「2018年の運勢」について知りたいことや今話題の「2018年の運勢」についての記事をチェック! (19/23)
マリメッコ(marimekko)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2017年10月1日(日)に発表された。プレゼンテーション形式をとった今季は、フィンランド・ヘルシンキより機械を持ち込み、アイコンテキスタイル「ウニッコ」の制作過程を紹介。茎を色付け、花びらに色を差し、背景色となるブルーカラーを塗るまでの工程を非常に長いテキスタイルを吊るして表現した。モデル達はその前に並び、さらにそのテキスタイルの間をかき分けるようにウォーキング。今季は、マリメッコの原点に立ち戻るもので、新作プリントに加えてアーカイブも多数登場している。全てのピースに共通するのは、ゆったりとしたサイズ感とリラックスした印象。ウニッコのドレスは、ウエストなどを絞ることなくたっぷりとしたサイズ感のため、テキスタイルの面積が大きく色柄の美しさが伝わりやすい。しかしながら、首元はVの字にカットされ、いい塩梅に抜け感が出来ている。ストライプ模様のドレスは、ウエスト辺りから斜めのストライプ柄に切り替え、裾も同様に斜めにカットアウトしてリズムをつけた。シャツやパンツ、膝丈スカートなども展開されているが、どれもリラックスしたムードは同じ。波のようなウェーブプリント、シンプルなストライプ柄などで提案されている。また、今季は同柄でコンビネーションを楽しむ着こなしも提案。シャツドレスやロング丈のワンピースに、ワイドパンツを合わせたセットアップスタイルが多く展開された。小物ラインからは、人気のコットン地トートに加えて、バックパックが登場。足元は甲まで覆った履き心地のよいレザーシューズが起用されていて、履き口が斜めにカットされていたり、キトゥンヒールになっていたりと、可愛らしいデザインが取り入れられている。
2017年10月04日アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今季は、ヴィヴィアン・ウエストウッドの夫であり、ブランドのクリエイティブ・ディレクターである、アンドレアス・クロンターラーの名前「andreas」と名付けられたシーズン。コレクションノートには、自分の名前がなかなか好きになれなかったことや他の国が母国であったらよかったという本音とともに、年々色の持つ官能性に惹かれていることが綴られている。始まりは、真っ白なダウンをストールのように巻いたモデル達の登場から。首から頭、そして足首から下しかよく見えないが、中はスイムウェアかアンダーウェアを纏ったくらいのように見える。ショーを開けてみると、コレクションノートの言葉通り、鮮やかな色彩に溢れ色の魅力を伝えているように感じる。赤やブルー、オレンジ、黄色。ダメージ加工、ブロークンディテール、落書き風のハンドペイントなど”正統派”ではない世界に溶け込んだパレットは、ブランド特有の反逆的な精神までも明るく見せてくれる。また、色と色の重なりを楽しむように、パッチワークデザインが多い。スニーカーモチーフや絵画風のテキスタイルなどを組み合わせたドレス、パンツ、トップス。象徴的な性に関するプリントも今季は真っ赤なハートマークを上からペイントされポップなムードだ。また、小花柄のスカートと大きなハットは、アンドレアス・クロンターラーの出身地であるオーストリア・チロル地方の伝統衣装をイメージしているようにも見える。生地を破ったり割いたり、またテイスト違いのビックサイズのジャケットなどとのコーディネートも、過去に抱いていた母国へのマイナスなイメージを表現するように映った。自分自身の本当の姿を再現する開放感は、南国の島への旅にも繋がったようだ。特にメンズは、スイムウェア風のショートパンツが多く、アロハ柄で彩られている。女子モデルの耳には、サクランボやラズベリーなどビックサイズのフルーツピアスがぶら下がり、こちらも純粋にファッションを楽しむ、開放感のようなものが生きている気がする。
2017年10月04日オリヴィエ ティスケンス(OLIVIER THEYSKENS)が、パリで2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2017年10月04日ビューティフルピープル(beautiful people)の2018年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。今季のテーマは「MAKE LOVE」。今季、デザイナーの熊切が行ったのは、異なる2つのものを融合させて一つにすること。惹かれ合う男女が繋がるように、相反するふたつのものがひとつになる瞬間と完成図を表現する。プレゼンテーション形式で行われたショーでは、会場中央にモデルとフィッターが登場。真ん中でカットアウトされた2つの洋服を持ち出し、ファスナーを上げたり下ろしたり、ボタンをつけたり外したり、リボンを結んだりほどいたり。そんな手作業を繰り返しながら、2つのワードローブが綴るラブストーリーを紹介する。実験的でユニークな仕掛けのウェアではあるが、ベースデザインはとてもシンプル。ボリュームスカート、ジャケット、ノースリーブドレス。素材にはコットンやシルクを使い、カラーは黒やグレーなど落ち着いたパレットを基調とした。パリデビューとなった昨シーズンとは変わり、和の要素も消えている。トレンチコートとライナー、デザイン違いのふたつのドレス、ショートブルゾンとテーラードジャケット。異なるアイテムが交われば、色柄も同時に一緒にになり、黒とグレー、花柄とチェックが溶け合っていく。プレゼンテーション形式で着付け方を見せてくれているのに、その交わり方は非常に曖昧だ。どこまでがどちらの洋服であるかの境界線を決めることができないほど、テキスタイルが右往左往している。その複雑さに変わり、デザインがとてもシンプルなため、完成した姿はすっと心に馴染む。
2017年10月04日A.P.C.(アー・ペー・セー)の2018年春夏コレクションが、プレゼンテーション形式でフランス・パリで発表された。2017年9月29日(金)のことである。昨シーズンブランド30周年を記念し、ランウェイショーを開催したA.P.C.。新しいステージの幕開けとなる今季は、ブランドのアイデンティティである「デニム」にフォーカスした。今季はスタンダードなパンツ、膝丈スカートに加えて、遊び心溢れるデザインが揃う。デザイナージャン・トゥイトゥが、カラフルなペンキを思うがままに飛ばしたというデニムパンツ。パンツを広げてエプロン型にしたスカート。ジャケットとパンツをドッキングさせて解体したコート。構築的なフォルムにリデザインしたケープなど、進化型デニムが盛りだくさんだ。デニムと並んでキーワードとなったのは、フェミニン。フレンチシックで可愛らしい。そんなA.P.C.ガールに合わせたのは、小花柄のワンピースだ。色柄は豊富。パープル、イエロー、レッド、春の花々がコットン地の上に咲き誇る。胸元のリボンや揺れるようなフリルは、より可憐な印象へと結びつける。また、暖かな季節の訪れを楽しむように、さらりと一枚で着れるトップスも一緒に。フラワーと小鳥に彩られたこのトップスは、同柄のフレアスカートと合わせてセットアップでのコーディネートも楽しめる。
2017年10月04日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。ナチュラルでほんわかした印象を受けた。スタッズチョーカーやトゲトゲのヘッドピース、レザーのライダースジャケットなどで、一見パンクロックを感じさせつつも、北欧デザインのような優しいボタニカルモチーフ、有機的なラインデザインが揃い、日常に取り入れやすいカットソーやTシャツワンピース、シャツなどが多かったからだ。序盤のキーワードは3Dドレス。うねるようなライン、スクエア型のモノグラムなど、グラフィカルなプリントテキスタイルの上に3Dの要素がのる。渦のように深く掘った穴、無数の空洞、地面と水平の突起、半円形型のこぶ。ドレスのいたるところに散りばめられ、見たこともない超立体的なドレスが完成している。続くのは、模様に合わせたカッティングとテキスタイルの重なりを楽しむピース。スクエア型モノグラムのコートは、モチーフに合わせて直角のショルダー。ウェーブ模様のコートには丸みのある肩回り。ドット柄のトップスは裾もラウンド型にカッティングされ、ボーダーTシャツはサイドを三つ編みのように生地を編み込み、模様に合わせてドレープを作る。青々とした木々に溶け込めそうな、オリジナル迷彩柄の登場とともに、興味関心は円形にシフト。円形パーツをパズルのように組み合わせたコート、ワンピースが揃う。卵のような丸みとぷっくりと膨らんだフォルムは、なんとも女性的で可愛らしい。半円と円形パーツをコンビネーションさせたドレスは、背中に蝶々が止まったように4つの羽が広がり、幸せな気分にさせてくれる。
2017年10月03日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年9月30日(土)に発表された。今シーズンは、ロング&リーンのアイコンシルエットに、”表と裏”を使った遊びを加えた。裏地にアクセントを付けたものが多く、襟元、袖口、胸元など随所で”裏”の姿を登場させて色の組み合わせを楽しんでいる。ノーカラーのロングコートから覗く、真っ赤なライナー。ジャケットは、ボタン口をカットオフしてあえて裏地を見せた。先に発表されたメンズコレクションでも見られたが、剥くようにして生地を破り裏地を見せた、パッチワーク風のジャケットも展開される。また”表の顔”となる前からみた姿と”裏の顔”後ろ姿が大きく異なるルックもある。真っ赤なパンツセットアップは前から見るとフォーマル。しかし、バックスタイルはトンネルのようにくり抜かれて、背中を大胆に露出させている。色の組み合わせという面では、度々登場するドレスやトップスにも共通項がある。2色のカラーを使い、テキスタイルをくるくるとねじり上げる。出来上がったのはアンバランスで不均衡なデザインであるが、色のコンビネーションが美しい。特に、ハイダー アッカーマンには珍しいパウダーイエローやライトブルーといったソフトな色合いは、ホワイトと相性がよくハッピーな印象を受ける。
2017年10月03日ロエベ(LOEWE)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季のロエベウーマンは世界中を旅する女性。クラフトに造詣が深い人物で芸術的な感性が鋭い人物だ。そんな女性像を表現するために、クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが取ったのは、ラフなアイテム使いとアシンメトリーなカットアウト。旅に最適なアイテムとして、今季はTシャツを提案した。シンプルな白いTシャツとロエベのロゴTシャツ。それに、ストレスなく歩けるブーツとスニーカー、気候の変化に対応できる大判のショール、バケットハットを。ボトムスにはデニム、さらにジャージ素材も起用して身軽さを追求する。揃ったワードローブには、ロエベウーマン独自のクリエイティビティでアレンジを加える。白Tはロングワンピースにして、パステルカラーのチェック柄テキスタイルを上から重ね、ロゴTシャツは裾をカットとしてフリンジのように飾る。旅のお供にと、ライニングがなく、リバーシブルで使える新作バッグ「テント」も取り入れた。また、旅先で見つけた文化はファッションとして取り入れる。そんな自由なマインドを表現するかのようにパッチワークデザインが多く登場。ペイズリー柄、マルチカラーストライプ、ギンガムチェック。これらをベージュ、ホワイト、ブラックといったベーシックカラーとコラージュしてドレス、コートなどを作り出した。彼女の創造性を象徴する不均衡なシルエット。ロングドレスはウエストあたりでくり抜くようにカットアウトされ、トレンチコートは裾を細かく切り込みリボンテープが斜めに広がる。そこに、レザーのパッチワークを添えて。細かな刺繍や整列したくるみボタンも、彼女のアーティスティックな感性を物語る。なお会場には、スティーブン・マイゼルが撮影したロエベのビジュアルから作った大型のタペストリーとモー・ジャップによるミニチュア陶芸彫刻をデコレーション。装いだけでなく空間そのもので、ロエベウーマンのキャラクターを表現していたようだ。
2017年10月03日カルヴェン(CARVEN)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。新クリエイティブ・ディレクターに、セルジュ・ルフューを迎えて初めてのショー。そのフレッシュさを体現するように、会場にはパリ市内の大学FACULTE DE JUSSIEUが選ばれた。新生カルヴェンの印象は、スポーティな要素とワークテイストが盛り込まれていて若々しい。また、ウェアラブルであることがデザインの念頭にあるようで、都会に溶けこみやすい程よいデイリー感がある。統一されているのは、アシンメトリーなシルエット。前は短く後ろは長く、または反対のフォルムがほぼほぼ全てのピースに落とし込まれた。トップスに関しては、8の字のような凹凸が多く起用され、丸みのあるアームやショルダーに対して、ウエストはキュッとタイト。ギャザーを寄せたり、ベルトを配したものもある。アイテムは、プリーツスカートやノースリーブワンピースなど、女性のクラシックウェアを基調に。そこにクロップドタイプのキルティングダウン、ワークジャケット、ラガーシャツなどが組み合わされる。気の利いた繊細なディテールも印象深い。シャツに部分的に描かれたイラストや、キャラクター風のワッペン。スカートやパンツには、フリンジ、パールなどを使った立体的な刺繍がランダムにあしらわれている。若々しい感性から、ポップな模様も生み出された。鳥やアルファベットをモチーフにしたプリントは、思わず見惚れてしまうほど可愛らしい仕上がり。ただ、色使いがカーキやベージュ、ブラウンなど落ち着いているためか、主張は強くなくひっそりと潜めているような印象だ。
2017年10月03日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。雨降りしきる夜のパリ。日中は強い日が差し、ここ数日に比べて暑さが際立つ気候であったのに、ヨウジヤマモトのショー前に、滝のような豪雨が降った。ショーが始まると、そんな”過酷な環境”が嘘みたいに穏やか。響き渡るギターの音色、モデルのゆっくりとしたウォーキング。そして、プリーツ、ドレープ、ギャザーなどを集め立体美を追求した”足し算”の昨シーズンとは変わり、今季は引き算の美学。慎ましく控えめ、これが第一印象だった。おそらく、今季のキーワードは切断だろう。山本耀司が仕立てたテーラード、コートは、その美しい完成体を惜しげもなく、縦横無尽にカットアウト。トレンチコートは、ボディからアームが離れて肘の辺りまで落ち、テーラードコートは本来お腹のあたりにあるはずの中央ボダンがアームへ。バックスタイルはどれも斜めにカットアウトされ、カーゴパンツのサイドポケットはひどく下に落ち、ひざ下の位置に。どのパーツも本来の位置にはないのに、洋服の美しい形を保てている。技術だ。バラバラになった生地はボタンで繋ぎ留め、そのボタンもきちんと上から下まで止めることなく、ずれていたり抜けていたり。足りない部分はあて布のように1枚布をアタッチ。これらが集まると、観る者の予想だにしていない膨らみやドレープ、フレアなシルエットなどが生まれ、女性らしいフォルムが作られていく。後半に続くにつれ、このカットアウトは潔さを増し、洋服は綺麗に半分こ。サロペットもドレスも全部中央で真っ二つになっていて、ボタンや金具で絶妙に止められている。そこで流れる音楽は「俺を置いて消えていく、辛いことがあったんだね、キレイだよ君の背中」というナンバー。過去の恋人を想うのか、甘く切ないメロディーにぱっくり背中が真っ二つになったドレスがのる。よく見ると背中には、ロゴシールのようなものが付いていて、全ての文字は読み取れなかったが「LOVE」といった文字があったのは確かだった。切断というクリエーション手法には似つかわしくないが、今季は愛に溢れた創作であったのかな…と妄想が膨らんだ。
2017年10月03日リック・オウエンス(Rick Owens)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。会場につくと手渡されたのは雨カッパ。シートの前には巨大プールのような、水を引いた広場が広がっている。水族館にイルカショーを見に来た時のような興奮と、一体リックは何を始めるのだろう…という期待が観客を包み込んでいた。始まりは静かで、この水場に沿ってモデルが闊歩するものだった。ファーストルックからしばらくは白いドレスの連続。折り紙のように織り込んだり、テキスタイルの中に空気を入れ込んだり、ひねったり、カーブさせたり。片方だけ長いアーム、片足だけのアームウォーマー。シルクツイルやナイロン、テクニカルコットンキャンバスといった素材を自由気ままに触り、アンバランス組み合わせ、" リック・オウエンスのスタンダードウェア"を作り上げていた。しかし、そこからが今季の始まり。突如として目の前の水場から天まで登る勢いで無数の噴水が発射。と同時に、大量の水しぶきが観客に降り注ぎ、先に渡されたカッパの意味を知る。幻想的な霧に包まれたような靄がかかった会場には、彫刻のようなピースが新作ウェアとして紹介される。ボディの周りにまとまっていたテキスタイルたちは、身体の中央から離れ、首の上に向かって高く伸びるもの、ウエストから離れて前に前にと繰り出してくるものなど様々。サナギのような丸みと同時に、鎧のような硬さ、どちらも感じとれる不思議なシルエット。フリル、Tシャツの首元のようなリブがそこらかしこに散らばり、どこがアームでどこがネックでという概念そのものまでも払拭されている。とにかくショーそのものがエンターテイメント性が高く、誰もの心にしっかりとリックオエンスのクリエーションが刻まれたに違いない。凄まじいスプラッシュできちんと直視出来なかった人もいるかもしれないが、誰もの心に「アハハハハハハ」という笑い声サウンドだけは残っただろう…。
2017年10月03日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。テーマは、2つの顔を持つ「JANUS」。共通項を持ちながらも対照的な要素をファッションを通じて表現する。演出は非常にドラマティックで、ほぼ同じ背丈のモデル2人が1組になり”双子ルックコーデ”のまま手を繋ぎながら会場を回った。相反するもの、象徴としてリバーシブルウェアを魅力的に映し出した。ショーの始まりはとてもフェミニンで、ワンピースにソックスがユニフォーム。ミニ丈、フリル、フレア、リボン。少女趣味のルックが並んだ。彼女たちは、バッグ、シューズ、ヘアアクセサリー、ピアスまで一緒で、片方の襟がめくれていれば、もう片方の襟もめくられるほどそっくりさんだ。違うのは、カラーリングと洋服の上にのった模様、モチーフなど。白い雲が浮かんだ朝の街と星が瞬く夜の街。人々の下に根を張る木の幹と青々とした草木。と、物語性のある対局のものを見せ、観客のイマジネーションをくすぐる。ロリータチックなムードから、男性性・ダーク・ゴシックといった要素が並ぶ世界へトリップ。転換の火付け役となるのは「CINDY SHERMAN」プリントの登場だ。彼女を映した、モノトーンのプリントドレス、ベアドレスの反対には、唇やリンゴ、黒猫を象ったビジューモチーフがいっぱい。そこからは、涙を流した瞳と血のような鮮血の赤、「LOVE ANIMAL」と「HATE HUMAN」のロゴ対比、とメッセージ性の強いデザインが強調される。そろそろフィナーレかというタイミングには、サプライジングな演出が。ライトブルーのミニドレスにハイソックスを着たモデルが5組。ただ、それぞれ左側の子だけが赤い糸状のアクセサリーを身に着けている。よく見ると、二人はそっくりで本物の双子を登場させたようだ。表の顔と裏の顔、二つ同時に並んで真っ赤な装飾を加えれば、どこか”2つの顔”は狂気的な感じに映る。
2017年10月03日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年9月29日(金)に発表された。荒々しい大地の割れ目、太陽の光を浴びた溶岩、透き通った氷河。何万年もの時をかけて生まれた、アイスランドの豊かな自然が今シーズンのインスピレーション源だ。テーマは「A Piece of Memory-記憶のカケラ-」。今シーズンは、オリジナルテキスタイル「スチーム ストレッチ」が、進化を遂げる。折り目をあらかじめ織り込み、蒸気で縮めてる作るこの素材を再びフラットに戻した。こうすることで、プリーツの割れ目からベースの生地が覗き、これまで見たことのない新しい表情に出会うことができる。ショーの始まりは、この進化した「スチーム ストレッチ」を紹介するべく、ダンサーたちの前衛的なダンスと共に。バルーンシルエットやフレアなトップスなど、フォルムの異なる服を纏ったダンサーは、ダンスで身体をぐっと伸ばすと同時に、テキスタイルにも圧をかける。すると、先まで黒の中からほんのりと顔を出していたベースの白が、このストレッチ効果によって大きく現れるようになる。コレクションピースでは、アイスランドの風景を生地にプリント。そのため、モデルたちの歩みに応じて、海の青や溶岩の茶など、広大な自然を思い起こさせる豊かな色彩が顔を出していた。特殊なのりをプリントして高温で膨らませた「ベイクド ストレッチ」のドレスも同様に、アイスランドの風景をおぼろげに映し出し、遠い地への想いを搔き立てる。今季は、プリーツ素材だけでなく「キューブ(CUBE)」という名のテキスタイルも登場した。異なる素材を格子状に張り合わせたこの生地は、ランダムに隣合う色を変えることでまるでアートピースのような仕上がりになっている。
2017年10月03日ラコステ(LACOSTE)が85周年を機に再びパリへ。14年続いていたアメリカ・ニューヨークでのコレクション発表を辞め、2018年春夏よりパリへ帰還する。アニバーサリーショーは、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年9月27日(水)に発表された。タイムレスでヘリテージ。創業より大切にしてきたキーワードに、デザイナーのフェリペ・オリヴェイラ・バティスタがメスを入れる。過去のコレクションを改めて見直し、軸となるのはスポーツ着想のアイデアと決めた。そこにモダンさ、ストリートへの溶け込み、若年層にうけるフレッシュさ、定番のリデザイン…といくつかのキーワードを掲げて、新たなラコステワールドを築き上げる。新生ラコステを彩るのは、デイリーワードローブの起用。ウォッシュ加工をしたデニム、チェーン付きのクラッチバッグ、ビックサイズのアイウェア、女性らしいパンプス。スポーツシーンでは見れらなかった、ファッショナブルなピースが今季の基軸を担う。ワニロゴのアイコン・ポロシャツは、スリット入りのラフなドレスに転換。また、ウエストラインに波打つボーダーラインを添えてモダンにしたものもある。同じくワニロゴのニットは、サイズ感をゆったりとさせ、アームを長く。カーディガンは、ボタンをアレンジ。コインのような大きなサイズにして全て金色ボタンに変換させた。ストリートを意識した現代化。すべてに共通するのはその指向性であるが、随所に散りばめらたプリントだけはヘリテージをフル活用した。ラコステを象徴するワニ、テニスボール、ポロシャツ、メガネ。全てのモチーフは、ラコステのこれまで歩んできた軌跡に繋がる。
2017年10月02日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE ℅ VIRGIL ABLOH)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。テーマは「natural woman」。このテーマが自然体の女性を映し出したものかは定かではない。しかしながら、どちらの解釈にせよ会場に集まるジャーナリスト、エディター、バイヤー、スタイリスト、フォトグラファー…といった働く女性は共感するシーンが多かったはずだ。ヒールを脱ぎ捨て手に持ちスニーカーで歩く姿、パーティーだからと気張って豪華なドレスを纏う姿。ヒールまで覆ったパンプスやブーツなどのシューズは、「雨に濡れたくない」「新品だから大切に履きたい」なんてつい思ってしまう本音のようにも見えるし、とにかく女性心理をうまく突っついたコレクションであった。その印として「ラグジュアリーなストリートウェア」をコンセプトに抱えているブランドとは思えないほど、女性らしい仕上がりであったが、ショー終了後は拍手とブラボーの声が止まなかった。コレクションピースは、先のリゾートコレクションでも存分に感じていたが、直接的なストリートの定義は排除されている。テーマに沿った、フェミニニティが大きな幹。仕事場で着るスーツ、華やか場で纏いたいドレス、デートで着たいタイトなスカート。日常シーンをイマジネーションできるピースが今季の中心である。花柄、シフォン、チュール、ピンク、リボン、スリット、ティアードドレス、ベアドレス。洋服の名称も素材も模様も色柄も全部ミックスしているが、こんな女性的な要素がランウェイに溢れている。なのに可憐にならない。花柄は鮮やかなピンクとモノクロを共存。スリット入りタイトスカートはロゴ文字を内側に隠す。ジャケットのパートナーはカジュアルなハーフパンツ。パンプスに乗せたリボンは床につきそうなほどビックサイズ。と、揃ったカードは女性らしいのに、ウィットに富んだ調理で、男性性も併せ持った現代女性の心理に迫る。ポップなアイデアが効いていたのは、洋服だけじゃない小物もだ。先に挙げたビニールラップ型のシューズを筆頭に、ギフトボックスのようにリボンを巻いたクラッチ。TIME、LIFEと現代女性に大切なワードをバッグにしたアイテムまでも。本来はエレガンスに見えるはずのグローブもくしゃくしゃしたフォルムで、何か憎めない愛嬌がある。
2017年10月02日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年9月27日(水)に発表された。今季のドリス ヴァン ノッテンは楽し気だ。コラージュ、モンタージュ、アッサンブラージュ。大切に作り上げたピースたちを寄せ集め、立体的に重ね合わせ、全く新しい生命体を作る。そんな冒険心と好奇心に溢れた、ポジティブなシーズンである。まずは素材作りから。ドリス ヴァン ノッテンおなじみのジャカードは、ボタニカルやスターフィッシュ(ヒトデ)をモチーフにしたハッピーな印象。。輝くシルバーや淡いラベンダーなどを使用して丁寧に作り上げた。そこに交わるシルクプリント。こちらは、1920年代のアール・デコから1980年代の装飾スタイルまでを着想源とした。シュルレアリスムのリップ、ペイズリー柄、幾何学模様…仲良く手を取り合うようにプリントにプリントを重ねてカスタマイズする。新作ウェアは、心躍る気持ちに反映して軽やかな印象、そしてフェミニンだ。オーバーサイズのジャケットはオーガンザで包み込み、テーラードジャケットはラペルを取り除き、細いベルトでウエストマークする。パンツスーツは柔らかい素材で仕立てていて、鋭さはなく可憐な印象だ。ストラップのハイヒールサンダルにシャツドレス、シルクスカーフのパッチワークスカート。どれも女性らしく今季らしいアイテムと言えるが、一番のキーピースといえるのはスリップドレスだろう。肌の色とマッチしたヌーディドレスには、長く伸びたビジュー装飾を散りばめて煌きを。モデルの目元、口元には同様にキラキラメイクが施され、耳元ではシャンデリアのようなビジューピアスが瞬いている。
2017年10月02日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。先に発表されたメンズコレクションと共通のマインドを持って進む、ウィメンズのピース。スリットやレイヤードで楽しむ軽やかな雰囲気、そしてラフでルーズなコーディネートは、メンズに引き続く今季のキーワードだ。春の訪れは、軽量な素材に乗せて表現した。オーガンザ、シルク、レース、そしてレザーまでも今季は軽快な様子に見える。ジャケット、シャツ、パンツとベーシックなアイテムを基調としながらも、カッティングやシルエットで遊びを付ける。テーラードジャケットやベストは、ロングでリーンなシルエットに整え、中央から潔くカットアウト。洋服本来の形から抜け出し、リボンのようになったテキスタイルは、羽のように広がり優雅に舞う。そののびやかな空気感を助長するように、引きづるほど長いフェザーのストール、そして首からぶらさがったネックレスがコーディネートされる。どちらのアクセサリーも自在に動き周り、黒と白で統一された禁欲的な世界では無邪気な印象だ。シャツやカットソーの類は、原型を忘れるほど大胆なカットアウトを連続で。袖口はえぐるように大きくくり抜かれ、アームはボディ本来からほぼ分解されている。それを肩やウエストから無数に延びるリボンを使って身体に巻き付ける。壊れかけのピースを寄せ集めた完成体は、妙な儚さとエレガンスに包み込まれている。昨シーズンも登場したヘアアクセサリー。今季は、フェザーとフラワーをモチーフにした王冠型だ。今季のショーミュージックは、Warhausの生演奏。ハスキーで独特な声を持つ女性ボーカルのサウンドが耳に残る。
2017年10月02日バルマン(BALMAIN)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。バルマンならではのグラマラスなムードに、ラフさと遊びを取り入れているシーズンである。ショーの中心となるのは、”これぞバルマン”と言えるゴージャスなピース。総スパンコール・スタッズを飾ったデコラティブな素材や、メタルチェーンを編み込んだレザー、ラメ入りニット。これらの煌びやかなファブリックがボディコンシャスなシルエットを形作る。そこに、今季は大輪の花のようなディテールを添えた。スカートの裾、トップスの肩やヘムラインに添えたフリルは波打つように揺れ動く。奥にはチュールが仕込まれているため、ボリュームは満点。ボーダー模様やチェック柄、そしてドット柄穴あきニットなど、グラフィカルなエレメントと交われば、洋服はよりドラマティックな表情となる。新しい試みとして、カジュアルウェアとのドッキングがある。BALMAINのロゴ入りカットソーやロングTシャツなどデイリーアイテムが盛り込まれた。メタルチェーンでラフさをカモフラージュしつつも、ラフなオールインワンも度々登場。また、ボトムスもタイトシルエットに交じって、ワイドスタイルが提案されている。素材も上質素材に交じって、トランスペアレントなビニルを起用。レインコートやスカートになって”フレッシュなバルマン”を作る担い手となっている。
2017年10月02日イーチ × アザー(EACH X OTHER)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年9月28日(木)に発表された。今季のテーマは「Salvage Paradise」。ショーは大きく分けると4つのセクションに分かれ、詩の朗読から始まり、バンドの生演奏と共に歩みを進めた。鮮やかな色使いが特徴の第1パート。赤、青、白、強い色彩で作られたのは、男性性と女性性が共存する世界だ。テーラードジャケット、ベスト、スラックス、スーツスタイルを作るマニッシュなピースが、スリップドレスやシフォンワンピースと同じ配色で仕上げられている。続くのは、カジュアルなルック。Tシャツワンピースや総ロゴのパジャマシャツ、スウェットのフーディ、デニムパンツなど、ラフで軽快なアイテムが並んだ。第1パートとの共通項はシルバーのアクセサリーディテール。先は、ジャケットのラペルと耳を繋ぐチェーンアクセが出ていたが、ここではゆらゆら動くフリンジとなって登場する。音楽の高まりと共に、再びマスキュリン&フェミニンの融合パートへと戻る。スリップドレス、テーラードジャケットなど、先述と同じピースであるが、総スパンコールでデゴラティブに早変わり。ラストにかけては、全くテイストチェンジをしてゴシックなドレスに。コルセットが浮かび上がり、昔のヨーロッパ貴族を思わせるドレスはエレガンスがベース。しかし、背中では髑髏が微笑み、ウェディングベールには暗号かメッセージのような無数の文字が…。仮面舞踏会かのように一斉にモデルたちがマスクを纏い、フリフリレースのアイマスクからじっと強い眼差しで見つめてくるのも、なんとも言えぬ奇妙さがある。
2017年10月02日ヴァレンティノ(VALENTINO)2018年春夏コレクションが、日本時間2017年10月1日(日)24:00より、フランス・パリで発表される。ファッションプレスではその模様をライブ配信。2017‐18年秋冬コレクションは、80年代にムーブメントを起こしたデザイナー集団・メンフィスからインスピレーションを得て、相反するものを結びつけ、一つのピースに形成することをテーマにしたコレクション。鮮やかな色彩、有機的な形状、キッチュなモチーフを並べ、様々な要素が一つにまとまっている。フリルや刺繍などフェミニンな要素に混ざって登場する、幾何学的なパッチワークやポップな手のモチーフ、数字ロゴが印象的だった。パリからリアルタイムで届く、最新コレクションに注目したい。【詳細】ヴァレンティノ 2018年春夏コレクション開催日時:日本時間 2017年10月1日(日)24:00現地時間 2017年10月1日(日)17:00
2017年10月01日新アーティスティック・ディレクターのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)によるジバンシィ(GIVENCHY)がパリファッションウィークで開催する2018年春夏コレクションショーをライブストリーミングで配信する。日本時間10月1日17時(パリ現地時間1日10時)より。また、SNSのハッシュタグは「#GivenchySS18」、ハンドルネームは「@givenchyofficial」または「@clarewaightkeller」。ショーの様子はこちらから視聴が可能(※会場の都合により遅れる場合あり)。
2017年10月01日サンローラン(Saint Laurent)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク初日2017年9月26日(火)に発表された。ショー開催の少し前、イヴ・サンローランのパートナーであり、メゾンを長年に渡って支え続けたピエール・ベルジェが亡くなった。ビッグメゾンを引っ張るアンソニー・ヴァカレロにとって、これは一つの転機となったのかもしれない。なぜなら、今季のショーはとにかく盛大。会場はトロカデロ広場に設けられた特設スペースで、目の前にはパリのシンボル・エッフェル塔がそびえ立つ。ショー開始の鐘を鳴らすのはキラキラと瞬くエッフェル塔のライティングだった。ヴァカレロらしいコンサバティブなドレスから、サンローランアトリエのオートクチュールを想起させるドレスまで並び、新作はサンローランの歴史を巡るよう。観客にはピエール・ベルジェの愛を語る言葉が配られ、コレクションピース、演出、会場の雰囲気…全ての要素が相まって、今季の広大なショーが作り上げられている。ランウェイピースはキラキラとしていて眩い印象。ゴールドのドット柄チュールトップス、スパンコールのドレス、ビジューたっぷりのブルゾン、金ジャカードのジャケット。アイコンであるスモーキングジャケットまでも、ラペルを羽のように大きく広げ、ボディ全体をスパンコールで包み込んでおめかし。特別な場を祝うように、エッフェル塔モチーフのベルベットブルゾンも登場した。足元は、デビュー時よりヴァカレロを支えるピンヒールパンプスと、昨シーズンも登場したルーズブーツ。ブーツはパワーアップされていて、フェザーがつき、フリンジがつき、とにかくボリューミーに仕上げた。ベアドレスやアシンメトリートップスなど、これまで作り上げてきた、露出度高めなピースに、今季はショートパンツが交わる。極短で快活な印象を持ちがちだが、レザーやジャカード地など上質な素材で仕立てられているため、エレガンスを保っている。これらも素晴らしいのだが、やはり豪華なドレス群がショーの要でありヒロインであった。フェザーを繋ぎ合わせて鳥のように見せた球体型ドレス。右から左へ身体を横切るようにビッグフリルをあしらったブラックピース。どれも一つひとつドラマがあり、アートピースのような仕上がりである。
2017年09月30日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年9月27日(水)に発表された。「日本航空より上海から東京へご出発のお客様にご案内いたします。東京行き、○時〇分発、○○便をご利用のお客様は〇番ゲートよりご搭乗を開始致します。」―誰もが一度は耳にしたことはある空港のアナウンス。架空の発着便そして優先搭乗の案内音が、今季のメゾン マルジェラを彩るサウンドだ。日本語、英語、中国語。順番に響き渡るアナウンスオンは全く別の空間へトリップしたような気分にさせる。空港を題材にしたユーモラスなアイデアは、ショーピースにも落とし込まれた。預け荷物用のタグが、襟元、ストラップに取り付けられている。バーゴード付きタグは寄せ集めて、パッチワークスカートや帽子に変幻。ネックピローやアイマスクも登場し、モデルが小脇に抱えた新アイコンバッググラム・スラム(‘Glam Slam)は、枕のようにふかふかだ。ウィットに富んだ演出のもと展開されているが、クリエーションのベースは、先に発表された2017年秋冬アーティザナルコレクションであろう。「ニュー・グラマー」がキーワードの同コレクションで目にした、ヌードカラーのトップス、細かいプリーツをかけたシルクオーガンジーなどが再びランウェイを訪れる。伝統的な赤いライディングジャケットはビスチェに、ジャガードのバスローブはイブニングドレスへ。しかし、やはりグラマラスを直接的に打ち出すわけではなく、ブラトップやベアトップはチェック柄ジャケットやワンピースの上にレイヤード。ベアドレスは、メゾン マルジェラらしい「解体」のアイデアでトレンチコートを用いて製作した。また、トランスペアレントな素材も一躍を担う。トレンチコート、ショートジャケットなどに形を変えたシースルー素材は、服の内側を透かしみせ、ベールに包まれた肌や、曖昧に浮かび上がるインナーは、官能性へのイマジネーションを深く広げる。服の真髄を魅せる”デコルティケ”の手法は、今季もクリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノを手助けする。シルエットを形作る、重要な部分だけが露わになったドレスは、クリノリンのようであり、その上からビジューやフェザー、スクエア型のミラーパーツでデコレーションされている。
2017年09月30日ラコステ(LACOSTE)2018年春夏ウィメンズコレクションが、日本時間の2017年9月27日(水)17:00よりフランス・パリで発表される。ファッションプレスでは、その様子をライブ配信。まるで火星のような世界観を表現した会場で発表された先シーズンは、レザーコートやジャケット、“宇宙プリント”をデザインしたスウェットやパーカー、ジャージなどが展開された。全体的にテラコッタやブラウンといったアースカラーに、パープルなどが挿し色として使われた。今季は一体どんなウェアが披露されるのか。気になる人はライブ配信でぜひチェックしてみて。【詳細】ラコステ 2018年春夏コレクション開催日時:日本時間 2017年9月27日(水)17:00現地時間 9月27日(水)10:00
2017年09月30日ロエベ(LOEWE)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、日本時間2017年9月29日(金)の16:30より発表される。なお、その模様はファッションプレスでライブ配信する。2017-18年秋冬コレクションでは、飽くなき探究心でフェミニニティを追い求める“ロエベ・ウーマン”たちの旅を描いた。繊細なレース、クラシカルなドット、温もりのあるフェアアイル柄、それから滑らかで深みのあるレザーの数々。すべてがクラフトマンシップに溢れたルックへと導かれた。今季もまた、ジョナサン・アンダーソンが創り上げる“ロエベ・ウーマン”の旅は続くことだろう。その軌跡を、彼女たちとともにたどってみてはいかがだろうか。【詳細】ロエベ 2018年春夏ウィメンズコレクション日本時間:2017年9月29日(金) 16:30※現地時間 2017年9月29日(金) 9:30
2017年09月30日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)が、2018年春夏ウィメンズコレクションを、日本時間2017年9月30日(土)3:30よりライブ配信する。ファッションプレスではその模様をライブ配信。2017-18年秋冬コレクションでは、メインパレットを黒一つで展開。黒い布、その一枚のテキスタイルで作るアシンメトリーシルエット、優美さを象徴するドレープ、体の部位を曖昧にするフォルム、そして、一度見ただけでは判別できないレイヤード。その複雑なキャラクターを、生地を折り重ね、捻り、ひっかけることで作り出していた。また、今期も2017-18年秋冬コレクションと同様、パリ・セーヌ河岸にある会場「レ・ドックス - シテ・ドゥ・ラ・モード・エ・デュ・デザイン」で発表される。【詳細】ヨウジヤマモト 2018年春夏ウィメンズコレクション開催日時:日本時間 2017年9月30日(土)3:30現地時間 2017年9月29日(金)20:30【問い合わせ先】ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03-5463-1500
2017年09月30日ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)が「Happy Days」をテーマに、2018年春夏コレクションを発表した。インスピレーションを与えたのは、灼熱の太陽が輝くアメリカ・ロサンゼルス。西海岸に広がるビーチからヒントを得て、ハッピーなデザインを届ける。夏を彩るポップな色彩。今季はピンクやイエローの蛍光色も登場している。鮮やかな色彩は、ビーチシーンらしいアロハシャツやスイムウェアにのせて。水着の上にさらりと羽織れるパーカーも用意した。上質なカシミヤ、日本製の上質な糸を紡いでつくるトップスには、海岸沿いに並んだ、高く伸びるヤシの木を添えて、夏の思い出を詰め込んで。アイコンのスカルも、今季はレインボーのヘッドホンをつけて陽気な表情。ALOHAの文字、稲妻、スカルなどキーモチーフをカットジャカードで描いたジャケットもラインナップした。また、今季はアーカイブのミックスも必見。2004年に展開されたモチーフをぎゅっと詰め込んだニットは、バレンタインハート、スター柄などが並び、アメリカンコミックのワンダーウーマンのような仕上がり。ブランドロゴのLPEのマークも復活し、シルク加工をしたスタジャンの上で再び精気を放つ。ビッグニュースとなるのは、画家のジャン=ミシェル・バスキアとのコラボレーション。メンズ・ウィメンズから全4型リリースされるカシミヤニットは、"着るアート"と呼ぶに相応しい、ラグジュアリーな趣きだ。
2017年09月30日コシェ(KOCHÉ)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク1日目の2017年9月26日(火)に発表された。東京・原宿のとんちゃん通りをはじめ、街中を舞台に斬新なショーを繰り返すコシェ。今回彼女たちが選んだのはパリ市内のサン・メリ教会だ。マイノリティたちをサポートする施設の姿勢に惹かれて選んだというこの会場は、16世紀のゴシック建築の佇まいを残す教会。場内のパイプオルガンの音が響き渡ると、人種・背丈・体型の異なるコシェらしい”多様な”モデルたちが順々にランウェイに姿を現した。モデルの選別同様に、デザインも多様性を打ち出している。フォーマルとカジュアル、ドレスとスポーツ、メンズとウィメンズ。相反する要素が一つのピースの中で、または1つのコーディネートの中で交わり、どこにもカテゴライズされないオリジナルの存在感へと導く。キーアイコンとなったのはスポーツのユニフォーム。”汗臭い・男性臭い”といった概念は拭いとるように、カッティングとデコレーションでアレンジする。ボーダー模様のラガーシャツは、ヘムラインとバックスタイルを黒レースで切り替え。サッカーのユニフォーム風トップスは、フリルとビジューで煌びやかに飾って。また、数種類のサッカーユニフォームをパッチワークして作るドレスは、流れるようなシルエットでエレガントな仕上がり。ビジュー付きの膝丈スカートやツイードのベアドレスなど、スーパーフェミニンな要素は、ナイキのトレーニングウェア風トップスやライン付きパンツといったスポーティーなアイテムと組み合わせて”女性臭さ”を消しとった。異なるもののドッキングという思考から、パッチワークアイテムが多く揃った今季。ベージュ、ホワイト、ベーシックなカラーを共存させたパンツ、コート、セットアップ。また、同じベージュカラーでも、布をペタペタと張り合わせて、生地の重なりを楽しむようなティアード風スカートなども展開されていた。
2017年09月30日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2018年春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク1日目の2017年9月26日(火)に発表された。テーマはPOWER=力。「力を見る。誰も見たことのない服の力。力を着る。誰も着たことがない服の力。服に力を。」デザイナーの森永邦彦は、ショーの前メッセージをくれていた。パリ左岸のPalais des Beaux-Artsで行われたショーは、真四角な空間に直線的なランウェイ。アンリアレイジにしてはシンプルな空間が今季の舞台のようだ。先陣を切って現れた、メッシュ地のドレス。華美な装飾はないが、アームの膨らみと重量感、そして何よりぐるぐるに巻かれたテープが目に付く。メッシュだけでなく、シフォンのワンピースやアンリアレイジロゴ入りのTワンピース、スウェットパーカードレスなど、素材・シルエットを変えて様々なドレスが続くが、ぐるぐる巻きのテープは継続的に起用されている。このテープが時間と共に変化する。アンリアレイジロゴ入りリボンへの変幻を境に、テイストも変化。比較的ガーリーな印象だったコレクションは、スポーツシックへと転換され、クロップドパンツ、フルジップトップス、フード付きジャンパー、トレーニングシーンで活躍するウェアが並んだ。と同時に、身体中に巻きついていたテープは解き放たれ、星のような形を作ったりデコレーションとしての役割を果たすようになる。テープに新しい機能を見つけた後は、再びライトな素材で作ったガーリードレスへと興味関心を戻す。次々にカラフルなテープを使って装飾を。あるいは、肌に直接ジオメトリックな模様を描いてインナーのような役割に。アーム部分は、テーマである”パワー”を象徴しているのか、たっぷりと膨らみそして広がり、ストロングな印象を観客に植え付けていく。”カンカンカンカン”ー高音の音が鳴り響くと同時に場内はライトダウン。同時に暗闇から、発光したテープのみのシルエットが浮かび上がった。そうぐるぐる巻きテープの正体は力を加えることで発光する「応力発光」素材。歩いていたモデルたちも、ランウェイ上で屈伸をしたり、腕を曲げ伸ばしたり。こうしてテープまたはテキスタイルに力を加えると、服全体やテキスタイルが光輝き、新しいファッションの形を作り上げていた。
2017年09月30日ディオール(Dior)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季の起点となったのは、ニキ・ド・サンファル。ラクダの背中に乗った姿、そして芸術家と活動する前のこと、モデルとして活躍した時代。さらに、かつてディオールを引っ張ていたマルク・ボアンと親しい友人関係を示すもの。それらの時代を切り取った写真が、今季のクリエーションのインスピレーション源となる。象徴として取り入れられたのは、ニキ・ド・サンファルの代表作の一つ「Nana」。フランス語で女性のことを差す”ナナ”を名に持つ作品は、とにかく鮮やかな色彩がポイントだ。それら溢れんばかりにカラフルなパレットは、レースやシルク、レザーと交わり、ファッションとして現代に飛び出す。そして、もう一つ「タロットの庭」と呼ばれる作品。鏡のようなキラキラとしたパーツを寄せ集めた、トスカーナにあるこの作品もファッションへと変化を遂げる。洋服は、マルク・ボアンの時代からヒントを得て、60~70年代の要素をふんだんに。ディオール史上”最も大人しい”デザイナーとも呼ばれていた彼だが、女性の日常着を多数提案した影の立役者。特に、ミニドレスとフロントオープンのスカートは、マリア・グラツィア・キウリに大きな影響を与えた。ニキ・ド・サンファルの作品から飛び出した色々は、ミニドレスの上に姿を現す。「Positive」のロゴやモンスター風のキャラクター、鮮やかなガラスビーズがファッションに独自性をもたらす。また「タロットの庭」のミラーバーツもドレスへと着地。作品のイメージそのものがテキスタイルの上で花を咲かせる。ディオールのアイコン・バージャケットは、ニキ・ド・サンファルのピストルで撃って絵具の色を決める”射撃絵画の手法”から着想して、幾何学的な色使いで登場。マリア・グラツィアになってシーズンを飛び越えて登場している、シースルースカートは、今季マルク・ボアン風のフロントオープンスタイルで、様々なレイヤードが楽しめる。バリエーション豊富な小物、アクセサリーを展開するマリア・グラツィア。暖かな夏の提案として、今季はカジュアルに持てるブックトートを提案している。
2017年09月29日