少子高齢化やIT技術の発達により、私たちが生きる社会はめまぐるしいスピードで変わっています。今は普通に存在する職業が、数年後、数十年後にはなくなってしまったり、全く違ったものになってしまうかもしれません。ここでは、そんな「近い未来に消えてしまうかもしれない職業」をご紹介します。就活を控える大学生は、一度目を通しておく価値ありですよ。■圧倒的な人口減で……教育関連少子高齢化による人口減少が進む日本。2014年の国交省の発表によると、2050年には、人口は約9700万人に減少すると考えられています。この試算によれば、全国の6割以上の地域において、人口が2010年時点のおよそ半分ほどになるのだとか。ここまで人口が減ってしまうと、国内の産業全体が打撃を受けるのは当然です。しかし、その中でも特に大きなダメージを受けるのは、教師や塾講師、保育士といった子ども関連の仕事。少子化が問題になっている今よりも子どもの数が減っているわけですから、それに関連した働き口が減るのも自然と言えば自然なことです。今後は先生であっても、某予備校教師のような個性的なキャラづくりが求められる日も近いかもしれません。授業のわかりやすさや子どもとの信頼関係だけでなく、「他の先生にはない強み」をアピールしていく必要がありそうです。■テクノロジーの発達で失職するかも日々進化していくテクノロジー。作業の効率化が図られ、人間の行っていた作業が機械に代替されるようになってきました。例えばアマゾンや楽天などの大手通販は、倉庫にロボットを活用することで人件費を削減しています。また、監視カメラやセンサーの発達により、交番も年々減少しているそう!さらに、男の子の憧れる職業である電車の運転手も、センサーやGPSによる無人運転が実現すれば、将来は必要なくなるのではとの声も。自動車の自動運転技術も話題になっているだけに、ありえない話ではなさそうです。そんなに機械の仕事が増えるなら、プログラマーになればいいのでは?と思いますよね。しかし、プログラミングそのものが機械化される可能性もあるのだとか。機械にとって代わられないようにするには、「人の手でしかできないスキル」を身につける必要がありそうです。■インフラだから安心……はできない!私たちの生活に欠かせない、電気やガス・水道などのインフラ事業。なくなることはありませんが、だからといって安泰とも言いきれません。すでに電気の自由化が行われ、2017年にはガスも自由化が始まります。これにより、新規事業者の参入による価格競争がはじまるでしょう。今は自由化が決まっていない分野でも、この先そのような動きがあるかもしれません。まだ電力自由化は始まって1年と経っていないため、その競争結果についてはもう少し長い目で見る必要がありそうです。しかし、競争が激化すればそれだけ生き残るのも大変。インフラ業界だから安定しているだろうと就職を決めるのは、少々危険かもしれません。■専業主婦はすでに過去のモデル不況が長く続き、少子高齢化で働ける人の数も減っています。一昔前は、そこそこの企業に入りさえすればあとは年功序列で安泰でしたが、今は有名大学を出てもそんな保証はありません。家長である男性の給料だけで家計を支えていくのは難しい時代に入っています。実際に、日本の全世帯数における共働き夫婦の割合は約60%という数字が出ています。先行き不透明なこの時代、夫婦二人で収入を得ていれば、パートナーが急に働けなくなったときもリスクヘッジになりますよね。また、「年金の支給年度の引き上げは避けられない」との声も。老後の資金準備のために共働きを選択する夫婦もいるようです。一部の裕福な家庭を除いては、もはや専業主婦でいるのは夢のような時代なのですね。専業主婦を目標に人生設計をしている女子は、一度考え直してみる必要がありそう。■今は当たり前にある職業も、なくなる可能性がある就職活動を迎える大学生にとって、職業の将来性を考えるのは大切なこと。やりがいやワークライフバランスなども大事ですが、業界・職種を長期的な目で見ることも欠かせません。ただ就職するだけでなく、積極的にスキルや資格を習得していくこともおすすめです。「ようやく就職できたのに、こんなはずじゃなかった」なんてことにならないように、業界や職種の未来にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
2016年09月22日質問:過去に病歴があっても、医療保険に入れますか?ご安心ください。高齢化社会を反映し、既往症がある方だけでなく、治療中の方でも加入しやすい保険が増えています。みなさんがよく目にされるのは、「誰でも月々○○円でOK」などのコマーシャルでしょうか。また、ネットに掲載されている情報も豊富になり、ご相談者の方から「私は既往症があるので、加入条件の緩やかな『引受基準緩和型』じゃないとだめだと思います」と、申し出てこられるケースも増えました。注意ポイントその1「うまい話には裏がある」じゃないですが……コマーシャルでよく目にする「誰でも保険料が一律」という保険は、以下の2つのタイプに分かれます。保険料は年齢、性別にかかわらず一律だが、給付対象となるのは「傷害(ケガ)での入院や手術のみ」という、「傷害保険」のケース。「病気」「ケガ」でも給付対象となる「医療保険」だが、加入時の保険料は一律でも、年齢・性別によって受け取れる給付金額が異なるケース。「入れてラッキー」「安くて良かった」といっても、いざという時に思っていた給付金が受け取れなければ意味がありません。加入前に、給付条件をよく確認するようにしてください。注意ポイントその2本当に引受基準緩和型しか入れないの!?既往症がある場合や治療中の場合、本当に保険料が一般的に高くなる『引受基準緩和型医療保険』にしか入れないのでしょうか。病歴の種類や治療内容にもよりますが、完治している場合はもちろん治療中でも、一般的な医療保険に加入できる場合があります。完治してから5年以上経過している場合告知義務は、申込日(告知日)からさかのぼって5年以内の治療歴が対象です。最後の治療(経過をみる検査を含む)から5年以上経過していれば、申告は不要です(一部のプランは、5年以上経過していても申告対象になる場合がありますのでご注意ください)。5年以内に治療歴があっても、保険会社が定めた、保険に加入できる範囲内の治療内容に該当する場合治療内容の詳細を申告する必要はありますが、「特別条件」付(「部位不担保」や「割増保険料」など)で受け付けてくれる場合があります。この場合のメリットは、引受基準緩和型より一般的に保険料が安くなることで、デメリットは、「部位不担保」の適用期間は、一部の給付金が受け取れない場合があることです。※部位不担保…主に医療保険に適用される条件で、契約日から一定期間または保険期間の全てにわたって、身体の特定部位などを保障の対象外(不担保)とすることを条件に契約する方法。最初から「引受基準緩和型」を検討するのではなく、必ず保険会社や保険代理店に相談してみましょう。注意ポイントその3あえて引受基準緩和型の選択肢も!「引受基準緩和型医療保険」のわかりやすいメリットは、一般的な医療保険より緩やかな健康告知で加入できることです。また、保障開始後の1年間は給付金が半額になるというのも特徴ですが、これはデメリットと受けとられがちです。しかし、実は、この1年以内の保障はメリットでもあります。なぜなら、一般的な医療保険の「部位不担保」などが適用された場合、因果関係のあるものは不担保期間中の給付金はゼロですが、引受基準緩和型医療保険の場合は、半額になるとはいえ、既往症と因果関係の強いものでも給付対象になりえるからです。ご自身にとって、どの選択肢がベストなのか、十分に比較しながら検討されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月09日こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。今回は、『市民後見人 』について、その仕組みやルールをご説明します。今はまだ聞き慣れない言葉かもしれませんが、高齢化などが社会問題となっている現代で、これからのためにぜひ多くの人が知ってほしい制度です。●市民後見人とは?認知症や知的障害、精神障害などによって法律に関わる行為などが一人でできない人は、通常は親族の中から選ばれた後見人が本人に代わって財産管理や介護利用契約などをしてくれるものです。しかし、病気や障害を持った人の近くに必ずしも後見人になり得る人がいるとは限りません。そんなときに求められるのが、“親族以外の市民による後見人 ”です。これを『市民後見人』と呼びます。●市民後見人のサポートを受けるには?こちらも自治体によって細かなルールが異なるようですが、主に担当職員が希望者と面談をして状況を確認したり、医療や介護に携わる専門機関に相談をしたりして、希望者が市民後見人制度を受ける必要があるかを判断するようです。そのときの判断材料として、自治体は希望者の資産、住居や生活環境の状態、家族関係、現在の支援体制などを正しく把握する必要があります。家族以外の第三者が関わる制度なので、より慎重な調査となるでしょう。●市民後見人になるには?市民後見人は自治体が主催している研修 を受けた後、家庭裁判所からの選任 によって活動を開始できます。たとえば名古屋市の場合は、『市民後見人候補者養成研修』を受講→『市民後見人候補者バンク』に登録→家庭裁判所からの選任を受ける→市民後見人としての活動がスタート、という流れのようです。しかし活動前の研修内容や実際の活動の幅が自治体によってさまざまなので、「どうすれば市民後見人になれるのか?」「どんな人がなれるのか?」「具体的に何をするのか?」が一般市民にほとんど認知されていないのが現状です。●市民後見人になった後の支援体制は?市民後見人となった人は、その活動が始まってからも自治体によって支援と監督を受けることになります。たとえば、監督行為として定期的な活動内容のチェックや財産目録作成の立ち合い、支援行為として24時間のサポート体制や保険加入などがあります。トラブルや双方のストレスを避けるため自治体側も手を尽くしてくれているようです。----------まだまだ課題が多いといえる市民後見人制度ですが、私たち一人ひとりが正しく理解と関心を深めることで、今後ますます安心して参加・利用ができる制度になるでしょう。【参考リンク】・市民後見人とは | 名古屋市成年後見あんしんセンター(PDF)()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)
2016年09月05日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。超高齢化社会を迎え、全国のママさんパパさんの御両親もおじい様おばあ様も多くはお元気でお過ごしのこととお慶び申し上げます。筆者も自分の親は二人とも他界したものの、妻の方はおかげさまで父親が90歳、母親が87歳とまだまだ元気に毎日を過ごしています。ところで、そのように元気な今のわが国の高齢者の人たちですが、実は“これだけは絶対に気をつけなければならない深刻な健康上のリスク” があることをご存じでしょうか。絶対に回避しなければいけないこと、それは“転ぶこと”なのです。定期的な一般健診もがん検診も血液検査ももちろん大切ではありますが、それ以上に“転ばないこと”こそが高齢者にとっては極めて大事なことなのです。どうしてでしょうか。●転んで入院生活に入ることで、医療の手にかかる状態から抜け出せなくなる傾向がある高齢者の多くは1つや2つの持病は持っています。それでも“一病息災”“二病息災”といった感じで明るく前向きに過ごすことで、病気に打ち勝ちながら生きているというのが本当のところです。実際、厚生労働省のホームページによると、日本人の場合男性の2人に1人、女性の3人に1人はがんにかかるそうです。しかし、積極的に適切な治療を受けることによって多くのがん患者は命までは落とさないですむようになってきました。また、がんではない病気なら高齢者のほとんどが何かしら持っていますが、“気にし過ぎない”で日常生活を続けることで、“医療過多”にならずに健康な生活を保っているという面もあります。ところが、ひとたび転んでしまい、特に大腿骨を折ってしまう と人生終盤の様相が全く違うものになってきてしまいます。手術をしなければ骨はつながりませんから寝たきりになってしまいますし、手術をしたらしたで高齢者にはさまざまなリスクが伴うものであり、入院生活に入ることによって病院側が“細かいことも見逃してくれなくなる”ため、さまざまなリスクが表面化し、“医療の手にかかる状態から抜け出せなくなる”傾向があるのです。●昨日まで何でも自分でやっていた人が、転んでしまうとわずか数か月で帰らぬ人になることも都内の総合病院の整形外科に勤務するある医師によると、高齢者が大腿骨頸部骨折に代表されるような外科的手術を伴う入院生活に入ることによる主なリスクは次のようなものです。(a)感染のリスク(b)麻酔のリスク(c)再骨折・脱臼のリスク(d)痛み・しびれ等の残存(e)歩行・移動能力の低下ないし喪失(f)内科的疾患の出現(g)認知症の出現(h)せん妄の出現(40代男性/都内総合病院整形外科勤務、整形外科医師)また、これは正確な統計がとれていることではないため、あくまでも個人的な談話として聞いた話ですが、『大腿骨頸部の骨折で入院・手術をした後期高齢者の人で半年以内で死亡する人の割合は実は一般の人がイメージしている数字よりもっと多い』と仰る整形外科の医師(60代男性/都内整形外科クリニック院長)もいるほどなのです。現実に筆者の母親はそれまで何でも自分ですることができていたのに、1月下旬に自宅の自分の部屋で転んで大腿骨頸部を骨折し、入院・手術してからというもの、日に日に全身の状態が低下 していき、5月下旬には帰らぬ人となりました。●高齢者は“転んだら最後”のつもりで周囲は細心の注意を~意外と見落しがちな注意点~おじいちゃんおばあちゃんに、いつまでも転ばずに元気で過ごしていただくために、周囲は“転ばせてしまったら最後”くらいのつもりで細心の注意を払う必要があります。もちろん皆さんそのつもりでやってはいるのですが、より一層ということです。そこでこのコラムでは、普通の健康な大人だと「そんなものが転倒リスクになるの?」と思うような、意外と見落しがちな転倒リスクについて触れて、しめくくりたいと思います。●(1)薬の服用状況に注意を高齢者の多くは多種類の薬を服用しており、その中には副作用としてフラつきや眠気、ぼうっとするなどの症状をもたらすものも多く存在します。それらの副作用が出ているときの歩行は、高齢者にはさせないように気をつけるべきです。●(2)靴下やスリッパは履かない方がいい靴下やスリッパは、滑り止め付きのものを常に履く習慣ができている場合を除いて、履かない方がいい かもしれません。裸足に慣れましょう。冬の寒い日に履かないと耐えられないと仰るのであれば、むしろ布団から出ずに休んでいることをおすすめいたします。●(3)日常の細かな整理整頓に無頓着になった方がいいその人のパーソナリティもあるので一概には言えませんが、日常の細かな整理整頓に伴う動き には多くのリスクが潜んでいます。ほんの一例ではありますが、几帳面だった筆者の母は滑り止めの付いていない“あったか靴下”を履いた状態でベッドのシーツを直そうとして滑って転び、わずか4か月後に帰らぬ人となりました。几帳面な高齢者に何か気になることがある様子を感じたら、何が気になるのか聞いて、できることは代わってしてあげるのがベターです。なお、(2)の裸足に慣れましょうという提案は、神奈川県で内科医院を開院する東邦彦医師もホームページで推奨していらっしゃいます。【参考リンク】・高齢者の転ばない暮らし方について | 東内科医院()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月09日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。超高齢化社会を迎えたわが国では、高齢者が人生最後の時期を住み慣れた土地や家族に囲まれた自宅で過ごしたいと望んでも、かなわないケースが増えてまいりました。国は社会保障費の抑制のために療養型病棟の削減と在宅医療システムの充実を方針に掲げて終末期医療の問題に臨んでいますが、『実際には医療型療養病床に入院している患者さんの医療区分は2と3の占める割合が毎年増加しているのが現実』(50代男性/都内医療療養型病院院長・医師)で、在宅医療では対応しきれないほどの、すぐに受けられる医療の必要性が高まっています。●日本の高齢者の多くが人生最後を病院で過ごすワケ現代のわが国の高齢者のおよそ8割は病院でなくなっています。自宅でなくなった人の割合は2010年の時点でわずか12.6%にすぎません。わが国の高齢者が終末期を過ごし、最期を迎える場として重要な役割を担っている医療型療養病床の平均入院日数は約280日と長く、死亡退院が退院全体の約3割 を占めています。それほど日本の高齢者が人生の最期を過ごす場は、“病院”が中心であるということなのです。国が「在宅中心の終末期医療」の旗印を掲げても、現実は容易にはそうなっておりません。なぜでしょうか?それは、わたしたち日本人には「まだ生きられる人を死なせてはならない」という“価値観”があるからだと、筆者は考えています。そして、まだ生きられる人を死なせないためには、医師や看護師がすぐそこにいる病院にいないことにはだめだからだと思うのです。●つきっきりの介護は、現実的に難しい筆者自身も、高齢の母親が転倒による大腿骨頸部の骨折をきっかけにあっという間に全身の健康状態が低下し病院で寝たきりになりました。そんな中でも、子どもたちや孫たちが居て、ひ孫が遊びに来る自宅に、いずれは何とか帰って来てもらいたいという希望と目標を持って、転倒から3か月ほどは努力しておりました。しかしながら、体の老化という現実はそう甘いものではありませんでした 。大腿骨頸部の骨折部位の手術には成功したものの、周辺の筋肉の委縮は老化によって進んでしまっており、車椅子に乗ろうと体をちょっと動かしただけで患部が脱臼してしまう。これではリハビリは不可能でした。入院生活のストレスからせん妄を起こし、大腸の壁が薄くなってしまっているせいで下血をし、食事を止めることによる低栄養防止のために高カロリーの栄養を点滴すれば肝機能をやられ、幾日もつづく炎症と微熱と腎機能の低下。食欲が全く湧かない。飲み込む力も弱まってくる。痰の吸引は一日に何度も必要。医師は経鼻栄養法を奨める。それでもやっぱり口から食べられるうちは口から食べさせてあげたい。日々刻々と変化する母の容態に応じて筆者も筆者の妻もきょうだいも、自分や連れ合いや子どもたちの生活のために働きながら、時間を作っては病院にいる母を訪ね、話をしたり食事の介助をしたりをつづけています。ここまでの状態の患者を在宅で看るということは不可能です 。やろうと思ったら筆者も妻もみな仕事を辞め、母の看護に専念するしかありません。そして、そのような選択をすればそう遠くないうちに今度は筆者や妻が破綻することは間違いない でしょう。わたしたちが生きている21世紀初頭の日本という社会は、ほとんどの一般庶民にとっては「生きるのがとても大変な社会」です。ごく一部の恵まれた家柄にお生まれになった方を除けば、みんな「ギリギリで生きている」というのが本当のところ なのです。そのような中にあって、いたずらに「家族の愛が大事」「在宅で家族に囲まれて暮らそう」と言わんばかりの国の方針というのは、いかがなものなのでしょうか。筆者の40年来の友人で、かつて慶應義塾大学病院の神経内科でさまざまな種類の神経性難病を羅患しながら終末期を迎えられた高齢者の人たちと臨床で向き合った医師のY君は言います。『今の日本はもう、“家族”が全て看るという時代ではないと思う。家族に甘え過ぎたら、その愛する家族が破綻してしまう。社会が全体で支えなければならない。私自身は、もし自分が年を取って医療や看護の手を離れることができない状態になったとしたら、病院や施設でプロの看護・介護を受けたいと思う。家族はたまに顔を見せに来てくれればそれでいい。寂しいが、それで十分幸せだと思わなければいけないんじゃないか。病院で自分に相い対してくれる看護師さんやヘルパーさんとのコミュニケーションを人生の楽しみとして、暮らして行こうと思うのです』(50代男性/神奈川県内市立総合病院勤務・神経内科医師)●人生の最期を病院で暮らすことになった場合の生き方はまだ生きられるのに、欧米のように経管栄養法などを施さないことで高齢者が数週間後にはこの世を去って行く社会を、“理想”としてマネるのか。欧米社会ではキリスト教的な価値観からか「そこまでして延命することは人間として自然なあり方ではない」 と捉える傾向があるようですが、わたしたち日本人は果たしてそのように割り切ることができるのか。筆者の答えは「ノー」です。『人間は、まだ生きられるのであれば最後のそのときが来るまで生きなければいけないと思うんですよ。これは“死生観”の問題ですから、「それは違うよ」と言われても反論はしません。「そうですか」と言うだけです。でも、少なくとも自分はそういった価値観に基づいて入院しているお年寄りの看護に携わっているつもりです』(30代男性/都内医療療養病床併設型総合病院勤務・看護師)これは筆者の母を看てくださっている、療養病床の男性看護師Sさんの言葉です。Sさんは明るくて気さくな方で、阪神タイガースの大ファンなのですが、巨人ファンの母と今シーズンどちらが優勝するか賭けをしているそうです(何を賭けているのかは存じませんが)。家族ではなくても血のつながりとかはなくてもSさんのような方との会話が、長くつづく入院生活のなかでどれほど母の励みになっているか、計り知れません。人生の最期を病院で暮らすことになった場合の生き方は次のようなものでありたいと、筆者は思います。・看護師さんやヘルパーさんといった、職業として自分に接してくれる人たちとのコミュニケーションを大切にし、楽しむ 。家族とは違うかもしれないが、家族とはまた違ったプロフェッショナリズムを尊重する。・家族は「時々顔を出してくれればそれでいい」と考える 。ほとんどの国民にとって、終末期医療にかかる費用はその人が受給している年金額を超えてしまっており、蓄えが十分にある世帯を除けば現実には家族が働くことによって支えています。その家族が働くのを妨げないことです。家族は時々顔を出してくれればそれでいいと考えましょう。・あまり多くのことはできないかもしれないが、残された身体機能を使ってできることだけは大いに行い、楽しむ 。飲み込む力がまだ残されているのであれば口から食事を取ることを楽しみ、見る力や聴く力があるのなら、テレビや新聞も楽しむ。疲れない程度でかまわない。・ペンを執り文字にすることはできなくても、人生を通して思うことなどを短いセンテンスでいいので考えておく 。例えば孫に「一所懸命にやれば必ず何かが得られるよ」など。旅立つ前にその言葉を聴いたら、孫にとっての宝物になることは間違いありません。【参考リンク】・入退院経路調査(平成21年) | 慢性期医療協会<PDF>()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年05月31日少子高齢化は人間にとって積年の課題ですが、高齢化が進んでいるのはどうやら猫の世界も同じのようです。■最近の猫の平均寿命は30年前の4倍!一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている「全国犬猫飼育実態調査」の平成27年度版によると、猫の平均寿命は全体で15.75歳。もちろん野良猫はもっと寿命が短いですし、室内で飼われている猫と、外で飼われている猫とでは差があります。室内で飼われている猫の方が2年ほど長いという結果でした。過去にさかのぼって10年ごとに見てみると、2006年の平均寿命は14.3歳、1996年は7.8歳、1986年はなんと4歳でした。特に2000年代に入ってからの伸びが著しく、1980年代は約3~5歳、1990年代は約5~9歳だったものが、2002年に11.2歳に伸びて以降は平均寿命が10歳を下回ることはありません。危険の多い屋外で飼われることが多かったころは短かった寿命が、室内で安全に買われるようになって延び、さらにこの10年ほどでペットの医療機関の発達や、キャットフードの進化などもあって、猫の高齢化さらに進んでいるようです。■キャットフードが年齢に合わせて細分化キャットフードは、以前から「子猫用」「成猫用」「シニア用」など、年齢別の商品が多く販売されていましたが、写真のように最近はさらに年齢ごとに細分化されているようです。「カルカン」のブランドで知られるマースジャパンの製品は、シニア猫用に「8歳から」「11歳から」「15歳から」「18歳から」の4つのラインを展開。高齢の猫でも食べやすいスープ仕立てや、柔らかいゼリー仕立てで提供しています。「モンプチ」のネスレ日本も同様に、「11歳以上用」「15歳以上用」「18歳以上用」と3つのラインで、スープ仕立てのフードを販売。やはり高齢猫では噛む力が弱くなることがあったり、虫歯などで歯の健康を害したりしている場合もあることを考慮して、汁気の多いフードになっているようです。さらに柔らかいペースト状のフードにこだわっているのは、ペットライン株式会社のキャネット「メルミル」シリーズ。「11歳から」「15歳から」「18歳から」の3ラインで、「国産のなめる栄養食」を販売しています。「ヨード卵光」で知られる日本農産工業株式会社のグループ会社だけあって、原材料にヨード卵の粉末が入っているのが特徴的です。年齢の段階をさらに細かくしているのが、「ねこ元気」「銀のスプーン」などを販売するユニ・チャームの製品。「7歳頃から」「7歳以上」「10歳が近づく頃から」「10歳以上」「13歳が近づく頃から」「13歳以上」「15歳が近づく頃から」「15歳以上」「20歳を過ぎても」と、シニア猫に9つのラインを用意しています。いずれも、ビタミンやミネラル、必須脂肪酸やたんぱく質などのバランスを重視した総合栄養食だったり、栄養補助に役立つ副食だったりと、高齢猫の健康を考えた配合のフードばかり。しかし、猫はそれぞれに個体差がありますし、必要とする栄養素も異なってきますので、健康を考えて高齢猫のキャットフードを選ぶ際には、いちど獣医に相談する方がよさそうです。■そもそも「高齢猫」とは何歳からなのか最後に、改めて猫の年齢を人間に換算すると何歳になるのか、「獣医師広報版」を確認しておきましょう。1ヶ月(1歳)6ヶ月(9歳)1年(17歳)5年(36歳)8年(48歳)11年(60歳)15年(76歳)18年(88歳)20年(96歳)11歳で人間の60歳、15歳で人間の76歳、18歳で人間の88歳、20歳では人間の96歳……。かわいいけれど、たしかに「高齢」ですよね。ちなみに、日本での長寿猫記録は36歳、海外では38歳まで生きた猫もいるそうです。ペットも大事な家族。健康に気を付けて、できるだけ長生きしてほしいものですね。(文/宮本ゆみ子) 【参考】※全国犬猫飼育実態調査-一般社団法人日本ペットフード協会※犬・猫と人間の年齢換算表-獣医師広報版
2016年05月30日35歳を超えてからの初産を高齢出産と言いますが、日本では晩婚化の影響により高齢出産をする人が増えてきています。そんなママたちを不安にさせるのが、高齢出産による胎児や母体へのリスク。ママであれば、妊娠高血圧症候群や糖尿病にかかる確率が上がり、胎児であれば、流産やダウン症の確率が上がってしまいます。それでも過酷な条件を乗り越えて高齢出産をしたママには、思わず敬意を感じずにはいられません。そんな高齢出産ママは芸能界にも数多く存在し、中には50代で出産して世の女性に希望を与えた人もいます。そこで今回は、パピマミ読者のママに「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人について聞いてみました!●「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人は誰ですか?※名前横の()内は第1子出産時の年齢・1位:ジャガー横田(45歳)……39%(131人)・2位:坂上みき(53歳)……37%(126人)・3位:兵藤ゆき(46歳)……8%(27人)・4位:田中美佐子(43歳)……5%(18人)・5位:はしのえみ(41歳)……5%(17人)・同率6位:杉山愛(40歳)……2%(7人)・同率6位:松嶋尚美(40歳)……2%(7人)・8位:膳場貴子(40歳)……1%(3人)・9位:北陽・伊藤さおり(40歳)……1%(2人)・同率10位:落合信子(42歳)……0%(1人)・同率10位:NOKKO(42歳)……0%(1人)※11位以下は省略※有効回答者数:340人/集計期間:2016年4月14日〜2016年4月18日(パピマミ調べ)●1位:ジャガー横田(45歳)第1位はこの人!『ジャガー横田(45歳)』さんで39%(131人)となりました。『なんだろう、年齢もそうだしあのキャラもあってか、すごい感動した記憶があります』(30代ママ)『ジャガーさんはあまり美人とはいえないけど、医者の旦那を掴まえて高齢出産も乗り切った。多くの不妊女性に希望を与えた と思う』(40代ママ)女子プロレスラーとして現在でも活躍しているジャガー横田さんですが、2004年には医師である木下博勝さんと結婚して話題を呼びました。結婚当時43歳という年齢であることから、夫婦で一緒に不妊治療を行っていたと言います。しかし、不妊治療をしていく中でストレスがたまり体調を崩すように……。その後ジャガーさんは不妊治療を諦めてしまうのですが、なんとやめた途端に自然妊娠に成功。妊娠確率は3〜4%と言われていたことから、ほとんど奇跡的な確率 です。妊娠してからも子どもへのリスクが心配だったそうですが、45歳のときに無事子どもを出産。54歳となった今でも現役プロレスラーとして活躍しながら、子育てに励んでいます。見た目に違わず、タフでかっこいいママとして多くの女性に勇気を与え続けていますね。●2位:坂上みき(53歳)第2位は驚異の超高齢出産を成功させたこの人!『坂上みき(53歳)』さんで37%(126人)となりました。『私自身、不妊治療をしている者ですが、坂上さんの50代での妊娠にはとても勇気をもらいました 』(40代ママ)『本当に、純粋に「よく頑張った!」という言葉しか出てこない』(30代ママ)ラジオパーソナリティとして活躍している坂上みきさんですが、2006年に12歳年下のニュージーランド人男性と結婚しました。その後6年間にも及ぶ不妊治療の末、なんと53歳で妊娠に成功したことが判明しました。これには多くの人が驚きましたが、「大丈夫だろうか……」という不安の声も同様に飛び交っていました。しかし、そんな周囲の不安とは裏腹に、2012年9月10日に無事男児を出産しました。この奇跡とも言える超高齢出産に、多くの人が「日本中の高齢出産ママの希望」 と賞賛。実際に坂上さんの高齢出産に勇気をもらって不妊治療を始めたという人もいるようです。坂上さんの53歳という年齢での出産は、自分の子どもだけではなく、世の女性への希望も一緒に産み落としたのかもしれませんね。●3位:兵藤ゆき(46歳)第3位は『兵藤ゆき(46歳)』さんで、8%(27人)となりました。『芸能人の高齢出産といったら、この人ってくらい昔は有名だった。今と比べて医療も発達していない中、よく出産できたと思う』(50代ママ)兵藤ゆきさんといえば、1980年代にバラエティ番組などを中心に活躍し、現在でもラジオパーソナリティとして知られるパワフルな女性というイメージがありますね。そんな兵藤さんは1996年にミュージシャンの文田博資さんと結婚、その2年後の1998年に46歳という高齢で長男を出産しました。今でこそ芸能人の高齢出産は当たり前のようになっていますが、当時はとても珍しかったようです 。64歳になった今でも元気に活躍している姿を見ると、このパワフルさが高齢出産成功の秘訣だったのかな、と思ってしまいますね。----------いかがでしたか?高齢出産にはさまざまなリスクが伴うため、不安に思う女性も少なくないと思います。しかし、芸能界には高齢出産をした人が数多く存在し、皆さん不妊治療などの努力をしています。もしも子どもを産みたいのに、「高齢出産だからどうせムリ……」と諦めてしまっている方は、一度不妊治療を行っている病院へ相談に行くのもいいかもしれませんよ。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜12位)】「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人は誰ですか?()(文/パピマミ編集部・上地)
2016年04月24日現在、高齢者の貧困問題がさかんに報道されています。生活保護の受給者数が過去最高を更新し、高齢者世帯の生活保護受給数も増加。厚生労働省の発表によれば、平成27年12月に生活保護を受給した世帯の49.6%が、高齢者世帯となっているのです。また年金だけでは暮らせず、生活保護を受給する高齢者が増加していることも話題になっています。そこで高齢者の生活保護実態について、横浜市健康福祉局・生活支援課の大井担当課長にお話を伺ってみました。■60歳以上で生活保護を受給する人は107%も増加横浜市の平成24年から平成27年度までの生活保護受給者数は、全体で103.6%の増加となっています。しかし60歳以上では107%の増加、そして60歳以上で老齢年金を受け取りながら生活保護を受給する人は122.7%の増加だそうです。老齢年金受給者は、老齢基礎年金のみ、基礎年金と厚生老齢年金、(旧)老齢年金の受給者の合計です。障害年金や遺族年金などは除いています。横浜市のデータでもわかるとおり、年金だけでは生活できず、生活保護に頼る高齢者が増えているのです。理由としては、「貯蓄がない」「持ち家などの資産形成ができなかった」「親族からの援助が望めない」などが挙げられるといいます。たとえば、70代のひとり暮らし女性の場合。家賃が5万円で、生活費を含めて毎月13万円が必要だと仮定します。これまでは年金6万5千円、アルバイト収入6万円、息子からの仕送り1万円の計13万5千円でギリギリ生活できていました。しかし仕事をするのが困難になり、収入がゼロに。息子からの仕送り額も増やせず、貯金もなければ、自力では生活できなくなり、足りない分を生活保護に頼らざるを得ない事態になるわけです。生活保護費は、地域や世帯の状況によって異なりますが、生活保護の基準となる最低生活費から、収入(年金や親族からの援助等)を差し引いた差額が支給されます。上記のケースの場合は、最低生活費から、年金6万5千円と仕送り1万円を引いた額が支給されるのです。■国民年金の40年間納付だけだと老後の生活が厳しいずっと正社員で働き、厚生年金にも加入している場合は、年金受給額も少なくありません。一方、自営業やフリーランスの人など国民年金だけの場合は、40年間納付したとしても、支給額は月6万5千円程度。国民年金だけを頼りに生活していくのは厳しいのです。年金をもらいながらでも働くことは可能です。しかし継続雇用で65歳まで働けたとしても、その後の職探しは簡単ではありません。現在、65歳以降も働きたい人が増えているようです。平成27年4月には、経済的に困っている人に、自立に向けた人的な支援を行う「生活困窮者自立支援制度」がスタート。横浜市の相談窓口には、高齢者からの相談も多いといいます。年金だけでは不十分、体が丈夫なうちは働きたいと希望する人が多いそうです。就労支援の他に、家計管理の支援も行っていて、とても好評だと聞いています。■公的な年金以外に個人年金や不動産購入を検討すべし仕事が見つかったとしても、いつまで元気で働けるかはわからないもの。老後破産を防ぐには、早めの備えが必要です。大切なのは、いまから老後の資金形成を行うこと。公的な年金をきちんと納めつつ、個人年金保険への加入や不動産の購入、個人事業主なら国民年金基金への加入もいいかもしれません。持ち家があれば、毎月の家賃の支払いがないため、年金と貯金で生活していける可能性があります。また、リバースモーゲージを利用する手もあるでしょう。リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして生活資金の融資を受け、死亡した時点で自宅を処分して一括返済すること。つまり、自宅を死後売る約束を生前に結び、先にお金を受け取ることができるのです。*老後を年金や貯蓄などで無理なく暮らしていければ、それに越したことはありません。ですが将来、生活できないほど困窮状況になる可能性もあるわけです。不正受給問題などのニュースから、生活保護に悪いイメージを持つ人は多いもの。しかし生活保護は、最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度です。本当に生活に困ったときには、その選択肢があることも頭に入れておきたいですね。そして老後はまだまだ先のことだと思わず、情報を集め、老後資金の準備を始めていきましょう。(文/椎名恵麻) 【取材協力】※生活支援課-横浜市健康福祉局 【参考】※第1回~第4回被保護者調査集計結果(平成24年度~平成27年度)-横浜市健康福祉局保護課※被保護者調査(平成27年12月分概数)-厚生労働省
2016年03月24日日本の高齢化は加速の一途をたどっています。増える高齢者、減っていく新生児。根本的な改革が必要であると同時に、激増する高齢者のケアも忘れてはなりません。今回は大切なケアのひとつである睡眠にスポットを当てます。日本は“超”高齢社会現在、ひとり暮らしの高齢者数は年々増加傾向にあります。内閣府が発表している調査結果によると、65歳以上のひとり暮らしは1980年で約88万人、2000年で約303万人、現在は推定約600万人で、2035年には約762万人にまで増えるといわれています。35年間で7倍弱、55年間で約8.5倍にまで膨れ上がる数値が、日本が“超”高齢社会であることを如実に表しています。それに伴い、孤独死や彼らからのSOSが周囲に届かないことなどが社会問題として取り上げられることも増えました。最近では、高齢者を見守るサービスなど地域ぐるみで対策を取っている自治体も現れています。今後どのようにケアをしていくかが、日本が抱える大きな課題であることに間違いありません。自分では気付かない睡眠障害睡眠に関する問題も、この“超”高齢社会と関係があります。高齢になると睡眠の質が低下するので、不眠で悩む人や睡眠障害で苦しむ人が増えるといわれているのです。でも、ひとり暮らしの場合は「自分が睡眠障害である」と気付かないこともあります。たとえば、「睡眠時無呼吸症候群」という夜中に呼吸が一時的に停止する睡眠障害は、自分では気付きにくいといわれています。朝起きたときに熟睡感がなかったり、疲れていたりしても、まったく眠れなかったわけではない場合、まさか睡眠中に呼吸が止まっているなんて、考えないのが普通かもしれません。ひとり暮らしでも睡眠時無呼吸症候群に気付ける方法はあるのでしょうか?体は何らかのサインを出している!通常、睡眠時間と体や脳の疲労回復にはある程度の相関関係があります。もちろん個人差はあるものの、過去の自分のデータと照らし合わせて「毎日、7時間寝ているのに、こんなに日中に眠くなるのはおかしい」と思ったら、それは睡眠障害のひとつのサインです。つまり、睡眠時間と体調に矛盾する点が見つかったら、睡眠障害を疑い、早めに医師に相談するなど対処する必要があります。たかが睡眠と放っておいてはいけません。睡眠時無呼吸症候群は血液中に酸素不足の状態が続くことで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める可能性があるのですから。そのサインは体が何らかの形で発信しているということを、特にひとり暮らしの方は覚えておくとよいでしょう。photo by pixabay
2016年03月04日東京国際空港ターミナル(TIAT)、日本空港ビルデング(JAT)、日本電信電話(NTT)、パナソニックは12月3日より、世界初の情報ユニバーサルデザイン高度化の共同実験を国際線旅客ターミナルで開始した。同実験は、2020年に向けて訪日外国人の増加や少子高齢化のさらなる進展が想定される中、最先端情報技術の活用により安心・便利にサポートしていくことを目指したもの。訪日外国人や車いす・ベビーカー使用者にとっても便利なユニバーサルデザイン、そして、「音」「光」「画像」「無線」等による最先端情報技術を活用したデザインとなっている。「情報ユニバーサルデザイン高度化」の共同実験は12月3日~2016年3月31日にかけて、羽田空港国際線・国内線旅客ターミナルにて実施。実験内容として、NTTは画像解析技術を用いたかざすUIによる情報提供、ビッグデータ解析技術を用いた動的サインによる人流誘導、音声処理技術による音サインの明瞭化を行う。パナソニックは、光ID技術を使用した商業エリアなどの空港施設の認知検証、Bluetoothビーコンを使用した施設案内誘導検証を実施する。NTTのUIによる情報提供の実験では、直感的な動作だけで有益な情報を容易に取得できる技術の確立を目指し、NTTが開発した「アングルフリー物体検索技術」を利用。到着ロビーの看板・案内板や商業エリアの店舗建物や料理サンプル・商品に、スマートフォンのカメラを向けるだけで適切かつ有用な情報を得られるというUXの有用性を評価するとともに、実フィールドでの画像認識精度向上とサービス化に向けた課題の抽出に取り組んでいく。NTTのビッグデータ解析技術を用いた動的サインによる人流誘導実験では、変化する混雑状況を先読みし、動的に案内サインを変化させることによって施設内での混雑を回避し、最適な人の流れ(人流)の誘導の実現を目指す。到着ロビーや出国口等の人の滞留が発生しやすいカ所において動的な案内サインを提供することで、最適な表現(表記、色彩、タイミングなど)についての知見獲得を図るほか、従来は音声アナウンスで対応しているシーン(緊急案内など)に示す情報を視覚化することで、聴覚障がい者などへの情報提示手法としての有効性についても確認していく。NTTの音声処理技術による音サインの明瞭化実験では、周囲に雑音があっても聞き取りやすい音声で案内を行うとともに、音サインの音声自体が周囲に対しての騒音とならないよう環境に配慮された「インテリジェント音サイン」を使用。空港内の音サインを対象に視覚障がい者への被験者実験を行い、実際の被験者の体感ヒアリングや行動測定により、実用化に向けた課題を明確化していく。パナソニックの光ID技術を使用した実験では、空港施設内に光ID対応の案内看板を設置し、看板付近を通過する障がい者や外国人などの空港利用者に対して光ID看板にスマートフォンをかざすことにより多言語での店舗情報を取得し、商業エリアの認知の効果が得られることを被験者実験により検証する。パナソニックのBluetoothビーコンを使用した実験では、羽田空港内の商業エリアに指向性ビーコンを設置し、バリアフリーナビゲーションアプリを使用して目的地までの誘導がスムーズに行えるかを検証する。また、利用者の動線情報を分析することで、今後、障がい者や外国人などをターゲットにした業務改善用途やマーケティング用途などで指向性ビーコンを活用していくための技術的な課題を明確にしていく。TIAT、JAT、NTT、パナソニックの4社は、11月26日に設立された「空港における情報 UD 検討委員会」に参画し、情報ユニバーサルデザイン高度化を推進。4社は空港旅客ターミナルが求められていることと、その解決・実現に向けた最先端技術を持ち寄り、羽田空港国際線・国内線旅客ターミナルにおいて実証実験を行うことによって、技術の有効性の検証と導入に向けた課題の明確化をしていくという。
2015年12月07日高齢出産をすると、周りのママの年齢が気になってくる。でも、東京だとアラフォーママもそこそこいて自分の年齢を気にすることも忘れてしまうくらい。それが夫の地元に帰ると事情は違って……。イラスト: まろ子
2015年10月21日健康保険組合連合会はこのほど、健康保険制度についての理解や認識の度合いをはかるべく、「健康保険に関する調査」を実施し、その結果を発表した。それによると、少子高齢化の進行による高齢者医療費を支える健康保険料の負担や、日本の健康保険制度への不安を強く感じている人が多いという現状が浮かび上がったという。まず、健康保険料についての印象を尋ねたところ、最も多かったのが「健康保険料は高いと思う」の69.6%(「そう思う」「ややそう思う」の合算。以下同様)で、次いで「最近、毎年健康保険料が増え続けている気がする」が63.1%。一方、「勝手に天引きされる(控除)から気にしても仕方ない」という人も4人に1人程度(25.3%)存在していた。続いて、日本の健康保険制度についての印象を尋ねたところ、「高齢化による医療費の増大を考えると、将来的に制度が維持できるか不安」が80.8%、「将来、自分も制度の恩恵を受けられるか不安」が74.9%と、不安に感じる人が多いようだ。少子高齢化については、「少ない人数で高齢者を支えられるか心配」が88.7%、「漠然と将来に不安を感じる」が87.4%と、9割近い人が不安に感じていることがわかった。一方で、高齢化により影響を受ける健康保険制度について、全体では70%以上(「関心がある」「やや関心がある」の合算。以下、同様)が関心を示しているものの、20代・30代では60%前後となり、若い世代ほど関心が低いことが判明した。同調査は、9月に全国の20~70代の男女を対象とし、性別ごと年齢階層別にスクリーニング調査で抽出して実施。各カテゴリの設定数を100人とし(年齢階層ごとに男性100人、女性100人)、合計1,200人を回収した。集計の際は、日本の性別・年代の人口推計比率に応じたウェイトバック集計を行っている。
2015年10月19日「若いときのようにたくさん眠れない」「朝早く目が覚めてしまう」と悩んでいる高齢者も多いでしょう。また、昼夜問わずウトウトしてしまうと悩む人もいるかもしれません。実は、高齢者にとってこれらは当たり前のことなのです。加齢による睡眠時間の変化を知って、正しい眠りを心がけましょう!高齢者の睡眠時間が短くなるのは自然なこと年を重ねるごとに白髪やシワが増えるように、睡眠パターンにも変化が表れます。なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなって夜中に何度も目を覚ましたり、または朝早くに目が覚めたりしてしまうことがあるでしょう。しかし、これらは異常なことではなく、高齢者であれば誰にでも見られる自然な現象です。睡眠と深い関係がある基礎代謝の基準値は、赤ちゃんのころをピークに低下していきます。高齢者になると、筋肉などの脂肪量が減少するため、とても低い数値に。基礎代謝が低くなると、深い眠りを必要としなくなり、浅い眠りであるレム睡眠の時間が増えます。その結果、生体機能のリズムが少しずつ前倒しされ、若者にくらべて睡眠時間が短くなるのです。無理に寝ようとすると昼夜のバランスが崩れることも自然なこととはいえ、眠れないのは辛いもの。朝早くに目が覚めて、無理矢理もう一度寝ようと布団から出ない人も多いようです。実際、厚生労働省の調査によると、高齢者ほど寝床にいる時間が長いことがわかっています。ただ、この行為は昼夜のメリハリをなくす原因になると言われているので注意が必要です。また、仕事の退職などにより自由な時間が増え、昼間にウトウトすることがあるかもしれません。だからといって寝床にしまうと、この現象を助長させてしまう危険性があります。なぜなら、浅い眠りが続くと、睡眠に対する満足感が得られず、常に眠気を感じるようになってしまうから。その結果、昼夜のメリハリがなくなり、夜に寝つけなくなってしまうそうです。自分に合った眠り方をしよう!年をとったら、若いときと同じような眠り方ができると考えてはいけません。自分の年齢に合った睡眠時間を知り、必要な分だけ眠るようにしましょう。厚生労働省が平成26年に発表した睡眠指針によると、65歳あたりの世代の適切な睡眠時間は『6時間』とされています。高齢者は睡眠時間が短いとはいえ、この数値を下回っている方は多いのではないでしょうか。そういった方は、もしかすると昼夜の睡眠バランスが崩れているのかもしれません。適切な睡眠時間を確保するためにも、日中はなるべく寝床から離れ、昼寝をしないように心がけましょう。昼夜のメリハリをきちんとつけて、健康的な生活を送りましょう!photo by pixabay
2015年07月05日MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険ならびにあいおいニッセイ同和損害保険は24日、損害保険業界で初めてという、少子高齢化に対応した火災保険を共同開発し、10月1日以降保険始期契約から販売を開始すると発表した。昨今の少子高齢化の進展に伴い、賃貸住宅内での高齢者の孤独死や、高齢者の日常生活におけるサポートサービスのニーズが年々増加しているという。これらの環境変化へ対応すべく、火災保険の新たな特約・付帯サービスを開発したとしている。MS&ADインシュアランスグループは、今後もグループ各社のノウハウを結集し、多様化する顧客ニーズに応える商品・サービスの開発を積極的に進めていくとしている。○新特約・付帯サービスの概要(1)家主費用特約-新設加入対象者:賃貸住宅のオーナー(家主)特長:賃貸住宅内での死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死)によりオーナー(家主)が被る家賃収入の損失や、清掃・改装・遺品整理などにかかる費用を補償する。死亡事故の発生戸室のほか、上下左右の隣接戸室も補償の対象となる新設の背景:不幸にして死亡事故が発生してしまった賃貸住宅では、その後の空室・家賃値引きなどによる家賃収入の損失や各種費用の負担が重く、オーナーにとっては賃貸経営上の大きなリスクとなっていた。賃貸住宅を対象とする火災保険に特約として補償を追加することで、これらのリスクを回避できるようになる。オーナーにとっては「安心して部屋を貸すことができる」、単身高齢者にとっては「より部屋を借りやすくなる」というメリットがある(2)受託物賠償特約-拡充他人から借りた物に損害を与えた場合の賠償責任を補償する「受託物賠償特約」に、限度額100万円のパターンを新設。これにより、従来から火災保険とその特約で補償していた「自宅内での事故」による家財の損害、「自宅外での事故」による携行中の家財などの損害に加えて、介護機器や備付家具等の高額なレンタル品に関する損害も補償できるようになった(3)家具移動・電球交換サービス-新設上記(2)の特約にセットで加入した顧客向けに、新たに「家具移動・電球交換サービス」を提供し、高齢者の日常生活をサポートする65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は過去最高を更新し、2035年には33.4%と見込まれているという。少子高齢化のさらなる進展を踏まえつつ、今後も「過ごしやすい高齢化社会の構築」に寄与する商品・サービスの開発を積極的に進めていくとしている。
2015年06月26日体が必要としている睡眠時間に対し足りていない分の睡眠時間は、「睡眠負債」として蓄積されていくそうです。しかし、沖縄の高齢者のデータを見ると、東京の高齢者と同じ睡眠時間にもかかわらず、睡眠負債が少ないようです。なぜ、眠りの質が違うのでしょうか?睡眠愁訴をする高齢者は東京より断然少ない!『長寿の島』として知られる沖縄は、本州・九州などとは違った食文化や、「なんくるないさ(大丈夫)」、「ゆいまーる(相互扶助)」といった独特の精神風土が根付いている地域です。琉球大学が行った研究によると、沖縄独自の食生活や考え方が、長寿の人を生み出しているようです。そして、もうひとつ、本土の人に比べ沖縄県民の睡眠の質が高いことも長寿の理由として指摘されています。というのも、東京都の高齢者と比較すると、沖縄県民のほうが起きる時間が早く睡眠時間が少ないにもかかわらず、睡眠負債は半分程度という結果が出ているのです。また、睡眠による不調を訴える高齢者は、東京が9割であるのに対し、沖縄では1割程度しかいません。いかに良好な睡眠状態を保っているか、よくわかる指標と言えます。沖縄県民の睡眠負債が低い理由は規則正しい生活サイクル沖縄と東京の高齢者の睡眠時間を比較すると、ほとんど変わらない長さです。しかし、高い睡眠の質が保たれている理由として、普段と休日で睡眠時間が変わらないことが明らかになっています。60歳代の平均睡眠時間を見ると、普段は7時間6分、休日は7時間24分と、大きな開きが見られません。70歳代、80歳代も同様で、普段と休日の睡眠時間は30分程度しか違いがないことから、平日、休日に関係なく規則正しい睡眠サイクルができていることがわかります。また、東京の人にくらべ、沖縄の高齢者は昼寝の習慣と夕方の散歩の習慣がある人が多いという調査結果も。短時間の昼寝と軽い運動も夜の睡眠の質を高め、睡眠負債を減らす手助けをしているのかもしれません。メリハリのある生活で睡眠サイクルを整える睡眠が規則正しいだけでなく、生涯現役として畑仕事をしたり伝統工芸に力を入れたりと、沖縄の高齢者の暮らしは充実している様子。身体を動かしたり頭を使ったりすることで、東京の高齢者よりも健康的でメリハリのある生活を築いているのかもしれません。「毎日忙しいから休みの日は多めに寝よう」と考えているあなた。実は、その考え方が生活リズムを乱し睡眠負債を増やしているのかもしれません。規則正しい睡眠サイクルで、毎日シャキッと過ごしましょう。Photo by Hiroaki Kaneko
2015年06月10日日本郵政グループ、米IBM、米Apple は4月30日、ニューヨーク(米国)において、日本における高齢者向け生活サービスの提供に向け、高齢者向けタブレットなどを活用した実証実験を共同で行うことに合意したと発表した。同グループは、今回の業務提携により、全国2万4000の郵便局のネットワークを活用して、ICTを活用した新たな高齢者向け生活サポートサービスを 2016年度から本格展開することを目指す。これに向け、同グループは、2015年度下期にIBMとAppleが開発した高齢者向けの専用アプリやiPadを配布して、それらを活用した各種のネットサービスなどを支援する実証実験を行う。専用アプリでは、薬を飲む時間や運動、ダイエットのお知らせや、コミュニティ活動、食料雑貨の買い物支援、就業支援などの各種サービスに直接アクセス可能。同グループに対しては、IBM MobileFirst for iOSプラットフォームの専用クラウド・サービスによるデータ統合とセキュリティ、アナリティクス、機器管理機能が提供される。実証実験では、ICTの利活用を併用した「みまもりサービス」のほか、世代向け・子世代向けの「コミュニケーションサービス」、自宅での申し込みによる「買い物支援サービス」、自治体と連携した「地域情報サービス」、各種相談サービスを、地域特性に応じて順次提供していく。同グループは、サービスを段階的に増やしながら、2020年に国内の400万人から500万人規模の顧客へのサービス提供を目指す。
2015年05月01日秋田県湯沢市、ヤマト運輸、ヤマトマルチメンテナンスソリューションズは4月30日、「高齢者の見守り支援」と「高齢者世帯向けリコール製品回収の取り組み」に関する連携協定を締結したと発表した。この協定により、高齢者向け住民サービスの一環として、「配達時の見守りサービス」と「リコール製品の回収支援サービス」が提供される。配達時の見守りサービスでは、配達先の高齢者が長期間不在にしている場合や体調不良があった場合に自治体に報告する。リコール製品の回収支援サービスでは、リコール製品の情報を自治体の配布物として高齢者の自宅に宅急便で届けるほか、リコール製品が見つかった場合は商品の回収を行う。取り組み開始時は、積水化学工業とTDKの情報が届けられる。
2015年05月01日過去に類を見ない人口減少問題から日本は立ち直ることができるのでしょうか。生まれてくる赤ちゃんが減少すれば、当然、社会は高齢化します。今回は高齢者を悩ませている睡眠の問題についてご紹介します。50年後の日本は4人に1人が75歳以上!?超高齢化社会へ突入する日本。内閣府が「50年後の日本」を予測した資料を発表しており、以下のような可能性を挙げています。・人口は9,000万人を下回る(2015年現在、約1億2,600万人)・4人に1人が75歳以上、2.5人に1人が65歳以上に・出生数は半分以下に(2015年現在、約95万人)つまり、人口は減り、約半分の人が高齢者になり、生まれてくる赤ちゃんは激減する、という予測です。本当に日本は今後、どのようになってしまうのでしょうか。超高齢化社会で問題になるのが「介護問題」です。自分には関係ない、と思っている人もいるかもしれませんが、上の予測を見ると決して他人事とは言えないのではないでしょうか。不眠に悩む高齢者、要介護者高齢者の介護をするうえで、注意するポイントの1つとして挙げられているのが睡眠です。加齢とともに睡眠も老化すると言われていますし、さらに一日中横になっていることも多い要介護者は不眠に陥りやすいと言われています。高齢者の睡眠でよく見られる傾向としては、「朝早く目が覚めてしまう」「寝つきが悪く夜中に何度も目が覚める」というもの。介護者もその習慣にあわせるような形で睡眠不足になってしまうようです。このような高齢者の睡眠問題に対する対策はどんなものがあるのでしょうか?改善する方法は?寝つきをよくするには、音楽を聴いたり日記をつけたりするなど入眠の習慣を取り入れることが効果的と言われています。また、夕食は就寝する3時間くらい前には済ませておくこと、快適な寝具や室温を心がけて睡眠環境を整えることなども有効だそうです。適度な運動や日光浴といった日中の行動でも対策できます。上記のようなことは介護の専門学校などでも学ぶ内容ですが、介護が他人事ではなくなりつつある現代、誰もが知っておいたほうがよい方法かもしれませんね。Photo by Ed
2015年04月08日ここ数年の間に20代の出産率が低下し、30代の出産率が上昇。厚生労働省が発表した「H22年度 出生に関する統計の概況」を見ると、平成22年度調査では、出産時の年齢が35~39歳の女性は、1970年には5%弱でしたが、2009年には20%になっています。「晩産化」という言葉も当たり前に使われるようになり、同時に「高齢育児」も増加しています。高齢育児をしているママに実際の育児について聞いてみると、「体力がついていかない」「親の介護と育児が同時で疲れる」「兄弟をつくってあげたいけど…2人目を産んで育てられるか不安」「周りのママに比べて老けて見える」「年齢的に子どもの将来きちんとサポートできるか不安」など、ネガティブな意見も多く聞かれます。たしかに心配はごもっともですが、日々成長する子どもを前に、悩んでいる暇はありません。見方を変えれば、高齢のママでもポジティブな子育てができる面をたくさん持っていることを忘れないでください。■この年齢に達したママを選んだのはお子さんです! 「赤ちゃんはママを選んで生まれてきた」という話を聞いたことがあるでしょう。そうです! お子さんは、あなたを自分の意志でママとして選んで、生まれてきたのです。そう考えるとどうでしょう? 少し自信が湧きませんか? 高齢出産をしたママの中にはきっと、これまで仕事を頑張ってきたという人も少なくないでしょう。仕事で成功した経験や、やりたかったポジションに抜擢されたこともあるはず。でも、「赤ちゃんに選ばれた」というのは、どんな仕事で成功し、選ばれたことよりも嬉しいことだと思いませんか? 仕事の場合、あなたの代わりがいるかもしれませんが、子どもさんのママはあなたしかいません。これだけ誰かに必要とされたことはありますか? ■周囲に大手を振って頼れる、高齢育児高齢育児は、自分1人で何とかしようと思っても、体力的にも無理なことが多いです。まずは、夫やパートナーに頼りましょう。というよりも、頼らざるを得ないので、基本的に夫婦2人での育児が不可欠になります。その結果、自然と夫婦の絆が深まっていくことでしょう。また、若い夫婦より経済的な余裕があることが多いため、行政や地域、民間の育児や家事サポートサービスも利用しやすい状況にあるはず。体力を使う、など自分ができない部分は周囲に頼っていいのです。子育ては母親1人でやる時代はとっくに終わっていますし、子どもが多くの手の中で育てられることにはメリットも存在します。キャリアを重ねてきたママにとっては、周囲に頼ることがなかなか難しいかもしれませんが、大手を振って頼れるのは子どもが小さいうちだけ! やらなきゃ損です。■実は、子どもを伸び伸びと育てることのできる、気持ちの余裕がある私の周囲にも何人か高齢育児をしているママがいます。そのママたちに共通しているのが、「子どもをあまり怒らない」ということ。「怒ることってあるの?」と思うほど怒らないのです。「かわいくて怒れない」というのが本音のようですが、とはいえ、おさえるべきポイントはしっかりおさえて注意しています。そのため、どの子も伸び伸び育っている印象を受けます。自分の気持ちを親がきちんと受け止めてくれることが、周囲への寛容さを生み出しているのかもしれません。勉強面でも、友だちへの接し方についても、どこか間違ったところがあれば、周囲に言われてではなく、自分で気がつくことが多いようです。高齢出産を経ての高齢育児の場合、不安や疲れなどが先に立ってしまうことが多いものですが、ママ自身が気にしすぎていると、子どもにも影響が出る可能性があります。せっかくですから、ぜひポジティブに育児を楽しんでくださいね。
2015年03月11日「サザエさん」の家のように、おじいちゃん・おばあちゃんから孫まで一緒に一つ屋根の下で暮らしている大家族でなければ、高齢者の悩みは若い人にはわかりにくいものですよね。今回は、高齢者特有の不眠症状などに迫りました!不眠のタイプと原因を把握する!高齢化社会へまっしぐらの我が国ニッポン。睡眠も老化すると言われますが、高齢者特有の不眠症状というのはあるのでしょうか?高齢者の睡眠障害を考えるうえで欠かせないことは、「不眠のタイプ」を知ることだと言われています。眠りたくても眠れないのか、夜中に何回も目が覚めてしまうのか、熟睡感を得られないのか……。ひと言で高齢者の不眠といってもタイプは人それぞれなので、まずはどのような悩みがあるのかを知ることが大切です。原因と症状を把握しなければ、ちゃんとした対策はとれないということですね。昼寝のしすぎに注意高齢者の不眠への対応は、睡眠薬の服用が一般的な方法と考えられてきましたが、最近では生活環境や習慣の改善が重要視されているようです。単純に考えて、定年退職をして1日中家にいる生活をしていたら、日中に昼寝の時間をとる方も多いでしょう。高齢者の方にみられる不眠で多いのは、昼寝のしすぎということもあるのだそうです。昼寝の時間は30分程度がよいとされており、昼食後から15時ぐらいまでを目安に短い昼寝をすることで午後の活動性を高める効果があるのだとか。カフェイン飲料を控えて頻尿対策!高齢者の方に多いのが、夜間に何度もトイレへいくために目が覚めてしまって、その後に眠れなくなるというもの。対策としては、カフェイン飲料を控えることだそうです。夕方以降は、お茶・紅茶・コーヒーなどのカフェイン飲料を控えめにすることで、トイレに行く回数が抑えられると考えられます。というのも、カフェインには利尿作用があるため、どうしてもトイレへ行く回数が増えてしまうのです。今回あげた不眠の症状はあくまで一例にすぎません。睡眠時無呼吸症候群や概日リズム睡眠障害など、睡眠障害の可能性も考えられるので、不眠の状態が続く方は一度、お医者さんに相談してみるとよいかもしれません。Photo by Mark Welsh
2015年01月30日日本は高齢社会を迎えており、4人に1人が65歳以上の高齢者となっています。そんな高齢者の方々のために、生活習慣や睡眠環境を整えるための研修プログラムがあります。今回は、滞在型研修プログラムについてご紹介します。日本の高齢者事情日本は高齢社会と言われていますが、生活の中でなかなか実感できるものではありません。しかし、実際数字を見てみると、4人に1人が65歳以上の高齢者となっており、45年後には、2.5人に1人が高齢者となる見通しです。また、同時に医療が発達しているため、長生きする高齢者が増えています。元気な高齢者が、どう幸せに生きるか、ということをテーマに事業を進めている企業も多いようです。元気な高齢者のための睡眠環境プログラム大和ハウス工業株式会社は、このような元気な高齢者を対象として、研修プログラムを開始しました。アクティブシニアが充実した生活を歩めるように、サポートする泊まりがけの研修です。研修の内容の中には、睡眠環境を整えるためのプランも含まれています。快適な睡眠をとるためには、どうしたらいいのか、しっかりと授業を通して学び、自分にとっての睡眠環境を整えていくというものです。その他にも、座禅体験や色彩学講座、健康講座、収穫体験など、普段体験できないような体験や授業を受けることができるのです。アクティブシニアのもつ危険性アクティブシニア、つまり元気な高齢者は、ある種の危険性も孕んでいます。というのも、自分自身が実年齢よりも若いという意識が強く、年相応の行動ができない方がいるのです。睡眠環境に関してもそうです。若い頃、夜更かしばかりして夜型の生活を続けていた方は、健康のためにも自分の歳を考えて睡眠環境を整え直すべきだと考えられます。また、近年インターネットを使う高齢者が増えています。電通総研が2014年に行った調査では、70歳代では23%が、60歳代になると57%がネットを利用しているそうです。ネットを使う時間も自分でコントロールしなければなりません。元気な高齢者にもたくさんの危険がひそんでいるのです。Photo by Helene Iracane
2014年11月22日●都市型コンパクトライフって何だ?少子高齢化が加速する日本で、新たなライフスタイルを模索する動きが始まっている。そのひとつ、「都市型コンパクトライフ」を提案する企画展「都市型コンパクトライフのススメ展」が、リビングデザインセンターOZONE 3階のOZONEプラザにて11/11(火)まで開催中だ。「都市型コンパクトライフ」とはいったいどんなライフスタイルなのだろうか。同企画展を取材した。「都市型コンパクトライフのススメ展」で展示されているのは、建築家・末光弘和氏と末光陽子氏、そしてインテリアコーディネーター・荒井詩万氏が手がけた住宅実寸モデル。広さは約50m2とコンパクトで、二人暮らしにちょうどよいサイズ感である。想定する住人像は「OVER 50’s」、すなわち50歳以上の夫婦だ。子どもたちが独立し、二人暮らしになった夫婦にとって、それまで家族で住んでいた広い住居は持て余しがち。そんな夫婦が二人で住むのにちょうどよいサイズが50m2というわけだ。もっとも、ただの50m2ではない。この建物は、本来であればひとつの住居につき60m2を確保できるだけの広さがある。しかし、そこをあえて50m2とし、残りの10m2をマンションのほかの住人とシェアするため共有空間に差し出しているのである。シェア部分には、家庭菜園を作ったりベンチを置いたりして、マンション住人が誰でも使える共同の空間となる。たとえばマンションに30戸の部屋があると仮定すると、それぞれが10m2を共有することでシェアスペースは300m2にもなる。一見すると10m2を差し出すのはもったいないようにも思えるが、皆が10m2ずつをシェアすることで、結果的に全員がより広々とした空間を手に入れることができるわけだ。また、隣人との関わりが増えるという効果も期待できるという。「定年退職した後はどうしても社会との接点が失われがち。コンパクトライフではシェア部分を皆で共有することで、積極的に社会と接する機会を作っていくのです」(末光氏)末光氏が設計した住居の工夫はそれだけにとどまらない。実際に実寸モデルの中に入ってみた。かなり広めの玄関を開けて足を踏み入れると、そこはダイニングキッチンになっていた。中央には木製の大きなテーブルがあり、調理スペースも広々としている。大人二人暮らしにしてはかなり余裕を持った設計にも思えるが、実はこのキッチン、カフェとして開放することを考えて作られているのだという。「今回はカフェをイメージした内装になっていますが、住む人によって使い道はさまざま。たとえば書籍をたくさん所有している人は、ここを書斎にして図書室的に開放するのもいいでしょうし、何か技術を持っている方ならワークスペースにすることも考えられます。そうやって、気軽にほかの人と付き合うためのスペースとして考えています」(末光氏)。このキッチンの床は土足を想定したものになった土間仕上げとしており、ほかの人が入りやすいようにしたという。キッチンの奥へと進んでいくと、三段ほどのちょっとした階段があり、その奥がプライベート空間になっている。靴はこの階段の下で脱ぐ設計だ。なぜ段差をつけたのかというと、半共有スペースであるキッチンと、プライベート空間を意識的に分けるためだという。「階段から先は床にもウッド素材を使っており、雰囲気を切り替えています。また、実寸モデルではつけていませんが、実際にはこの土間部分に仕切りがつけられますので、しっかりとキッチンとプライベート空間を分けることができます」(末光氏)ほんの少し階段を上がることで、部屋同士に段差が生じる。これにより、奥の部屋の窓からはキッチンを見わたせるが、逆からは見えにくいという効果も生まれる。プライバシーとセキュリティを両立させるアイデアである。プライベート空間はリビングと寝室に分かれている。荒井詩万氏がコーディネートしたモダンかつ落ち着いた雰囲気のインテリアは、50歳以上の大人の生活にマッチしている。●レトロな雰囲気と最新の設備が違和感なく共存注目すべきは、洗面所とトイレ、シャワールームがひとつになっているところ。本来ならすべて別の部屋に分けるところをひとつにしたのには、「二人暮らしを想定しているので、どちらかが入っていればわかる」という理由からだ。これにより、スペースをさらに有効活用することができるという。ちなみにこの部屋、シャワールームはあるが、浴槽はない。浴槽に浸かりたいときは、1階の共有空間にあるスパなどを利用することを想定しているという。収納もベッドルームのみと少ないが、地下にエレベーターと直結した共有のストレージスペースを設けることを想定しており、そちらを収納として利用するイメージだという。すべてを自宅で完結するのではなく、共有のファシリティも積極的に利用していく。それが"コンパクトライフ"の根底にある考え方なのだ。レトロな雰囲気と最新の設備が違和感なく共存しているのも特徴的だ。一見、寝室とリビングの仕切りにも思える金属の壁、実はパネルラジエーターといって海外のホテルなどでよく見られる暖房器具。冷房としても使えるのだという。同じものが洗面所にも付いており、いずれも部屋のデザインに違和感なく溶け込んでいる。また、洗面所の鏡がデジタルモニターになっており、様々な情報を表示できる。たとえば今日の天気や風向きなどはもちろん、住人の健康状態などを管理してくれる機能も搭載されている。老後と健康は切っても切り離せない問題なので、これは役立ってくれそうだ。「都市型コンパクトライフのススメ展」の初日となる10/16(木)には、関係者が集まりオープニングセレモニーが開催された。まずインテリア産業協会 常務理事の辻 猛氏が登壇し、挨拶を行った。「欧米では、子育ては広いところ、リタイア後は狭いところと、年代で住み替えていくそうです。なぜそれができるかというと、住宅の買い替えに対して日本ほど色々な税がかからないのです。その代わり、固定資産税が高いので、リタイア後に大きな住宅に住んでいると大変です。年金生活に見合った快適なところに移り住むことを税制が援助しているのです。(日本でも)そういう条件が整えば、コンパクトな生活がしたくなるのではないでしょうか」続いて、建築家の末光氏が登壇。今回のテーマについて「戸建住宅ではなく、50歳以上の人が住み替えるための50m2の集合住宅というのが今回のお題でした」と述べ、「コンパクトだけと豊かになるってなんだろうと考えた結果、地域に開かれた集合住宅だと。事業者のシミュレーションもしていて、経済合理性に優れたタワーマンションほどではないけれど、+1~2%程度で地域に喜ばれるような建ち方ができるというオールタナティブな提案です」とコンセプトを説明した。内装を手がけたインテリアコーディネーターの荒井氏は「上質感と自分らしさをキーワードに、カフェキッチンはカジュアルモダン、ベッドルームとリビングはプレミアムミックスな家具類を選びました」とコメント。今回の展覧会は、OZONEらしくこれからの住まい方のヒントが見られる内容となっている。最後にリビングデザインセンターOZONE常務取締役の野口恭夫氏が登壇し、「ぜひご覧ください」と挨拶した。「都市型コンパクトライフのススメ展」は、リビングデザインセンターOZONE 3階のOZONEプラザにて11/11(火)まで開催中となっている。
2014年10月28日神奈川県住宅供給公社は22日、横浜市旭区若葉台団地商店街ショッピングタウンわかば内に「コミュニティ・オフィス&ダイニング春(Haru)」をオープンする。○少子高齢化対策と団地再生に向けた取り組み郊外型団地では、少子高齢化の進行などといった課題に直面していると言われている。そこで同公社は、横浜市旭区若葉台団地において、団地再生の方向性を「元気なシニア世代の生きがいの創出」、「団地内への若年・子育て世代の流入」を目指したとのこと。今後、「持続循環型のコミュニティを創造すること」を目的として、多様な施策を総合的に推進するという。「コミュニティ・オフィス」は、団地再生に関する取り組みの拠点として、各種情報発信や地域課題に関する取り組みを支援する場となる。また、高齢者や若者、豊富な知見を持つ団地住民と協働し、ソーシャル・コミュニティビジネスが生まれるような場を目指す。「コミュニテイ・ダイニング」は、神奈川県が提唱する「健康寿命を延ばす」、「未病を治す」といった施策を踏まえ、健康増進に留意したメニューを提供。県内産野菜の活用や、定期的な料理教室の開催なども行う。「新しいことが始まる予感、新芽(新しいビジネス)が芽吹く」という理由から、「春」というやさしく温かい響きの言葉を、同施設の名称として採用したとのこと。所在地は、神奈川県横浜市旭区若葉台。規模は6,304戸で、人口1万5,142人(3月1日現在)。高齢化率は、約36.5%(2013年9月 横浜市旭区人口・統計データ)となる。
2014年04月17日【シリーズ高齢出産 第2回】働く女性が知りたい妊娠力と高齢出産の実情【シリーズ高齢出産 第1回】を読むいずれ子どもが欲しいと思っていても、妊活より前に婚活だ、仕事だ!と、高齢出産のリスクを聞いてもまだピンとこない人の方が多いのでは?でも、今のうちに自分の妊娠力がどの程度なのか、性感染症はないかなど、事前に調べておくことは未来の妊婦計画にとても有意義なこと。現代の医療では、卵巣年齢や残りの卵子数が分かるAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査を、血液採取だけで気軽に受けることができるのです。赤ちゃんを作ろう、と思った時に不妊原因を知るのは時間的にロス。だからこそ、今からできる妊活を始めておきませんか?そこで、京野アートクリニック高輪の京野廣一先生に、“働く女性が知っておくべき医療の現状”についてお伺いしました。その内容を詳しく3回シリーズでお届けします。●既婚未婚問わず知っておきたい“MY妊娠力”!女性は年齢が上がると卵巣機能が低下して卵子の数も少なくなります。妊娠力には個人差が大きく影響するものですが、今の自分はどういう状態なのかをある程度把握しておくことは、プレママにとって大切な事です。「女性にとって産婦人科で検査を受けることは抵抗があり気が重いものだと思います。ですが、当医院で行っているファシリティーチェックでは、まずは問診と血液検査。血液検査でAMH値や過去のクラミジア感染の有無などが分かります」(京野アートクリニック高輪京野廣一先生)卵管周囲の癒着や卵管閉塞を引き起こして不妊症の原因になるクラミジア感染は、自覚症状が出ない場合が非常に多いので要注意。「最後に超音波検査と子宮頸がん検診を調べれば、卵巣の状態や子宮の病気についても正確に分かるので、必要最低限の妊娠力を知ることができます。全部の検査を受けても2時間以内で終わるので、独身女性にも積極的に受けて欲しいです」(京野先生)既婚未婚問わず、高齢妊娠の可能性があるなら今のうちに勇気を出して検査を受けてみるとよさそうです。●妊娠に理想的な卵子の数ってどれくらい?AMH検査で分かる卵巣年齢や卵子の数。卵子を保有している数のピークはなんとお母さんのお腹にいる胎児期で700万個!ところが産まれた時点ですでに70~200万個にまで減少し、初潮を迎える頃には30万個にまで激減。そして卵子は1か月で約1000個ずつ(1日30~40個も!)猛スピードで減り続けていくのです。減り方には個人差がありますが、だいたい35歳で5~6万個、37歳で2~3万個まで数が減るそうです。では、妊娠するのに理想的な卵子の数はどれくらいなのでしょうか。「妊娠するには、5~20万個の卵子があるのが理想的です。ただ、量の多さと質は無関係なので、同じ卵子数でもやはり若い卵子のほうが妊娠に有利になります」(京野先生)高齢の妊娠は「年齢問題」が浮上しやすいもの。でも個人差があるので思い悩んでストレスにならないようにしましょうね。●ピルを使えば産める年齢が上がる、というのはウソピルを服用すると排卵が抑制されます。そうすることで卵巣と子宮をお休みさせてあげる効果があり、子宮内膜症や卵巣がん予防に効果があります。排卵が止まることで、その分産める年齢が上がるという噂もあるようですが、それは全くのデタラメ。卵子は、排卵するしない、治療をするしないに関係なく毎月減っていくのです。根も葉もない噂で妊娠適齢期を逃さないように厳重注意ですよ!ファシリティーチェックは男性用もあるそうです。不妊原因は男女半々だそうなので、パートナーがいる方はぜひ一緒に検査を受けてみてはどうでしょうか。<文:西村亜希子取材協力:京野アートクリニック高輪>
2014年02月18日わたしは38歳のときに第二子を産みました。立派な高齢出産ですね。今でこそあまり珍しくなくなった高齢出産ですが、珍しくないからといってリスクがないわけでも、しんどくないわけでもありません。出産も育児もアラフォーの老身にはきつい。これは事実です。でもね、それでも産むことができれば、それだけでも幸運なのかもしれません。アラフォーの妊娠は、まさに授かり婚~高齢出産とリスク~今年40歳を迎える私の周りには、昨年からラストチャンスとばかりに30代のうちにと、子作りに励む女性が増えました。既婚、未婚に関係なく、です。「やっぱりひとりくらいは産んでおきたい」、「産まない。ファイナルアンサー?って聞かれたら、即答できない」、「妊娠できたら、結婚する」アラサーのみなさんは、40歳間際にもなって、こんな風にあがく姿をみっともないと思うでしょうか。でも、5年後、10年後、同じ状態にいないと言い切れますか?産むのか産まないのか、その前に、妊娠できるのかできないのか、もう相手は誰でも良いから、妊娠したい。たぶん、高齢出産の最大のリスクは、妊娠しなかったときに、産むことを諦められるのかという葛藤だと思います。だから20代のみなさんも、今から考えてみて欲しい。産まない人生を受け入れることができるかどうかを。キャリアも夢も捨てたくないけれど、出産はもっと捨てたくない~高齢出産とリスク~妊娠のせいで、キャリアも夢も諦めることになったら、旦那や子どものせいにするかもしれない。そうならないように、結婚、出産前にやりたいことをやりつくせたら、それが一番良いけれど、人生ってそんなにシンプルじゃありませんから。産むことを先延ばしにしてきたアラフォー女性たちが、キャリアも夢も手に入れて、なおも幸せを実感できないでいるというのは、それほどに出産が女性に大きな影響を与えているからでしょう。もう産まない、子どもはいらないと達観できるほど、誰もが強くはないのです。「いつかは、私も子どもが欲しい」と思っている人は多いと思いますが、そのいつかが確約されている未来はないことを知っておいた方が良い。高齢になるほど妊娠と出産のリスクが上がることは事実です。だからこそ、妊娠したときが産みどきと、腹をくくることも、時には必要だと思います。「じゃあ私のキャリアはどうするの」と思うかもしれないけれど、出産が人生の次のステップになることだってある。森田文菜さんがこちらのコラムで言っているように。東北大学大学院経済学研究科の「子ども人口時計」によると、このまま少子化が進むと2000年以内に日本人は絶滅するそうです。だから産めってことではもちろんないのだけど、迷うなら産むことをおすすめしたい。自分の子は文句なくかわいいとか、そんな綺麗ごとじゃなく、もっと自分のエゴの問題。出産を諦めることは、そんなに簡単ではないのだから。※参考: 日本の子供人口時計Photo by Pinterest
2014年02月16日35歳以上での出産である「高齢出産」。妊娠、分べん時においてリスクがあるとされているが、女性の高学歴化、晩婚化により、年々高齢出産の傾向にある。様々な覚悟をしながらも、実際に高齢出産に挑み、育児を続ける女性たちに、高齢出産ならではの苦労や感じることをたずねてみた。まずは実際に妊娠・分べん時にリスクを乗り越えたと答えた人の経験談から。「妊娠糖尿病になりかけたり、分べん時間が異常に長かったりと、高齢出産じゃなかったらこんなに苦労しなかったのかなと思った」(36歳会社員 0歳女児)。「2人目が39歳で高齢出産。28週で前期破水で入院し、34週での出産となった上に、陣痛中に逆子になるなどトラブルが続いた。産んだ後も身体が大変。1人目は何の問題もなかったので、明らかに年齢の差を感じた」(45歳パート 15歳女児・6歳男児)。一方、妊娠・分べん時は問題なく過ごせたものの、その後の育児では肉体的な困難を挙げる人がほとんどだった。「生後2カ月くらいの時に、抱っこによるけんしょう炎と腰痛に悩まされ、もっと若かったらこんなことで悩まなかったろうに……と思った」(39歳会社員 0歳男児)。「33歳と37歳で出産したが、男児のパワーについていくことに体力不足を感じたり、2人目の妊娠中はぜん息気味になり、1人目の時にはない衰えを感じた。年齢的にも体力的にも3人目はないと思った」(38歳主婦 5歳男児・1歳女児)。○日常生活でも感じる"年齢の差"やはり高齢での妊娠・出産は可能ではあっても、子育てには相応の体力が必要で、覚悟がいるようだ。また、日々の行動などで高齢出産を実感するという声もあった。「ベビーカーを乳母車と言ってしまうとき、年齢を感じる」(38歳会社員 1歳女児)。「自分自身は高齢出産ではなかったが、高齢出産の人はママ友に溶けこむのも大変そうだなと思うことがある。妙に距離を置かれて、"さん"付けで呼ばれていたり……」(37歳主婦 7歳・3歳男児)。確かに、子供が保育園や幼稚園、学校へ通って社会生活を送るようになると、保護者の年齢層の幅の広さに驚き、年齢を意識せざるを得ない機会が多くなる。高齢出産は無事に産んでからも闘い。その後も続く葛藤は年齢には関係ないものだが、子宝という恵みを噛みしめながら苦難を乗り切っていきたいものである。
2014年01月07日講談社は、『本当は怖い高齢出産妊婦の4人に1人が35歳以上の時代』(週刊現代編集部編)を、12月17日(首都圏基準)に全国の書店・オンラインブックストアで発売した。価格は971円。○東尾理子さんなど著名人も多数登場同書によると、現在35歳以上で出産する高齢出産の割合は、妊婦の4人に1人に当たるという。妊娠・出産年齢が上がるごとに流産や先天異常のリスクも増加すると言われ、胎児の異常有無の判定を目的として、妊娠中に実施する「出生前診断」が注目されている。同書は、「週刊現代」で連載された特集記事「高齢出産・不妊治療・出生前診断」を加筆再構成。「高齢出産は、本当のところはどうなのか?」「出生前診断って、具体的にどんなことをするのか?」など、高齢出産の本当のリスクや、出生前診断について詳細に紹介している。内容は、「出遅れ不妊に注意」「卵子の老化」「母体に迫る危険」「先天異常のリスク」「本当は多い男性不妊」「卵子提供の真実」「新型出生前検査で分かること」「命の選別という問題」「妊娠前検査とは」など。また、高齢出産・不妊治療を経験した著名人の体験談も多数掲載している。著名人は、東尾理子さん、ジャガー横田さん、野田聖子さん、ダイアモンドユカイさん(※)、太田光代さん、松野明美さんなどが登場する。また、産婦人科の最前線で活躍する医師が、女性に知ってほしい妊娠・出産の最新事情についても語っている。同社は、「妊娠・出産を考えている20代後半以上の女性」「特に高齢出産ゾーンにさしかかる35歳前後の女性」「妊娠・出産を考えている20代後半以上の女性や35歳前後の女性をパートナーに持つ男性や、娘に持つ親」に特に手にとって欲しいという。※ダイアモンドユカイさんの正式名称は、「ダイアモンド」「ユカイ」の間に六芒星が入る
2013年12月19日特約はメインの保険(主契約)を補うために開発されたオプションで、様々な生命保険に付加されています。何気なく入っていることが多い特約ですが、主契約よりも高い保険料を払ってしまっている場合もあります。そのような特約を整理して、保険料をコンパクトにするコツをご紹介します。1.死亡保障を厚くする特約は、ここをチェック!特約の種類は多種多様です。不慮の事故による万一の死亡や高度障害状態に備えるもの、医療や介護に備えるもの、特定の疾病や損傷の治療に備えるもの、所定の状態になったときに保険料の支払いが免除されるもの等があります。同じ名前の特約でも生命保険会社によって保障内容や給付条件等の細部に違いがありますが、ここでは大まかな保障内容を押さえておきましょう。万一のときの死亡保障を手厚くする特約には、次のようなものがあります。<死亡保障を手厚くする特約>(資料:著者作成)死亡保障を厚くする特約には定期保険特約、家族定期保険特約、収入保障特約(生活保障特約)、特定疾病(三大疾病)保障特約、終身保険特約があります。注意が必要なのは家族定期保険特約です。メインの保険(主契約)の被保険者が亡くなる等で保険契約が消滅した場合、家族の保障もなくなってしまいます。たとえば夫の保険に妻の家族定期保険特約を付加していた場合、夫が亡くなったときに妻の死亡保障も同時に消滅してしまうことになります。家族の健康状態が良好なうちに、家族を被保険者とした保険に入り直しておきましょう。特約のなかには、メインの保険(主契約)と同じような保障内容が存在するものもあります。「主契約の保障はそれほど魅力的ではないけれど、特約が付いているから継続している」という人は、その特約と同じような保障内容の別商品に単体で入った場合に保険料がいくらになるかの見積りをしてください。定期保険や収入保障保険等の掛け捨てタイプの死亡保険に関しては、高齢化等の影響で昔の保険よりも今の保険のほうが料率ベースで安くなっているものが増えていますよ。2.医療関連の特約と医療保険、どちらが得か入院、手術、通院などの病気、ケガの治療全般に備える特約には次のようなものがあります。<医療に備える特約>(資料:著者作成)医療関連の特約の場合、保険期間が10年、15年等の一定期間になっているものが多いです。この場合、更新のたびに保険料は上がりますし80歳、90歳といった所定の年齢になると継続ができなくなります。一部の保険会社で終身保障の医療関連特約を扱っているところもありますが、医療保障を終身で備えたいなら単体の医療保険に入るほうが賢明です。特約はあくまでも主契約に付帯するものです。高齢になって医療保障の特約のみでよいと思っても、主契約を解約してしまえば特約を継続することはできません。医療保障は特約で備えるよりも、医療保険(主契約)でカバーするほうが将来の見直しにも便利です。ちなみに、女性疾病入院特約を付けなくても疾病入院特約に入っていれば、女性特有の病気にかかったときに給付金を受け取れます。子宮筋腫などの女性特有の病気は女性疾病入院特約を付けないと保障されないと思っている方は多いですが、そんなことはありません。帝王切開で入院した場合も、疾病入院特約から給付金が支払われます。疾病入院特約に、入院給付金日額1万円で加入するよりも「疾病入院特約5,000円+女性疾病入院特約5,000円」または「疾病入院特約5,000円+がん入院特約5,000円」「疾病入院特約5,000円+成人病入院特約5,000円」のほうが保険料負担は軽くなります。特定疾患以外の保障は最低限あればいい、と考える場合に特約は活用するようにしてください。3.その他の特約についてその他、原因にかかわらず余命6ヵ月以内と判断された場合に死亡保険金の一部、または全部を生前に受け取れる「リビング・ニーズ特約」があります。これは保険料無料で付けられるものなので、しっかり付けておきましょう。保険料払込免除特約は「がん、脳卒中、急性心筋梗塞で所定の状態になった場合に以後の保険料の払い込みを免除する」となっているものが多いですが、この場合の所定の状態は「三大疾病保障保険」の給付要件と同じです。「上皮内新生物」と呼ばれる初期がんや60日以内に回復した脳卒中、急性心筋梗塞は対象になりませんので注意してください。また、三大疾病に加えて所定の要介護状態になった場合にも保険料を免除するものもありますが、保険料免除対象の範囲が広くなればなるほど特約保険料は高くなります。費用対効果を考えて選んでください。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年04月25日女性のための健康生活ガイド「ジネコ」を運営するバズラボは、出産年齢の高齢化に伴い、新しいニーズへ対応するため、35~49歳の妊婦および産後ママのニーズを調査・研究する「F2妊婦研究会」を発足した。他企業からの参加も受け入れ、新たなサービス・商品開発を目指していくという。現在、出産数が減少傾向にあるなかで、35歳以上の女性による出産が増加している。これまではマタニティ市場は20~34歳が中心だったが、35歳以上の妊婦が増えたことで、マーケットの年齢分布は大きく変化。以前と求める情報や消費傾向は異なることが予想されている。同社は、不妊、妊娠、出産を中心とした口コミサイト「ジネコ」を運営しているが、ユーザーの年齢も30歳以上が91%。35歳以上の割合も高くなっているという。同社では「ジネコ」に寄せられた口コミから、30歳以降を対象とした妊婦雑誌に対するニーズを見いだし「マタニティジネコ」を発刊。好評を得たことから、今後もニーズを満たす商品やサービスを創出するため、「F2妊婦研究会」を発足した。同研究会の研究内容としては、「F2層妊婦の抱える問題、課題の抽出」「ニーズの調査、分析」「消費傾向の調査、分析」「他企業との共同研究、協同開発」などが予定されている。※F2層とは、年齢35~49歳の女性のこと【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月04日明治安田生命は、介護付有料老人ホームを運営する「サンビナス立川」を買収し、同社の子会社に統合したことを発表した。高齢化による介護ニーズの増大に対応するため、同社は、介護保障分野を死亡・年金・医療保障に次ぐ「第4の柱」として位置付け、介護関連サービスの商品販売の拡充を狙う。その一環として、介護付有料老人ホーム「サンビナス立川」の株式約90%を取得し買収、子会社化した。今後は、有料老人ホーム運営事業のほか、介護総合情報ポータルサイト「MY介護の広場」による情報提供、介護保険商品の検討・開発等をはじめ、介護に関するさまざまな保険商品の提供・充実を目指すとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日