予測〉自転車:10~15%UP〈’23年3月〉鉄道運賃(東急電鉄):12.9%UP【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある
2022年03月25日昨年から続く“値上げラッシュ”は、この4月からがいよいよ本番。身近な日用品から嗜好品、公共料金まで……値上がり品目を事前に把握して、家計の防衛策をしっかり立てておこう――!「これから、私たちの生活に関わる多くの商品の値段がじわじわと上がってきます。しかも、この値上げラッシュは今年で収まるどころか、数年にわたって続くことが考えられますので、今までどおりのお金の使い方をしていますと、家計がもたなくなってしまう恐れが出てきます。’22年は、抜本的な生活の見直しが必要になってくるでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、世界の経済事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。値上げは生活必需品にとどまらず、光熱費や地下鉄などの運賃、民間保険の保険料にも及ぶという。家計を預かる主婦にとって“値上げ”は頭が痛いが、「できることはあります」と言うのは、節約アドバイザーの丸山晴美さん。「まず、食費の予算は1カ月に1人あたり2万円が理想。外食費を交際費や遊興費に組み入れる家庭もありますが、それでは支出は抑えられません。“貯め体質”の家計をつくるためには、食費の中に外食費を含めてやりくりをしましょう。もちろん買いすぎにも注意が必要。買い物の頻度を3日に1度にして、食材は使い切ることをおすすめします」(丸山さん・以下同)どうしても「お酒が飲みたい」「スイーツが食べたい」というときは、家族各自のお小遣いから捻出してもらうようにするのがコツ。「お菓子はなるべく買わないようにしましょう。わが家のおやつの定番は大学いもで、作り方も簡単です。カットしたさつまいもにオリーブオイルをかけて、オーブンでチンするだけ。特に、シニア世代は“必要かもしれない”消費をやめること。たとえば『孫が遊びに来たときに食べたいと思うかもしれない』と、お菓子やスイーツを買い込む傾向があります。今、必要ではない食べ物は買わないことを徹底しましょう」外出時の飲み物も、家で入れたお茶を持参するように。ペットボトルのドリンクやテークアウトのコーヒーは買わないのが基本。また、レシートはとっておいて、買った食材を使い切ったかどうか必ずチェックしよう。使い切れなかった、消費が遅いものは次に買わない目安になる。米や肉、季節の果物などは「ふるさと納税」の返礼品を活用する手もある。さらに、調理の際のちょっとした工夫も節約につながる。「野菜やお肉を小分けにして冷凍保存すれば調理も簡単です。たとえば、鶏むね肉は、下味をつけて200グラムぐらいずつ小分けにしたものをラップで包み冷凍保存。使うときにきのこやブロッコリーと炒めます。豚こま肉も130グラムぐらいずつ小分けにしたものにチーズや塩昆布を入れて丸めておけばすぐに調理できます。豚ひき肉も同様に保存しておけば、ハンバーグやキーマカレーを作るときに大活躍です」■値上げを乗り切るための「節約」To Doリスト10【1】お米中心の食生活に切り替えるパンなどに比べて1食あたりの価格が安いお米をフル活用。「わが家では圧力鍋で1回に7合炊いて、1膳分ずつ小分けにして冷蔵庫に。食べるたびに電子レンジで温めれば、食べすぎを抑えられるだけでなく、保温する必要がなくなり、電気代の節約にもなりますよ」(丸山さん・以下同)【2】魚のアラや野菜くずは出汁に活用魚のアラや野菜のくずは捨てずに、もう一度煮込むと出汁が取れる。「それを料理に使えば、調味料の節約にもなりますし、体にもいいので一石二鳥です」【3】カレーの後はスープで鍋を“掃除”カレーの後の鍋は洗うのが大変だが、野菜と水、調味料を入れてもう一度煮込めば、鍋にこびりついたカレーがきれいに取れてスープに変身。後片付けも簡単に!【4】お肉は3日に1度のまとめ買い毎日買い物に行くとお金を使ってしまうので、丸山家では3日に1度のまとめ買いが基本。「一度に買うのは鶏むね肉2キロ、豚こま切れ肉1.3キロ、豚ひき肉約1キロ(2人分)。小分けにしてラップに包み冷凍保存。そのまま炒め物や鍋料理に使えるので便利です」【5】昼ごはんの菓子パンはNG丸山さんは1個100円でも菓子パンは買わない主義。「100円の6枚切り食パンを買って、1枚ずつシュガーバターなどでアレンジして食べれば、菓子パン5個分が浮く計算になります。菓子パンから食パンアレンジへ!」【6】冷凍食品は保存袋で自家製しよう冷凍食品も値段が上がってきているので、買わないで自分で作ろう。「ブロッコリーやほうれん草は洗浄後、カットして、ジップロックなどの保存袋に入れて冷凍保存すれば2週間ぐらいはもちます。冷凍食品は買わずに手作りにしたほうが断然安上がりです」【7】迷ったら野菜はもやしをチョイス低価格でも栄養価の高いもやしは、節約の味方。「野菜も燃料費の高騰で値上がりしているので、高い野菜は無理に買わず、その時々の安い野菜を買います。もやしは一年中安いので副菜におすすめです!」【8】ふるさと納税で切り落とし肉を丸山家では牛肉や野菜は「ふるさと納税」の返礼品を活用しているという。「牛肉はロースではなく、たくさん入っている切り落としを選びます。また、野菜は市場価格も意識しながら、なるべく量が多くもらえる返礼品を選んでいます」【9】コインランドリーを活用する燃料費の高騰でクリーニング店も値上げが続いている。「セーターやダウンも手洗いが基本です。洋服を買うときには手洗いできるか確認しましょう。羽毛ふとんも対応する洗濯機のあるコインランドリーで洗ったほうが安く上がります」【10】電気・ガスの一本化で光熱費を圧縮節約はしたいが、冷暖房を適切に使わないとかえって体調を崩すことも。「エアコンをこまめに切るよりも、電気・ガスをまとめて契約したほうが、料金の節約につながります」。ネットで簡単に比較できるので活用しよう。おいしく食べれば「節約」という意識が消えて楽しくなる。できることから少しずつ、エンジョイしながら変えていこう!【PROFILE】加谷珪一経済評論家。東北大学卒業後、日経BP社、投資ファンド運用会社を経て現職。『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』(幻冬舎新書)など多くの著書がある丸山晴美節約アドバイザー。頭金を貯めて20代でマンションを購入した経験を生かして節約アドバイザーに。FP、消費生活アドバイザー、調理師などの資格を持つ。『節約家計ノート2022』(東京新聞)など著書多数
2022年03月25日乾物食材の魅力とは出典:byBirth乾物食材の魅力とは、保存期間が長い保存するのにスペースをとらない栄養素が凝縮してあるなどが挙げられます。「あと一品、何か欲しい」という時に、乾物食材を常備しておけば、慌てることなく料理を作れるのは嬉しいポイントですよね。乾物食材には食物繊維が豊富なものが多く、便通が良くなるので代謝が上がり、ダイエットに役立つので、積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。ダイエットにおすすめ!乾物食材6つ高野豆腐出典:byBirth「畑の肉」とも呼ばれる大豆からできている高野豆腐。約半分がたんぱく質でできており、カルシウムや鉄も含まれています。高野豆腐のたんぱく質の中には、「レジスタントたんぱく」という成分も含まれているのが特徴です。分解・吸収されにくく、食物繊維に似た働きをするのだそう。血液中のコレステロールを減らす働きや、食後の中性脂肪が上がるのを抑える働き、脂肪の吸収を抑える働きがあることが報告されています。さらに、食後の血糖値上昇を抑える働きも報告されているため、病気の予防・ダイエットに役立ちます。切り干し大根出典:byBirth切り干し大根は、生の大根と比べて食物繊維やカルシウム、カリウム、葉酸などの栄養素が非常に多く含まれています。その量は、例えばカルシウムは約20倍だとか。特に不溶性食物繊維が豊富で、便のカサを増やして腸を刺激し、腸の運動を活発にする働きがあります。排便がスムーズにおこなわれると腸内環境がきれいになるため、栄養素の消化・吸収がスムーズにおこなわれます。その結果、代謝が良くなるのでダイエットに役立ちます。乾物にすることで、効率よく豊富な食物繊維を摂取することができますね。煮物だけでなく、サラダや甘酢漬けなどにしても、美味しくいただけますよ。干し椎茸出典:byBirth干し椎茸も、乾燥していることで生の椎茸よりも非常に多くの食物繊維やビタミンDが含まれます。βグルカンという不溶性食物繊維も豊富なため、便秘解消に役立ちます。また、ビタミンDは、カルシウムの吸収をサポートする働きがあるため、骨や歯の健康維持にも効果的です。さらに、ビタミンDは免疫機能を調節して、免疫力を上げることも報告されています。日頃の体調管理のためにも、意識して摂取したいですね。干しキクラゲ干しキクラゲにも、βグルカンが含まれているため、免疫力を高める効果が期待されます。また、ビタミンB2が含まれており、新陳代謝を促して肌や髪、爪の健康維持に役立ちます。粘膜を丈夫にする働きもあるため、肌荒れや口内炎にも効果的だといわれています。その他、ビタミンEや鉄も含まれているので、血行促進作用が期待でき、アンチエイジング効果や代謝を上げる効果も期待できますよ。かんぴょう出典:byBirthかんぴょうといえば、巻きずしに入っているイメージが強いかと思います。かんぴょうとは、「ゆうがお」というウリ科の植物の果実をむいて、乾燥させたもの。乾燥かんぴょうには、豊富な食物繊維、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの栄養素が含まれています。カルシウムは、マグネシウムと一緒に摂取すると効率よく体内に吸収されるため、その両方が含まれているかんぴょうは、骨や歯を丈夫にする働きが高い食材といえます。また、ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする働きがあるため、ビタミンDを豊富に含む干し椎茸と組み合わせると相性が良いですよ。干しえび出典:byBirth干しえびは、カルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラル類が豊富に含まれていることが特徴です。かんぴょうの項目でも説明した通り、カルシウムとマグネシウムの両方が含まれるため、骨や歯の健康維持に役立ちます。また、亜鉛は細胞の新陳代謝を促す働きがあるため、肌や髪、爪などを美しく保つために欠かせません。女性に不足しやすい鉄も多く含まれているので、鉄の吸収率を上げる働きがあるビタミンCと一緒に摂取しましょう。ブロッコリーと干しエビのあんかけ、野菜と干しエビのレモンサラダなど、ビタミンCが豊富な食材と組み合わせて調理するのがおすすめです。いかがでしたか?ヘルシーな上に、美容や健康に役立つ栄養素がギュっと詰まった乾物食材。好みの乾物食材をいくつかストックしておくと、手軽に食事に取り入れられるので便利ですよ。ぜひ、ダイエット中の方や、美容・健康に興味のある方は、乾物食材を取り入れてみてくださいね。
2022年03月04日「ねばねば食材」を取り入れるべき理由出典:byBirthおくらやめかぶなどのネバネバした食材には、ムチンやフコイダン、アルギン酸など、体に良い効果をもたらす成分が含まれています。便秘を予防する効果や、美肌・美髪づくりに役立つ効果などがあるため、ねばねば食材の特徴を知って、美容や健康に役立てましょう。管理栄養士の筆者が、おすすめの「ねばねば食材」をご紹介しますので、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてくださいね。栄養士がすすめる「ねばねば食材」6つ納豆出典:byBirth納豆のねばねば成分は、ポリグルタミン酸という納豆菌がたんぱく質を分解するときにできるグルタミン酸、そしてフラクタンという糖の一種からできています。ポリグルタミン酸は、腸内で老廃物を体の外に出すのを促す働きや、胃壁を守るなどの働きがあります。また、ポリグルタミン酸の中には、さまざまな効果効能をもつナットウキナーゼも含まれているのだそう。ナットウキナーゼは、血液をサラサラにする働きがあるため、血栓ができるのを防ぎ、病気の予防に役立ちます。ナットウキナーゼは加熱に弱いため、納豆はそのまま食べるのがおすすめ。また、血栓は深夜~早朝にできやすいため、健康のためには夜に食べると良いですよ。納豆菌には整腸作用があるため、めかぶなどの食物繊維が多い食材と組み合わせると、「シンバイオティクス」といい、相乗効果で腸内環境が整えられ、腸の働きが最大限に発揮されるといわれています。おくら出典:byBirthおくらのねばねば成分は、糖とたんぱく質が結びついてできたムチンという成分です。ムチンは、たんぱく質を分解する酵素を含むため、たんぱく質の吸収を促す働きがあります。たんぱく質は肌や髪、筋肉などの原料となるため、美肌づくりや筋肉量の維持・増量に役立ちます。また、おくらにはペクチンという水溶性食物繊維が含まれています。腸内で乳酸菌を増やす働きがあり、腸内環境を整えます。さらに、便のカサを増やして便通を促すため、便秘解消にも効果的です。血液中のコレステロールを体の外に出す働きや、血糖値の上昇を抑える働きもあるため、ダイエットにも役立ちます。その他、カルシウムやカリウム、葉酸なども含まれており、普段補いにくい栄養素を補給することができますよ。めかぶ出典:byBirthめかぶのねばねば成分には、フコイダン、アルギン酸が含まれています。フコイダンは毛母細胞を活性化させて髪の新陳代謝を促すため、美髪効果が期待できます。ヨウ素も含まれていますが、ヨウ素にも細胞の新陳代謝を促す働きがあるため、髪だけでなく美肌づくりにも役立ちます。また、めかぶには食物繊維も多く含まれており、特に水溶性食物繊維が多いため、糖質の吸収を抑える働きがあります。食後、急激に血糖値が上昇した場合、過剰にインスリンが分泌され、余分な糖質は体に脂肪として蓄積されてしまいます。そのため、ダイエットには血糖値のコントロールが大切です。食事の前にめかぶ1パック(35~40g)を食べておくと、食後の血糖値上昇を抑えられることが分かっています。めかぶはスーパーの生鮮コーナーなどで入手できるので、食事に取り入れてみてください。長芋出典:byBirth長芋のねばねば成分は、オクラと同じムチンです。長芋には水溶性食物繊維が含まれており、便秘解消に役立つ他、食後の血糖値上昇を抑える働きがあります。さつまいもやじゃがいもに比べてカロリー・糖質ともに低いため、ダイエット中にも活用したい食材ですね。長芋は生でも食べられるため、加熱に弱いムチンを摂取したい場合は、サラダなどで生食しましょう。なめこ出典:byBirthなめこのぬめり成分は、ムチンや、水溶性食物繊維のペクチンだといわれています。ぬめり成分にはコンドロイチンも含まれています。コンドロイチンは保水力が高く、皮膚にみずみずしさを与えてハリや弾力のある肌づくりに役立ちます。コンドロイチンは、加齢に伴って体内でも生産量が減るため、積極的に補いましょう。れんこん出典:byBirthれんこんのねばねば成分は、オクラやなめこと同じムチンです。また、ビタミンCがデンプンに守られているため加熱しても壊れにくいのが特徴です。また、ポリフェノールの一種であるタンニンも含まれており、強い抗酸化作用があるため、ビタミンCとともに美肌づくりやアンチエイジングに役立ちます。肌をつくる材料であるたんぱく質を含む食材と一緒に食べると、より効果的です。肉やエビなどと炒めものにしたり、ぶりと一緒に照りやきにすると美味しくいただけますよ。いかがでしたでしょうか?いずれも栄養価が高く、体に良い影響を与えてくれる食材です。「ねばねば食材」を取り入れて体の調子を整え、毎日を快適に過ごしましょう。
2022年01月28日今年も相次ぐ「値上げ」ニュース。20日には、日本製紙クレシアが「クリネックス」「スコッティ」ブランドのティッシュ・トイレットペーパーを4月1日以降、10%以上値上げすると発表した。すでに、年始から食パンや小麦粉などの価格が10%近く値上がりしており、今後もパスタや醤油などが順次値上げされていく。「昨年は食用油や小麦粉など、原材料からあまり加工されていない品目が、原材料の高騰に伴い値上げされていました。今年は、徐々に加工度合いの高い商品にまで値上げが波及していくことになるでしょう」こう話すのは、流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。「これまでメーカーは、加工度合いが高い商品については原材料費以外の経費(人件費や広告宣伝費など)のやりくりで、値上げを抑えることができていました。しかし、世界的な原材料費の高騰があまりに急激で大幅なため、企業努力が限界を迎えたのです。しかも理由が『世界共通の資材の高騰』なので、企業としても値上げの言い訳がしやすい状況にあります」加えて、オミクロン株や南太平洋のトンガで起きた海底火山噴火が、原材料を高騰させ、今後のさらなる値上がりにつながる可能性も否定できない。「オミクロン株の大流行で物流網がさらに混乱する可能性は高いとみます。物流が混乱すればするほど、品薄や物価の上昇を招くというのは、昨年来の流れと同じです。トンガの噴火などの、自然災害もいい影響は与えません。気候変動による不作や海運の混乱などが起これば価格は上がるでしょう。実際に、各社が価格高騰を見越して買いに走る“思惑買い”により、原油の先物価格が上昇しています」■食料品の値上げはおおむね10%程度に18日、日本銀行は’22年度の「消費者物価指数」の上昇率が前年比1.1%となる見込みを発表した。消費者物価指数は、家庭で消費するモノの物価の動向を示す数値。平均的な家計ではどれほどの影響を受けるのだろうか?値上げの波が来る前である’20年12月の2人以上世帯の消費支出・31万5,007円(家計調査より)を基準にして見てみよう。’21年12月に消費者物価指数は0.5%上昇した。’22年、そこからさらに1.1%物価が上がると、「’22年の同世帯の消費支出」は「32万64円」になると考えられる。つまり、’20年に比べて今年は、同じ買い物をするだけで月約5,057円も多く支払う必要があるのだ。今後、冒頭にあげたものに加えて、どのような商品が値上がりするのだろうか。2〜4月に値上げされる商品をリストアップした。■この春値上げされる26商品【パスタ・パスタソース】2月1日からニップン、日清フーズが約2〜9.5%値上げ。【冷凍食品】2月1日から味の素冷凍食品、ニッスイ、日清フーズ、マルハニチロ、日本ハムが約2〜23%値上げ。3月1日から日清食品冷凍が冷凍麺製品を6〜13%値上げ。3月1日からニチレイフーズが約8〜15%値上げ。【ちくわなど魚肉加工品】2月1日からニッスイが約5〜13%値上げ。2月28日から紀文が平均約8%値上げ。【ハム・ソーセージ】2月1日から日本ハムが5〜12%値上げ。3月1日から伊藤ハム、丸大食品が4〜15%値上げ。【食用油】2月1日からJ-オイルミルズが1kg当たり40円以上値上げ。【ジャム】2月1日からアヲハタが3〜7%値上げ。【ポテトチップス】2月1日から湖池屋が6〜11%値上げ。【アルミホイル】2月1日から東洋アルミエコー プロダクツが15%以上値上げ。【醤油・豆乳】2月16日キッコーマンが醤油、豆乳を約4〜10%値上げ。3月1日からヤマサ醤油が醤油を約4〜10%値上げ。4月1日からマルサンアイが豆乳製品を約4〜8%値上げ。【マヨネーズ】3月1日から味の素、キユーピーが約2〜10%値上げ。【チルド麺】3月1日から日清食品チルドが6〜12%値上げ。【ドーナツ】3月1日からミスタードーナツが税別価格を10〜50円値上げ。【タイヤ】3月1日から住友ゴム工業が約10%値上げ。4月1日からブリヂストン、横浜ゴムが7〜10%値上げ。【コーヒー】3月2日から味の素AGFが約20%値上げ。【ティッシュペーパー・トイレットペーパー】3月22日から大王製紙が15%以上値上げ。4月1日から日本製紙クレシアが10%以上値上げ。【羽田・大阪・那覇空港の旅客施設利用料】3月中に国内線で大人(12歳以上)1人あたり80〜120円値上げ。【味噌】4月1日からハナマルキが5〜13%値上げ。【ドレッシング】4月1日から日清オイリオ、ピエトロが3〜13%値上げ。【ケチャップ】4月1日からカゴメが3〜9%値上げ。【ウイスキー】4月1日からサントリーが5〜28%値上げ。【照明器具・蛍光灯】4月1日からPanasonicが5〜30%値上げ。【バス・トイレ】4月1日からLIXILが最大39%値上げ。【壁紙・カーテン】4月1日からサンゲツが18〜24%値上げ。【首都高速道路通行料金】4月1日から現状最大1,320円を1,950円に値上げ。【保険料】4月1日から日本生命が平均1%値上げ。【グリーン車料金】今春からJR東日本が約30%値上げ。「今年の特徴は前述したように、加工度合いが高い品目も値上げが実施されていくこと。2月から値上げが始まる各社の冷凍食品や、3月のドーナツ、4月のウイスキーなどは加工度合いが高い商品にあたります」リストを見ると、食品に関しては、おおむね10%前後の値上げ幅であることがわかる。一方で、「照明器具・蛍光灯」や「バス・トイレ」「壁紙・カーテン」などの項目は、値上げ幅の大きさが目立つが……。「これは、各ジャンルの購入傾向が関係しているといえます。食品は日々購入する必需品のようなもの。値上げしても急にメーカーの売り上げが半減するなどということはほとんどありません。しかし、家電や住宅に関する商品は毎日購入するものではなく単価も高いため、値上がりによって買ってもらえなくなる可能性が高くなります。そのため、販売個数が減っても利益が極端に減少しないように、あらかじめ値上げ幅を大きくする必要があるんです」値上がりがわかっている商品は、計画的に買い物をしたほうがよさそうだ。しかし、給料の値上がりは一体いつになるのだろうかーー。
2022年01月27日連日のように発表される、食品の値上げ。専門家は、家計にダメージを与えるこの傾向はしばらく続くと予測する。年末年始を控えた時期の相次ぐ値上がりの背景には、いったい何があるというのか−−。「食品価格の上昇はここ10年間でジワジワと続いていますが、この10月以降の値上げの傾向は、それが特に顕著に見られます」こう語るのは、第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト・永濱利廣さん。10〜11月にかけて、メーカー各社による食品、商品の値上げ発表が相次いでいる。すでに外食産業の「びっくりドンキー」や「吉野家」などが10月末から値上げを実施。「桃屋」や「日清オイリオグループ」などは、11月1日より商品の値段を上げた。さらにこれから年末年始にかけて、複数の食品メーカーによる“値上げラッシュ”が家計を直撃する。なぜ、ここまで食品の値上がりが続くのか。「原油と穀物価格の高騰が主な原因です。原油高は企業の工場の燃料費や包装材料費、そして物流コストを押し上げます。さらに原油が上がるとバイオ燃料の需要も増えます。その原料が穀物なのです。また、コロナ禍による航空機や船で輸送する便数の減少。食品、食肉加工現場でも、人手不足による生産性の減少といった、複合的な要因も重なり、食品値上げが起きています」(永濱さん・以下同)また、メーカー各社が、この時期の値上げに踏み切ったのにも理由があるという。「企業側は、消費が少ないときに値上げをすると、より売れなくなってしまいます。消費需要が増えるこれからの時期は上げやすかったのでしょう」■来年1月から食パン、パスタ、ポテトチップスまでも値上げ来年1月から値上げされる食品の中には、毎日の食卓に並ぶ食パンやパスタ、そして人気のお菓子ポテトチップスまでもが……。「輸入小麦の『政府売渡価格』の改定が4月と10月に行われます。10月に輸入小麦の1トン当たりの価格が19%も上がったことが、小麦粉やパンなどがいっせいに値上がりした大きな要因でしょう」ポテトチップスは、今夏、北海道は猛暑で雨が少なく、じゃがいもや玉ねぎの収穫量が減少。原料となるじゃがいもの価格が高騰していることも要因であるそうだ。「値上がりは、原油高や穀物価格の高騰だけでなく、世界中の干ばつや気候変動、国内の天候不順による作物の不作などの影響もあるのです」その北海道で、今度は赤潮が発生。ウニやイクラが大打撃を受けて、いま価格が高騰している。そして海外の食材も、世界的な物価上昇に伴い、輸入牛肉やカニの価格などが上昇している状況だ。第一生命経済研究所が、食品をはじめ電気、ガス、ガソリンといったエネルギーなども含めた、平均的な家庭の年間負担額を試算している。そこで’20年と’21年を比較すると、今年は約5万円の負担増になるそうだ。さらに来年は、’20年と比べて、約7万円程度の負担増になるとも。「’19年に消費税が8%から10%に上がりました。軽減税率が導入されましたが、この年の民間への負担増は4.6兆円。本年度は4.8兆円の民間への負担増が予想されているので、値上げが家計に及ぼす影響は、’19年10月に消費税率が引き上げられたときと同程度の負担増とも言えます」■来春以降も、食品の値上げは続く見込み値上げによる家計へのダメージを軽減するための防衛策はないのだろうか。「携帯料金や光熱費の見直しをすることです。特に携帯はぜひ見直すべきです。まだの家庭は、おそらく食品の値上げによる負担増を軽くカバーできるでしょう。たとえば、家族3人が携帯を所有していた場合、全員が格安料金プランに変更すれば、これまでより年間10万円以上は浮かせることが可能な場合もあります」諸外国に比べて、日本の給与水準は上がらないなか、値上げによる家計への負担は増すばかり。いったいいつまで値上げは続くのか。「原油価格はそろそろピークアウトし、これから落ち着いていくでしょう。ただ、食品価格は来春以降も値上げが続くと見込まれます」18歳以下に10万円をバラまく前に、政府にはもっとやるべき景気対策があるはずなのでは……。
2021年12月01日「10月からうどんやパスタ、小麦粉、コーヒー、マーガリンなどが数%~30%も値上がりしています。さらに原油価格の高騰で、電気料金も値上げ、1リットルあたりのガソリン価格は過去最高水準です」こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。10月25日には、5都府県で続いていた飲食店への営業時間の時短要請が解除され、本格的に経済活動が再開した。これまで行動を自粛していた人のなかにも、外食や旅行などの活動を再開した人は多い。こうした一斉値上げや“反動消費”は私たちの家計に大きな影響を与える。「特に、帰省や忘年会、年始の準備など、なにかと支出の多い年末の影響は大きくなるでしょう。生活費の支出は、昨年と比べて、20%近く増えると予測しています」(柏木さん・以下同)12月の支出で考えてみよう。昨年の50~59歳までの働いている世帯の12月の消費支出の平均は36万4080円(総務省「家計調査」’20年12月より)。自粛の影響で、例年より3万円近く安かった。ここから住居費や教育費、医療費など値上げと関係ない支出を引くと、30万8907円となる。仮に20%支出が増えるとしたら、およそ6万2000円の支出増に。「かなり厳しい数字ですが、ちょっとした工夫を積み重ねることで、支出増をカバーできます」そこで、コロナ自粛明けの今こそ取り入れたい支出減の新習慣を教えてもらった。【ワクチン接種証明書の割引を活用する】〈方法〉:接種証明書の提示で会計の割引や、ドリンク1杯無料などのサービスが。有効活用しよう〈削減金額〉:月5,000円減地元の商店街やチェーン店などは、ワクチン接種証明書の提示によるサービスを開始している。「たとえば居酒屋のワタミでは来店時のドリンク1杯が無料になりますし、カラオケ館では室料が10%オフに。個々の金額は小さいですが、積み重ねていけば5,000円ほど得することができるでしょう」ほかにも宿泊費の割引を行っているホテルなども。今後もサービスは拡大していく見込みなので、できれば接種証明書を持ち歩こう。【Go To Eatで年末外食費を削減する】〈方法〉:年末になると外食の機会が増える。一部自治体では再開が始まっているので活用しよう〈出費品目/出費額※〉:外食費/月1万7,198円〈削減割合/金額〉:25%減/4,300円減外食の機会が多い年末。「ぜひ、利用したいのが、コロナ禍で打撃を受けた飲食店や農家を応援するGo To Eat。たとえば、1 万2,500円分の食事券を1万円で購入できるなど、25%も得なんです」今年1月まで発売されていた東京都の食事券の使用時期は、12月15日まで延長されている。また、埼玉県などで第2期の販売が始まるなど、再開の方向だ。コロナ禍前の’19年12月の外食費用は平均1万7,198円。25%減らせれば、4,300円の削減となる。※出費額は総務省「家計調査世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」より、コロナ前の2019年12月「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」の世帯主の年齢が「50~59歳」のものを使用。
2021年11月04日《電力大手10社は、11月の家庭向けの電気料金を全社値上げする見通し》9月16日、新聞各社が電気料金の値上げを報じた。各社月額で100円程度のアップだが、この1年でいったい何度この報道を目にしたことだろう。ファイナンシャルプランナーで消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが解説する。「家庭向けの電気料金は’11年の東日本大震災以降、火力発電にシフトしたことで値上げの傾向にありました。それに加え、今年は火力発電の燃料となる液化天然ガスや石炭などの輸入価格が軒並み上昇していることから、値上げが続いています。さらに今年5月からは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるために、毎月の料金に上乗せされている『再エネ賦課金』が、標準的な家庭で1,000円以上課されています」電気代は、この1年でじつに20%近くも値上がりしている家庭もあるのだ。■この冬は電力が不足する懸念も……とりわけ、新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えているうえ、到来が予想される感染拡大第6波で再びステイホームの時間が長くなる可能性も。家で過ごすことが多くなれば、それだけ電気代もかさんでしまうことに。さらに、今年の冬は電力不足も気がかりだという。「今年5月に、経済産業省は“夏と冬に電力需給がひっ迫する可能性”があることを発表しています。今夏については、電力各社が電力を融通し合って乗り切れましたが、脱炭素社会への流れから火力発電所が縮小傾向にある今年の冬は、電力の供給が不安定になることが予想されています。最悪の場合はブラックアウト(停電)や計画停電などが行われてもけっしておかしくはありません」(丸山さん・以下同)値上がりし続ける電気代に、ひっ迫する電力需要。ただでさえ何かと物の値段が上がっているというのに……。「電気代に限らず、穀物価格が高騰し、食品の価格も軒並み値上がりしています。その一方、所得は上がっていないので家計を守るのは大変。しかし、電気代についてはまだやりくりする余地がある家庭が多いです。特に冬は暖房や照明を使用するので、どうしても電気代が上がりがち。少しの意識を変えるだけで、電力消費を抑え、節電につなげることが可能です」家計を守るための、冬の電気代の削減ポイントを丸山さんに教えてもらった。冬本番を迎える前に、ぜひ見直しておこう。■冬本番前に見直したい電気代のポイント7【1】電力の契約先を変更する電力会社を替えるだけで電気代を年10%ほど下げられることも。居住地や生活スタイルに合わせ、自分に合ったプランを選ぼう。【2】契約アンペア数を「40」に変更するアンペア数が下げられるのなら、子どもが独立しても契約当時の60アンペアのままではムダ。アンペア数を下げることで、年1万円の削減も。【3】エアコンの動作環境を整えるフィルター掃除で6%の節電に。設定温度は20度で、ファンで部屋全体に空気が流れる工夫を。古いエアコンは買い換えの検討も。【4】極力リビングで「ウォームシェア」家族がそれぞれの部屋で過ごさずに、ひとつの部屋で過ごして暖房を共有。テレビや照明の節電にも。マットを敷いて底冷え対策を。【5】照明をLEDに変える長時間使用するリビングの照明はLEDに。価格は高いが節電効果が高い。短時間しか使用しない廊下などは電球型蛍光ランプでも十分。【6】家電の保温機能を使わない冬に多用しがちな炊飯器や給湯ポットの保温機能、暖房便座は電気料金アップのもと。お湯を使う際は電気ケトルが節電の面では◎。【7】在宅ワークは「ウォームビズ」で暖房の設定温度を上げる前に着込む。特に首、足首、手首の「3つの首」を温めると効果的。食事も鍋物など体を温めるものに。「5年前に始まった電力小売りの全面自由化で、電気の小売業への参入が認められ、現在は好きな電力会社を選ぶことができます。たとえば私が今住んでいるマンションが契約している小売事業者(新電力)は、電気料金が一般的な料金より10%割安になっています」東京ガス、ENEOSなどエネルギー関係の会社以外にも、auやソフトバンク、楽天なども“新電力”に名を連ねる。「インターネットで申し込んだり、クレジット決済だったりと、これまでの電力会社との付き合い方とは異なる部分もありますが、契約する電力会社を切り替えても、今までどおりに電気は使うことができます。電気代が安くなるだけでなく、ガソリン代や定期代などが割引になるなどのサービスがある会社も。ライフプランに合った電力会社を見つけて切り替えることで、値上げ分をカバーできます」資源エネルギー庁によると、自由化以降、今年3月までの時点で電力会社を切り替えた家庭は20.2%。じつに8割の家庭ではまだ電気代を下げられる可能性があるとも考えることができる。契約アンペア数の変更も、一度の切り替えで毎月の費用を抑えることができる手段だ。■「ウォームシェア」を家族で心がけたいとはいえ、いきなり契約内容を変えるのはハードルが高い、と思う人もいるだろう。「冬場にフル稼働するエアコンの動作環境を見直しましょう。いまのうちにフィルター掃除など手入れをきちんとしておくことも、節電につながります。“窓対策”も重要。窓ガラスを通して温まった空気が逃げて、外の冷たい空気が入り込んでいるため、厚手のカーテンをすき間なくすることで暖房効率が高くなります。また、天井付近にたまった暖かい空気を部屋全体に流すように、サーキュレーターやファンを利用するのもコツです」冬場に活躍する家電は何かと電気代を食ってしまいがち。省エネのタイプに買い換える、こまめに電源をオフにする、待機電力を消費しないように充電器のプラグを外すなど、基本的な節電アクションも、確実に電気代を減らせるという。「ゲーム感覚でやることがうまく続けるコツです。電気代が下がった明細書をスコアに見立てて、家族で取り組んでみてはどうでしょうか」紙で明細が発行されなくなってから、月々の料金をチェックしていないという人も、ウェブで確認して、いま一度家庭の電気代ときちんと向き合ってみよう。さらに外出控えや巣ごもりが増えるなか、「ウォームシェア」を心がけたいと丸山さんは話す。「それぞれの部屋で暖房を使用すれば、電気代は高くなってしまうことに。リビングに家族みんなが集まり、暖房だけでなくテレビや照明なども共有して、電力消費量のカットにつなげましょう。温かいお鍋などを家族で食べれば、コミュニケーションも深まりますよね。電気代の節約だけなく、電力需要のひっ迫も防ぎます」値上がりが続く電気代、ムダを洗い出して冬の家計を守ろう。
2021年10月01日秋は太りやすいって本当?その理由とは?出典:byBirth秋になると過ごしやすい気候になり、食欲も増してきますよね。「秋太り」といわれるように、秋に太りやすくなる、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?秋に太りやすい原因は、以下のようなことが考えられます。肌を見せない服装が増えるため、ダイエットの気が緩む「味覚の秋」といわれるように、美味しい食材が増えるため食べ過ぎる栗やさつまいもなど、炭水化物が多い食材が旬を迎える夏バテで、不足していた栄養を取り込もうと食欲が増すこのような原因から、秋に太りやすくなることがありますが、実は秋から冬はダイエットに向いている季節なのです。理由は、「秋から冬にかけて基礎代謝が高くなるから」です。寒くなってくると、内臓や筋肉を寒さから守るために、体はエネルギーを発生させるようになります。そのため、生命維持に最低限必要だといわれる基礎代謝が高くなるので、実は寒い季節のほうが痩せやすいのです。したがって、ジョギングなどの軽い運動や、痩せやすい食材・食べ方を工夫することで、秋太りを回避することが可能です。秋太り対策におすすめの食材5つきのこ類出典:byBirth秋に旬を迎える舞茸やしいたけ、エリンギなどのきのこ類は、食物繊維が非常に多く含まれています。食物繊維は腸をきれいに掃除して、便通を良くする働きがあるため、代謝アップに効果的です。また、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、インスリンの過剰分泌を抑え、体に脂肪がつくのを防ぐ効果も期待できます。低カロリーで、カサが大きいので、炊き込みご飯や味噌汁などに加えて、摂取カロリーを抑えることができますよ。秋刀魚(サンマ)出典:byBirth秋にたっぷりと脂がのって美味しくなるサンマは、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれています。DHAやEPAは、血液中の中性脂肪値やコレステロール値を下げる働きや、血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐ働きがあるため、生活習慣病予防に効果的です。また、血液をサラサラにすることで血行が良くなるので、体の冷え対策にもなり、代謝アップにつながります。たんぱく質が豊富であることも、筋肉量アップにつながり、ダイエットに効果的といえますね。秋鮭出典:byBirth秋鮭は、産卵前なので身がしっかりと引き締まっていて、脂肪が控えめなことが特徴です。サンマと同じく良質なたんぱく質が豊富で、DHA・EPAも含まれています。また、鮭の色素である“アスタキサンチン”は、強い抗酸化作用を持っているため、体内で発生した活性酸素を除去し、美肌や美白効果、アンチエイジングなどの効果も期待できます。脂肪が控えめなので、ホイル焼きやムニエル、フライなどにしても美味しいですし、鍋に加えてもヘルシーにいただけますよ。れんこん出典:byBirthれんこんは歯ごたえがあるため、噛む回数が増えるので、ダイエットにも効果的な食材です。でんぷんも多く含まれていますが、ビタミンCや食物繊維が豊富なので、美肌効果や便通改善にもおすすめです。また、カリウムも多く含まれていますが、体内の余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、むくみ予防にも効果的です。太ったと思っても、実はむくみが原因であることも少なくありません。秋は、夏ほど汗をかかなくなり、体に水分や老廃物が溜まりやすくなるため、むくみやすい季節。カリウムを意識して補給することも、大切といえますね。さつまいも出典:byBirth「太る」というイメージがあるイモ類ですが、適量食べるのであれば美容効果も高いためおすすめの食材です。イモ類のビタミンCは、でんぷんで守られているため加熱にも強く、夏に紫外線で受けた肌のダメージを回復するのにも効果的です。また、食物繊維も豊富なので、便秘によって代謝が悪くなっている人は積極的に食べたい食材です。1日に100g程度(中くらいのもの1/2本くらい)を食べと良いでしょう。太るのが気になるという方は、「夜に食べないようにする」「さつまいもを食べた分、主食を減らす」などの工夫で対応してくださいね。秋太りしないために気をつけたい食べ方のコツ出典:byBirth食前に飲み物を飲む食事と食事の時間があいた状態で食事をすると、早食いや過食をしてしまい、インスリンが過剰に分泌され、体に脂肪がつきやすくなる恐れがあります。食事をする前に、温かいお茶や牛乳、野菜ジュース、トマトジュースなどをコップ1杯程度飲んでおくと、空腹感がやわらぎ、早食いや過食を防ぐことができますよ。カロリーや炭水化物が多いものは日中に食べる脂肪の合成を促す時計遺伝子Bmal1(ビーマルワン)というたんぱく質は、午後2~3時にもっとも少なくなり、午後10時~午前2時に多くなるといわれています。そのため、ランチタイムや間食など日中の時間帯に、カロリーが高いものや炭水化物が多いものを食べておくようにしましょう。“食べ順”を意識する血糖値を上げる炭水化物を多く含むものは、食事の最後に食べるようにしましょう。野菜や汁物、たんぱく質などから食べ始めることで、食後に血糖値が上がるのを緩やかにしてくれるため、インスリンの過剰分泌を防いで体に脂肪がつきにくくなります。手軽に取り組める方法なので、秋太り対策だけでなく、常日頃から意識したい習慣です。いかがでしたでしょうか?秋は太りやすいイメージがありますが、工夫次第で秋太りを回避することができます。美味しい食材も多いので、取り入れながら、無理のない範囲でダイエット・体型維持をしていきましょう!
2021年09月30日「8月には主要メーカーの食用油は、1キロあたり50円値上げしています。これは今年3回目の値上げで、合計110円も値段が上がったことになります。さらに9月には、大手2社がパスタを2.5~4.8%値上げ。ほかにも、長雨の影響を受けた野菜をはじめ、肉や魚などの生鮮食品も軒並み“値上がり”しています」そう解説してくれたのは、経済評論家の加谷珪一さんだ。日ごろ立ち寄るスーパーの店頭でも“値上げ”を痛感している人も多いのではないか。「一連の食品値上げの背景には、『世界的な原材料の価格高騰』、『天候不順による不作』、『漁獲量の減少』の3つがあります。これら要素のすべては地球温暖化による影響と考えられ、今後も食料品の“値上がり”傾向は、年単位で続くでしょう」(加谷さん)食卓を預かるものにとっては、何とも絶望的な話……。だが、あらかじめ何が高くなるのかわかっていれば、事前に買いだめしたり、別の食品で代用することもできる。それでは“何が、いつ、どれくらい”高くなるのだろうか、加谷さんと、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに聞いた。■小麦、大豆は高騰。米価格は下がっている「小麦粉や油脂類の価格高騰が食品価格に大きな影響を与えています。山崎製パンは10月1日出荷分から和洋菓子製品の平均7%の値上げを発表しました。さらに大手2社が植物油を原料とするマーガリンを同じタイミングで値上げします」(加谷さん)8日、政府はさらに「10月からメーカーへの輸入小麦の売渡し価格を19%引き上げる」と発表した。「この影響は大きい。来年1月ごろには、小麦粉価格の上昇が食パンの値段にも反映されるでしょう。上げ幅は、和洋菓子製品の値上げと同じ7%程度と予想されます。さらに、すでに値上げが行われたパスタも含め、うどんやそば、インスタントラーメンなどの麺類も、来年1月あたりに5~7%ほど値上がる懸念が」(加谷さん)作るのに多くの小麦粉を使う天ぷらも、総菜店やスーパーの小売価格が値上げとなる可能性がある。高騰しているのは大豆も同様だ。「メーカー側が小売店に値上げ交渉中です。近いうちに、納豆や豆腐など大豆を原料とする食品が、10%ほど値上がる可能性が高いでしょう」(加谷さん)さらに、遅れて来年3月ごろに5%程度の再値上げの可能性も。一方、米の値段は下がっている。「コロナ禍で外食産業での使用が激減したことなどもあり、米の価格は安くなっています。この機会に、チャーハンや和食の頻度を増やすのはありですね」(柏木さん)8月に日本各地を襲った記録的な豪雨や長雨も、食品価格に大きな影響を与えている。「一部の野菜やフルーツが不作になり、すでに価格が高騰。10月以降にもさらに10%程度の価格の上昇の可能性があります。さらに、コロナの巣ごもり需要で、保存がきくじゃがいもやさつまいもの価格も上昇しています。年末の買いだめ時期の12月には5%程度値段が上がっているかもしれません」(加谷さん)高いからといって購入を躊躇した場合に、気になるのは栄養の偏りだ。柏木さんのアドバイス。「野菜を減らしても、繊維質は摂取しましょう。安くて食物繊維が豊富なこんにゃくや、もやしなどがおすすめです」地球環境の変動の影響は、漁獲量やアーモンドの生育にも影響を与えている。サンマとサケは記録的な不漁。世界シェアの半分以上を占める米国のアーモンドも不作だ。これらの値上げも避けられない。さらに、メインディッシュに欠かせない食肉の価格も。「餌である穀類の値上げや中国での需要の急増などで、牛豚鶏を問わず、食肉は年間を通して値上げ傾向にあるでしょう。1月ごろに5%程度価格が上がっている可能性があります」(加谷さん)一方、鶏肉はお得な買い方があるというのは柏木さんだ。「大型スーパーなどでは、冷凍ブラジル産鶏肉が『2キログラム500円』などという特売も。最寄りのスーパーの価格を調べてみましょう」【値上げ注意報! 食卓に欠かせない20品目】〈和洋菓子製品(山崎製パン)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:平均7%/値上げイメージ:菓子パン198円→212円。〈コーヒー(味の素AGF、キーコーヒー)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:20%程度/値上げイメージ:コーヒー粉(320g)420円→504円。〈マーガリンなど(雪印メグミルク、明治)〉値上げ時期:10月1日/値上げ割合:1.9~12.8%/値上げイメージ:マーガリン(300g)290円→320円。〈サケ・サンマ〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:サケの切り身※1(100g)241円→265円。〈きゅうり・なす〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:きゅうり1本※1(100g)89円→98円。〈梨・ぶどう〉値上げ時期:10月/値上げ割合:10%/値上げイメージ:巨峰(300g)800円→880円。〈納豆・豆腐〉値上げ時期:10月、来年3月/値上げ割合:10%、5%/値上げイメージ:納豆3カップ(50g×3)75円→83円→87円。〈じゃがいも・さつまいも〉値上げ時期:12月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:じゃがいも1袋※1(500g)201円→211円。〈アーモンド〉値上げ時期:12月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:素焼きアーモンド(1kg)1,200円→1,260円。〈食パン〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:7%/値上げイメージ:食パン1斤(350g)144円→154円。〈麺類〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:5~7%/値上げイメージ:インスタントラーメン(1袋)110円→118円。〈天ぷら〉値上げ時期:来年1月/値上げ割合:5%/値上げイメージ:エビ天(1尾)150円→158円。〈牛肉・豚肉・鶏肉〉値上げ時期:継続的に値上げ/値上げ割合:↑/値上げイメージ:豚肉1パック※1(200g)520円→546円(来年1月)。※価格はすべて税込み。※1は農林水産省の「食品価格動向調査」を参考にした。それ以外は店頭での流通価格を参考にした。避けられない値上げの流れ。せめて値上げされるものを事前に知って対策を練ろう。
2021年09月24日