コーティー(KoH T)の2021年秋冬コレクションが発表された。本阿弥光悦の陶芸に着想“COSMIC DUAL FORCES - MINUS -”をテーマに、東洋の陰陽思想に着目した今季のコーティー。とりわけ、江戸時代初期の芸術家・本阿弥光悦の陶芸に着想を得て、深みのある黒のファブリックを使用したそのコレクションは、さながら“陰”の肌理を示すようである。黒の“肌理”見た目に陶芸の肌理を思わせるのが、黒い和紙を使用したファブリックからなるウェアだろう。卵のように緩やかなシルエットを描くロングコート、エポーレットなどでミリタリーなディテールを加えたアノラック、シングルブレストやダブルブレストのスーツなど、深みのあるブラックカラーが、グレーに、ベージュにとニュアンスに富んだムラ感を生みだしている。和紙由来ならではの独特のシワ感も特徴的だ。また、黒の和紙と綿をボンディングし、職人の手による器の上のムラ感を表現したミリタリーウェアも。手で焼き物の生地を成形してゆく、確かな手触りを伴った身振りをなぞるかのような、重層的な質感を漂わせた。デニムには海洋深層水で洗いを施して一方、デニム素材には、通常の水の代わりに海洋深層水によって洗いを施すことで、独特の質感と色味を生んでいる。パンツのシルエットはあくまで端正であるからこそ、独特の風合いが際立っている。リラックス感に寄り添う上品ささらに、上品なベージュを主体に、異素材をさりげなく組み合わせたプルオーバーやパンツ、ワンピースも。ワンピースは流麗で曲線的なカットによって仕上げ、ゆったりとしたリラックス感を漂わせつつも、すっと身体に沿うようなしなやかさをも持たせた。
2021年03月25日ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2021年秋冬コレクションが発表された。persona|anosrep“Anosrep”──内側から見たpersona、あるいは鏡映しのpersona。今季は、心理学者ユングが“自己の外的側面”を指すために用いた「ペルソナ」をテーマに自己の外面と内面を思考した2021年春夏と、いわば鏡を挟むように対をなす。この“鏡”にいったん留まってみても良かろう。なぜなら鏡とは、“見る”と“見られる”とが交わる、冷え冷えとした平面なのだから──「おお、鏡よ!/冷たい水よ、そなたを囲む縁のなか、倦怠によって凍れる水よ(...)そなたの畏るべき泉水のうちに/知ってしまった、散乱する我が夢の裸形の姿を!」(ステファヌ・マラルメ「エロディアード──舞台」より)。静謐と運動基調、そして起点となるのは、端正なフォルムに仕立てられたテーラードジャケットだ。なるほどシングルブレストのジャケットはぴんと張り詰めた佇まいでありながらも、その一方でともに合わせられたワイドシルエットのパンツはしなやかに波打っている。肉体を仄めかす官能性端正なフォルムとしなやかな運動のこの結合とともにコレクションを特徴付けるのが、肉体を覆っては透かして見せる=魅せる官能性だ。身体に沿うようなスリップドレスには大胆にレースを使用し、素肌を覆う/曝けだすのあいだに震えてやまない。一方、比較的ロングな丈感のショールカラージャケットにはタイツを重ねる。普通ならば艶めかしい肉体の白さが覗くであろう大胆な網目の先には、屈強なフォルムと上品な光沢感が層を織りなしている。一方でアイレットを散りばめたジャケットは、なるほど多数のホールがシャツの布地や素肌を覗かせるものの、鮮烈に光を返す、大小異なるサイズのアイレットは、ややもすれば強烈に過ぎるエロティシズムを屈折させている。繊細に波打つ、屈強なエレガンスそして、凍った水面のように屈強なエレガンスを湛えるダブルブレストのチェスターコートやラップスカートには、裾に数多とフリンジを配して。ひとつには、刺繍と同様に繊細な作業を屈強なフォルムに接ぎ木する意識が窺えよう。他方で、歩みに合わせて激しく揺れ動くフリンジは、静謐にして端正なフォルムを示すコートやスカートと鮮烈なコントラストを描いている。だとするならば、風を孕んで軽やかに、また激しく震えるキュプラ地のローブは、運動とともに揺らめき、波打つはずの身体の表皮を、ドラスティックに可視化したものなのかもしれない。「石膏の皮膚をやぶる血の洪水/針の先で鏡を突き刺すさわやかなその腐臭」(清岡卓行「石膏」より)──鏡は砕け散り、肉体がもつ確かな肌理を、鮮やかなまでにこの手に感じるのである。
2021年03月25日アンダーカバー(UNDERCOVER) の2021年秋冬ウィメンズ・メンズコレクションが、2021年3月19日(金)、東京・天王洲アイルのWarehouse TERRADAにて発表された。なお、東京での単独ショーは19年ぶりとなる。夢見る身体身体は何にでもなれる。何にでも?たぶん、否。けれども眠りのなか、夢のなか、どこか現実の感覚と繋がるこの想像力の空間のなかならば、そんな望みを託してもいいのかもしれない──あるいは、衣服にも。夢の空間へ──暗闇に沈んだ空間に、朧げな光が差す。眠りへと誘う暗闇。ペールトーンのパジャマパンツとともに身にまとうのは、温かなニットのロングカーディガン、続いて薄手のニットカーディガンを切り替えたパジャマシャツ。ノスタルジックなノルディック柄に重なって、バックには些か奇怪な人型がその影を見せる。「エヴァンゲリオン」とのコラボ暗闇。ニットにのせられた影がほのめかしていたように、展開されるのは、2021年3月に『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』も公開されている「エヴァンゲリオン」の、どこか退廃のムードを帯びた世界。フードを被ったロングコートは、合成素材の光沢を帯びた質感がさながら防護服のようでもある。ダウンジャケットもまた、キャラクターを彷彿とさせるカラーリングに。そして軽やかに揺らめくチェスターコートやケープなどには、ブラック地に鮮烈なグラフィックを大胆に施した。変幻するフォルムふたたび会場は暗転し、衣服のフォルムは目眩くばかりに転調を重ねてゆく。複数の素材を使用したコートやブルゾンには、透明で冷ややかなPVC素材を組み合わせ、ニットの柔らかな質感と穏やかな色味と対比をなしている。湧きたつ薔薇の花首に、袖に、裾にと艶やかにひだをなすボレロや、ショート丈・ボリュームスリーブのダウンには、肩から湧きたつようにして薔薇の花のモチーフが咲き誇る。ここでは織物とそのカッティングでなく、むしろ花弁状のパーツが数多と蝟集して、装飾である以上に衣服を構築している。また、花のごときラッフルは、ブルーやピンクといったヴィヴィッドなダウンウェアにも豊かに咲き乱れ、ショートな丈感ながらも裾は波打つようにうねり、他方でラッフルが華々しく肩を腕をと覆い尽くす。重なる平面そんな薔薇の花も、たちどころにテキスタイルという平面に落ち込んでしまう。ボリューミーなダウンジャケットはショートな丈感。また、ノーカラージャケットには薔薇柄をあしらったブルゾンを、ライダースジャケットには同じく薔薇のピークドラペルジャケットを重ねるように組み合わせた。同様に、ベストを重ねたデザインのブルゾンやトレンチコートなど、レイヤリング構造は数多く展開されている。薔薇の手触りいったんは平面の柄へと落ち込んだ、この薔薇という花は、いまいちど“もの”としての確かな手触りを伴って、衣服の上に散りばめられる。繊細な薔薇のモチーフを数多とあしらったノーカラーブルゾンは、ベースのフォルムこそシンプル、しかしボリューミーに膨らむフリルは、身体それ自体のシルエットから逃れんと湧きたつようだ。湧きたち、平面に沈み、また“もの”として散りばめられる──変幻自在にフォルムを織りなすこの薔薇の花に、夢の身体を重ねても良いのかもしれない。
2021年03月22日チョノ(CHONO)の2021年秋冬コレクションが発表された。チョノが東京コレクションに初参加“imagine fabrics”をテーマに、経験と技術力を持つ職人とともに生みだされるオリジナルファブリックを使用したウィメンズウェアを展開するチョノが、東京コレクションに初参加。今季は、クラシック感漂う上品なスタイルを基調に、ベリーの甘酸っぱい色味を効かせたウェアを取り揃えた。みずみずしく咲き誇る花柄ワンピースには、ネイビーの地に、レッドやピンク、ブルー、ホワイトなど、色鮮やかな花々をふんだんに咲かせて。ふんわりとしたボリューム感のスリーブ、ひらりと上品にひだを作るスカートが織りなす端正なフォルムに対し、弾けるように鮮やかな花柄プリントがみずみずしく引き立つ。また、シアー素材を使用したワンピースには、ブラックを基調に白い花をちりばめ、甘すぎずシックな雰囲気にまとめた。また、ドロップショルダーで身幅を広くとったツイードコートは、生成りを基調にネイビーとピンクで格子柄を表現。秋冬らしい温かみのある素材感ながら、ベリーを添えたチーズケーキのような彩りが、明るい表情を醸しだす。ふわりと広がるスカートには、ベリーのように鮮やかなピンクをのせて、明るく快活な雰囲気を引き立てた。他方で、ダークカラーの装いに合わせたなめらかな質感のカーディガンなど、随所に彩りの大胆なアクセントとしてヴィヴィッドなピンクが使用されている。テーラードジャケットにフレッシュさをダブルブレストのピークドラペルジャケットは、ネイビーのベースが落ち着きを演出する一方、かっちりとした仕立てながらもややリラックス感のあるフォルム、ワイドシルエットのパンツと相まって、程よいリラックス感を演出。朧げに布地の上に乗せられたドット模様、そして袖先にのぞく裏地のピンクが、フレッシュな雰囲気を誘っている。キルティングアイテムはシックなムードにコート類にはキルティング素材が多用された。Aラインを描くロングコートや、袖先をきゅっと絞ったブルゾンなど、いずれも過剰なデザインを加えずにキルティングの素材感と端正なシルエットとを引き立てた。ミントグリーン×ホワイトの爽やかさふんわりと温かみのある素材感の生地は、ミントグリーンとホワイトの糸を使用して明るく爽やかな印象に。フード付きのロングコートには、パッチポケットを配してブルーのパイピングを。また、上品なひだを織りなしつつしっかりとした素材感を活かしてすっと広がるスカートには、裾にフリンジをあしらうことで温かみのあるアクセントに。いずれも、さりげないさじ加減のカジュアルさを効かせている。
2021年03月22日フォーサムワン(FORSOMEONE)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月19日(金)、東京・渋谷のヒカリエホールにて発表された。“優しく寄り添う”衣服2021年春夏に続き、“HUMAN NATURE 2.0”をテーマに掲げたフォーサムワン。そこには、言ってみれば主張の激しい「強い服」よりも、むしろ自然と調和するようなもの、心を支えるもの、優しいものを目指すという内面の変化があった。秋冬である今季はこの姿勢を引き継ぎ、ニットといった温かみのある素材をふんだんに取り入れた、リラックス感あるスタイルを展開した。ラフなムードで縦横にケーブルが走るベージュのニットには、スリーブやボディなどの随所にフリンジをあしらい、ラフなムードを演出。また、ニットにはほつれを施し、デニムなどのパンツにはブーツカットシルエットを採用するなど、随所に散りばめたボヘミアンな雰囲気が特徴的だ。優しく柔らかな素材感素材は概して柔らかく軽やかで、身体にストレスを与えまいとする姿勢が表れている。テーラードジャケットやステンカラーコートといった、通常はフォーマル感の強いウェアも、身体に沿った仕立てを基調とする一方で、揺れるように軽やかな素材と爽やかなホワイトを基調とした配色で、リラクシングなムードに仕上げている。グラフィックや柄のインパクトそうした心地よい衣服にも、やはり柄やパターンでインパクトを。上述のジャケットやコート、あるいはMA-1のバックには、ブラックを基調とするグラフィックを大胆にあしらって。ウィンドウペン柄も、ブルゾンの左右の身頃で互いに傾けてのせるなど、遊び心をきかせている。リズミカルなパッチワーク的構築また、ブルゾンやパンツに見るように、多数の形によってパーチワーク風に構成。ポンチョ風のカーディガンでもブラックとブラウンのパターンを組み合わせるなど、ベーシックなフォルムによってパターンのランダムな切り替えを引き立てるアイテムを展開した。穏やかな色調カラーは全体として穏やかだ。オフホワイトやブラックを基調に、ブラウン、ベージュ、そこにレッドなどをアクセントに。そうしたナチュラルな雰囲気のなかで、ジャケットのパッチやロングコートに用いたPVC素材の人工的な質感がいっそう引き立てられている。
2021年03月22日HARE(ハレ)の2021-22年秋冬コレクションが、2021年3月19日(金)デジタル形式で発表された。今シーズンは、メンズ・ウィメンズの最新コレクションに加えてサンプルを再利用したライン「re(アールイー)」の新作も交えて披露している。「共鳴」をテーマにシーズンテーマは「Resonate-共鳴-」。日々の中で感じた思いやエネルギーは、発信することで人から人へと伝わり、さらにその振動から生まれた“ズレ・ブレ”が、新しい価値を生み出す。そんな一連の流れをコンセプトに、今季は洋服づくりを進めたという。“着るアート”のようなカラフルピースコレクションでは、アートのエッセンスをデザインに落とし込み、シャープな服作りを行うHAREならではのアプローチが散見された。抽象絵画を思わずマーブル模様やグラデーションカラーなどが多用され、イエローやレッド、ピンクなどエネルギッシュなカラーで大胆に描かれている。ハイネックのニットには、インクが飛び散ったかのようなアグレッシブなモチーフがあしらわれ、ロングコートには、線画のように緻密な模様が全面に施されている。遊び心あふれる“アンバランス”なシルエットシルエットは、遊び心たっぷりのアンバランスさがポイント。ティアードスカートは、左右不均衡な長さで仕立て、さらにランダムプリーツ加工を加えることで、ポップなムードを演出している。ブラックのスラックスも、サイドに折り紙のような折り加工が施され、アシンメトリーなユニークなフォルムで登場していた。スタイリングはもっと自由に1枚でコーディネートの主役になる個性派ピースを自由気ままにレイヤードしているのも印象的だった。胸丈のムートントップスの下に厚手のニットを重ねたり、反対にムートンコートの上からニットをレイヤードしたり。今のストリートのムードを組んだ小物も、HAREらしい今っぽいスタイリングで起用され、バケットハットや激ミニサイズのショルダーバッグ、幾何学模様のもこもこファーバッグなどがラインナップしている。
2021年03月22日BiSやBiSHのアイドルプロデューサー、渡辺淳之介が手がけるネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)は、2021-22年秋冬コレクションを2021年3月18日(木)に渋谷ヒカリエにて発表した。屋外で楽しむ“レイブパーティー”今シーズンは、屋外で弾けるレイブパーティーをイメージ。ランウェイにはカラフルなライトを放つドームを設置し、フェスに向かう時のようなウインドブレーカーや、Tシャツ、パーカー、ジャージといったラフなスタイルをメインに、開放感に満ちた楽しさを表現した。現代の閉塞感を吹き飛ばすかのように、ライブで飛び跳ねる人々、自由に遊ぶ人々の楽しく賑やかな雰囲気をコレクションに投影している。愉快な着ぐるみパーカーや寝袋ドレスファーストルックには、着ぐるみのようなシルエットのヴィヴィッドなピンクのパーカーが登場。フード部分には中綿を詰め込み、ポケットには手にも持っているフィギュアを入れた愉快なルックによって、ライブならではの"ぶち上がり感"を冒頭から表現している。オールナイトパーティーに欠かせないアイテムの寝袋は、そのまま着られる“寝袋ドレス”に。中綿入りの寝袋が丸ごと身体を包み込み、着たまま歩ける仕様となっている。90年代ファッションのムード真っ赤なパーカーや緑のサスペンダーパンツ、マスタードイエローのスウェットといった原色使いのスタイルや、ジャストな丈のウォッシュドジーンズ、ややゆったりとしたパーカーの仕立て、と言った要素からは、どこか90年代ファッションの雰囲気が漂っている。グラフィックTシャツの裾はハイウエストのパンツにタックイン、首にはイエローのバンダナを巻き、足元にはエアソールのスリッパを履いてアクティブなスタイリングを提示した。ラメを配したチェック柄ジャケットや幾何学柄ブルゾンまた、きらびやかなラメを配したチェック柄ジャケットやパンツ、シャイニーなジオメトリック柄ブルゾンなど、ネオンライトを受けて光を放つウェアも目を引いた。キラキラとした光を放つブルゾンには艶やかなベルベットのパンツ、ゴールドカラーのベルト、チェーンネックレスをコーディネート。煌びやかな佇まいに、フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)とコラボレーションしたイラストTシャツで遊び心と抜け感をプラスしている。今回はざる蕎麦が登場毎回麺類が登場することでおなじみのネグレクトアダルトペイシェンツのショーだが、今回はBiSHのリンリンがざる蕎麦を持って登場。着ているのはフミト ガンリュウとコラボレーションしたTシャツだ。リンリンは2日前のフミト ガンリュウのショーに登場した時と全く同じファーの帽子とデニムを着用。まるでふらっと遊びに来たかのような佇まいで、隣で人が寝ていても気にすることなく蕎麦をすすり、フリーダムな雰囲気を演出した。
2021年03月21日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2021年秋冬コレクションが発表された。“天と地”がひっくり返ったら、洋服はどうなる?シーズンテーマは「グラウンド(GROUND)」。人が依って立つ足元=地面から連想し、“天と地”をひっくり返すというひらめきを得た。パリファッションウィークにてデジタル形式で発表したコレクションでは、このアイデアを遺憾なく発揮し、重力と質量までもが消えたような天地逆転のファッションショーを繰り広げている。ファーストルックは、等間隔に並ぶドット柄のコート。モデルはいつも通り、地面にしっかりと足をついて歩みを進める。続いて現れる2体目を一目見れば、視聴者はデザイナー森永邦彦の意図を直感的に理解するはずだ。モデルは天井のランウェイに足を支えられており、“天と地”がひっくり返った世界を生きているのだから。彼女の纏うコートの水玉模様は、コートのショルダー部分に雪崩のように寄せあつまり、襟は逆立っている。重力に逆らって生きる彼女たちの洋服にあしらわれたダイスチェックや千鳥柄、アーガイルは、どれも原型をとどめていない。洋服の裾は無地になり、柄が首もとによって、見慣れない模様を成している。洋服のディテールも本来あるべき場所から解放されていて、トレンチコートのベルトは偏り、ドレスのフリルは逆立っている。デニムやミリタリージャケットの裾はめくれ上がり、裏地があらわになった。非日常が日常に、日常が非日常になりつつある現代。フィジカルショーを開催するのが難しい状況の中で、デジタルでしかできないショーをみせてくれた森永の姿勢は、天が地になり、地が天になろうとも、ポジティブに歩みを進めることの大切さを教えてくれた気がする。サカナクション山口らが音楽を担当なお、今シーズンも音楽はサカナクション・NFの山口一郎と、同じくNFの青山翔太郎が参加。ジャック・オルフェンバックによる「天国と地獄」にサウンドエフェクトやビートを加え、クラシック音楽をアレンジすることで、今季のムードを表現した。
2021年03月21日メアグラーティア(meagratia)の2021年秋冬コレクションが発表された。“偶然性”を柔らかく取り込む“UNEXPECTED”、すなわち「予期できないこと」をテーマに掲げた、今季のメアグラーティア。染料の粒子が互いに衝突・散乱して不規則に広がる絞り染、比例の均整を破る不定形、あるいは身体と布地とがその場その時で織りなすフォルム──そうした偶然に生まれるモチーフや色調、かたちを柔らかく取り込み、表情豊かなコレクションを展開する。絞り染が生みだす表情絞り染は、たとえばシャツに取り入れて。奇を衒わないシルエットを採用することで、染めが織りなす独自の風合いと表情を引き立てた。一方でフーディには、ボディやスリーブに不定形なカットとともに配しており、ブラックの地と鮮やかな絞り染めとが互いにコントラストを織りなしている。静かに崩れる均整一方、独特のシワ感をもつブルゾンはダブル仕様で、フロントをやや斜めに傾くよう仕上げて。同じく傾いたポケットと呼応して、ブルゾンの均整を静かに崩している。袖先、フロントのボディ部分と裾部分に配したボタンも、それぞれに間隔が異なり、あたかも不協和音を──しかし繊細に──響かせるようなアクセントをもたらしている。布地と身体の緩やかな呼応シルエットは、ドロップショルダーでリラックス感のある身幅を基調とした。テーラードジャケットは、上品な光沢感をもつ素材を使用する一方でオーバーなサイズで仕立ており、身体としなやかな布地とが一体となって織りなすドレープ感が特徴的だ。一方、ノーカラーのロングシャツには、サイドのスリットを橋渡しするようにリボンを施して。また、揺らぐようなグラデーションを織りなすチェックシャツは、たっぷりとしたボリュームをもつスリーブに大胆なスリットを施し、ボタンで自在に表情を変えられるように仕上げた。袖先にはゆらりと垂れ下がるベルトを配し、布地が偶然に織りなす自在な表情を生みだしている。
2021年03月20日早いもので4月1日から2021年度が始まります。新年度は制度が始まったり、変更となったりする時期でもあります。今回は2021年4月から開始・変更となる、制度について概要をお伝えしましょう。 消費税の総額表示(税込表示)が義務化2021年4月1日から、店舗などの事業者が消費者に対しておこなう価格(値段)の表示を対象に、消費税込みの価格表示=総額表示が義務化されます。 例として、税込価格11,000円(税抜価格10,000円、消費税額1,000円)の場合、以下のような表示が可能です。税込価格が明瞭に表示されていれば、税抜価格や消費税額の併記は認められます。 【総額表示に該当する価格表示の例】11,000円11,000円(税込)11,000円(うち税1,000円)11,000円(税抜価格10,000円)11,000円(税抜価格10,000円、税1,000円)10,000円(税込11,000円) なお、以下の表示例は総額の表示がないため不適切とされます。 【総額表示に該当しない価格表示の例】10,000円(税抜)10,000円(本体価格)10,000円+税 今までは税抜表示のものも少なくなく、総額表示は一見すると高く見えてしまうかもしれませんが、実際は支払う金額が明確になります。慣れるまでは高く感じることがあるかもしれませんので、お買いものの際には、実際の価格が3月と比べて上がっているのか、消費税額を含めた金額で実質は値上がりしていないかを確認するといいでしょう。 同一労働同一賃金の中小企業にも適用2020年4月に大企業では実施されたパートタイム・有期雇用労働法の改正による同一労働同一賃金ですが、2021年4月からは中小企業にも適用されます。これにより同一の勤務先で同じ仕事をする場合の正社員と、パートタイマーや契約社員・派遣社員等の賃金や待遇の差があってはならないことになりました。また、パートタイマー・契約社員・派遣社員等が待遇差の内容などについて、事業主に説明を求めることができるようになりました。 今回のパートタイム・有期雇用労働法の改正で、すべての中小企業で同一労働同一賃金がすぐに達成されるわけではありませんが、賃金や待遇が変わる契機になる可能性があると思われます。 その他2021年4月に変更されるその他の制度や価格改定について簡単にお伝えします。 【1】三井住友銀行のコンビニATM手数料の引き上げ・引き下げ2021年4月5日から三井住友銀行の口座利用者のコンビニATM手数料が110円値上げとなります。平日8時45分~18時の間が110円から220円に、それ以外の時間帯が220円から330円となります。また、利用者の多い毎月25日・26日は値下げとなり、8時45分~18時の間が110円から0円に、それ以外の時間帯が220円から110円になります。その他の詳細な内容は三井住友銀行のホームページ等でご確認ください。 【2】自賠責保険料の値下げ新車購入時の加入や車検時に更新される自賠責保険ですが、2021年4月から適用される保険料が平均6.7%値下げとなります。実際の保険料は車種や期間によって異なります。自賠責保険は強制加入かつ国の制度のため、任意保険とは異なり保険会社によって保険料や補償内容の差はありません。 【3】教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の延長2013年4月から導入された、祖父母から子・孫名義の口座に教育資金を一括して拠出した場合の贈与税を、1500万円まで非課税とする制度が、2021年3月31日に終了する予定でしたが、2023年3月31日まで延長されることになりました。 上記以外にも、食用油やファストフード店の一部メニューの値上げや、何社か格安スマホ会社での新プランの適用が予定されています。新年度を迎えるにあたってこまごまと変更となる点もありますので、情報に対する感度を上げておくといいでしょう。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2021年03月19日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月16日(火)に発表された。オーソドックスを自由な心で再構築シーズンテーマは、「BREAKTHROUGH:正統派の崩し」。オーソドックスを崩し、壊して、自由な心で組み立て直すことで、遊び心あふれるクリエーションに仕上げている。テーラードジャケットの襟は、裏地がちらりと覗くようなアシンメトリーデザインに。ワンピースのショルダー部分には、生地をツイストさせたかのような立体ディテールを施して、ひねりの効いたシルエットへ導いている。スタイリングも臆することなく自由に“正統派を崩す”というアプローチは1つのアイテムの中だけでなく、スタイリングにも及んでいる。温かみのある素材感のチェック柄×アニマル柄ジャケットには、フラワーモチーフを施したシースルースカートをレイヤード。既存のルールに捉われない自由なスピリットで、臆することなく異素材ミックスを楽しんでいる。ふっくらとしたキルティングのスカートには、ふんわりとボリューミーなファーコートをスタイリング。マテリアルのコントラストが、森の中で心地よいそよ風を受けているかのように軽やかなムードを運んでくる。にじみ出るような自然のエネルギーカラーパレットは、オフホワイトやブラウン、グレーといった温かみのあるニュートラルカラーをベースに、こっくりとしたレッドやグリーン、ナチュラルなピンクなど。ヒロコ コシノが得意とするグラフィカルな模様や、極彩色のコンビネーションはやや控えめだ。しかしながら、内側からあふれ出てくるようなエネルギーが感じ取れるのは、自然からインスピレーションを得たモチーフを散りばめているからかもしれない。ヒョウのイラストを大胆に配したドレスや、ボタニカルパターンを刺繍したジャケットなどが目を惹いた。なお、今シーズンは、東京ファッションウィークの期間中、オンライン上でコレクションを発表。優雅なピアノの音色とともに、森の中をモデルたちが思いのままに歩いたり、踊ったり...既成概念に縛られることなく、自らのスタイルを楽しむ自由で力強い女性像を映し出しているように感じられた。
2021年03月19日スナイデル(SNIDEL)の2021年春夏コレクション1stから、新作ウェアが登場。2021年春夏の注目ウェア<ピュアレディ>をシーズンテーマに掲げた今季は、透明感あふれるカラーと、エアリーな素材を合わせた春夏らしいスタイルを提案。凛とした女性の美しさを引き立てる、“大人かわいい”ラインナップが揃う。“ストーン柄”の軽やかロングワンピース今季のムードを存分に詰め込んだのが、軽やかにプリーツが揺れるシフォン素材のロングワンピース。繊細なタッチのストーンモチーフをパネルごとに大胆にプリントしたことで、甘くなりすぎないモードな空気感をプラスしている。また顔回りを上品にみせるスタンドカラーや、ちょっぴり色っぽいバックスタイルのレースアップなど、スナイデルらしいこだわりのディテールも魅力的だ。ニット×ブラウスのレイヤードセット旬なレイヤードスタイルを気軽に楽しみたい人は、ブラウス×ニットベストのセットアイテムをチェック。存在感溢れるパワーショルダーのブラウスに合わせて、セットのベストは短丈ですっきりと。それぞれ単体使いもOKなので、あらゆるシーンで活躍してくれそうだ。カラーは、ブラック、オフホワイト、ライトグレーの全3色を用意。フェミニンなGジャンまだまだ寒暖差のある春先に向けて、軽やかに纏えるアウターも押さえておきたい。今季の注目は、くたっとしたソフトな風合いが特徴のオーバーサイズなGジャン。本来カジュアルなアイテムだが、バックスタイルにはリボンを、腰部分にはスリットを配したことで、さり気なくフェミニンなムードをプラスしている。カラーは、どんなコーデにも取り入れやすいインディゴ、ホワイトの全2色を用意した。サテンブブラウス&スカートなどそのほか新作コレクションには、抜け感のある色っぽさを演出してくれるVネックのサテンブラウスや、ティアードデザインで切り替えたサテンプリーツのスカート、“スタイルアップ”を叶えるハイウエストなフレアスカートといったアイテムがラインナップする。詳細スナイデル2021年春夏コレクション1st発売時期:2021年3月展開場所:スナイデル店舗、公式オンラインストア
2021年03月19日ビューティフルピープル(beautiful people)の2021-22年秋冬コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで2021年3月15日(月)に発表された。今季は、ブランド初のデジタルショーとフィジカルショーを融合させた特別なシーズン。先にパリ・ファッションウィークで発表されたショーと対になる形でランウェイショーが行われた。1着で2度おいしい?新しいファッションの楽しみ方テーマは「ダブルエンド=両頭使い」。太さの異なる2種のペンが1つになったダブルエンドマーカーのように、1着の洋服で複数の楽しみ方ができたなら?そんなポップなアイデアから生まれた洋服は、90度、180度、270度…とくるっと回転させたり、首や腕を通す場所を変えることによって、フォルムが劇的に変化する。袖は腕、襟元は首を通すところといった当たり前を一から壊して再構築することで、ファッションの楽しみ方を大きく広げていく。ランウェイショーでは、同じ服やアクセサリーを着用したモデルがペアで登場。多くのピースはジェンダーレスにデザインされているので、同じアイテムを男女でスタイリングしていることも。インナーやアクセサリーをチェンジするだけでなく、共通アイテムそのものが上下逆さまひっくり返って提案されるのが特徴的で、「次はどんな風に変わるのか…?」と、見る者にワクワクした気持ちをもたらしてくれる。大きな襟が特徴的なセーラーカラーのアウターが、一方ではスカーフ一体型のクラシックなアウターになっていたり、頭をすっぽり覆うウールコートのフードが、一方ではヒップラインでポンポンと揺れ動くチャーミングなデコレーションになっていたり。ケープはフィッシュテールコートに、襟はペプラムフリルに、フライトジャケットはデッキジャケットに姿を変え、中には絵柄そのもので変化しているピースも存在する。シルエットやデザインは遊び心たっぷりだが、あくまで基盤はクラシック。プレタポルテの成長と発展をものづくりのベースとしているビューティフルピープルならではの視点で、さまざまな年代のファッションデザインに焦点が当てられる。ダブルブレストのチェック柄ジャケットやパンツスーツのセットアップ、ライダースジャケット、オーバーオール、トレンチコートなど、フォーマルウェアからワークウェアまでさまざまなピースが、トレンド感あふれるシルエットや、プレイフルなディテールアレンジで、新しい装いに生まれ変わっている。上下逆さの“映像&音楽”で「ダブルエンド」を表現テーマの「ダブルエンド」を具現化した演出も、フィジカルショーならではの面白みだ。会場中央には、透明なピラミッド型のオブジェと上下対極的な逆ピラミッドが設置され、モニターを使って同じ映像を流した。ピラミッドの角度が変わると、中の映像も上下逆さに変わり「ダブルエンド」というテーマを詩的に表現する。ショー中盤からは2つの楽譜が映し出され、会場にあふれたピアノ音楽も上下逆さのメロディを奏でたという。
2021年03月18日ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)の2021年秋冬コレクションが、2021年3月15日(月)に発表された。シーズンテーマは「Like a dead pigeon」。“青春”というテーマに原点回帰今シーズン、デザイナーの吉田圭佑が向き合ったのは“若さ”というモチーフ。ここ数シーズン遠ざかってはいたが、吉田がデビュー時より追求してきたテーマでもある。改めてクリエーションの原点に立ち返り、少し大人になった自分の視点から今の若者を見つめてみると、“さえない青春時代”を送っていた自分と、先の見えない現代を生きる若者たちの姿が重なった。引き裂かれ歪んだ学校制服コレクションのベースにあるのは、ダッフルコートやベージュのカーディガン、グレーのパーカー、プリーツスカートなど、学生を彷彿とさせるアイテム。引き裂かれたようなチェック柄スカートや、首もとが歪んだようなカットソーが、現代社会を彷彿とさせる不穏なムードをもたらしている。“うつむいている”姿勢をシルエットで表現シルエットは、人が目を伏せ、うつむいている状態をイメージしたもの。「“装い”でなく“佇まい”から洋服づくりをスタートする」という吉田ならではのクリエーションだ。かっちりとしたテーラードのロングコートは背中にカッティングを施し、そこに身体を通すことによって、前かがみの姿勢を表現。ミリタリージャケットは丈の異なる2枚の生地をレイヤードすることによって、うなだれている人の姿勢を再現している。dead pigeonのグラフィックシーズンテーマにも掲げた「dead pigeon」は、グラフィックとしてコレクションに登場。パーカーやコートのフロントに大胆にあしらわれている。このモチーフは、ある日、吉田が見かけた鳩の死骸からインスピレーションを得たもの。死骸は翌日になると何ものかに攫われ、羽だけがふわりと残っていた。その情景の虚しさ、そして愛しさが、今季のテーマである青春とリンクしたという。さえない青春は“希望のメタファー”歪んだ制服、うつむいた姿勢、亡骸...若者の“さえない姿”を落とし込んだという今季のクリエーションは、額面通りに受け取れば、ネガティブなものだ。会場に並べられた紫色の学校机や、ショーミュージックに起用された雨音も、観客を暗い気分に陥れる。しかし吉田は、今季のムードは「これからの未来が明るくなっていくことを予感させる“希望のメタファー”」だと言い切る。かつての吉田がファッションに出会い“さえない自分”を克服したように、教室でうつむいている少女たちにも明るい未来が必ず訪れる。そんなポジティブな願いを込めているのだと。
2021年03月18日ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)は、2021-22年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを東京の寺田倉庫にて2021年3月14日(日)に発表した。身体を“プロテクト”する衣服ジョン ローレンス サリバンのデザイナー・柳川荒士が今季辿り着いたコンセプトは「PROTECT(プロテクト)」。ミリタリーをはじめとする“防”のディテールを拡大解釈し、バイクのモーターサイクルジャケットやワークウェア、スポーツウェア、レーシングユニフォーム、拘束具など、様々な場面における“防具”の要素が盛り込まれている。ハーネスなど拘束具を配したボンデージスタイル目に留まるのは、パンクファッションにおいても特徴的な、拘束具を用いたボンデージスタイルだ。端正なテーラードジャケットやトレンチコート、白シャツには、縦横にハーネスが張り巡らされ、規則的にベルトを並べたボンデージパンツをコーディネート。仕立てそのものは至ってオーセンティックなスーツスタイルながら、均等に並ぶハーネスやベルトがエッジィな雰囲気を生み出している。ボンデージスタイルに連動して登場した、レオパードモチーフやメッシュニットなど、パンキッシュなアイテムも目を引いた。スポーツウェアやワークウェアの“プロテクト”ディテールもさらに、チェスターコートやテーラードジャケットには、アイスホッケーのキーパーウェアから着想を得たキルティングパッドをオン。同様のキルティング地を採用したパンツは、脚の中心を走るように上下通じたジップを走らせ、複数のポケットをあしらうなどアクティブな佇まいに仕上げている。また、日射病などを防ぐ女性用ゴルフウェアのネックゲーターから派生させたマスク付きカットソーや、工事現場で働く作業員の鉄板入りシューズからイメージを膨らませた金属のシューアクセサリーなども登場。前身頃にレイヤーを施したパンツやスカートは、防護の役割を果たす「チャップス」をイメージ。スラックスの上から重ねたスカートはハイウエスト仕様で腰から膝周りまでを覆い、ミニスカートの上からカバーする「チャップス」は用途に応じて前を開閉できる仕様になっている。ひざ上まで脚をカバーするサイハイブーツもまた、防護の意味合いで用いられた。身体にフィットしたジャストなシルエットシルエットは、身体を“プロテクト”するのに適したジャストなフィット感がメインとなっている。ハイウエストのセンタープレスパンツやスカートには、陸上競技などのスポーツウェアを彷彿させるタイトなタンクトップをコーディネート。リブ編みのニットには上からコンパクトなレザーベストを重ねることでより衣服の密着度を高め、テーラードジャケットやブラウスにはサイドにフィット感を調節できるベルクロパーツを配置。どのような人が着ても作業に適したフィットに調節できる、ワークウェアのような仕様に仕上げている。東京で11年ぶりのショー、宮下貴裕がスタイリング尚、ジョン ローレンス サリバンが東京でショーを開催するのは、2010年秋冬コレクション以来11年ぶり。スタイリングをタカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)のデザイナーである宮下貴裕が手がけ、東京ならではのスペシャルなランウェイショーとなった。尚、ショー終盤に登場したオーバーサイズのサングラスは、タカヒロミヤシタザソロイスト.による新ブランド「タカヒロミヤシタザレフトアイ.(TAKAHIROMIYASHITATheLeftEye.)」の0001.モデル。柳川荒士と宮下貴裕といった2人のデザイナーのクリエーションを融合させた象徴的なルックが披露された。ラストには、タカヒロミヤシタザソロイスト.のマスクを着けた柳川が登場。粋な挨拶とともにショーを締めくくった。
2021年03月17日ラグ&ボーン(rag & bone)2021年秋コレクションが発表された。カジュアルでリラックスしたムードクリーンなセットアップやボディラインを強調するワンピースなど、エレガントなワードローブも展開された2021年春夏コレクション。今シーズンでは、そんなスタイルから一変し、ブランドを新しく印象付けるようなカジュアルでリラックスしたムードが漂うアイテムが多数散見された。ゆったりシルエットのデニムパンツ象徴的なのは、ゆったりとしたシルエット。ウィメンズからは裾が床に付くほど長いデニムパンツが、メンズからはヒップ周りが程よくワイドなデニムパンツが展開されるなど、ラグ&ボーンのアイコニックなアイテムもゆったりとしたシルエットで登場した。いずれも、ドロップショルダーのフェアアイル ニットやラグランスリーブのキルティングジャケットを合わせることで、より一層リラックスした佇まいに仕上げている。素材にこだわったアウター素材にこだわって仕立てた機能性の高いアウターが揃うのも今季の特徴だ。ダウン入りのリサイクルナイロンを用いたウィメンズコートは、分厚いニットとも合わせられるオーバーなサイズ感に。メンズのダウンジャケットには、保温性の高いシェルパ素材の襟を付けてアクセントをプラスし、デニムパンツやスリップオンタイプのスニーカーと合わせてカジュアルなムードを演出した。ローズやブルーを織り交ぜてカラーは、グレーやベージュなどベーシックカラーを基調としつつ、ウィメンズではローズやオレンジを、メンズでは明るいブルーを織り交ぜた。ブルーのシャツやパンツは、落ち着いたトーンのアイテムと合わせることで、鮮やかなカラーをより一層際立たせている。また、ワントーンで染め上げたアイテム以外にも、彩度の低い花柄のワンピースやピクセル化したカモフラージュ柄のジャケットなどが揃う。異素材ミックスのシューズもコーディネートのポイントになるシューズは、艷やかなファブリックにスエードを取り入れたスニーカーやレザーとスエードを組み合わせたブーツなどが展開された。クラシックなスニーカーにカジュアルなハイキングシューズの要素を取り入れた「レトロハイカー(Retro Hiker)」は、シューレースを緩く結ぶことで抜け感を演出するなど、スタイリングにもこだわりを見せている。
2021年03月15日リック・オウエンス(Rick Owens)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。キリストが祈りを捧げた庭「ゲッセマネ」シーズンテーマは、先に発表されたメンズコレクションと同様の「ゲッセマネ(GETHSEMANE)」。キリストが十字架刑の前夜に祈りを捧げた庭を意味する言葉だ。キリストが感じていたであろう不穏な静けさや胸騒ぎのような感覚を、解決策をただひたすらに待つだけの現代社会に重ねた。宗教的なフード付きローブや、ブリーフを組み合わせたようなエンベロップ型クラッチバッグなど、メンズコレクションとリンクするモチーフが登場している。身体を守るボディスーツリック・オウエンスがここ数シーズン、フォーカスしてきたボディスーツは、不穏な空気から自らを守り、断ち切るというメッセージを込めたもの。これまでのボリューム感のある彫刻的なフォルムから、今季はより身体を密閉するかのようなタイトシルエットへと進化している。反抗精神を象徴するパワーショルダースリムなボディスーツにレイヤードするのは、パワーショルダーのケープ。リック・オウエンスが“ブルドーザーになったような気持ちを味わえる”と称するこのパワーショルダーは、人々が脅威に直面した時の反抗的な精神を表現したものだという。怒りを連想させる引き裂かれたディテール現代社会における抑圧された怒りを表明する“引き裂かれた”ディテールも今季の特徴。聖書では、人間が身に着けている衣服を暴力的に引き裂くことは怒りを意味する。ここから着想し、テーラードジャケットは袖を引き裂き、ボリューミーなダウン素材のアームをドッキングしたデザインに。ブラックデニムのドレスにはスラッシュ加工を施し、ジャケットのショルダー部分にはシャーリングデザインをあしらい、布が引き裂かれるイメージを再現した。ヴェネツィアのビーチでプライベートショーなお、今シーズンは、15年間ショー開催を続けてきたパリから場所を移し、イタリア・ヴェネツィアにランウェイを設置。リック・オウエンスの私邸前にあるビーチにて、無観客のプライベートショーを行った。
2021年03月15日ビューティフルピープル(beautiful people)の2021年秋冬コレクションが発表された。テーマは「Side-C Vol.6 DOUBLE-END」。「ダブルエンド」がテーマ今季のクリエーションを作り上げる上で、デザイナーの熊切秀典が思いを馳せたのは、これまでの当たり前が“ひっくり返された”昨今の日常。これまでのノーマルとは何だったのか。これからのニューノーマルとは何なのか。今までのノーマルとこれからのノーマルは違うものなのか...。そんな思いを巡らせているうちに、“両頭使い”を意味する「ダブルエンド(DOUBLE-END)」というテーマが浮かんできた。上下を回転しても着用できる服熊切が取り組んだのは、「ダブルエンド」のペンのように、くるっと上下を回転させることによって、1枚で複数のシルエットを楽しめる洋服づくり。ここ数シーズン、ブランドが追及し続けている「Side-C」の概念を踏襲し、首や袖を通す場所を変えることによって、異なるフォルムやボリューム感が生まれるような仕立てを考案している。エポレットが付いたミリタリーなケープ風アウターは、上下を入れ替えることで、シルエットが劇的に変化。フリルの襟とフィッシュテールがエレガントなシルエットを描く、ロングコートへと変貌を遂げている。世界地図柄のモノトーンブランケットは、「地球を再びひっくり返えす」という願望が込められたピース。北半球を上にすればガウン風に、南半球を上にすれば躍動感のあるバックスタイルを楽しむことができる。グスタヴ・ヴァーベックが描いた“だまし絵”モチーフのトップスも。どちらを上にするかによって「大きなナマズを捕らえている人」にも「巨大な鳥に捕らわれている人」にも捉えることができるトロンプルイユを、ニットで表現している。洋服を纏う人に解釈を委ねる、ウィットに富んだデザインだ。パリ・ファッションウィークで披露なお、ビューティフルピープル 2021年秋冬コレクションは、パリ・ファッションウィークにて、デジタルショー形式で披露された。手洗いをする際に鏡を見る機会が増えている社会的背景から、鏡をヒントにしたムービーを制作した。「日常の自分」と「自己陶酔する鏡の中の自分」を対極的に描き、“鏡の中の自分は本当の自分なのか?”という問いを投げかけている。
2021年03月15日パコ ラバンヌ(Paco Rabanne)の2021年秋冬コレクションが発表された。艶やかなる“光”の饗宴光が散乱し、煌めきがほとばしる饗宴──“喜び”の探求を試みようとした今季のパコ ラバンヌは、艶やかなファブリックが織りなす優美なシルエットを基調に、きらびやかな装飾をふんだんに散りばめる。艶やかな素材感ときらびやかな装飾ぬらりと光沢を放つドレスは、身体に張り付くようにしなやかであり、ほどよくボリュームを持たせたスリーブが艶やかなドレープをかたち作る。多彩なジェムを織り交ぜたメタリックな装飾も、袖や裾などにあしらわれ、テキスタイルにのせたスネーク柄と交わりつつラグジュアリーな気分を高めている。眩いばかりに煌めきを放つ装飾は単にドレスなどを飾るのみならず、それ自体アクセサリーである以上に、いわばウェアすらを構築している。パールやストーンをふんだんに散りばめ、多彩な形と流麗な曲線を描くメタルパーツを執拗なまでに組み合わせたトップス風の装飾は、ほとんど退廃的なまでな高貴さを漂わせる。身体のラインを艶やかに引き立てる身体のシルエットは力強く肯定されているようだ。艶やかなシルエットを描くドレスはもちろんのこと、ベルベットのカーディガンは、タイトなサイズ感で仕上げられた。フロントに緻密に並んだボタンはいぶし銀のように鈍い光沢を放つとともに、控えめなギャザーを寄せ、その表情はエレガントだ。首元や袖先から覗くブラウスのフリルも、クラシカルなムードを引き立てている。重厚なコートにはフェイクファーをあしらって波打つようなフリルや刺繍をあしらったブラウスやワンピースにも見るように、テイストは甘く優雅で、クラシカル。他方で、ツイードやチェック柄のミディコートは、ボックスシルエットで重厚な雰囲気を漂わせつつも、大胆なフェイクファーでラグジュアリーなアクセントと色彩を加えた。
2021年03月15日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。ダイナミックなフォルム豊かなボリュームにダイナミックな動きを与えるフォルムが特徴的な、今季のアクネ ストゥディオズ。シェイプさせたワンピースは身体のラインに沿ってエレガントな曲線を描くも、スリーブはボリューミーに。大胆なシルエットの対比を示す一方、波打つようなギャザーで表情に変化をつけている。また、ショルダー部分をオーバーなサイズへと変調させたドレスは、アシンメトリックに片方の肩をはだけて身に纏うことで、動きのあるフォルムを生みだす。タイトなボディ部分との対比、布地の絶妙な歪みも、ここでは生気にあふれた表情を醸しだすことに寄与している。ベルトが引き締めるシルエットボリュームあるサイズ感をコントロールするひとつの方法がウエストベルトだ。フラワープリントを施したラップコートは、ゆったりとしたボリュームをウエストベルトで引き締める。他方で、スカートには深いスリットを施して、軽やかな息吹を吹き込むことも忘れてはいない。動きに満ちたドレープテキスタイルが織りなすボリュームをもっとしなやかに、流麗なかたちとして留めるものがドレープだろう。燃えるような赤色で彩られた花柄のワンピースは、たっぷりと布の分量をとったトップの重さ、袖先にかけて広がるスリーブ、そしてスリット上に寄せたギャザーによって、ダイナミックなフォルムを生みだしている。また、さらりと身体を覆うシアー素材のトップスは、柔らかく優雅なドレープを描いている。時の変化を受けたような素材感素材感は時の変化を経たような質感を基調としている。ロングジレやトレンチコート、ジャケットに採用したレザーには擦り加工を施し、経年変化を受けたような味わい深い風合いに。また、パジャマやワンピースは、ピンクや水色の褪せたような色みと相まって、長年使い込んだタオルすら彷彿とさせる、懐かしいムードを漂わせた。穏やかな色彩からブラック/ホワイトへ色彩は柔らかく穏やかだ。繊細なベージュに始まり、深みのあるブラウン、時折り差し込まれるレッド、そしてコントラストの効いたホワイトとブラック。また、量感とドレープの表情豊かなワンピースやゆったりとしたコートなどには、優雅な、あるいは溌剌とした花柄をふんだんに咲かせている。
2021年03月14日マルニ(MARNI)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。“パワフル”なロマンス今季のクリエーションについて、「ロマンチックな愛の歌を奏でるように、そしてラブレターを書くかのようにクリエイションした」と語るクリエイティブ・ディレクターのフランチェスコ・リッソ。彼が思いを馳せたのは“現代のロマン主義”だ。社会的規範や合理性に対する反骨として生まれたロマン主義を現代的な視点から見つめ直し、“パワフル”なものであると定義づけた。あふれ出るビビッドな色彩今シーズンは、そんな“パワフル”なロマンスを色やフォルムで追及したもの。コレクションを彩るカラーは、鮮やかでエネルギッシュ。フランチェスコ自身が“ロマンスの色”と呼ぶブラックに、レッドやブルー、パープルといったビビッドなカラーをのせた。漆黒のラッフルドレスやフリルシャツから溢れ出るように、鮮やかな色彩がにじむ。フリルやダーツでボリューム感を追求シルエットは、ダーツやフリルで独特のボリューム感を演出。フランチェスコ曰く“愛のこもったレンズ”を通すことで、オーセンティックなウェアを変形させている。シャツワンピースはウエスト部分にダーツを施すことでまるでコルセットのようなフォルムに。ロングスカートは生地を贅沢に使用し、フリルを幾重にも重ねることでふんわりとしたシルエットに仕上げた。アウター&バッグはビッグサイズ秋冬の主役であるアウター類も、とにかくボリューミー。キルティングジャケットは、まるで羽毛布団をかぶっているかのようにユニークなフォルムを描きだしている。バッグも“愛のこもったレンズ”を通すと、とびきりビッグサイズに。ボトムスを覆い隠すほど大きなハンドバッグが、コレクションに遊び心を添えた。
2021年03月14日クロエ(Chloé)の2021年秋冬コレクションが発表された。ガブリエラ・ハーストによる初シーズン今シーズン、メゾンの舵を取るのは、新クリエイティブディレクターのガブリエラ・ハーストだ。ナターシャ・ラムゼイ=レヴィからバトンを受け継ぎ、彼女にとっての初コレクションを展開する。温かみのあるマルチストライプニットひと際目を惹いたのが、ウルグアイ出身という彼女のバックグラウンドを想起させるマルチストライプのニット。フリンジのついたニット&ダウンウェアをドッキングしたポンチョ“パフチョ”や、身体のラインにそっと寄り添うようなニットドレスのストライプ柄が、エキゾチックで温かみのあるムードを醸し出している。大理石や昆虫など自然からインスパイア自然からインスピレーションを得たディテールもポイント。ダウンジャケットのパッチワークやロングドレスにあしわられたグラフィカルな模様は、大理石をモチーフにしたもの。ガブリエラのホームタウンであるニューヨークの工芸技術から着想を得ている。セーターやスカーフに配したインターシャ編みのバタフライには、昆虫の集団絶滅に対して警鐘を鳴らすメッセージを込めた。創業者にオマージュを捧げたスカラップディテールクロエ創業者ギャビー・アギョンの生誕100周年というアニバーサリーイヤーでもある今季。ガブリエラは創業者へオマージュも捧げている。レザードレスやジョーゼットブラウスに施したスカラップディテールがそれで、ギャビーが1960年のショーで発表したコットンピケドレスから着想した。バッグは「Edith」が主役バッグは、ステッチが特徴的な「Edith」コレクションが主役。「Edith」は、ガブリエラが初めて手にしたラグジュアリーブランドのバッグであり、思い出の品だという。新作は「Edith」のディテールを忠実に再現しつつも、リサイクルカシミヤやリサイクルジャカードを採用してアップデートしたもの。ミニバッグやトートバッグ、ドクターズバッグなど、様々なシルエットで展開される。中には「Edith」のビンテージバッグに、コレクションで残った素材を装飾することで、アップサイクルしたものもある。
2021年03月14日ニナ リッチ(NINA RICCI)の2021年秋冬コレクションが発表された。洗練されたジャケットスタイル目が覚めるように鮮やかな色彩、そしてすっきりと縦のラインを強調するシルエット。ピークドラペルのテーラードジャケットは、重厚なダブルブレストの仕立てを基調にしつつ、長めの着丈をウエストでシェイプさせて洗練された佇まいに仕上げている。また、ライムイエローのジャケットはこれと似たシルエットながらも、フロントのファスナーやパッチポケットでカジュアルなムードを漂わせた。ミニマルかつヴィヴィッドなワンピースまた、ハイネックでミニ丈に仕上げたワンピースは、ノースリーブでコンパクトな表情に。ほどよいAラインの裾部分は、布地を内側に折りこむように重ね、ふんわりと立体的なフォルムを引き立てた。ミニマルな表情ながらも、ヴィヴィッドな色彩と相まって快活な印象だ。ゆったりと身体を包み込む他方で、細かなチェック柄や大胆な千鳥格子をのせたダッフルコート、ヘリンボーンのツイードなどの多彩な素材で展開されたポンチョは、ぽってりと身体を包み込むようなフォルムに。ボリュームのある生地が肩からすとんと落ち、トップとボトムでコントラストの効いたシルエットでまとめられている。タイト/ルーズの戯れタイト/ルーズの両極に揺れるような今季のコレクションで、空を駆ける鳩の形に縁取ったプリントを施したシャツ風ポンチョは象徴的だ。ゆったりとしたボディのフロントには、ヴィヴィッドかつタイトなジャケットスタイルのイメージをのせることで、身体のラインと衣服のシルエットの戯れを、幾分かの遊び心でもって可視化している。多彩な色みと素材感カラーは、ブラックやベージュといったニュートラルカラーはもちろん、ダスティピンクやグリーン、ライムイエロー、スカイブルー、ピンクなど、鮮やかで幅広い。素材も多彩だ。温かみのあるツイードは、アウターだけでなく細身で仕上げたパンツにも用いている。また、ワークテイストのブルゾンなどには鈍く光沢を放つ生地を。ポケットを随所にあしらったパンツやファー付きのコートには、透け感のある素材を採用した。また、ハットは、つばなしのすっきりしたフォルムでアレンジ。ホワイトやブラックに加え、ブルーやオレンジ、グリーン、スカイブルーといった多彩な色彩で、縦のラインを引き立てている。
2021年03月14日ジェンダーやサステナブルに着目したイベント『渋谷デザイナーズマーケット』と『SHIBUYA SLOW STREAM』が、2021年3月20日(土)〜2021年3月21日(日)の2日間で開催されます。今年も開催!「渋谷デザイナーズマーケット」渋谷の明治通りとキャットストリートの交差地点にある『渋谷キャスト』では、定期的に『渋谷デザイナーズマーケット』が開催されています。今回は『渋谷ファッションウイーク』の一環として、「自己表現としてのファッション」に触れられる企画が用意されているそうです。屋外のガーデンでは、参加しているクリエイターの個性が光るアパレルやファッション雑貨が並ぶマーケットが。また、2020年末にも人気だったQRコード決済式の『ピピットガチャ』を使い、クリエイターのイラストなどが当たる『クリエイターガチャ』も開催!今回は、自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ『She is』が企画した『書いたら、出会うかも。文通ガチャ by She is』が登場します。ここでしか得られないガチャ、ぜひ試してみてくださいね!また、施設屋内では、『MHM(Menstrual Hygiene Management:月経衛生対処)』に取り組む一般社団法人ニュービーによるワークショップや、トークセッションも開催されます。日々の生理やジェンダーに関する悩みが楽になるセッションが用意されているので、気になる方はぜひ参加してみては。【イベント情報】『渋谷デザイナーズマーケット』日時:2021年3月20日(土)ガーデン 12:00〜18:30/スペース 10:30〜18:302021年3月21日(日)ガーデン 12:00〜18:00/スペース 10:30〜18:00場所:渋谷キャストガーデン出店予定者:網の店おおやま/EPICHOLIDAE/kubomi/sakumotto/She is/SHIBUYA FAMILY SALE by SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL/norahi/per./BOOK TRUCK/FLOWER RIBBON SHOP/hokuri/little my daughter ほか※本企画は渋谷ファッションウイークが参画する東京クリエイティブサロンの一環として開催屋外イベント「SHIBUYA SLOW STREAM」2020年11月にスタートした『SHIBUYA SLOW STREAM』は、この時期にも参加しやすい屋外イベント。今回は「良いモノを引き継ぐ」ための新企画として『Take Over Market(テイクオーバー・マーケット)』が登場します。人気ブランドのアパレルやファッションアイテムのサンプル品など、普段では手に入らないレアなアイテムが集結!さらにプロのスタイリストがその場でセレクトするという、ファッション好きにはたまらない企画です。(※渋谷デザイナーズマーケットでも一部出店予定)ファッション業界の過剰在庫など環境への問題に取り組む『SHIBUYA FAMILY SALE by SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL』や、『KISS, TOKYO』など、注目のプロジェクトが出店予定です!【イベント情報】『SHIBUYA SLOW STREAM』2021年3月20日(土)12:00〜19:00/21日(日)12:00〜19:00出店予定者:【アパレル】Aloye/THE CHARLIE TOKYO &; LIVRER YOKOHAMA/SHIBUYA FAMILY SALE by SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL/シルバーゼラチン/netuii/yee/ハレル × もろはし たくみ【ジュエリー】blue bloom vintage/Hiyou.+Motoki Ueno+ヨシムラ サトシ/maitoparta【コスメ】LISARCH【ファッション雑貨】Anemoi/OLD-FASHIONED STORE/SIWA|紙和/+10・テンモア/Nukeme/NoL/MIN BAGGAGE【革小物・革靴】CALDO...TOKYO JAPAN/NAOT JAPAN/niuhans werkstatt/nejicommu【生活雑貨】KISS, TOKYO/Sophie et Chocolat/TALKY/PEOPLEAP/槇田商店ほか※本企画は渋谷ファッションウイークが参画する東京クリエイティブサロンの一環として開催出店予定者は、変更となる可能性があります※荒天(大雨、強風)や感染症の拡大など止むを得ない事態が発生した場合は、開催時間や場所の変更、イベント自体の中止の可能性があります。変更や中止の際には、各SNSにて掲載いたします楽しいだけじゃない、素敵な物や、インフォメーションに出合えるイベントです。ぜひファッションやサステナブルに関心のある方はチェックしてみてください。【参考】【3/20〜3/21】「ジェンダー」「サステナブル」を切り口に、自己表現としてのファッションを楽しむマーケットイベントを渋谷で開催- PR TIMES©︎株式会社Camp文/RKRK
2021年03月14日クレージュ(courrèges)の2021年秋冬コレクションが発表された。若き日のアンドレ・クレージュにオマージュ今シーズンは、新アーティスティック・ディレクターに就任したニコラス・デ・フェリーチェによる初コレクション。彼は、バレンシアガ(BALENCIAGA)、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ディオール(DIOR)など、名だたるメゾンで経験を積んだ人物である。ファーストコレクションのテーマに掲げたのは「I can feel your heartbeat」。メゾンの人気に火が付き始めた1960年代から70年代にかけてのコードをモダンにアレンジすることで、創業者アンドレ・クレージュにオマージュを捧げている。ミニ・ルックやパンタロンルックを現代にファーストルックは、チェック柄のビッグコートから。これは、アンドレ・クレージュが1963年に発表したアーカイブ柄を再現したものだという。ランウェイに多数登場したミニスカートやフレアシルエットのパンツが、60年代に爆発的なブームを巻き起こした「ミニ・ルック」や「パンタロンルック」からインスパイアされているのも明解だ。“カットアウト”から着想1969年にメゾンが発表したカットアウトのテーマから着想し、ウエスト部分を大胆にくり抜いたミニワンピースや、ショルダー部分に複数のカッティングを施したトップスも登場。これらは、ニコラス・デ・フェリーチェが青春を過ごしたベルギーのクラブシーンからインスピレーションを得たものでもある。幾何学的なシルエットの追求ショー終盤に現れたのは、「サークル&スクエア」シルエットのジャンプスーツや、スクエアカットのキャミソールなど。若き日のアンドレ・クレージュによるクリエーションに習い、幾何学的な構造を追求している。
2021年03月13日ポール・スミス(Paul Smith)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。クラシックに交わる“サブカルチャー”の記憶メンズコレクションと同様、ポール・スミス自身のデザインに影響を与えてきた“サブカルチャー”を着想源とした、今季のウィメンズコレクション。クラシックなスタイルを基調に、華やかなサブカルチャーの記憶を織り交ぜてゆく。ベースにあるのは、あくまで格調高いベーシックなアイテムの数々。ゆったりとしたシルエットのステンカラーコートや、裾にかけてシャープに広がるオペラタキシードをアレンジしたロングコートに加え、4つボタンのクラシカルな表情のジャケットは、力強いゴールドのほか、シックな表情で仕上げたチェック柄なども揃えた。テーラードジャケットやボタンを密に並べたブルゾンなどは、身体に心地よくフィットする端正なフォルムである一方、セットアップのパンツはワイドで、トップスと鮮やかにシルエットのコントラストをなす。上品な生地感ながらも、裾にかけてすっと広がりアンクル丈でカットされて、軽やかな風を吹き込んでいる。端正なウェアを彩るのは、ペイズリーをはじめとする華やかな柄だ。ミニマルなフォルムに仕上げたドレスやセーター、パンツなどには、艶やかなペイズリーをのせて。また、ブランドを表徴するフラワーモチーフも、レトロに図案化してワンピースやプルオーバーに用いたり、レザーに3Dプリントで施してコートに採用するなど、多彩に変奏された。
2021年03月13日オーラリー(AURALEE)の2021年秋冬コレクションが発表された。穏やかにして凜とした佇まい穏やかで気負わず、それでいて凜とした佇まい。ベージュやブラウンのステンカラーコート、身体のラインにすっと寄り添うようなチェスターコートやテーラードジャケットなど、いずれも繊細な色味と柔らかな素材感とが、洗練されたシルエットとともに軽快なハーモニーを奏でるようだ。柔らかな素材感と洗練されたシルエット起毛感のある柔らかな素材は、鮮やかな色彩に彩られたカーディガンやリラックス感を漂わせるプルオーバー、ブルゾンなどにもちろん用いられているが、レギンスやパンツにも取り入れられた。すっきりとしたレギンスのフォルムがニット素材の温かみと緩やかなコントラストを織りなし、着こなしにも変化をもたらしている。ジャケットはリラクシングにテーラードジャケットは、ほどよくゆったりとしたサイズに仕立て、あくまでリラックス感を漂わせて。柔らかな質感でカーディガンのようにラフにまとうことができるジャケットのほか、トラッド感あるダークカラーのチェックのセットアップも登場した。穏やかな色調に響く鮮やかさカラーは、柔らかなライトベージュや落ち着きのあるブラウンを基調に。そのなかで、ニットを彩るターコイズやライムイエロー、レンガのようなオレンジなど、鮮やかな色彩が穏やかな色調に心地よいアクセントをもたらしている。
2021年03月13日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。切れ目を入れる、その鮮やかさ今季のヴァレンティノは、布地を切り裂くそのようにエレガントな身振りでもって、鮮烈なスタイルを提示する。ピーコートやダブルブレストジャケットはスリーブを廃し、サイドに大胆なスリットを入れることで、ケープのように下方に向かって流麗なラインを描いている。シルエットのコントラストまた、フロントに大胆なスリットを入れたプルオーバー仕様のボレロは、裾にかけて緩やかに広がり、対してボトムスのフレアスカートはショートな丈感。重厚なトップと相まって、全体としてコントラストの効いたシルエットを生んだ。足元のロングブーツもまた、トップとボトムのシルエットの対比をいっそう引き立てている。“隠す/見せる”の波打ち際鮮烈かつエレガントな身振りでもってカンヴァスに入れられた裂け目が、底にその向こう側を垣間見せるように、ヴァレンティノにおいても、布地の下に覗くウェアや素肌が主題化されている。ロングコートは生地感こそ重厚でありながらも、網目状に施したホールが軽やかに着こなしの奥行きを生みだす。また、ニットは全体にダイヤモンド型のスリットを入れ、下に重ねたシャツのホワイトのみならず、時に素肌をも覗かせる。素肌を垣間見せることは、エレガントなドレスに引き継がれる。網目状の模様と花柄とを組み合わせたドレスは、その間隙から大胆に素肌を覗かせる。あるいはシアー素材を用いたものは、布地が覆う身体を透かして見せてやまない。長く流麗なスカート、優雅にひだをなす裾は風に身を任せて、身体を覆いつつも布地自身はむしろ自由に、優美に揺らめいている。ブラック/ホワイトのドラマティックな対比鮮烈なコントラストは、モチーフや色彩でも表現される。ミニ丈のワンピースは、タイトかつミニマルな仕立てながらも、フロントには繊細な刺繍とフリルによる装飾を施して。カラーは、コントラストをドラマティックに引き立てるかのように、彩りを飛ばしてブラック/ホワイトの両極が基調。重厚なロングコートには、白と黒を菱形のチェックでのせ、ピーコートにはホワイトを基調に端正なブラックラインで格子柄を描くなど、直線的なモチーフでトーンの対比を強調している。
2021年03月13日フェンディ(FENDI) 2021年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。 新アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズが手掛ける、初のレディ・トゥ・ウェアコレクションとなる。フェンディ家の5人姉妹が愛したワードローブ2021年春現在、ディオール(DIOR)のメンズ アーティスティックディレクターも兼任するキム・ジョーンズのファーストシーズン。長い長い歴史を紡いできたフェンディのルーツを紐解く最初の“鍵”となったのは、フェンディ家5人姉妹が愛したワードローブである。モダンなアレンジを加えてウォッシュ加工を施したミンクのベルスリーブとボンディングのスエードコート、 シルクのような艶が特徴のシャツ、 完璧に均整の取れたウールのテーラリングによるピンストライプの仕事着…。彼女たちのレガシーが宿るこうしたピースの数々は、メゾンならではのイタリアンエレガンスと高いクラフトマンシップはそのままに、モダンなカットやディテールでアップデートさせているのが特徴だ。例えばシャツの丈は、胸下の位置で大胆にカット。ややマニッシュなロングコートと合わせたストライプ柄のシャツは、素足のショートパンツと合わせることで、これまでにないフレッシュなムードをプラスさせている。メゾンと深い関係性のあるミンクのコートは、まるで“しっぽ”のようにフサフサと揺れる、ボリューミーなフリンジを飾って。ベージュやカーキ、キャメルといったオーセンティックな色合いの中で、こっそりとユーモアをプラスした、大人の遊び心を感じさせる。亡きカール・ラガーフェルドへのオマージュもまた今季は、近年までフェンディのバトンを繋いできた、才能高きデザイナーたちへのオマージュも詰め込まれたようだ。黒のムートンジャケットやストッキングを飾るのは、今は亡きカール・ラガーフェルドが手掛けた「カーリグラフィ」モノグラム。前任のシルヴィア・フェンディによる実用的なシャツジャケットは、温かなシアリングを重ねることでラグジュアリーなピースとして昇華させている。新たな風が吹き抜ける一方で、ランジェリー風ニット×マニッシュなジャケットスタイルなど、キムが得意とするストリートなテイストをはじめ、 彼が手がけたクチュールコレクションの繊細なオーガンザ刺しゅうも登場するなど、コレクション全体には確かな新しい風も吹き抜けている。アクセサリーには、クラッチのフレームに「FENDI」モノグラムを斜めにあしらった「フェンディ ファースト」に加え、「フェンディ ウェイ」トートや、 ショルダーバッグ「フェンディ タッチ」など、バリエーション豊富な新作バッグも次々と姿を現した。
2021年03月12日エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2021年秋冬コレクションが発表された。シーズンテーマは「明るい冬へ」。リゾート地のポジティブなムードを反映エミリオ・プッチといえば、最初のブティックをカプリ島にオープンするなどサマーリゾートのイメージが強いブランド。しかしながら、世界中を駆け巡るアクティブな人物として知られている創設者エミリオ・プッチがキャリアをスタートさせたのは、実はスイスのスキーリゾートである。今季は、そんな風に季節を問わずポジティブなクリエーションを届けようとした彼のスピリットにオマージュを捧げたものだ。インスピレーション源になったのは、フランス南部のビーチリゾート・サントロペから、スイスのスキーリゾート・サンモリッツまで、リゾート地に流れている喜びに満ちたムード。ダークトーンになりがちな秋冬シーズンでありながら、オレンジやイエロー、グリーンなどの鮮やかなカラーや、純白のスノーを彷彿とさせるホワイトなどを織り交ぜて、晴れ渡るように明るいクリエーションに仕上げている。ボディスーツ&タイツで軽やかなルックに印象的なアイテムは、スキージャンプの競技用スーツを彷彿とさせるフード付きボディスーツ。これに、ボリューミーなキルティングボンバージャケットや、ロング丈のダブルフェイスコートを重ねるスタイルを提案している。2アイテムのレイヤードながら奥行きのあるルックを演出できるのは、エミリオ・プッチのアーカイブから着想したグラフィカルなパターンだからこそ成せる技だ。レッグラインを露にするタイツも特徴的。時にはミニ丈ワンピースやショートパンツの下に差し込んで、時にはクリスタル&フェザーで装飾したシアーなドレスからちらりと覗かせて、秋冬のルックとは思えぬほど、全身のバランスを軽やかに仕上げている。
2021年03月11日