ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。どんな時でも人気のブラックスタイルをご紹介します。個性的なトップスで爽やかにブラックだけを着るときに注意したいのは、重苦しくならないことですよね。こちらは部分的に肌の露出をすることで、夏でも暑苦しく見えない、比較的爽やかにも見えるスタイルになっています。夏は足首を見せるように着ると、全体のバランスがとりやすくなりますよ。ヘソ出しルックで今っぽくビーガンレザーのズボンをメインに、合わせてブラックのTシャツをチョイス。ヘソ出しルックにすることで、こちらも重くならないように、バランスをとっています。小物まで徹底してブラックに!こちら完璧なブラックスタイル。重く感じるかなと思いきや、レースの透け感あるスカートが全体を軽やかにしてくれているよう。ちょっとしたイベントなどにはちょうどいい、上品でシックなスタイルです。オーバーサイズで緩くお洒落に休日スタイルのような緩い印象が魅力的なこちら、ブラックではなくダークな紺ですが、バランスのサンプルとして紹介します。暗いカラーに明るめのシャツと彼女のブロンドヘアがバランスが取れていて、だらしない印象になりません。今すぐ真似したい大人可愛いスタイル!とにかく素材違いで重ね着!こちらの左側のブラックスタイルは、もう暑いのか寒いのかよくわかりませんが、そんなスタイルでもなんだかアリなんですね!ダウンベストに合わせたレースのブラトップスとレーススカート、そして高めの位置で結んだヘアスタイル全てが、小悪魔的な印象を演出してくれています。いかがでしたでしょうか?私個人もブラックスタイルはよくするのですが、上記スナップは参考になる点も多いので、ぜひ春夏にダーク系で合わせるときは、参考にしてみてくださいね。写真 平野秀美
2023年05月07日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、最近目を引くミニスカートの着こなしスナップをご紹介いたします。長身を生かしたかっこよさ!ジュリー・ペリパスJulie Pelipasジュリー・ペリパスは、ウクライナ人のスタイリスト、Vogue Ukraineのファッション・ディレクターであり、No More Plastic Foundationのアンバサダーでもあります。いつもクールで笑顔が少ない彼女ですが、そのかっこいい彼女らしいスタイルが大人気。長身を生かしたファッションが多く、元々脚が長いのに、さらに脚が長く見えるニーハイブーツに超ミニスカートをチョイス。腰の位置がありえない場所にあります!@juliepelipasカラフルファッションがお得意なエミリー・シンドレフ Emili Sindlevエミリー・シンドレフのファッションは、カラフルでとっても個性的。彼女はミニスカート好きでもあります。鍛えられたボディを隠さず見せてくれるあたりも、彼女らしい大胆さが際立っています。明るい色のミニスカートでさらに目立たせて!@emilisindlevシンプルなスカートもコーディネイト次第こちらミニスカートではない可能性もあるのですが、スラリと高身長の彼女の膝上スカートスタイル。シンプルなタイトブラックスカートに、シャツとニーハイがばっちり決まっています。超ミニスカートで大胆に大胆すぎるほどの超タイトなミニスカート。真似するには勇気がいりますが、ここまで大胆に見えるのは、ミニスカートとアンクルブーツのバランスもあるかも!?ストッキングにミニスカートは反則級に可愛い肌色が透けて見える黒ストッキングでセクシーに着こなしているのがこちら。脚が長いからできるアンクルブーツとの組み合わせもかっこいい。ジャケットでクールに全体をカバーしているのが今どきっぽい!?年齢に関係なく着こなすミニスカートがかっこいい!ミニスカートは若い時だけのスタイルと思われがちですが、そんなことありません!こちらの女性もレザー風のミニスカートをクールに着こなしています。厚底シューズとモノクロジャケットがヘアスタイルとカラーと合っていて全体的に真似したいかっこよさ!いかがでしたでしょうか?ミニスカートは着こなし次第で、セクシーというよりカッコよく着こなせるんですね!全体的に言えるのは、ほとんどがブラックをチョイスしていること。ミニスカートが目立ちすぎないように、色を抑えているのかもしれませんね。写真 平野秀美
2023年05月06日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第141回は、出会いを探していて「イヤだと思った要注意男性」をご紹介します。1.結婚に対する価値が低い男【結婚引き寄せ隊】vol. 141いろいろな出会いを探していると、普段は敬遠するようなタイプとも、うっかり遭遇してしまうことがあります。恋活や婚活をしている女性が、「こんな男はイヤ!」とNGを出した男性のひとりめは、こんなタイプでした。相手の浮気が原因で真剣交際をしていた彼と別れたというAさん。しばらくしんどい日々を送っていましたが、半年ほど経つとやっと心の傷が癒えて、「次はただの恋愛ではなく、ちゃんと結婚を見据えた付き合いがしたい」と考え、婚活することにしました。さっそく多くの男性と知り合うことができる婚活パーティへ参加。同世代で爽やかな男性と、意気投合したそうです。パーティのあと、ふたりでお茶をすることになり、知り合った男性とじっくり会話することに。知り合うきっかけも「婚活」と銘打っていたパーティだったので、もちろん相手の男性も結婚願望が強いと思っていた、Aさんでしたが…。「結婚したら、人生終わりでしょ」と、男性から言われたのだとか。婚活と言っても、なかには恋活目当てや、遊び目的の男性も稀にいるという現実を知らなかったAさんは、衝撃を受けました。男性の両親の仲が悪く、結婚に対して良い印象を持たないで育ったらしく、そのパーティには友達に誘われてしぶしぶ参加したことが判明。家庭環境において、結婚に対する価値が低くなってしまった場合、なかなか考えを変えることは難しいかもしれませんよね。Aさんは動揺しながらも、なんとかその場を乗り切ったものの、当分ひとりでいい、としばらくシングルライフをエンジョイすることにしたそうです。2.元カノへの復讐に燃える男多趣味で男女ともに知り合いが多いBさんは、いつも明るくて、親しみやすいキャラクターの持ち主。ですが、恋愛経験は少なく、知り合いは増えるものの、そこからさらに親密な関係の男性を作るのはニガテなようでした。ずっとシングルだったBさんでしたが、あるとき、知り合いのひとりから「ちょうど良い男性が彼女を欲しがっている」と、男性を紹介されて会うことに。緊張しながらも、知り合いの引き合わせで食事に行ったBさんは、常にやさしく接してくれる相手の男性を気に入りました。まわりからのすすめもあって連絡先を交換し、その後、ふたりでデートすることになったそうです。当日、その男性が考えてきたというデートプランに沿って、女性に人気のスイーツがあるカフェや、大きな公園などへ出向いたそうですが…。「なんかずっとキョロキョロしてるんですよ」とBさん。どの場所に行っても男性が常にまわりを見て、ぶつぶつ言っていたとかで、思い切ってどうしたのか聞いてみたら、なんとそれらは元カノとよくデートしていた場所だそうで。偶然元カノに会ったら、いまは新しい彼女もできて幸せだということを、見せつけてやりたいと、それまでのやさしい表情とは打って変わった怖い感じで言われたのだとか。いやあ、元カノに振られた復讐心だけで、紹介されて付き合わされたBさんの立場って、なんなんでしょう。さすがにBさん本人も、二度とその男性とは連絡を取っていないそうです。3.SNSでグチを吐く男恋活をしていたCさんは、なかなかの面食い女性。恋活パーティなどにも足を運んで、それなりに声はかかるそうですが、本人がOKできるようなカッコいい男性とはなかなか巡り会わないらしく、不本意ながらシングル歴を更新していたそうです。でもあるとき、顔を出した合コンに、Cさん好みのイケメンがいました。ひと目見るなり、その男性が気に入ったCさんは、自らその男性のいるテーブルへ行って、その場にいた参加者の男女と盛り上がったのだとか。その積極性もあってか、イケメン男性とイイ感じになり、さらには「けっこう好きなタイプだよ」などと甘い言葉を囁かれたらしく、舞い上がっていたCさん。すっかりイケメン男性に夢中になったようでした。知り合ったばかりとはいえ、その男性とさらに仲良くなりたいCさんは、直接聞いたわけではないものの、彼の名前でSNSを検索して調べたところ…彼のTwitterを発見。名字はなく下の名前だけだったものの、表示されている写真はどう見ても彼の顔。さらにはフォロワーもその日同じ場にいた彼の友達のようで、彼に間違いなさそうです。発見した喜びも束の間、彼がつぶやいていたのは、なんと会社のグチか、誰かの悪口ばかり。Cさんは彼の本性を見てしまったようで、一気にテンションが下がってしまいました。いくら顔が好みでも、中身がこれではね、とさすがにそれきりとなったそうです。出会いを探していると、思わぬ展開があるときもありますよね。でも、こちらから「NG」を突きつけたくなるような男性には、近づかないに越したことはありません。みなさんが理想の男性とうまくいきますように!文・かわむらあみり©fizkes/Getty Images©Vasyl Hubar/Getty Images©fizkes/Getty Images文・かわむらあみり
2023年05月05日大人気キャラクター「おぱんちゅうさぎ」の期間限定コラボカフェ「おぱんちゅ食堂」が、ルミネエスト新宿ではじまりました!今回、オープン初日に行われたプレス取材に参加。みんな大好きな「おぱんちゅうさぎ」の世界観がたっぷり感じられるフードメニューや店内の様子など、詳細をレポートします!涙目がかわいすぎ!「おぱんちゅうさぎ」「おぱんちゅ食堂」会場風景【女子的アートナビ】vol. 292「おぱんちゅうさぎ」とは、人気クリエイター「可哀想に!」さんが描く、ピンク色のうさぎのキャラクター。今にも泣きそうな涙目の顔と頭の青いリボン、白いふわふわパンツがトレードマークです。いつも健気にひたむきに生きているのに、なかなか報われない可哀想な姿が共感を呼び、Twitterで大ブレイク。SNSの総フォロワー数は、75万人です。SNSのほかLINEスタンプも人気で、本誌『anan』でも、昨年末に「ネクストブレイクキャラクター」として登場しました。「おぱんちゅうさぎ」が切り盛り!4月20日にオープンした「おぱんちゅ食堂」は、おぱんちゅうさぎが切り盛りする食堂をイメージしてつくられています。まずは、店内の様子からご紹介。お店に入ると、おぱんちゅうさぎワールドが全開です!天井には、いろいろなイラストがデコレーションされ、店の中央では、名シーンを集めた映像も流れています。テーブルにも、さまざまなポーズをしたおぱんちゅがデザインされています。特にカワイイのは、パフェの中に閉じ込められている姿。可哀想だけど、めちゃくちゃキュートです!フォトジェニックなおぱんちゅフード続いて、食堂のメニューをご紹介。フードとデザート、ドリンクが4種類ずつ用意されています。こちらは、フードメニューの「おぱんちゅ定食」HANBAGU。ピンク色がたくさん使われたカワイイ定食で、(SHOGAYAKI、NIKUDANGO、HANBAGU、CHIKIN=NANBAN各税込¥1,760)から選べます。どの定食にも、おぱんちゅうさぎの顔がついたおにぎりがセットされ、また小鉢のフォルムがパンツ型になるなど、細部まで凝っています。デザートもフォトジェニックです。「おぱんちゅと落ちたアイス」(税込¥1,320)は、バニラアイスとチーズクリームがたっぷり入ったソフトクリーム風のデザート。こちらのアイス、試食させていただきました。「おぱんちゅうさぎ」はモナカの皮でできているので、食べられます!ボリューム満点のデザートですが、甘さ控えめでフルーツもたっぷり入っていて、かなりおいしかったです。こちらは、おぱんちゅの「友だちフロート」(税込¥1,089)。ストロベリー味のドリンクに、アイスのおぱんちゅが浮いています。アイスが溶けてくると、おぱんちゅの顔もどんどん崩れて悲しそうになるので、カワイイうちに食べてあげてくださいね。うれしい来店特典も!おぱんちゅ食堂では、事前予約をした上でカフェを利用してメニューを注文すると、「フォトフレーム風クリアカード」が特典でもらえます。6種類あり、ランダムで1枚プレゼントされるので、どれがもらえるかは当日のお楽しみ。このカードは、メニューが提供される前にもらえるので、食べるときにお店で使えます。試しに、スイーツの写真を撮ってみました。おぱんちゅ食堂のフレーム、かわいくて楽しいです!グッズコーナーも充実!また、カフェ店内には、グッズコーナーもあります。今回のオリジナルグッズは、本コラボカフェのために「可哀想に!」さんが描き下ろしたイラストを使用。アクリルキーホルダーやサテンステッカー、缶バッジ、タオルなど、今しか買えないグッズが販売されています。なお、グッズは数に限りがあり、会期中に品切れになるアイテムもあります。「可哀想に!」さんのECサイトやカフェ公式サイトでも販売しているので、気になる方は早めにチェックしてみてください。ルミネエスト新宿の「おぱんちゅ食堂」は6月18日 (日)まで。今後、大阪、愛知、宮城でも開催されます。Information会期:~6月18日 (日)会場:BOX cafe&space ルミネエスト新宿店開館時間:11:10~20:40※80分入れ替え制©KAWAISOUNI!
2023年05月04日国立西洋美術館の常設展示室で、小企画展『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』が開かれています。本展では、カルティエやブルガリなどの高級ブランドから、歯や髪の毛が入ったユニークなタイプまで、約200点の指輪が集結。今回、展覧会を担当された研究員さんに、展示の見どころなどをお聞きしてきました!圧巻の指輪が約200点!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景【女子的アートナビ】vol. 291『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』では、国立西洋美術館が所蔵する約760点もの指輪コレクションからセレクトされた約200点の指輪を展示。ダイヤモンドやルビーなどの宝石を使ったゴージャスな指輪や、カルティエやブルガリ、ヴァン クリーフ&アーペルなどの高級ブランド、さらにユニークな素材を使ったものや、彫刻作品のような指輪も見ることができます。これらの指輪は、すべてコレクターの橋本貫志氏が集めたもの。橋本氏は、2012年に約870点もの宝飾品を同館に寄贈し、これらは「橋本コレクション」と呼ばれています。今回、本展を企画された国立西洋美術館の学芸課主任研究員、飯塚隆さんに、見どころや指輪の楽しみ方をお聞きしてきました。きれいな指輪ばかり、ではない!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景――まずは、本展開催の経緯について、教えてください。飯塚さん国立西洋美術館の「橋本コレクション」は800点以上もあり、魅力的な作品があるのにもかかわらず、通常の常設展ではほとんど展示できていませんでした。2014年には、寄贈していただいた記念にお披露目の大規模展覧会を開きました。そのときは、300点ほど展示しましたが、その後なかなか指輪に特化した企画展が開けませんでした。そろそろ、きちんと紹介したいと思い、今回200点以上を版画素描展示室で展示しています。過去の展覧会で紹介できなかった作品も、半分以上含まれています。――展覧会のタイトルにある「よりどりみどり」には、どんな思いがこめられていますか?飯塚さん橋本コレクションには、一般的にジュエリーショップで買えるものと比べると、はるかに変化に富んだ、多種多様な指輪がそろっています。時代や素材、技法、様式もさまざま。紀元前2000年頃のものから、現代の作品まであります。世界随一といってもいいぐらい、いろいろな作品が集まっているコレクションなので、「よりどりみどり」。きれいなモノばかりではなく、おもしろい指輪、不思議な指輪、とても指輪には見えない指輪。さまざまな指輪があるのが橋本コレクションの魅力です。どこから見てもOK!『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』展示風景――展示の構成もユニークです。「ウェアラブルデバイス」や「素材なんでもかんでも」など、解説パネルを読むのも楽しく感じました。どのように構成されたのですか?飯塚さん展覧会というのは、たいがい学術的でお堅いものなので、あるテーマを定めて構成するのがふつうです。ただ、橋本コレクションの場合、時代や素材といった特定のテーマを立てると、取りこぼされる指輪も出てきて、かえって本来の魅力が伝わらなくなるおそれもあります。そこで、最初からテーマを立てるのはやめて、純粋に指輪を見たときの驚きや戸惑い、おもしろみなど、私が感じた着眼点を切り取り、トピックを立てていきました。例えば、「ゆびわ動物園」では、学術的あるいは動物学的な意味ではなく、単に動物をモチーフとした指輪を展示しています。各セクションは独立しているので、どこから見ても構わないような構成になっています。乳歯や髪の毛入り、ポイズン・リングも…!左《毛髪の納められた指輪》(18世紀後期)、右《アール・ヌーヴォーの指輪》(おそらく1900年頃)いずれも国立西洋美術館 橋本コレクション――乳歯や毛髪入りの指輪なども展示されています。なぜ、カラダの一部を入れる指輪が作られたのですか?飯塚さん基本的には、大切な人間への深い思いがあり、それに裏打ちされた作品だと思います。例えば現代なら、身近な人の写真を飾ったりしますよね。でも、時代を遡ると写真がない。肖像画はありますが、それを持てるのは一握りの人間だけです。大切な人を身近に感じたいとき、実際に人の髪の毛や歯など、カラダの一部を肌身離さず持ちたいと思い、その持ち運びに適していたのが指輪なのです。容器のついたタイプの指輪は、古くから作られているので、そこに髪の毛などを入れる作業は比較的簡単にできました。裕福な人だけが持つ高価なものではなく、一般の人でも作りやすかったのだと思います。《アメリカ陸軍空挺部隊のバッジが付いたポイズン・リング》1940年頃国立西洋美術館 橋本コレクション――毒を入れられるポイズン・リングや小型カメラつき指輪も飾られています。これらは、実際に使われていたのですか?飯塚さんポイズン・リングは実際に使われていた、という言い伝えがあります。モノを入れるタイプの指輪で、そこに毒を入れたり、薬や香水を入れたりすることもあります。今回展示されているポイズン・リングは、軍人が持っていたものなので、毒の可能性が高いと判断しています。また、ロシアのスパイが使っていたカメラ付きの指輪もあります。カメラで撮った写真もあるので、実際にカメラとして機能していたようです。「えっ!」「あれっ?」「オーッ」と楽しんで!《ダンサーの指輪》(現代) 国立西洋美術館 橋本コレクション――最後に、anan読者のみなさんにメッセージをお願いします。飯塚さん指輪は、非常に身近なものだからこそ、みなさんには一定のイメージがあると思います。でも、橋本コレクションの指輪を見ると、そのイメージをはるかに逸脱した指輪がごろごろあります。それを楽しむためにも、自分の指輪のイメージを忘れて、開かれた心で見ていただければと思います。「えっ!」「あれっ?」「オーッ」と、そんな風に感じることが、橋本コレクションの魅力を味わっていることにほかならないのです。自分の概念が揺さぶられているのを感じて、楽しんでいただきたいです。――貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。レプリカがミュージアムショップに!飯塚さんのお話、いかがでしたか?本記事ではご紹介しきれないほど、会場ではさまざまな指輪を楽しむことができます。また、ミュージアムショップでは、なんと橋本コレクションのレプリカが販売されています!デザインは4タイプ(1点は5月下旬ごろ販売予定)。橋本コレクションの感覚を自分の指で楽しめるなんて、うれしいですね。販売時期や購入方法などの詳細は、ミュージアムショップのInstagramをご覧ください。本展の開催は、6月11日まで。世界遺産に登録されている美術館で、ぜひユニークな指輪をご覧になってみてくださいね!Information会期:~6月11日(日)※休館日は月曜日(ただし、5月1日は開館)会場:国立西洋美術館新館2階版画素描展示室開館時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)※5月1日(月)、2日(火)、3日(水・祝)、4日(木・祝)は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般 ¥500、大学生 ¥250、高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)※本展は常設展の観覧券または「憧憬の地ブルターニュ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展観覧当日に限り同展観覧券でご覧いただけます。※5月18日(木)は本展および常設展は観覧無料(国際博物館の日)
2023年05月02日ゴールデンウィーク真っ只中に何をしようかと悩む人も多いと思いますが、有意義な時間を過ごしたいときにぴったりなものといえば映画鑑賞。そんなときにオススメの1本は、さまざまな悩みを抱えつつも一生懸命に生きている女性を描いた注目作『それでも私は生きていく』です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。パスカル・グレゴリーさん & メルヴィル・プポーさん【映画、ときどき私】 vol. 575フランス・パリを舞台に、シングルマザーとして奮闘するサンドラを主人公に描いた本作で、アルツハイマー病を患っている父ゲオルグを演じたパスカルさん(写真・左)と、サンドラと惹かれ合っていく友人クレマンを演じたメルヴィルさん(右)。ベテランならではの見事な存在感を発揮しつつ、いずれも物語のカギを握る重要な役割をはたしています。今回は、一緒に来日したおふたりに、作品への思いやお互いの印象、そして困難との向き合い方などについて語っていただきました。―まずは、おふたりが本作への出演を決めた理由から教えてください。メルヴィルさんそれは、サンドラ役のレア・セドゥとの共演と、ミア・ハンセン=ラブ監督と一緒に仕事がしたかったからというのが最初の決め手です。レアに関しては、彼女が若い頃からよく知っていますが、いまやフランス映画界のみならず世界の映画界を代表する俳優の1人となりました。それほど魅力的で美しく、そしてミステリアスな存在なので、今後もすごく楽しみにしているところです。そして、監督については、彼女の作品が好きだったというのもありますが、作家主義的でエリック・ロメール監督のような「いかにもフランス映画」という作品を撮れる監督だと思っています。パスカルさん私もいまメルヴィルが言ったのと同じで、「レアと一緒に仕事をしてみたかった」というこれに尽きます。そして、その期待通りでした。これまでの彼女は、どちらかというと作り込んだような洗練された役が多かったかもしれませんが、今回演じたのは等身大の女性。リュックを背負って歩いたり、いろんな冒険をしたり、勇気を持って行動をしたりと、普通の女性を魅力的に演じている姿にとても感銘を受けました。演じる難しさは、いつも感じている―それぞれのキャラクターについてもおうかがいしますが、パスカルさんが演じたゲオルグは病を抱えていることもあり、苦労した部分もあったのではないかなと。どのようにして役作りをされましたか?パスカルさん病気を患っている人物を演じるという意味では、確かに肉体的な挑戦や複雑なところはたくさんありました。という話をすると、観客のみなさんは病気の役を難しいと思うかもしれません。でも、普通の役も同じくらい難しいものなので、正直に言うと私にとってはいつもと変わりませんでした。今回は、監督のお父さんが実際に病気だったときの様子を収めたテープも聞かせてもらったので、そういったところから役作りの着想を得ています。―メルヴィルさんが演じたクレマンは、迷いや悩みを抱えている人物なので繊細な表現が求められる役どころでしたが、監督は「的を得た演技をしていて理想的な俳優だと心から思った」と話されています。演じるうえで、意識されたことはありましたか?メルヴィルさんこの作品は、監督自身が経験した人生の一部を描いていることもあって、彼女の頭のなかで厳密に出来上がっているのを感じました。実際、セリフの言い方ひとつにしても、細かいこだわりがあったほどですから。なので、今回は私が勝手に想像して演じるのではなく、彼女が描いているものに忠実に演じようと考えました。彼女自身にもこの役と同じような恋人がいるのですが、その人が私と似ているようなので、そんなところからもアプローチをしています。クレマンという人物は、サンドラにとっては希望や愛の喜びを再認識させてくれる救済者であり、“白馬に乗った王子様”みたいな男性。初めは理想主義的なところがどうかなと思ったこともありましたが、演じているうちにいろんな深い側面も見えてきたので、最終的には複雑でとてもいい人物像に仕上がったと感じています。パスカルは自分にとって、共感できる存在―ananwebでは、ミア・ハンセン=ラブ監督にも別作品で取材をしたことがありますが、非常に才能がある方で、これからのフランス映画界には欠かせない人物だと感じました。一緒にお仕事をされてみて、印象的だったことがあれば教えてください。メルヴィルさん実際の彼女と彼女が与えている雰囲気には、ギャップがあると思いました。というのも、彼女はすごく優しくてちょっとシャイなところがあるんですが、物事をはっきりと言うところもあって、自分がほしいものが何かをすごくよくわかっている人です。現場では、いろんな指摘をたくさん受けましたし、何度も撮り直しをしたこともあったので、壊れやすくて繊細のように見えますが、仕事においてはまったく違う印象を受けました。でも、私は監督の考えにはすごく共感していましたし、強い信頼関係が生まれたと思っています。パスカルさんこれまでに彼女の映画は観ていたので、作品を通して彼女の人生に対する見方や姿勢がどういうものかは感じていました。私の場合、通常は映画の撮影が終わると監督とは会わなくなることが多いのですが、彼女は例外でいまでも会ったり、電話で話したりすることもあるほど。いままでにロメール監督をはじめ数名の監督とはそういうこともありましたが、普段はあまりないことないので、彼女とは深いところでお互いをわかり合うことができているのだと感じています。―本作では、おふたりの共演シーンは少なかったですが、お互いの印象などについてお聞かせください。メルヴィルさん随分前ですが、私たちはロメール監督の作品で1回共演したことがありました。彼の現場というのは、キャストもスタッフもみんな家族の一員のようになるので、いい雰囲気のなかで出会ったおかげでいまでも友達と呼び合えるような間柄です。それに、私たちは作品の選び方も似ているところがあるので、そういう意味でも共感できる存在だと感じています。パスカルさんメルヴィルは本当に素晴らしい人ですよ。かっこいいし、考え方がエレガントだし、頭もいいし、最高の俳優であるとも言えますね。私は俳優っぽくない俳優が好きなのですが、彼もその1人だと思っています。日本からは、毎回カルチャーショックを受けている―それでは、日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちですか?メルヴィル日本に初めて来たのは25年前までさかのぼりますが、そこから10回くらい来日をしています。一番最近は10年前で、私が出ている映画のイベントに招待してもらって、東京や京都を訪れました。私は日本が大好きなので、呼ばれればいつでも来たいと思っています。なぜ日本が好きかというと、フランスとはまったく違う別世界のようだから。特に東京は未来的で、建物や車、電車などがSFみたいなところもあるのでそれがとても楽しいです。あとは、日本のみなさんがとても親切で優しくて繊細なので、そういうところにも癒されています。パスカルさん私は今回で4回目の来日で、仕事だけでなく個人的な観光旅行でも訪れていますが、毎回たくさんのカルチャーショックを受けています。私も東京や京都をはじめ、さまざまな都市に行きましたが、アジアならではの異国情緒や街によって異なる側面を見ることができるのが楽しいところです。―おふたりとも子どもの頃から俳優というお仕事を続けていますが、長年にわたって活躍されるうえで心がけていることはありますか?パスカルさん秘訣というのは、特にないですよ(笑)。というのも、私自身は俳優としてのキャリアや理想像について考えたことはなく、すべては偶然の出会いによるものだからです。もちろん、仕事は一生懸命していますが、基本的にはいろんな人との出会いによってここまで来れているのかなと。ロメール監督の有名な言葉に「すべては偶然から始まる」というのがありますが、私も偶然によって運命が決められているように思うので、流れに身を任せている感じです。メルヴィルさん私もパスカルと同じで、偉大な演出家や監督との出会いに尽きると思っています。俳優のなかには、「いまこの監督が売れているから出演しよう」みたいな感じで作品を選ぶ人もいますが、そういう仕事の仕方では長続きはしません。本当に素晴らしい方々との出会いが私のキャリアを作ってくれているのです。人生には奇跡のようなことが起きると感じている―誰の人生にも、サンドラのようにさまざまな困難が立ち向かってくることがあります。そういうとき、経験豊富なおふたりがどのようにして乗り越えているのかを教えてください。パスカルさんまずは、あまり過去を振り返らないことです。過ぎたことを後悔するよりも、つねに未来のことを考えるように心がけています。ときには身近な誰かが亡くなる場合もありますが、ほかの人たちは生き続けなければいけません。人生においては命を守ること、そしてなるべく周りのことに翻弄されることなく純粋に生きていくことが大切ではないかなと。それが若さを保つことにもつながると考えています。メルヴィルさん人生というのは、何が待ち受けているのか誰にもわかりません。でも、困難な状況に陥っても誰かと出会うことで希望を持たせてもらえることがあります。そんなふうに、ある日のたった1つの出来事ですべて変わってしまうこともありますが、それこそが人生です。私が演じたクレマンがまさに“希望の象徴”のように描かれていますが、難しい時期に直面したり、悲しいことがあったりしても、人生には奇跡のようなことが起きて視界が開けていくこともあるんだなと私自身も感じています。インタビューを終えてみて…。大人の落ち着いた雰囲気がありつつ、ときおりお互いを見て笑い合う姿も素敵だったパスカルさんとメルヴィルさん。「これからはもっと共演したい」とも話されていたので、フランス映画界が誇る名優でもあるおふたりの共演作がこれからもたくさん観れるのを楽しみにしたいと思います。それでも前を向いて生きていくどんなにつらいことがあっても、その先には“美しい朝”のような希望が待っていると感じさせてくれる本作。仕事や恋愛、そして家族との向き合い方に日々悩みながらも、自由に生きようとする女性の姿は、自分の人生において何が大切なのか考えるきっかけを私たちにも与えてくれるはず。写真・TOKIO IEHARA(パスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー)取材、文・志村昌美ストーリー夫を亡くしたあと、通訳の仕事に就きながら8歳の娘リンを育てているシングルマザーのサンドラ。仕事の合間には、病を患う年老いた父ゲオルグの見舞いも欠かさなかったが、かつて教師だった父の記憶は徐々に失われ、自分のことさえも分からなくなっていた。彼女と家族は、父の世話に奮闘していたが、愛する父の変わりゆく姿を目の当たりにして、サンドラは無力感に押しつぶされそうになる。そんななか、サンドラは旧友のクレマンと偶然再会。知的で優しいクレマンと過ごすうち、いつしか2人は恋に落ちていくのだが…。心を動かされる予告編はこちら!作品情報『それでも私は生きていく』5月5日(金・祝)より 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開配給:アンプラグド
2023年04月30日東京・丸の内にある静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、特別展『明治美術狂想曲』が開かれています。本展では、明治時代をキーワードにした絵画や工芸品を展示。「腰巻事件」でセンセーションを巻き起こした話題作も登場します!国宝や重要文化財など約50点を展示!特別展『明治美術狂想曲』展示会場【女子的アートナビ】vol. 293日本の西洋化がはじまった明治時代、人々の生活だけでなく、美術の世界でも大きな変化がありました。油彩画が広まり、欧米好みの工芸品が生み出され、また古くからある日本の仏教美術が軽視され、排除されたのもこの時期です。そんな明治時代の社会の変化を軸に、本展では、油彩画や日本画、工芸品など静嘉堂所蔵のコレクションを約50点展示。国宝や重要文化財を含む貴重な作品が紹介されています。「美術」が生まれた!河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》明治2~5年(1869~1872)※前期と後期で場面替えがありますでは、本展の見どころをピックアップしてご紹介します。第一章は「『美術』誕生の時―江戸と明治のあわい―」。1868年にスタートした明治時代、欧米に追いつこうと日本社会の近代化が急激に進んでいきました。「美術」という言葉が生まれたのも、美術館ができたのもこの時代です。そんな時期に描かれたのが、河鍋暁斎の《地獄極楽めぐり図》。江戸と明治の文化がミックスされた作品です。暁斎は、江戸後期の狩野派の技法を身につけた絵師ですが、浮世絵や明治のモチーフも作品に取り入れ、本作には当時は珍しかった汽車も描かれています。(汽車の場面は5月7日まで展示)人気の国宝も展示!左:薩摩焼《色絵金彩麒麟鈕香炉》明治9年(1876)頃、右:薩摩焼《色絵金彩獅子鈕香炉》明治9年(1876)頃続く第二章「明治工芸の魅力―欧米好みか、考古利今か―」では、美しい工芸作品がずらり勢ぞろい。明治時代、日本では外貨獲得のため、欧米人に好まれる華やかなデザインの工芸品が数多く製作されました。「超絶技巧」と呼ばれる細やかな技術を使った作品も多く、海外でジャポニズムブームが盛り上がっていきます。1867年に開催された「パリ万国博覧会」で人気があったのは、薩摩焼。明治以降も人気が続き、欧米に輸出されました。本展で見られる薩摩焼も、とっても華やかです。国宝《曜変天目(稲葉天目)》南宋時代(12~13世紀)この章では、国宝の《曜変天目(稲葉天目)》も展示されています!本作品は、古美術が再評価されるきっかけとなった「第1回観古美術会」(1880年)に出品されました。重要文化財橋本雅邦《龍虎図屛風》明治28年(1895)前期展示次の第三章「博覧会と帝室技芸員」では、橋本雅邦の迫力ある作品《龍虎図屛風》を見ることができます(5月7日まで)。本作は、1895年に京都で開かれた博覧会に出品されたものです。当時の評価はあまりよくなかったそうですが、1955年、重要文化財に指定されました。渡辺省亭原画濤川惣助《七宝四季花卉図瓶》明治時代19~20世紀また、超絶技巧の七宝作品も、見どころのひとつ。《七宝四季花卉図瓶》は、色彩が華やかで、とても美しい作品です。こちらは、フロア中央部にある吹き抜けの空間「ホワイエ」に展示されています。下半身が「布」で隠された…!黒田清輝《裸体婦人像》明治34年(1901)最後の第四章「裸体画論争と高輪邸の室内装飾」では、黒田清輝の《裸体婦人像》が登場!本作品は、近代洋画の父と呼ばれた画家、黒田清輝が渡欧中、白人女性をモデルにして描いたものです。帰国後、1901年の白馬会にこの絵を出品したとき、警察が介入。公共の場で裸体画を展示することが認められず、下半身部分が布で覆われてしまいました。このセンセーションを巻き起こした出来事は、後に「腰巻事件」と呼ばれるようになりました。当時のメディアを賑わせた話題作は、その後、西洋文化を理解していた岩﨑家が購入。高輪にある屋敷に飾られていました。ミュージアムショップで販売中の公式図録も、センセーショナルなデザインです人気の「ぬいぐるみ」は先着で購入可能に!静嘉堂@丸の内ミュージアムショップで販売中。 税込価格¥5,800 ※ お一人様1個のみアートを楽しんだら、ぜひ静嘉堂のミュージアムショップにもお立ち寄りください。以前の記事でもご紹介した、国宝《曜変天目(稲葉天目)》の「ぬいぐるみ」。あまりに人気で、しばらく入手困難でしたが、現在は先着で購入できるようになりました!1日10個限定ですので、ご興味のある方は、10時の開館時間にあわせてお出かけになると、入手しやすいかもしれません。(※最新情報は、公式サイトでご確認ください)展覧会は6月4日まで開催。Information会期:~6月4日(日)[前期]4/8(土) ~ 5/7(日)[後期]5/10(水) ~ 6/4(日)※休館日は月曜日、5月9日(火)会場:静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階)開館時間:10:00 – 17:00 (入館は16:30まで)。金曜日は18:00 (入館は17:30)まで。観覧料:一般 ¥1,500、大高生 ¥1,000、中学生以下無料
2023年04月30日上野の東京藝術大学大学美術館で、『買上展』が開催されています。「買上」とは、東京藝大が卒業・修了制作のなかで特に優秀な作品を買い上げる制度のこと。本展では、大学創立時から現代までに買い上げられたハイレベルな作品が紹介されています。今回、展覧会の見どころや買上の歴史などについて、企画を担当された先生にお聞きしてきました!買い上げ作品、約100件を展示!『買上展』展示風景【女子的アートナビ】vol. 290『買上展』では、大学が所蔵する「学生制作品」約1万件のなかから、厳選された約100件を展示。 東京美術学校卒業生の横山大観や菱田春草など、今では巨匠と呼ばれる画家たちのデビュー作から、現在活躍しているアーティストたちの卒業・修了制作まで、多彩な作品が集められています。本展は2部構成で、第1部「巨匠たちの学生制作」では、東京美術学校時代に集められた卒業制作を中心に展示。第2部「各科が選ぶ買上作品」では、東京藝術大学で「買上」を実施している12の学科と専攻(日本画、油画、彫刻、工芸、デザイン、建築、先端芸術表現、美術教育、文化財保存学、グローバルアートプラクティス、作曲、メディア映像)から各科の教員によって選ばれた作品を紹介しています。本展を企画された、東京藝術大学 大学美術館教授の古田亮先生に、展覧会の見どころなどお聞きしてきました。買上金額、最初期は3万円!『買上展』展示風景――まず、『買上展』というタイトルがユニークで、とても興味をひかれました。古田先生そう言っていただけると、うれしいです。「買上」というのは、学内でやっている制度で、大学では当たり前に行われてきました。今回、過去を含めて買上制度を振り返ることで、東京藝大を知っていただくきっかけにもなるかと思いました。――買上制度について、教えていただけますか?古田先生東京藝術大学が今の国立大学になったのが昭和24年ですが、その最初期から「買上制度」がはじまり、今でも続いています。買上となる優秀作品は、大学全体で決めるのではなく、各科がそれぞれ評価する形になっています。前身の東京美術学校時代から、教育の成果を蓄積していこうという意図があり、卒業制作を収集していました。現在では、多くの科が首席という位置づけで作品を買い上げ、社会に出てからもがんばってね、と学生たちを後押しする制度として機能していると思います。――買上制度の最初期と今の買上金額について、教えていただけますか?古田先生昭和20年代の最初期は3万円でした。その後どんどん上がり、最近は各科一律30万円です。物価指数との問題もありますが、金額はともかく、学生を励ます意味はあると思っています。巨匠のハイレベル卒業制作が見られる!横山大観《村童観猿翁》1893明治26年卒業買上――第1部の見どころについて、教えてください。古田先生今では「巨匠」と呼ばれている人でも、卒業以前はみな同じ学生だったわけです。その後、大変活躍した人たちを東京美術学校は大勢排出してきました。そんな巨匠たちの「最初期の出発点」となる作品を集めるのは、本学でしかできないことで、彼らの卒業制作を振り返れるのが見どころです。例えば、横山大観や菱田春草の卒業制作も、つい「巨匠の絵」と思って見てしまいますが、描いたときはみな学生でした。彼らは、卒業制作でかなりレベルの高い作品を残していたことがわかります。『買上展』展示風景より、グローバルアートプラクティスの買上作品――続いて、第2部の見どころを教えてください。古田先生各科が選んだ作品をまとめて見られる展覧会は、今回がはじめてです。今後も、なかなか実施できないかもしれないので、めったにないチャンスだと思います。日本画や油画などは、よく展覧会も開かれますが、例えばメディア映像や作曲科などの買上作品展示は珍しい試みです。東京藝大にさまざまな科がある、ということを知らない方も多いと思いますので、驚かれるかもしれません。各分野で専門を極めた学生たちによる、レベルの高い作品を楽しめる機会になっています。勢いのある作品が見られる!荒神明香《reflectwo》2006-2007平成18年度卒業買上――最後に、anan読者におすすめの作品を教えてください。古田先生たくさん作品があり、ジャンルもバラバラなので、おすすめ作品を選ぶのが難しいですけれど、先端芸術表現科の作品はいかがでしょう。4つの作品があり、そのうち3点は女性が作った作品です。それぞれの訴え方も、インスタレーションであったり映像であったりして、表現の幅がすごく広いというのがわかります。先端芸術表現という科が東京藝大にある、ということも知らない方が多いと思います。読者のみなさんと同じ世代の女性がつくり、作品が買い上げられ、その後アーティストとして活躍しています。勢いのある人たちが選ばれていますので、ぜひご覧になってみてください。――興味深いお話を聞かせていただき、ありがとうございました。連休中も開催!古田先生のお話、いかがでしたか?東京藝大に入ってくる学生さんは、浪人したり社会に出てから入学したりと、年齢もさまざまで、卒業・修了作品を制作する人たちは20代後半も多いそうです。anan読者のみなさんと同じ世代の人たちがつくったエネルギッシュな作品が集まる展覧会、ぜひご覧になってみてくださいね。本展は5月7日まで開催。連休中もオープンしています!Information会期:~5月7日(日)※休館日は月曜日(ただし、5月1日は開館)会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4開館時間:午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)観覧料:一般 ¥1,200、大学生 ¥500、高校生以下無料
2023年04月30日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外のストリートスナップで見つけた初夏に真似したいヘアタイルをご紹介します。ボーイッシュなショートヘアとっても短めでキュートなショートヘア。彼女自身が自分の髪質をよく把握しているようで、しっとりとした細めの髪質でショートにすることで、ボーイッシュになりすぎず、可愛く見せてくれているようです。ぱっつん前髪がキュートなショートヘア黒髪だからこそ、はっきりとしたぱっつん前髪でより明るい表情に見せてくれています。後ろの髪が全く見えないほど短い、思いっきりのいいショートヘア。緩やかボブで可愛く柔らかい雰囲気が魅力的なふんわりボブ。ボブといっても前と後ろ部分で長さを調整してあり、ショートカットが伸びたような感じでもありますね。男女ともに人気がある優しい印象のヘアスタイル。ロングヘアを色染めで楽しんでNetflixのイカゲームで、今や世界的に大人気の女優兼モデルのHOYEONの、モデル当時のヘアスタイル。長い髪の毛を真っ赤にしているのが、彼女のトレードマークだった頃。背も高くモデルらしいスタイルで、真っ赤なヘアがより個性的で目立っていました。@hoooooyeonyくるんとパーマがキュートなロングヘアけっこう長い髪の毛をくるんと巻いた、可愛いロングスタイル。短めの前髪がより彼女のきれいな瞳を明るく見せてくれています。髪型を決める時は、自分のチャームポイントが隠れないようにするのも重要なポイントですね。海外でも大人気のミディアムボブ一見無難なヘアスタイルかもしれませんが、この何気なく緩く、ばっちり決めていない感じが人気。このくらいのボブが一番雰囲気が出しやすいかも?!いかがでしたでしょうか?本日はストリートで見かけたモデルやインフルエンサーのヘアスタイルをご紹介しましたが、お好みの髪型はありましたでしょうか?今後の参考にしてみてくださいね。写真 平野秀美
2023年04月29日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第51回は、どうしても顔を合わせなきゃいけないゆえにウンザリするママ友のエピソードをご紹介します。1.夫のことをしつこく聞いてくる【ママライフばんざい!】vol. 51気の合うタイプとだけ付き合っていけたら、気持ちよく毎日が過ごせるのかもしれませんが、学校や職場などどうしても参加しないといけないコミュニティがあると、なかなかそうも言っていられませんよね。今回は、子どもが通う保育園や幼稚園、小学校など顔を合わせなくてはいけない場所で「ウンザリした」というママ友のエピソードです。まずひとつめは、夫のことをしつこく聞いてくるママについて。ひとつの場所にたくさんの方が集まると言うことは、それだけさまざまな家庭が揃う場所でもあるということで、なかには自分の価値観とは違うタイプのママがいるのは仕方がない部分でもありますよね。でも、自分のことを聞いてくるのならまだしも、マウントをとりたいからなのか、やたらと夫の職業を聞いてくるママ友がいるようです。一度は何気なくその話をスルーできても、しょっちゅう顔を合わせる立場だと、聞かないで! とピシャリと突き放すわけにもいかず、ずっとスルーしておくこともできずに、何かしらの対応をしなくてはいけないようなときも…。そんなことを思っていると、なんだかその場所へ向かうママの足取りも重くなるものです。この手のママ友は、夫に限らず、家庭状況を詮索したがることが多いようなので、急ぎ足でなんとかかわしたいものです。2.興味のないコトをやたらとすすめてくる次に、自分にはまったく興味のないコトをやたらとすすめてくるタイプのママ友にも困ってしまうようです。たとえば、「がおいしかったからぜひ食べてみて〜」といった話から、「にある美容院がすごくイイから一緒に行ってみない?」というような話まで、さまざまなコトをすすめてくるママ友も。とはいえ、そのママ友との距離感にもよりますが、ある程度信頼できるママ友からの助言であれば「ちょっとやってみようかな?」と思うことだってあるでしょう。もしくは、自分では考えつかないことでも、いざやってみたら意外と面白くてハマることもあるかもしれません。ただ、興味のないモノやコトを無理矢理すすめてこられても、正直なところウンザリしてしまうママ友の気持ちは大いに理解できるところ。しかも、こういったタイプのママ友の場合、自分がイイと思っているものは他人にとってもイイと思い込んでいる場合も少なくないんですよね…。きっと本人にとっては、良かれと思ってすすめているような感覚のようで、「顔を合わせる度に何かをすすめられる」というママもいれば、次に会ったときには「前にすすめたアレ、どうだった?」と、さらなる感想を求められて困ってしまうという、なんとも言えないスパイラルに陥ってしまうそうです。この手のママ友には、やんわりと、でもハッキリと「良さそうですけど、には興味なくて」などとキッパリ伝えたほうが、ストレスは少なそうですよね。3.勝手になぐさめてくる最後に、ママ友がウンザリしたのは、こちらが頼んでもいないのに勝手になぐさめてくるママ友です。たとえば、「仕事が忙しくて家事が大変だよ」などとグチを言ったり、相談したりといった事実があれば、相手のリアクションとして、なぐさめてくるのはわかりますよね。でも、この手のタイプのママ友は、相手の状況がどんなときであれ、勝手になぐさめてくるようで…。そのママ友の場合、こちらが何も言っていないのに、なぜか「いつも大変よね、がんばって」と言ってきて「はぁ?」とキョトンとしてしまうのだそう。つまりは、ちょっとしたことでもマウントがとれないかとスタンバイしながら、何かと上から目線で言葉をかけてくる感じがして、ウンザリするようです。これがもしも本当に相手を心配して、いたわるつもりで声をかけているのであれば、その気持ちってなんとなく伝わってくるものですよね。でも、そんないたわりの様子はまったくなく、ただ単にマウントをとりたいために、勝手になぐさめてくるママ友だったら疲れるのも無理はありません。ウンザリする相手とは、なるべく距離を取っておきたいものです。いろいろなタイミングで、ニガテな人ともどうしても顔を合わせないといけないこともありますよね。そんなときはどうにかやりすごして、なるべくリラックスできる場所も確保しておけると安心です。みなさんがすこやかなママライフを送れますように。文・かわむらあみり©nortonrsx/Getty Images©SDI Productions/Getty Images©bernardbodo/Getty Images文・かわむらあみり
2023年04月27日モンゴルを舞台にした映画といえば、自然豊かな大草原のなかで動物たちと暮らす遊牧民をイメージする人が多いと思いますが、最新作で舞台になるのはなんとアダルトグッズショップ 。今回オススメする1本は、モンゴルのリアルな最新事情も垣間見える話題作です。『セールス・ガールの考現学』【映画、ときどき私】 vol. 574原子力工学を学んでいる大学生のサロール。ある日、怪我をしたクラスメイトから、自分の代理としてアダルトグッズショップ でアルバイトをしてほしいという話を持ち掛けられる。特に仲の良い友だちだったわけではないが、高給なうえに簡単な仕事だと説得され、一か月だけ働くことに。大人のオモチャがズラリと並ぶ、街角のビルの半地下にある怪しげなショップ。そこには友達へのプレゼントにとグッズを吟味する女性や友人同士で訪れる客、人目を気にしながら一人で来店する客など、さまざまな客が次々とやってくる。ショップのオーナーは、高級フラットに独りで暮らす謎多き女性カティア。一日の終わりに売上金を届けに通ううち、サロールとカティアの間には不思議な友情が芽生えていくのだった…。第17回大阪アジアン映画祭の薬師真珠賞や第21回ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルのグランプリを受賞するなど、国内外で高く評価されている本作。そこで、その魅力について、こちらの方にお話をうかがってきました。センゲドルジ・ジャンチブドルジ監督モンゴル・アカデミー賞の常連であり、いまやモンゴル映画界には欠かせない存在となったジャンチブドルジ監督。今回は、性に関するモンゴルの事情や撮影の裏側、そして現代のモンゴルが抱える問題などについて語っていただきました。―以前から「性」をテーマにした作品を考えていそうですが、アダルトグッズショップ を舞台にしようと思ったのはなぜですか?監督確かイタリアだったと思いますが、映画祭に参加するために訪れた際、偶然アダルトグッズショップに入ったのがきっかけでした。「偶然」と言ったのは、モンゴルでは考えられないくらい普通のお店で、働いている店員も自然だったからです。モンゴルが民主化された1990年以降は、欧米からの新しい文化もいろいろと入ってきたので、アダルトグッズショップもモンゴルにできました。といっても、ほかのヨーロッパ諸国のようにオープンな雰囲気ではありません。ただ、私としてはその差がコントラストとして非常におもしろいと感じましたし、モンゴルではそういう部分をもっとオープンにする必要があると思ったので、今回はアダルトグッズショップを舞台にすることにしました。アダルトグッズショップは、薬局のようになるべき―なるほど。ちなみに、本作に登場するお店は、実際にモンゴルにあるアダルトグッズショップをモデルに撮影されたのでしょうか。監督現在、モンゴルの首都であるウランバートルには、17軒前後のアダルトグッズショップがあり、撮影前のロケハンではすべてのお店を訪れました。今回はそのなかでも、もっとも大きなフロアがある実際のお店に、赤と黒を基調とした色合いのインテリアデザインを施してから撮影を行っています。私が若い頃に比べたら、ずいぶんとお店の数も増えたなと感じました。アダルトグッズショップというのは、少数の人が必要とする異質なものではなく、もっと社会のなかに普通に存在してもいいもの。劇中のセリフにもありますが、アダルトグッズショップはポルノではなく、薬局のような存在になるべきだと考えています。―とはいえ、いまだにモンゴルでは性やセックスをタブー視している傾向があるとか。ただ、観客は30歳前後を境にかなり反応が違っていたそうなので、若い世代の間では徐々に認識も変わってきているのでは?監督まず、アダルトグッズに関して言えば、お店だけでなくオンラインでも販売をしているので、オープンになってきていますよね。私は性科学を研究しているわけではないので、あくまでも個人的な印象になりますが、医学的な知識に留まるような社会主義時代の性教育に比べると、いまの中学生や高校生が受けている性教育は水準がだいぶ上がっていると思っています。私からすると性やセックスの問題に限らず、最近のモンゴルはすべての面においてオープンな社会になりつつあるので、そこはぜひ強調しておきたいです。たとえば、私たちの上の世代がかつては認めていなかった同性愛やトランスジェンダーなどのマイノリティについても、いまは広く受け入れられるようになったと感じています。民主化以前と以降では、大きな変化がある―そのいっぽうで自分の意志で選んでいない学部に進学した主人公サロールのように、モンゴルでは学生の7割ほどが親の意向で大学の専攻を選んでいるという話を聞いて驚きました。そうなった背景について、教えていただけますか?監督これに関しては、1990年の民主化以前と以降、というのが大きな問題になっていると考えています。まず社会主義時代では、国や単独政党から振り分けられる形で大学の専攻が決められていたので、学生たちには自分で選ぶ権利がありませんでした。その後、民主化されると自分で専攻を選べるようにはなったのですが、そこで新たに降りかかる問題が貧困。自由になったことで格差が出てきてしまったので、そうなると子どもを持つ親は経済的なことを重視するようになります。そして、「どうすれば子どもが経済的に豊かになれるのか」という観点で物事を考えるようになり、子どもの専攻を親が選ぶ傾向が強くなってしまったのです。そのなかでも、特に経済やビジネスマネジメントを学ばせたいと思う親が多いようですね。―なるほど。ということは、サロールの親はまさにそれを象徴している姿ということなんですね。監督ただ、最近は中間層が出てきたこともあって、「子どもには好きなことを学ばせたい」と考え始める親が増えているのではないかなと。少し豊かになったことで、子ども自身の興味に基づいた専攻を尊重する親が多くなってきている印象を受けています。そういう意味では、サロールの両親はちょっと時代に遅れたところがあるので、どちらかというと批判的に見られがちな人物像として描きました。若者は、周りともっとオープンな関係を築く必要がある―サロールはおっとりとした地味目な女の子なので、日本人の女性たちも共感しやすいタイプだと感じましたが、サロールはモンゴルでも典型的な女の子なのでしょうか。監督サロールについては、日本を含むアジアにおいて普遍的なキャラクターとして作り上げました。それは家庭のしつけや教育によるものでもありますが、何でもオープンにする開放的な欧米に比べると、どちらかというと内向的なところがありますよね。必ずしも家族と開かれた関係ではないところも、アジア的な性格として表現しました。―また、モンゴルでは日本と同様に若者の自殺も大きな社会問題もなっているそうですが、13~18歳の若者のうち3分の1が自殺未遂の経験があるという結果が出たこともあったと聞き衝撃を受けました。本作でも、自殺に関する描写がありましたが、どのような意図から描いたのでしょうか。監督若い世代の人たちが自殺に走る背景には、自分自身に負けてしまう部分があるのかなと感じています。そうならないためにも、子どもたちには自分の内側にある世界を外に向けて発信してほしいと思いますし、周りともオープンな関係性をもっと築いてほしいです。この作品では、そういったメッセージも込めています。―若い人たちに、そういった思いが伝わってほしいですね。また、劇中ではカティアの発する言葉がどれも素敵で、書き留めておきたいようなものばかりでしたが、それらは監督がご自身の人生から学んだ格言ですか?監督今回、彼女のセリフは相当考えて作りました。というのも、アーティストが話す鋭い言葉として何がふさわしいかということに重きを置いていたからです。そのために、哲学の本をたくさん読み、どんな言葉が彼女から出てくるべきかについて試行錯誤しました。なかでも、自分の人生について告白をするシーンで彼女が言う「幸せというのはそれだけでは何も見えてこない」というセリフが一番好きです。見た目だけでなく、内にあるものも大事にしてほしい―とてもいいシーンなので、ぜひ注目していただきたいですね。では、日本についてもおうかがいしますが、どのような印象を持っていらっしゃるのか教えてください。監督2010年に、なら国際映画祭にエントリーした際、初めて日本を訪れました。そのときに見た奈良の桜やたくさんの鹿、数々のお寺などが印象に残っていますが、まるで自分の故郷にいるかのような心地よい日々を過ごしたことを覚えています。あと、日本の若者に対してもすごくいい印象しかありません。というのも、日本に行く前に『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』という日本とモンゴルの合作映画をモンゴルで撮影したときに、私は助監督を務めていて日本の方と一緒に仕事をしたことがありました。みなさんいい方ばかりで、いろんなことが勉強になったのを思い出します。いまは、また日本とモンゴルの合作を撮りたいと自分のなかで温めているところなので、近いうちに実現させたいです。―ぜひ、楽しみにしています!それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督日本の映画やドラマから見た印象で言うと、日本の女性たちは一見とても自由なようで、さまざまな“枠”に囚われている方々が多いとも感じています。もちろん、ファッションなどで見た目を美しく着飾ることも素敵なことです。ただ、それと同時に日本人ならではの秩序やご自身の内側にあるものをもっと大事にしていただきたいなと思っています。自分次第で、世界は広がっていく!見たこともないようなモンゴル映画との出会いに心が躍るだけでなく、さまざまな発見と学びも得られる本作。つい固定観念に囚われた生活を送りがちですが、ときには思い切って殻を破ってみることも大切だと思い出させてくれるはず。もっと自分らしく、自由に生きる楽しさを味わってみませんか?取材、文・志村昌美続きが観たくなる予告編はこちら!作品情報『セールス・ガールの考現学』4月28日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー配給:ザジフィルムズ️(C)2021 Sengedorj Tushee, Nomadia Pictures
2023年04月27日映画界のなかでもいまもっとも勢いがある国の一つといえば、アジアを牽引する韓国。そこで、本国では『パラサイト 半地下の家族』に続く傑作との呼び声も高い最新作『高速道路家族』(公開中)をご紹介します。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。チョン・イルさん【映画、ときどき私】 vol. 573とある理由から高速道路で暮らすことになってしまった一家の父親ギウを演じたチョン・イルさん。ドラマ『太陽を抱く月』や『ポッサム ~愛と運命を盗んだ男~』などで知られ、さわやかなイケメンぶりで人気を博してきましたが、本作ではホームレス役に挑んで大きな話題となっています。そこで、オファーを受けた理由や現場での苦労、そして変化した理想の夫婦像などについて語っていただきました。―今回の役は、これまでのイメージを大きく変えてしまうような役どころでしたが、そこに対する不安はありませんでしたか?チョン・イルさん本作は僕にとっては7年ぶりの映画復帰となったので、やはり怖さもありました。でも、このギウという役柄は、いろんな姿が表現できる役どころでもあるので、俳優なら誰もが演じてみたいと感じるようなキャラクター。そういう意味でも自分にとって大きなチャレンジになるだろうと思い、不安はありましたが、挑戦することにしました。―オファーを受けたときは、ちょうどいままでとは違う役を演じたいと考えていたときだったとか。なぜそう思われていたのでしょうか。チョン・イルさん僕が演技を始めてから17年になりますが、自分のなかで大きな悩みの1つは、みなさんが持っているイメージを持ち続けるべきか、それとも変化をつけるべきか。ここがいつもジレンマとなっています。ただ、俳優というのはいまあるポジションに安住することなく、つねに成長を見せてこそ俳優ではないかなと。この仕事を長く続けていくためにも、そういう考えに至りました。自分にとっては、プレゼントのような作品になった―演じ終えたいま、改めてどのようなお気持ちかをお聞かせください。チョン・イルさん韓国で公開されたときには、観客だけでなく俳優仲間やメディアからも「いままでのチョン・イルとは違う新しい姿を見ることができた」といった声をたくさん聞くことができてとてもうれしかったです。それらは僕にとっては最高の賛辞ですし、自信を得ることもできたので、『高速道路家族』は僕にとってプレゼントのような作品となりました。この役を演じたからといって、今後も刺激の強い役を演じたいというわけではありませんが、これからはいままでよりも幅広い役柄やいろんなキャラクターを演じることになるんじゃないかなとは思っています。―本当に素晴らしい演技でしたが、演じる際に気をつけていたのはどのようなことですか?チョン・イルさんパッと見たときに、もしかしたらギウは悪役のようにも見えてしまうかもしれません。でも、そうならないようにしたいと考えていたので、ここに関しては監督ともよく相談をしました。というのも、彼にとって家族はこの世のすべてであり、生きる理由。それを表現するために、家族といるときは底抜けに明るくし、家族を失ってしまったときとの感情の差をうまく見せることにしました。監督からも「後半の感情的な部分よりも、家族と一緒にいる前半でいかに幸せな姿を見せられるかが大切。それができてはじめて、ギウが抱える痛みがしっかりと理解できるようになる」と何度も言われたほどです。それだけに、子役の子どもたちといかに仲良くなれるかが大事でした。ハードな現場で支えとなっていたのは、責任感―なるほど。では、ご自身にとって印象的なシーンといえば?チョン・イルさん途中でヨンソンという女性に通報されてギウが子どもと逃げるシーンがありますが、監督にはここが一番重要になると言われました。なぜなら、この場面を境にギウの感情がどんどんと変化していくので、ここを最大限に表現できないと本作におけるターニングポイントがきちんと映らなくなってしまうからです。あのシーンに関しては、俳優だけでなく、スタッフも含めたみんなで丹精込めて作りました。―今回は、肉体的にも精神的にもかなりハードだったと思いますが、現場でのご自身を支えてくれたものは何ですか?チョン・イルさんそれは、責任感です。出演するかどうかは自分自身で決めたことなので、結果に関係なく、作品に対しては責任感を持って取り組むべきだと考えています。それに、俳優以外にもいろんな職業の方が関わっているので、大変なのは僕だけではありません。それぞれに大変なことを担っており、みんながちゃんとそれをやり遂げてこそ成果が得られるものですよね。もちろんその過程につらいこともありますが、いまはその苦労も楽しむようにしています。―チョン・イルさんが思うこの作品の見どころはどんなところですか?チョン・イルさん本当にさまざまな解釈ができる映画で、観る方によって受け取り方も違ってくるのが大きな魅力だと思っています。僕自身はすでに6回観ていますが、観るたびに感情移入するキャラクターが違いますし、視点や立場が変われば感じ方も変わってくるのでそこがおもしろいなと。しかも、家族の意味についても改めて考えさせられるので、ぜひみなさんにオススメしたいです。理想の夫婦関係が崩されたところもあった―本作を経て、ご自身の家族に対する思いに変化もあったのでは?チョン・イルさんそうですね。普段、僕も両親も忙しいからというのはありますが、家族の存在がつい二の次になっていたところはあったと気づかされました。でも、本作に関わったことで、家族の意味だけでなく、一緒にいるときはちゃんと楽しんで幸せな時間を過ごすことがいかに大切かを考えることに。どんなときでも自分の味方でいてくれる家族には感謝していますし、僕にとってはつねに大きな支えになっています。―本作では家族だけでなく、夫婦についても描かれているので、ご自身が思い描いていた夫婦の理想像や価値観にも影響を与えたところもあったのではないかなと。チョン・イルさん劇中では、男性からするとちょっと残念な部分があったり、女性から見るともどかしいと思うところがあったりするので、夫婦関係がとても現実的に描かれていると感じました。といっても、僕はまだ結婚をしていないので、夫婦がどういうものかはっきりとはわかりません。でも、「これがリアルな夫婦関係なのかな?」と考えるようになったので、「自分はこうならないようにしよう」と思っているところです。漠然と抱いていた理想の夫婦関係がこの映画によって崩されたところはあったかもしれませんね(笑)。―ギウの行動は「ただ家族を幸せにしたい」という思いからでしたが、いまのチョン・イルさんを幸せにしてくれるのは何ですか?チョン・イルさん最近は、「自分自身をより愛してあげよう」と意識するようにしています。というのも、ひとたび仕事となると僕は自分を追い詰めるタイプで、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」とじっとしていられないほうなので。いまは、ちょうど2か月ほどお休みをもらえているので、いまのうちに自分自身をしっかりと休ませ、内面に育むことにフォーカスしたいと考えています。日本の文化は、昔からとても身近に感じている―ちなみに、忙しいなかでオンオフはどのようにして切り替えているのでしょうか。チョン・イルさん1つの作品が終わったら1人で旅に出てたくさん歩き、本来のチョン・イルに戻してオフにします。ただ、オンにするときはどんな作品でもつらい思いをするので、それは毎回大変な過程です。つねに自分のなかで悪戦苦闘してそのキャラクターに入り込むため、地獄のような時間とも言えますね…。そろそろ次の作品に入るための準備に取り掛からないといけないのですが、実はいまもちょっと怖いと思っているところです(笑)。―大変な作業ですね。では、日本についてもおうかがいしたいのですが、日本で好きなものや影響を受けていることなどがあれば教えてください。チョン・イルさん個人的なことで言うと、僕の母が昔から日本とは仕事上の関係が深いので、日本の文化には以前からたくさん接してきました。日本には友達もいますし、いままでにいろんなところを旅行しているので、日本文化は僕にとって非常に身近なものです。最近も、香川県の直島に家族と行ってきたばかり。僕は大都会よりも自然を好むほうですし、ミュージアムやギャラリーを見るのも好きなので、とても楽しかったです。あと、イ・サンムン監督も僕も、一番尊敬している日本の監督は是枝裕和監督です。本作をご覧いただいたときに、もしかしたら序盤でなんとなく日本っぽいものを感じる方がいるかもしれませんが、少なからず影響を受けていると思っています。是枝監督とは去年の釜山国際映画祭でお会いした際にも、少しお話をさせていただいたこともあったほど大好きです。日本の作品で俳優として挨拶できるようにがんばりたい―ということは、日本でもお仕事したいと考えていらっしゃるのでは?チョン・イルさん日本の俳優と韓国の俳優がコラボレーションする機会はこれからどんどん増えると思うので、特定の誰かと共演したいというよりもそういう機会に恵まれたらいいなとは思っています。ファンミーティングだけで日本を訪れるのではなく、日本の作品のなかで俳優としてみなさんにご挨拶できるようになりたいです。そのためにも、もっと一生懸命に日本語の勉強をして、準備できるようにがんばります。―楽しみにしています。それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。チョン・イルさん久しぶりに映画を通してみなさんに挨拶をすることになったので、日本の方々がこの作品をどのようにご覧になるのかがとても楽しみでワクワクしているところです。いつもみなさんが送ってくださる愛情に対して、いい演技で応えていきたいと思っています。僕も目を通すようにするので、映画をご覧になったあとは、SNSなどで感想をアップしていただけたらうれしいです。『高速道路家族』にたくさんの関心を寄せてくださるように、よろしくお願いします。インタビューを終えてみて…。終始優しい笑顔を浮かべ、癒し系のオーラをまとっているチョン・イルさん。役が決まってからは髪を切らず髭も剃らずに役作りをしたというだけあって、劇中とはまるで別人で驚かされました。俳優として新境地を切り開いたチョン・イルさんの見たこともない表情に、ぜひ注目してみてください。また、日本語もかなり上達されているようなので、今後日本での活動にも期待です。家族への思いに、心が揺さぶられる!先が読めない展開と俳優陣の熱演に、衝撃のラストまでどんどんと引き込まれる本作。それぞれのキャラクターに共感するとともに、「自分にとって家族とは何か」について改めて考えさせられる必見の1本です。写真・幸喜ひかり(チョン・イル)取材、文・志村昌美ストーリー夜空の月を照明として、テントで暮らすギウと3人の家族。彼らは高速道路のサービスエリアを転々とし、二度と会うことのない人たちにお金を借りながら食いつないでいた。ところがある日、すでにお金を借りたことのある女性ヨンソンと別のサービスエリアで再び遭遇してしまう。不審に思ったヨンソンは警察に連絡し、ギウは拘束される。ヨンソンは残されたギウの妻ジスクと2人の子どもたちを放っておけず、家へ連れて帰って一緒に暮らすことにするのだが、想像もつかない結末が待ち受けることに…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『高速道路家族』シネマート新宿ほか全国順次公開中配給:AMGエンタテインメント(C) 2022 Seollem film, kt alpha Co., Ltd. All Rights Reserved.写真・幸喜ひかり(チョン・イル)
2023年04月26日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第139回は、最初からなんとなく「うまくいかないかも」と思わせる恋愛をするタイプの女性の特徴をご紹介します。1.お金に対する考えが甘い【結婚引き寄せ隊】vol. 139好みのタイプの相手と知り合うことができればいいですが、出会ったところでとんとん拍子にいくとは限らないのが、男女の縁。とくに「うまくいかないだろう」とまわりに感じさせる恋愛をする女性たちの特徴をまとめました。「なぜか恋愛が続かないんだよねえ」と嘆いていた、アラフォーのAさん。ご両親は経済力があり、一人暮らしのおしゃれなマンションに実家の援助で暮らしていた彼女は、お金に対する考えが甘いタイプでした。とはいえ、Aさんは付き合う男性を選ぶ際、やたらと経済力に条件をつけるようなことはありません。「そのときに好きになった人がタイプだから」という、フィーリングを重視するゆえに、時にはちょっとヒモっぽい男性にひっかかってしまうこともありました。自分でも真面目に働いて稼いでいましたし、いざというときの貯金もあって、いつもきれいに身なりを整えていたAさん。けっこうすぐにいろいろなタイプの男性と付き合うことになるものの、持久力が足りず…。だいたいの彼氏は、彼女の豪快なお金の使い方に引いてしまうようでした。付き合うとなったら、できれば相手の金銭感覚にも合わせる歩み寄りを見せるしかないのかもしれません。あまりに金銭感覚が離れていると、結婚なんてさらに遠くなってしまうなと思ったのでした。2.キープしすぎて選べない続いては、自分の気持ちを整理することがニガテな30代前半のBさん。恋愛においてもその傾向は変わりませんでした。親しみやすいタイプで、わりと男性とも距離が縮まりやすいところがあるものの、「どの人がいいか選べない」と本音をポロリ…。いわゆるモテる女性なので、一番好みの男性か、条件の良い男性を選べる立場にいるのに、誰にしていいのか自分でもわからないようでした。不思議なもので、Bさんに好意をもっている男性がほかにもいると男性たちが知ると、ライバル心に火がつくのか、諦めるのではなくさらにがんばってアプローチしてくる人もいたようです。そしてより一層、Bさんは誰を彼にしたらいいのか悩んでしまい、めんどうくさくなってみんなをキープ。それぞれと適度に会い、距離を保ち続けるのです。一見、そのほうが難しそうですし、ちょっと小悪魔っぽいですが、Bさんはいたって真剣。誰を選ぼうかと思って時間をかけているのではなく、誰も選べないからこそ、そのままになっているため彼女に悪気はないんですよね、いや、そこが問題かもしれませんが。そのうち根負けしたり、ほかに良い出会いがあったりした男性が脱落していき、気づくと誰もいなくなるということも少なくないようで、キープするのはあまり得策ではないなと思ったのでした。3.とりあえず感が強い最後は、とりあえず感が強いCさんのこと。30代半ばのCさんは、いつもアクティブで、仕事も趣味も忙しい女性という印象でした。女子会などで恋愛の話になると、「誰かいい人いない?」というのが、口グセ。でも、彼女は常に“彼氏もち”のはず。そう思って彼のことをたずねると、「ああ、とりあえずね」という返答。好みかといえばそうじゃないし、イヤなところもあるけど、告白されたからとりあえず付き合っている、ということのようです。一度くらいはそういう恋愛もあるか、と思えるものの、彼女の場合は、常にその状態。つまりは、いつも告白されて、とりあえず付き合うということなんですよね。はたからはアクティブなように見えているけれど、恋愛においては、いつも受け身なCさん。自分から告白したことはないため、誰かと“とりあえず”付き合って、彼がいるときでも他の男性に告白されていいなと思ったらそのときの彼を切って、すぐ新しい男性のほうへいくのだとか。それで最良の男性にたどり着くならいいかもしれませんが、常に次の男性を探していて、なんだかそんなに幸せそうに見えないのはなぜなのだろう…?うまくいかない恋愛は、その付き合いをする側の気持ちの問題が一番なんだな、と思ったのでした。出会いをしていると、いろいろな男性や、女性に遭遇することもありますよね。時にはひとりの時間も大事に過ごしたいものです。みなさんの毎日が、楽しいものでありますように!文・かわむらあみり©Andrii Iemelyanenko/Getty Images©NiKita Filippov/Getty Images©Prostock-Studio/Getty Images
2023年04月26日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。小物使いが上手な海外インフルエンサーから学ぶ、スカーフの使い方をご紹介いたします。ヘアバンド風にまとめるこちらワンピースとお揃いのスカーフをヘアバンド風に使っています。スカーフのいちばん簡単な使い方の1つ。こう見るとヘアバンドにしか見えないですね!ちょっと清楚な感じに首元を飾る写真の方を見ると、とってもお洒落にスカーフを首元に飾っています。首元に巻く場合は、スカーフは大きすぎない方がよさそうです。サッと飾っているような雰囲気がクールでお洒落。人気インフルエンサーも愛用!こちらファッションウィークでは常に人気のYoyoも、スカーフを上手に使用しています。実は難しい帽子のように巻く使い方も、彼女にかかればとっても可愛い!おでこの位置、髪の出し方など参考になります。花柄で個性的に同じくヘアをまとめるためにスカーフを使用していても、柄やまとめ方次第でこんなに雰囲気が違うんですね。こちらはグッチのスカーフをクラシカルに帽子のように巻いていてお洒落!大きめに、そして緩めで可愛くこちらも同じく頭に被るように使用していますが、雰囲気が違う。全体のバランスを考えて、あえて大きめなスカーフを緩めに結んでいるんですね。大きめのニットとぴったり!アフリカンな柄で個性爆発!なかなか真似は難しそうですが、個性的なスカーフをたっぷりと頭に巻くスタイルは、大胆で個性的なアレンジ。ビーチや旅行先ではとっても便利なまとめ方かも!?今回は、持っていても意外と使い方を知らないスカーフの、アレンジについてご紹介しました。参考になる使い方はありましたでしょうか?真似できるところからぜひチャレンジしてみてくださいね。写真 平野秀美
2023年04月23日上野の国立西洋美術館で『憧憬の地 ブルターニュ』が開催中です。本展では、フランス北西部にあるブルターニュ地方をテーマにした作品が集結。モネやゴーガンなど巨匠たちの極上アートを見ながら、フランス旅気分を楽しめる展覧会です。音声ガイドを担当する杏さんのコメントもご紹介!音声ガイドは杏さん!杏さん©Junko Tamaki(t.cube)【女子的アートナビ】vol. 289『憧憬の地 ブルターニュ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』では、国内外の美術館から集められた、「ブルターニュ」をテーマにした作品約160点を紹介。絵画や版画だけでなく、当時の画家たちが旅先から送った絵ハガキや、旅行トランクなど関連資料も展示され、ブルターニュを旅した気分も味わえます。さらに、本展の音声ガイドナビゲーターは、フランス在住の女優、杏さん。SNSなどでパリの様子を発信され、フランスの雰囲気が漂う杏さんの声を聴きながら、巨匠たちの名画を堪能できます。展覧会に寄せられた杏さんのコメントは次のとおりです。もともと美術展が好きで、時間があるとよく美術館に行きます。今回フランスに渡ったタイミングで、フランスと日本を結ぶ展覧会のアンバサダーをやらせて頂けることをとても光栄に思います。フランスにいて伝えられること、感じられることがあるのかな、と思いますので、それを今回の作品を通じてみなさまと共有できたら嬉しいです。「ブルターニュ」というテーマの中で、同じ時代の同じ場所をさまざまな画家が、どのような視点を持って景色を見ていたのか、何を感じたのか…。当時の画家たちの声が聞こえてくるような作品ばかりなので、展覧会でブルターニュという場所をよく理解し、味わい、いつか私も旅をしてみたいなと思います。なぜブルターニュは人気?展示解説をされている袴田紘代さん19世紀後半から20世紀はじめにかけて、クロード・モネやポール・ゴーガンなど西洋の画家たちや、日本からパリに留学していた黒田清輝や藤田嗣治もブルターニュを訪れ、さまざまな作品を描いています。なぜ、画家たちは、ブルターニュに魅了されたのでしょう?本展を企画された国立西洋美術館主任研究員の袴田紘代さんによると、もともとブルターニュはケルト人が住み、公国として独立した地域だったので、文化的にも特徴がある、とのこと。また、各地に残る巨石遺構や海岸の断崖絶壁など自然の景観も独特なので、フランスのなかでも異郷として認識され、19世紀から画家たちが訪れるようになったそうです。必見!モネのブルターニュ左:クロード・モネ 《嵐のベリール》1886 年 油彩/カンヴァス オルセー美術館(パリ)、右:クロード・モネ 《ポール=ドモワの洞窟》1886 年 油彩/カンヴァス 茨城県近代美術館では、いくつか見どころをご紹介。第一章「見出されたブルターニュ:異郷への旅」での必見作は、モネの美しい絵画2点です。モネは、ブルターニュ地域にある断崖絶壁の島ベリールに滞在し、海岸沿いの風景画を40点近く制作。限られた視点から、同じような風景を何枚も描いていました。この2点について、袴田さんは次のように述べています。袴田さんベリールは荒天の日も多く、嵐の日にはカンバスを岩にくくりつけて描いていたそうです。同じ場所を穏やかな日にも描いていますが、嵐の海と穏やかな海では色彩もタッチも違います。穏やかな天気のときはタッチも穏やかで、嵐のときは荒々しく描かれています。極上のゴーガン10点以上!『憧憬の地 ブルターニュ』展より、ゴーガンの作品が集まる展示室続く第二章「風土にはぐくまれる感性:ゴーガン、ポン=タヴェン派と土地の精神」では、日本でも人気の画家、ゴーガンの作品が10点以上も登場!見ごたえ抜群の展示室です。株式仲買人をしていたゴーガンは、1883年に仕事を辞めて画業に専念。しかし、生活苦に陥り、物価や滞在費の安いブルターニュに移住します。袴田さんブルターニュの民族衣装や素朴な生活、キリスト教の信仰心や人々の精神に関心を寄せたゴーガンは、自分の解釈を加えながら作品にブルターニュの魅力を反映させていきました。最初は印象派風の作品を描いていましたが、次第に精神的なものを表現するようになっていきます。日本の巨匠作品も!『憧憬の地 ブルターニュ』展会場写真第三章では、ブルターニュに別荘やアトリエを構え、土地に根を下ろした画家たちの作品を展示。モーリス・ドニの明るい作品や、シャルル・コッテが描いた重厚な絵画、日本美術を愛した版画家、アンリ・リヴィエールの木版画も見ることができます。最後の章では、黒田清輝や藤田嗣治など日本の巨匠たちが描いたブルターニュ作品も展示。画家が使った旅行トランクも展示され、ブルターニュの風景画とあわせて旅の雰囲気も味わえます。本展は、大型連休中も開催。ぜひ、世界遺産に登録されている美術館で、アートなブルターニュの旅を体験してみてください。Information会期:~6月11日(日)※休館日は月曜日(ただし、5月1日は開館)会場:国立西洋美術館開館時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)※5月1日(月)、2日(火)、3日(水・祝)、4日(木・祝)は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般 ¥2,100、大学生 ¥1,500、高校生 ¥1,100、中学生以下無料※5月7日までは事前予約制
2023年04月23日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は、ここ最近注目しているオールインワンスタイルをご紹介します。アイボリーで清潔感あふれる雰囲気オールインワン自体は年中使えるアイテムですが、季節によって色を選びたいところ。こちらのようなアイボリーやホワイト系は、ぜひ春から夏にかけて愛用したい色。涼しげで清潔感があり、休日に着たい一着です。デニムはカジュアル感を楽しめるデニムはパーティやイベントなどで着用するにはカジュアルすぎる印象でしたが、デザインやデニムの種類によってはお洒落に見えるんですね。パンプスはどんなカジュアルな服にもある程度の品を与えてくれる魔法のシューズのよう。ボディラインが美しく見えるこちらのスタイルは、ウエストがシェイプされて、シルエットが美しくカラダのラインをきれいに見せてくれているよう。ブーツとの相性もいいですね!超おすすめ!お洒落な柄 x オールインワン個人的には一番オススメの柄のオールインワン。柄次第で雰囲気は異なりますが、とにかくお洒落に見えちゃうから便利!北欧でよく見かけるスタイルです。オールインワンのショートパンツもあり!白色もデザインも日本の暑い夏にぴったり!うっすら見える縦ラインの柄も品が良くて素敵です。またパンツの長さが膝下のちょうどいいバランスの取れた長さ。夏に向けてゲットしたいオールインワン。カラーで楽しむオールインワンシルク調の光沢あるピンクは、上品でいて着やすさ抜群!品がある光沢とカジュアルなスニーカーとのアンバランスさが今どきっぽいですね。小物やジャケットは全体に色を合わせていてまとまった印象で、カラーのオールインワンを着る時の参考になります。いかがでしたでしょうか?今回は大人向けのオールインワンのスナップをご紹介しました。いろんな種類のオールインワンがありますが、気になるデザインはありましたか?ぜひ今後の参考にしてみてください。写真 平野秀美
2023年04月22日4月もまだまだ幅広い話題作が公開を控えていますが、そのなかでも日本映画界が誇る実力派キャストとスタッフが集結したことで注目を集めている1本といえば最新作『ヴィレッジ』。閉鎖的な村社会を舞台に描いた衝撃のサスペンス・エンタテインメントとしても関心が高まっているところですが、本作の裏側についてこちらの方々にお話をうかがってきました。奥平大兼さん & 藤井道人監督【映画、ときどき私】 vol. 572横浜流星さん演じる主人公・優が働くごみ処理施設に後輩として入ってくるワケありな青年の龍太を演じたのは、デビュー作『MOTHER マザー』で数々の賞に輝き、ブレイク必至の若手俳優と話題の奥平さん(写真・左)。そして、監督と脚本を手掛けたのは、『新聞記者』や『ヤクザと家族 The Family』、大ヒット作『余命10年』などで高く評価され、いまや“日本映画界の寵児”とも呼ばれている藤井監督(右)です。今回は、お互いに対する思いや周りに流されないために意識していること、そして人生が変わったと感じた瞬間などについて語っていただきました。―本作のきっかけは、プロデューサーの故・河村光庸さんから「お面をかぶった人々の行列」や「能」といったいくつかのお題を出されたことだそうですが、最初にお話があったときはどのように思われましたか?監督いきなりバーッと言われてしまったので、いつも通り何を言っているのかわかりませんでした(笑)。奥平さんそうなんですか!?監督というのも、河村さんは頭の回転が早すぎて口が追いついていないような方ですからね。でも、そのときから「今回の映画は村社会を描きたい」「若い人の話にしないと意味がない」ということは特に言われていました。―そこからすぐに物語のイメージは湧いたのでしょうか?監督いや、まったくです…。こんなにも脚本の決定稿までに時間がかかったことはありませんでした。衣装合わせのときにもまだできあがっていなくて、みなさんにも「これから作るので少々お待ちください」と伝えていたほどです。自分とかけ離れた人物を演じるのは楽しい―キャストの方々には、監督から一人ずつキャラクターシートが渡されていたそうですが、それを踏まえて奥平さんはどのように役作りしましたか?奥平さんなかでもよく覚えているのは、劇中に匂わせるシーンもないのに「ヒップホップグループの『舐達麻(なめだるま)』を聴いている」と書かれていたことです。それでもとりあえず聴いてみようと思って、京都にいる間はずっと聴くことに。いまではすっかりファンになりました(笑)。―金髪にタトゥーという外見で、キャラクターとしてもいままでにない役だったと思います。奥平さん今回はそれもすごく楽しみでした。というのも、役者の仕事では短期間でも自分が生きられない人生を味わえるので、疑似的に体験できたり、他人の感覚を知れたりするのはうれしかったです。自分とかけ離れた人物を演じるのは、楽しいことだと改めて感じました。―おふたりがご一緒するのは本作が初めてですが、監督は奥平さんに対してどのような印象をお持ちでしたか?監督河村さんが『MOTHER マザー』をプロデュースしたときに「次のスターを見つけた!」とずっと自慢していたので、実は最初は「うるさいなぁ」って思っていたんです(笑)。でも、信頼している流星のマネージャーたちからも「すごいのが入りました」と話があって、そんなにみんなが言うなら見てみようかなと。奥平さんそれはハードル上がりすぎです(笑)。大兼は見てきた俳優のなかでも一番ニュートラル―実際お会いしてみて、評判通りだと思われましたか?監督評判以上の生き物でしたね(笑)。というのも、大兼は同じことをしないというか、本当に自由にやってくれますから。でも、そこが好きなところです。奥平さんありがとうございます!監督あとは、いろんな俳優を見てきましたが、大兼は一番ニュートラルというか、計算せずに感じたことでやるタイプなんだなとも思いました。実際、衣装合わせで会ったときに、「僕は事前に考えていくよりも、やってみて理解するタイプなんです」と本人からも言われて何も返せなかったです(笑)。奥平さんあははは!監督でも、だからこそ今回演じてもらった龍太という役にはぴったりだなと。芯の部分を持っているのにそこをなかなか出せない人物だったので、そういうところが大兼とシンクロしていて撮るのが楽しかったです。―奥平さんは藤井監督の演出に関して、「ヒントをくれつつ自分で答えを見つけさせてくれた」と感じたそうですが、改めて振り返ってみていかがですか?奥平さんまずこの現場に行く前のお話をすると、ありがたいことではありますが、まだほとんど経験のないときにいろんな映画賞や新人賞をいただいたこともあって、周りの方々が思っている僕と自分自身とのギャップがありすぎてつらいと感じていた時期がありました。というのも、実は僕はあまり自分に自信がないタイプだったので…。俳優部と成長過程を共有できるのは幸せなこと―順風満帆のように見えていたので、意外です。奥平さんだから、現場に行くと「自由にやっていいよ」と言われてしまうこともよくありました。でも、僕自身は「何か言ってほしいな」とずっと思っていたんです。そんなときに藤井さんの現場に行ったら、いろいろと言ってくださったのでそれがすごくうれしくて。おかげで自分に足りないことやできないことがだんだんわかってきたので、勉強になりました。この作品以降はほかの現場に行っても、毎回藤井さんの言葉がフラッシュバックするくらい。本当にありがたいことだなと思っています。監督こちらこそ、そう言ってもらえてうれしいです。―主演の横浜流星さんについてもおうかがいしますが、長い付き合いがある監督だから言える魅力や素顔について教えてください。監督役者のなかには、「作品をどんどんこなしては消化されていく」というのを何回も繰り返していくなかで、潰れてしまう人や間違った方向に行ってしまう人もいます。でも、流星は本当に純粋なので、「作品と監督を信じる」というシンプルだけどすごく難しいことをやり続けられる人。その結果が今回もちゃんと出ていたので、最後のシーンを撮っていたときに「いい役者になったなぁ」とうれしくなりました。大兼にも言えることですが、俳優部と成長過程を共有できるというのは幸せなことです。このままではダメになると思って、考え方を変えた―素敵な関係ですね。奥平さんは横浜さんとは初共演ですが、すごくかっこよくて完璧な方だったので、思わず惚れそうになったとか。奥平さん流星くんは同じ事務所の先輩なのでいろんな話を聞いてはいましたが、実際に会ってみないとどんな人かはわからないなと思っていました。ただ、すごくストイックな方なんだろうなとは想像していたので、現場ではなるべく話しかけないほうがいいかなと最初は遠慮してたんです。でも、あるとき思い切って話しかけたら、集中しないといけないときだったにもかかわらず、すごくやさしく話をしてくれました。そういう僕個人の流星くんに対する気持ちは役とも重なりましたし、おかげで安心してできたと思います。ただ先輩に助けてもらったというだけでなく、人としても教わることがありました。―監督は『新聞記者』、奥平さんは『MOTHER マザー』で一躍注目されるようになってから、環境が大きく変わったと感じていらっしゃるようですが、日本にはこの作品で描かれているように同調圧力が強いところがあります。そのなかで苦労されることもあると思いますが、周りに流されないためにご自身で意識していることはありますか?奥平さん以前は自信がほしいと思っていましたが、最近は「自信は持たなくてもいいっか!」と開き直るようになりました。あとは、小さくてもいいので自分なりの目標を持ち、目の前の壁をちゃんと乗り越えようという意識は持つようにしています。というのも、実は一度だけ調子に乗りかけた時期があって、何でもやればできちゃう気がして作品に対するベクトルがずれそうになったことがありまして…。でも、「そんなわけはない」とすぐに気がつき、このままでは絶対にダメだと思って考え方を変えました。自分を否定してくれる人を大事にしている―そこで客観的に自分を見て修正できるのはすごいですね。監督はいかがですか?監督僕は、自分を否定してくれる人やディスってくれる人を大事にするようにしています。監督は神ではありませんが、現場ではどうしてもそういう雰囲気になってしまうことがありますからね。そういったこともあって、自分に対して気を遣わずに話してくれる人にはなるべく近くにいてもらうようにお願いしています。―なるほど。劇中では、主人公が人生を逆転させたことで生きている実感を得ていく様子も描かれていますが、おふたりにもそういう瞬間はありましたか?奥平さんすごい前のことですが、空手の大会で優勝したときです。強い人たちがたくさんいましたが、会場のなかで一番自分が強いんだと思えました。といっても、いろんな部門があるので本当はそんなことないのですが…。でも、それまでちゃんと努力していたので、報われてよかったなと感じられた瞬間です。監督僕は、いま思えば昨年亡くなってしまった河村さんに引っ張ってもらって、一緒に映画を作るようになってから気が楽になったように思います。それまでは自分がはみ出し者のように感じていましたが、自分よりもはみ出している大人がいることを知ったので(笑)。「この人がオッケーなら自分も大丈夫だな」と考えるようになってから、余裕が出るようになりました。誰もが壁を乗り越えようとしていると知ってほしい―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いいたします。奥平さんこの映画はいろんな人の目線から見てほしいなと思いますが、その理由は、誰にでもそれぞれ壁があって、それを乗り越えようとしているということがわかるからです。みんな表に出していないだけで、押さえつけられていることって実はたくさんありますよね。そういうことを知る機会というのはありそうでないので、それを知ることができるだけでも気が楽になるのではないかなと思っています。あとは、お願いですからぜひ映画館で観ていただきたいです。監督まさにその通りで、もし悩みがあっても、みんなが同じように悩んでいる姿を見れば、自分なりの答えを見つけられるのではないかなと。そして答えが出なくても、それもまた正解だと伝えたいです。「素敵な俳優たちを堪能するもよし、物語にハマってもらうもよし」なので、まずは楽しんでください。インタビューを終えてみて…。終始和気あいあいとした雰囲気で、とにかく楽しそうにお話をされていたのが印象的だった奥平さんと藤井監督。そんなおふたりの様子からは、お互いを信頼し合っている気持ちも伝わってきました。近いうちにまたタッグを組まれることがあるのではないかとも感じたので、今後にもぜひ期待したいと思います。現代社会の在り方に一石を投じる!日本社会の縮図とも言えるような村を舞台に、現代にはびこる闇をあぶりだしていく本作。心を揺さぶる俳優陣の熱演と映像美に圧倒されるとともに、生きづらさを抱えるリアルな若者たちに自らの姿を重ね、さまざまな問いと答えが頭のなかを駆け巡るはず。写真・園山友基(奥平大兼、藤井道人)取材、文・志村昌美ヘアメイク・速水昭仁スタイリスト・伊藤省吾(奥平大兼)ストーリー美しいかやぶき屋根が並ぶ山あいにあり、夜霧が幻想的な集落・霞門村(かもんむら)。神秘的な「薪能」の儀式が行われている近くの山には、のどかな景観には似つかわしくない巨大なゴミの最終処分場がそびえ立っていた。幼い頃から霞門村に住む片山優は、この施設で働いていたが、父親が起こした事件の汚名を背負い、さらに母親が抱えた借金の支払いに追われる希望のない日々を送っている。優には人生の選択肢などなかったが、幼馴染の美咲が東京から戻ったことをきっかけに人生が大きく動き出すのだった…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『ヴィレッジ』4月21日(金)より、全国公開配給:KADOKAWA/スターサンズ(C)2023「ヴィレッジ」製作委員会写真・園山友基(奥平大兼、藤井道人)
2023年04月20日『池袋ウエストゲートパーク』や『TRICK』シリーズなど、数多くの大ヒット作を生み出し、革新的な作風で話題を呼んでいる堤幸彦監督。劇場公開最新作『ゲネプロ7』では、演劇界とタッグを組んで新たな意欲作を完成させています。そこで、本作で映画初主演となったこちらの方にお話をうかがってきました。三浦海里さん【映画、ときどき私】 vol. 571本作は、新作舞台に挑むことになった7人の役者たちを中心に、「ゲネプロ」と呼ばれる最終リハーサルを行うまでの様子を描いたミステリー。そのなかで、劇団の新メンバーとなる山井を演じたのは、「主役の椅子はオレの椅子」というオーディション番組で勝ち抜いて本作に抜擢された三浦さん。和田雅成さんや荒牧慶彦さん、黒羽麻璃央さんをはじめとする舞台で人気の実力派キャストに囲まれながら主演という大役を務めています。そこで、堤監督の現場で驚いたことや共演者との思い出、そして自身の素顔について語っていただきました。―まずは、堤幸彦監督が撮影に参加することが決まったとき、最初のリアクションはどんな感じでしたか?三浦さんこのメンバーの真ん中に立つだけでなく、堤さんともご一緒できると聞いたときは正直に言うと「マジか!」と本当に驚きました(笑)。僕は堤さんの『SPEC』シリーズが大好きだったのでワクワクしましたが、それ以上にドキドキや不安も大きかったです。―実際、「早く始まってほしいけど、始まってほしくない」みたいなお気持ちになったとか。初日を迎えたときの様子を教えてください。三浦さんその日のうちにキャストのみなさんともお会いしましたが、最初は独特な空気感もありました。でも、それが劇中の山井が新メンバーとして加入する様子とリンクしていたので、むしろよかったかなと。しかもみなさんがとても優しく受け入れてくださったので、すごく楽しくてあっという間に撮影が終わってしまった感じでした。あえてキャラを確立しすぎないことを意識した―今回は、どのような準備をして役作りをしていきましたか?三浦さん僕が演じた山井は、個性の強いほかのキャラクターに比べて、あまり特徴のない人だと思いました。だからこそ、逆にあまり作り込まずに、フラットでいたほうが一番いい形で目立てるのかなと。そういう理由から、あえてキャラを確立しすぎないことを意識しました。―山井の少しオドオドした雰囲気と、劇中劇で演じた妖精パックの狂気的な感じを見事に演じ分けられていたのもすごかったです。三浦さんまず山井は素の僕に近いタイプですし、パックに関してはずっと演じてみたいと思う役どころでした。なので、僕にとってこの2つのキャラクターは自分の枠から大きく外れていない感覚だったので、本当にいい役に巡り合えたと感じています。パックに関しては、本読みのときに堤さんからニュアンスを教えていただいたのと、その場でメイクもしていただいたので、そこからインスピレーションをもらって演じました。―普段は舞台を中心に活動されているので、映画の現場では戸惑うこともあったのではないかなと。三浦さん初めのほうにみんなの後ろに立って、ボソッと話すシーンがあるんですが、自分としてはかなり抑えて声を出しているつもりでした。でも、「もっと小さく」と言われて、「蚊の鳴くような声になっちゃうけど大丈夫かな?」と思ったんです。そのときに、自分がいかに舞台の発声になっているかに気づかされました。声量やカラダの動かし方など、映像と舞台では表現の仕方が違いますからね。そのギャップが難しくて、苦労しました。堤さんの細かいこだわりが散りばめられている―堤監督の演出で驚いたことがあれば、お聞かせください。三浦さんたとえば「ここでまばたきを大きくしてみて」とか「何歩で歩いて」といった感じで言われることが多かったので、細かい部分でのこだわりを散りばめられているイメージが強かったです。個人的に楽しかったのは、エンディングで僕が舞台上でセリフを言ったあとにドローンが劇場のなかをグルグル回り、最後に僕が2階にいるという流れをワンカットで撮ったときのこと。実は、裏で1階から2階まで猛ダッシュしているんです(笑)。特に2階の廊下にはモニターを見ながら僕に「行け行け!」と手を振る堤さんの後ろを走っていくのがおもしろかったなと。しかも、ドローンの操作が難しかったようで、6回くらいやりましたから。毎回全力疾走だったので、かなり息は上がっていましたが、映っているときはそれがわかってはいけないので肩を揺らさないようにするのが大変でした。―裏でそんなことがあったとはまったく感じさせないシーンですが、ぜひ注目してほしいですね。監督からは「集団のなかで存在を出すことが天才的にうまい」と言われているそうですが、自分で意識していることは?三浦さん自分としては、まったくないですね。ただ、以前ほかの舞台のときに「人によって普通は違うから、普通って難しいよね」という話になったことがあり、そこで「周りが個性的であればあるほど、そのままでいることで普通になれる」と教えてもらったことがありました。今回はそういうところを意識したおかげで浮いて見えたのかなと思うので、堤さんにはそのあたりを見ていただけたのかもしれません。みんなでオンオフをしっかり分けられたのがよかった―その個性豊かな共演者の方々がそろった現場で、印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。三浦さん休憩時間は一緒にご飯を食べながら、みんなが大好きな『ONE PIECE』のマニアックなクイズを出し合うということを永遠とやっていました(笑)。でも、そのおかげで輪ができた気がしますし、オンとオフをしっかりと分けられたのはよかったなと。あとは、みなさんが僕のことを主演だからといって立ててくれると同時に引っ張ってもくださったので、ありがたかったです。―そこで生まれたチームワークのおかげで殺陣のシーンも息がぴったりだったと思いますが、これまでは殺陣をほぼしたことなかったとか。そうとは思えないほど素晴らしい殺陣でしたが、実際に挑戦してみてどうでしたか?三浦さん僕以外は刀の扱いに慣れている方ばかりだったので、死に物狂いでした。しかも、今回は練習の時間がほとんどなかったので、動画を見ながらキャスト同士で休憩時間に合わせたり、毎日ホテルで自主練したりという感じだったので、本番の前からすでに汗をかいていたほどです(笑)。本当に必死でした。そのなかでも、繰り返し練習に付き合ってくれたのは、1対1のシーンがあった(和田)雅成くん。蹴りを入れるところも「本当に当てても大丈夫だよ」と言ってくれたり、アドバイスをくれたりしてすごく助けてもらいました。何も持っていないけど、努力の量では負けたくない―堤監督からは、「オーディションを勝ち抜いてきた理由が分かった」というコメントもありましたが、ご自身の強みはどんなところだと思っていますか?三浦さん堤さんは僕を買いかぶりすぎですね。おそらくコメント用で5割増しに言ってくださった気がします(笑)。ただ、僕は役に入ったら何も怖がることなく、物おじせずにいけるところはあるので、もしかしたらそういうところを感じていただけたのかなと。僕自身は何かを持っているほうではないですが、持っていないからこそ気持ちで負けたくないというか、努力の量で負けたくないという思いは強いです。―ということは、素顔は意外と怖がりだったりするのでしょうか。三浦さん小さいときから、人のことをよく見るところがあって、ものすごく周りの空気を読むほうではあると思います。ただ、役になったら関係なく行けてしまうので、普段の反動がそっちに出ているのかもしれないですね(笑)。―では、ストレスが溜まってしまうときの発散方法は?三浦さん実は、僕はストレスが溜まったことが本当にないんです。気がついていないだけかもしれませんが…。寝るのが大好きなので、寝たら全部忘れてしまうタイプです。あとは音楽が好きなので、その日の気分に合わせて聴いています。僕はどちらかというと聴き流したいので、日本語の曲より歌詞がわからない洋楽を聴くことが多いです。雨の日ならタイトルに「ウォーター」が入っているものを選んだり、テンションを上げたいときはクラブミュージックを聴いてみたり。こういう時間ってすごく大事だなと思います。役者を続けていくうえで“武器”になるものを見つけたい―これから挑戦してみたいことがあれば、教えてください。三浦さんこの作品が1つ大きなポイントにはなったので、今後映像もたくさんやっていきたいなと考えています。いまはまだ慣れていないところもあるので難しさはありますが、経験を積んでいけばもっと映像の楽しさに気づけるんだろうなと思うので。特に自分がテレビっ子だったこともあり、小さい頃に見ていた世界に行けたらいいなという気持ちもあります。ただ、舞台もすごく好きなので、いいバランスでどちらもやっていきたいです。あとは、特技を見つけたいですね。技術的なことでもメンタル的なことでもいいので、役者を続けていくうえで「これは誰にも負けないぞ」と思える自分にとっての“武器”を持てたらいいなと思っています。―それでは最後に、ananwebの女性読者に向けてメッセージをお願いします。三浦さんまずは、いつもお疲れさまです!みなさんも毎日大変だと思いますが、つらくなったときに下を見てもらったらヒーヒー言いながらがんばっている僕がいますから(笑)。それを見て元気になってもらえたらうれしいです。今回の作品は、舞台と映像のいいところをギュッと集めた作品になっていますので、舞台を見たことがない方もこの映画をきっかけに興味を持っていただけると思います。特に事前の知識もいらないので、お友達と気軽に観に来てください。インタビューを終えてみて…。とても気さくで、とにかく明るい三浦さん。楽しく話をしている様子を見ていて、現場でもみなさんから愛されていただろうなというのが想像できました。本作では、いろんな表情の三浦さんを堪能できるので、見事な殺陣のシーンも含めて必見です。予測不可能なストーリーから目が離せない!映画ならではの映像を楽しめると同時に、まるで舞台を見ているよう感覚も味わえる本作。ミステリアスな展開と臨場感あふれる迫力満点の殺陣シーンに、どんどん引き込まれていくこと間違いなしの1本です。写真・幸喜ひかり(三浦海里)取材、文・志村昌美スタイリスト・堂園礼子ヘアメイク・Roops見良津ストーリー若者から絶大な人気を誇っている7人組ユニット〈劇団SEVEN〉。新たなメンバー山井を加えた新作舞台「シェイクスピア・レジェンズ」の準備を進めている最中、カリスマ的リーダーの蘇我が急死する。蘇我を失ったことで何かが崩れ始めてしまう劇団員たち。お互いのミスを責め合うようになり、稽古には身が入らず、信頼関係に亀裂が走る。さらに、“ある秘密”が彼らに告げられたことで、運命の歯車が容赦なく狂い出すのだった。はたして、7人の絆を打ち砕こうとする黒幕の正体とは?続きが気になる予告編はこちら!作品情報『ゲネプロ7』4月21日(金)より、全国ロードショー配給:ギャガ(C) 映画「ゲネプロ7」製作委員会写真・幸喜ひかり(三浦海里)
2023年04月19日春といえば、大きな決断とともに新たな一歩を踏み出す人も多い季節。そこで、今回オススメする1本は、夫の裏切りによってシングルマザーとして生きていくことになった女性の生き方を描いた話題作です。『午前4時にパリの夜は明ける』【映画、ときどき私】 vol. 5701981年、パリ。夫から結婚生活の終わりを告げられ、突然ひとりで子どもたちを養うことになったエリザベート。これまでほとんど働いた経験のなかった彼女は、焦りを覚えつつも何とか深夜放送のラジオ番組の仕事に採用される。そんななか、エリザベートが出会ったのはスタジオゲストとして訪ねてきた少女タルラ。彼女が家出をして外で寝泊まりしていることを知ると、自宅へと招き入れる。エリザベートは、一緒に暮らすなかで自身の境遇を悲観していたこれまでを見つめ直していくのだった…。昨年のベルリン国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、高い評価とともに絶賛の声が上がった本作。そこで、作品の制作過程などについてこちらの方にお話をうかがってきました。ミカエル・アース監督2018年の前作『アマンダと僕』でさまざまな賞に輝き、フランス映画界でも注目の存在となっているアース監督。今回は、世界の名匠たちから愛される俳優シャルロット・ゲンズブールを主演として迎えた理由や現場で感じた魅力、そして作品を通して伝えたい思いなどについて語っていただきました。―本作は、なぜ1980年代を舞台にしようと思ったのですか?監督この映画を撮る一番のきっかけは、80年代を描くことでした。というのも、当時の私はまだ子どもでしたが、80年代のティーンエイジャーを体験することをずっと夢見ていたからです。人は子ども時代によって形成されるとよく言いますが、実際に私自身も80年代によって作られているように感じています。とても抽象的に聞こえるかもしれませんが、本作ではノスタルジックな視点ではなく、自分のなかに残っている時代の雰囲気や色味、質感といったものをつかみ取りたいと思っていました。あとは、中年の世代に入った女性が夫と別れる状況になってしまう展開と今回撮影したパリ郊外の街、そして深夜ラジオといった以前から映画に取り込みたいと考えていたいくつかの要素をこの作品ではすべて加えています。―なるほど。エリザベートの人物像を形成するうえでは、何かを参考にされたのでしょうか。監督自分が知っている人のなかにモデルがいたとか、そういったことは特にありませんでした。ただ、自分の周りにもエリザベートと同じくガンを経験した女性や夫と別れた女性を知っています。なので、そういったいろんな情報を混ぜ合わせてキャラクターを作り上げていきました。あと、当時の日本がどうだったのかはわかりませんが、80年代のフランスでは離婚がひとつの社会現象となっており、パリでは約2組に1組が離婚していたと言われているほど。それが80年代の象徴的な出来事だったので、設定にも取り入れていますが、それ以外は時代を越えて通じる女性像だと思っています。シャルロットは、崇高なプロ意識を持っている俳優―そして、そのリアルな女性の姿をシャルロット・ゲンズブールさんが見事に演じていますが、この役を彼女にお願いしたいと思った理由を教えてください。監督正直に言うと、実は私はシャルロットの作品をそこまで観ていたわけではありませんし、彼女のこともよく知りませんでした。でも、あるとき彼女のインタビューを見ていて、センシティブであると同時にとても重心がしっかりとある方だなと思い、彼女が持っている二面性にインスピレーションを受けたのです。エリザベートという女性も、ひと言では説明できないくらい複雑で、いろんな側面を持っている人物。勇気を持って行動しているかと思えば内気なところがあり、もろいようで意外と決断力があるような女性なので、シャルロットに演じてもらいたいなと。実際、初日から彼女はこの役をとても優美に演じてくれました。―では、彼女と現場をともにしてみて、驚いたことや感銘を受けたことはありましたか?監督一緒に仕事をしてみて、私はますます彼女に魅了されました。現場でも、ずっと彼女に見入ってしまったほどです。彼女はシナリオを細かく分析するのではなく、自然に理解して演じるタイプなので、どちらかというとアメリカの俳優たちに近いと感じました。彼女は知性があって寛容で、愚痴を言ったりすることもなく100%この映画に捧げてくれたので、崇高なプロ意識を持っている俳優。さらに、人工的な美しさではなく、年代に合った自然な美しさを兼ね備えている方でもあると思いました。日本との間には、つながりを感じている―確かに、自然体なところが魅力的ですよね。それでは、日本についてもおうかがいしたいのですが、監督はどのような印象をお持ちですか?監督ありきたりな言葉に聞こえるかもしれませんが、私はつねに日本には魅了されています。そして、世界中で自分の映画が公開されるなかでも、フランスの次に理解してくれていると感じるのが日本。フランスと日本では文化がまったく違うので、なぜそうなのかはうまく説明できませんが、日本との間には絆のようなつながりを感じています。私の映画にとって、日本は“第二の家”なのです。―うれしいお言葉をありがとうございます。監督ご自身が日本の文化などで興味を持っていることはありますか?監督私は音楽が大好きなのですが、数年前からハマっているのは日本で発売されているレコードジャケットを集めることです。音楽に関してはイギリスやスコットランド、アイルランドから影響を受けているのですが、日本で作られているそれらのアルバムは非常に美しく、ほかの国ではなかなか出会えないようなものばかりだと思っています。人とは対立するのではなく、共有することが大事―今後も監督の作品を楽しみにしている映画ファンは多いと思いますが、映画作りで大切にしていることは?監督1つのプロジェクトに取り掛かる場合、私は初めに“小さな石ころ”しかもたらしていません。にもかかわらず、そこに多くの人が集まり、一緒に共有できるのは素晴らしいことだと考えています。そのときに私が意識しているのは、お互いに対する信頼と優しさ。誰かと対立する必要はまったくなく、他人と同じ思いを共有することが何よりも原動力になると思っています。それから、映画を作っているときにいつも感じるのは、映画自体が私を選んでくれているということ。「この物語を書きなさい」と言われているような感覚に毎回陥るのです。これからも、私は自分の日常や人生からインスピレーションを得て映画を作っていきたいと考えています。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督今回の作品では、生きるうえでの難しさやいろんな悩みを抱えている人物たちの不安や心の傷を包み隠さず見せていますが、私はそれらを美しく描きたいと思って作りました。そして、そういった日常に起こり得ることについて知ることにも意味があるので、知ったうえでもっと深いところにまでいっていただけたらいいかなと。映画のなかではそれらを感覚的に表現している部分もありますが、映画を観て、みなさんに感じていただくことが重要なことだと思っています。誰にでも壁は乗り越えられる!多くの葛藤を抱えて生活している私たちの背中をそっと押してくれるのは、さまざまな困難に傷つきながらも自分の力でたくましく生きようとする主人公たちの姿。パリでも日本でも、「明けない夜はない」と希望を感じさせてくれるはず。取材、文・志村昌美心に響く予告編はこちら!作品情報『午前4時にパリの夜は明ける』4月21日(金)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次公開配給:ビターズ・エンド️(C) 2021 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA
2023年04月19日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は真似したくなる海外のお洒落なストリートスタイルをご紹介します。イエロースウェードが魅力的!ショート丈のジャケットこちらとっても春らしくすっきりとしたスタイルに仕上がっています。淡いイエローがデニムとの相性も抜群、またトップスがショート丈なので、すっきりとした雰囲気に。ヒールの高めパンプスで大人らしさを忘れずに。いますぐ真似したい大人可愛いスナップ。色の組み合わせが珍しい斬新な春先スタイルオーバーサイズのトップスは真っ赤なのに対し、全体的に淡めのグリーンで統一している個性的な色合いが魅力的な組み合わせ。海外でも人気のアクネ ストゥディオズ( Acne Studios )でバッチリ決めてます。春もビーガンジャケットはお忘れなく…春といっても日中以外はやはりジャケットがまだまだ必要。そんな時は寒さから守ってくれるアウターが必要ですよね。ロングコートや厚手のコートよりも、ショートめですっきり見せるのが春らしい。こちらはビーガンジャケットでカッコよくスタイリングしています。春だけど暑苦しくないですよね!淡い色は春にぴったり!とっても上品で可愛らしい落ち着いたスタイル。刺繍が施されたふんわりトップスにポイントになる淡いグリーンカラーのスカート。小物の使い方も上品で真似したくなるポイント多し!シンプルなTシャツスタイルも人気お洒落に着飾るのもいいけど、シンプルにTシャツで決めてくれるインフルエンサーも多い。Tシャツといっても個性的なもので、自分なりのズボンや小物を合わせて雰囲気を作り上げているので、勉強になる着こなしが多いんです。シンプルだからこそ、実はなかなか難しかったりするんですよね。こちらのボトムスの合わせ方や小物使い、ぜひ参考に!ヴィンテージ風にカジュアルクール春といってもまだ寒いので、ジャケットを羽織るスタイルも確認しておきたいですよね。デニムとジャケットは定番の組み合わせですね。デニムがちょっと変わったスタイルなので、定番スタイルであっても、雰囲気があって魅力あり!今回は春に真似したい、大人っぽいカジュアルスタイルをご紹介しました。自分好みのスタイルがあればぜひそこから参考に、春ファッションを楽しんでみてくださいね。写真 平野秀美
2023年04月16日誰もが一着は持っている黒パンツ。黒パンツはコーディネイトに迷うことがない鉄板アイテムですよね。ですが、そんな黒パンツでさえも組み合わせるトップス・小物次第で時代を感じさせる古臭いイメージになったり、野暮ったくなったりするので注意が必要です。今回は、ベーシックなアイテムの黒パンツを今っぽく着こなすコーディネイトテクニックについてご紹介します。細身の黒パンツは【カーディガン×ローファー】を合わせる2023年のボトムスは全体的にルーズなシルエットが人気になっています。そのため、今季に限っては定番の細身パンツも着こなしの鮮度がやや落ちてしまいそう。それでも細身の黒パンツで旬な装いをキープしたいなら、トップスの組み合わせにこだわって。パンツのシルエットにトレンド感を出せない時はトップスにトレンドのアイテムを合わせると着こなしの鮮度が保たれます。なかでもおすすめはミドル丈のオーバーサイズカーディガン。ミドル丈カーディガンは細身パンツとの組み合わせバランスも良く、腰まわり周辺をカバーしてくれるので、スタイルアップが期待できます。インナーは白TシャツもしくはロゴTシャツでシンプルに。足元はローファーを合わせてマニッシュさを感じる着こなしに仕上げましょう。ワイドな黒パンツは【短丈トップス×ミュール】を合わせるワイドな黒パンツを今っぽく着こなしたいなら、断然トップスはトレンドの短丈トップスがおすすめです。これまではワイドなパンツとオーバーサイズのトップスを合わせた、ゆるっとしたコーディネイトが人気でした。しかし昨年からボディコンシャスなアイテムの流行が続いていることにより、メリハリのある着こなしが旬を感じる装いとなっています。今まではゆったりしたトップスを組み合わせていたなら、ぜひ今年は短丈のコンパクトトップスを組み合わせてみましょう。トップスがコンパクトだとボトムスのダボっとしたシルエットが際立つので下半身カバー効果も高まります。ただし、丈の短いトップスは上半身の体型カバーがしづらいです。もし、二の腕やバストラインをすっきり見せたい場合はジゴスリーブ(ボリュームのある袖)デザインで肩にボリュームを出すと肩・バストのボリュームを抑えられるのでデザイン選びにも注目してみてくださいね。足元はレディライクなミュールを合わせるとビターな甘さが漂うおしゃれな着こなしに。黒パンツは永遠。でも着こなしに鮮度を持って黒のパンツ自体は半永久的に愛されるベーシックなアイテムです。しかし、そんな黒パンツを使った着こなしが古く見えてしまうとしたら、それはもしかするとコーディネイトのスタイルがアップデートされていない可能性があります。今、流行っているアイテムは何か、どんなシルエットが人気かをリサーチしておくだけでも自然と感度の高い着こなしが実現するので、ぜひ定期的にトレンドチェックを忘れないようにしましょう。イラスト・文 角 佑宇子
2023年04月16日上野の東京国立博物館(トーハク)で、特別展「東福寺」が開かれています。紅葉の名所として知られる京都・東福寺は、実は文化財の宝庫。国宝や重要文化財に指定されている作品を数多く所蔵しています。今回、本展で音声ガイドナビゲーターを務める俳優の木村多江さんに、展覧会の見どころなどお聞きしてきました!木村多江さんがナビゲーター!木村多江さん【女子的アートナビ】vol. 288特別展「東福寺」では、京都・東福寺が所蔵する膨大な寺宝のなかからセレクトされた国宝や重要文化財指定のお宝など、約150件をまとめて展示。鮮やかな仏画や巨大な仏像、書画など、日本文化の魅力をたっぷりと味わえます。(会期中、展示替えがあります)東福寺は、鎌倉時代前期に摂政・関白を務めた九条道家(くじょうみちいえ)が発願し、開山として円爾(えんに)を招いて創建された禅宗寺院です。応仁の乱などの戦火を免れた貴重な文化財を数多く所蔵。国宝7件、重要文化財98件、合計で105件もあり、まさに文化財の宝庫といえるお寺です。東福寺初となる大規模展覧会で音声ガイドを務めるのは、木村多江さん。今回、本展の見どころなどをお聞きしてきました。想像を超えた楽しい作品がいっぱい!――展示をご覧になって、いかがでしたか?木村さん禅宗の美術は硬いのかなと思っていたら、想像を超えて楽しいものがいっぱいありました。例えば、《五百羅漢図》のところには四コマ漫画があり、その漫画にタイトルまでついていて、ストーリーもわかりやすく、ポップで楽しくなりました。作品そのものも色彩が豊かで美しく、描かれている羅漢のお顔も近所にいる人のような雰囲気で、身近な感じがします。また、《虎一大字》という書の作品も、虎の絵のような文字のような、あるいはカメレオンにも見えます。禅宗の教えにある「人の心次第」を伝えようとしていたのかもしれないですね。いろいろ自由に解釈ができ、想像が膨らみました。すごく興奮しちゃいます(笑)――木村さんは長年、NHKBSプレミアム「美の壺」でナレーションをされ、日本の文化にも精通されています。日本の美術工芸の楽しみ方を教えていただけますか?木村さん 日本には、すばらしい作家や職人の方々がたくさんいて、世界に誇れる技術があります。今では再現できないような先人たちの技術もあり、そんな方々の技を発見できることが楽しいです。例えば、今回の展覧会で見られる鎌倉時代の《二天王立像》も、あんな大きな仏像を寄木でどうやってつくったのだろうか、とびっくりします。今のようにデジタル技術がない時代、全体像をどのように考えてつくっていくのか、想像するとすごく興奮しちゃいます(笑)。こんなにすごい作品が日本にあるんだよ、と私はみなさんに言いたいです(笑)。昔はどんなふうにつくったのか、どんな人がつくったのか、と想像しながら見ていただきたいですね。――木村さんご自身にとって、美術に触れることで何か影響はありますか?木村さんお芝居は、アウトプットのことが多いので、美術展に行っていろいろ拝見すると、作者の精神や魂に触れられる気がして、それがインプットになり、自分を鼓舞することにもなります。想像力が膨らむような感動を、見ている人に与えることができる美術作品に触れると、私もそうなりたいと目指すものができます。美しいものやびっくりする作品を見ると、刺激になり、活力にもなります。背負い投げされた気分です(笑)――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。木村さんこの展覧会は、今まで抱いていた禅宗美術のイメージを覆されて、背負い投げされた気分です(笑)。それくらい楽しかったです。圧倒的で、いろいろなことを想像して、思わず見ながらニヤニヤ笑いました。すごく楽しい気分にさせてくれる展覧会です。どの世代でも、楽しいことが好きと思う方は、ぜひ見に来ていただきたいです。インタビューを終えて…穏やかな優しい口調でお話をしてくださった木村さん。日本の美についてお聞きしたとき、作品や作り手について、とても愛おしそうな表情で話されているお姿が印象的でした。木村さんが優しく語りかけてくれる音声ガイドを聴きながら、ぜひ展示を楽しんでみてください。Information会期:~5月7日(日)※休館日は月曜日(ただし、5月1日は開館)会場:東京国立博物館平成館(上野公園)開館時間:9時30分~17時00分(入館は閉館の30分前まで)観覧料:一般 ¥2,100、大学生 ¥1,300、高校生 ¥900、中学生以下無料京都会場:京都国立博物館 2023年10月7日(土)~12月3日(日)
2023年04月16日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は世界的に有名なインフルエンサーの着こなしスタイルを見ていきたいと思います。マルチな才能を存分に活かすアレクサ・チャン Alexa Chungアレクサ・チャンは、イギリスのテレビ司会者、モデル、作家、ファッションデザイナー。マルチな才能の持ち主でありながら、その美貌でもさらに人気に火をつけています。彼女のファッションは、日本人スタイルにも似ていて、すぐに真似できて便利!こちらの2つの写真、インナーのトップスは同じものを使用しているんですね。着こなし次第で、全く違うように見える!仕事着やプライベートでも真似したい、世界的人気インフルエンサーのファッションです。ファッションセンス抜群、デンマーク出身のエミリーシンドレフ Emili Sindlevデンマーク出身で今や世界中にファンが多いエミリー。彼女の特徴はカーリーなブロンドヘアに奇抜なカラーを上手にミックスして着こなすスタイル。真似したくても、なかなか手に入らないような色から、合わせにくそうな色も上手にブレンドしてしまうのが彼女に魅力です。可愛らしいスタイルでしたが、最近は大人っぽい顔つきに変わりましたね。新たな彼女の魅力を今後も期待したい!@emilisindlevアメリカのファッションインフルエンサー、オリヴィア・パレルモ Olivia Palermoオリヴィア・パレルモは、アメリカのファッションインフルエンサー、起業家、モデル、テレビタレント。エクボがなんともキュートなオリヴィアは、清楚な服装が得意。大人っぽく上品で女性からの支持もかなり高いです。@Oliviapalermoファッションセレブ、カロリーネ・ダウル Caroline Daurファッションウィークでは常連であり、小柄ながら鍛えられた腹筋とその洗練されたコーディネイト力は、世界中の女性からの憧れのまと。ドイツのファッションブロガーであり、モデル、そして現在は自分で起業し活躍している、こちらもマルチな才能の持ち主。スタイルはモダンでありながら、個性を忘れない彼女らしいファッション。色や柄に特徴があり、スカートやワンピースがとっても似合います。@carodaur今回は世界的に人気のインフルエンサー4人をご紹介しました。彼女たちらしいファッションは、真似しやすいのに個性が生かされたスタイルが多いですよね。ハイセンスな4人のスタイルを、ぜひ参考にしてみてください。写真 平野秀美
2023年04月15日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第138回は、なにげなく通い始めた趣味の場で、思いがけずイヤな思いをしてしまったというエピソードをお届けします。1.好みの女性にだけ親切にする【結婚引き寄せ隊】vol. 138恋人探しをしていなくても、男女問わず、いつどこで誰と知り合うことになるかはわからないものです。たとえば、趣味の集まりに行けば、同じ意識を持つ人と意気投合することもあるでしょう。でも、下心なく健康のために通うようなスポーツクラブで、思いがけず出会った相手からイヤな思いをしたという場合も…。今回は、スポーツクラブで起こったウンザリしたエピソードをご紹介します。まずひとつめは、海外から日本でも展開されるようになった、ちょっとセレブ向けのフィットネススタジオに通っていたAさんの話から。そこは、グループで受けるパーソナルトレーニングがメインのところのため、ひとつのスタジオにレッスンを受ける会員が集合するシステムだったそうです。毎回、手を抜くことができない高強度のワークアウトを行なっているため、Aさんはいつも汗びっしょり。あるとき、いつもの時間に用があったため、違う時間帯のレッスンに参加したそう。すると、新しく入ったと思われる若手のコーチが、そのクラスを担当していました。そのスポーツクラブでは、ルールとしてレッスンの5分前にはスタジオの前に会員が集合して、これから行うワークアウトについて、コーチが説明します。Aさんが参加したクラスでは、若手コーチが、ささっと手短に説明を行いました。でも、いつものクラスのベテランコーチだと、もっと丁寧に説明があるのにと、若手コーチの短い説明に違和感を覚えたとか。ふと若手コーチを見ると、コーチと同世代の女性会員に「わかんないことあったらいつでも聞いてね〜!」と、超至近距離で声をかける姿を目撃。最初はただ単に、若手だからあえてくだけた接客で、近くにいた会員に声をかけているのかと思いきや、若手コーチが気にかけているのは同世代のその女性会員だけ。レッスン中も、「さん!(女性会員の名前)」と笑顔を振りまいているコーチ。わかりやすく私情を出すような若手コーチからレッスンを受けたくないな…とAさんは思いながらも、「健康のために来ているだけだから見なかったことにしよう」と、若手コーチが好みの女性にだけ親切にする姿を横目に、最後までレッスンには参加しました。でも、やっぱり気分は良くはないということで、以降は絶対にその若手コーチのレッスンを受けなくなったそうです。コーチといえども人間ですから好き嫌いもあるかもしれませんが、会員は会費を払っているんだから、レッスン中ぐらいは浮かれないでほしいものです。2.名簿を見て手紙を送ってくる続いては、昔、通勤途中の駅にあるスポーツクラブに通っていた、Bさんのお話。そこでは、筋トレのマシーンがフロアにずらりと並んでいて、奥のほうに行くと、会員専用のプールやジャグジーバスなどがあるようなスポーツクラブでした。Bさんは、あまり残業がなく早く帰宅できそうなときには、帰宅時にスポーツクラブに寄って、軽く筋トレしてから家路へと急いでいたそうです。あるとき、仕事が忙しくなって、しばらくスポーツクラブに行けなくなったときがありました。朝早く家を出て、夜遅く帰ってくるような毎日で、一人暮らしの家のポストさえも、まったく開けることなく放置していたのだとか。だんだんと仕事が落ち着いてきたある日、そうえいば見てないな、と何気なくポストを開けてみると、大量のチラシの間に一通の手紙がまぎれていました。「誰からだろう?」と、さっそくその場で開封してみると…なんとスポーツクラブのスタッフからの直筆の手紙が。しかも、「スポーツクラブに通っているあなたのことが気になって…」という内容にゾッ。さらには、「一度、ふたりで会いませんか?」などと書かれていたため、その場で手紙を破り捨て、即効スポーツクラブの退会手続きをしたそうです。退会後は、追い回されるようなことはなく、大事に至らずに済んだエピソードではあるものの、まだそれほど個人情報の管理が厳しくなっていない頃の話とはいえ、会員の住所を勝手に調べて手紙を送りつけてくるスタッフって…。いまなら、犯罪として厳重に対処される話ゆえに、モラルのない人の話には驚きます。3.聞いていないのに教えたがる最後は、聞いていないのにやたらと教えたがるスポーツクラブのスタッフのエピソードです。Cさんは、働き始めてからまったく運動しなくなり、リフレッシュを兼ねて大手のスポーツクラブに通うことにしました。そこは数々の筋トレマシンや、プールはもちろん、バラエティ豊かなスタジオレッスンを行なっているスポーツクラブだったので、「楽しそう」と思って入会したのだそう。とはいえ、それまで一切スポーツクラブに入ったことがなかった女性は、多くの人に混じって行うスタジオレッスンやプールに入るのは勇気が必要だったため、ひとりでもできる筋トレから始めることに。入会時に教わったマシーンの使い方を思い出しながら、筋トレをし始めたそのとき、どこからともなく男性スタッフがやってきて、「そのマシーンはこうやってやるといいですよ」と使い方を再度レクチャー。内心、前に聞いたからわかるよ…と思いながらも、汗を流す様子を見られるのにも気恥ずかしさがあったCさんは、「わからないときは聞きますので」と違うマシーンへと移動したそうです。黙々と筋トレがしたくて移動したCさんでしたが、しばらくするとまた、同じスタッフがやってきて、「このマシンは」と説明しだす始末。まさかトレーニングの様子をずっと見てたんだなとウンザリしたCさんは、結局のところ、人見知りもあってだんだんとスポーツクラブに行くのがおっくうになり、何もしないまま退会してしまったのだとか。初心者だから親切心で教えようとするスタッフの気持ちもわかるものの、難しいところです。たとえば洋服を買うときにやたらと接客してくるショップ店員さんもいますが、グイグイ来られてOKなタイプとそうでないタイプがいるので、相手をよく見てから空気を読んでくれるといですよね。もしも思いがけずイヤな思いをさせられたときは、可能な場合は、なるべくその場所や相手から離れたいものですし、そんな相手とは恋が生まれるはずもなく。みなさんは良い出会いをつかめますように!文・かわむらあみり©Martin Barraud/Getty Images©LordHenriVoton/Getty Images©gilaxia/Getty Images
2023年04月14日近年、世界的な問題ともなっているフェイクニュースやステルスマーケティング。実は、パリでは200年ほど前から横行していたとも言われています。そこでご紹介するのは、まさにその原点とも言える姿を描き、注目を集めている映画『幻滅』です。今回は、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。バンジャマン・ヴォワザンさん【映画、ときどき私】 vol. 569フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞において、作品賞をはじめ最多7冠を受賞した本作。そのなかで主人公のリュシアンを演じ、有望新人男優賞に輝いたバンジャマンさん。劇中では詩人を夢見ていた純朴な青年が、いつの間にか野心と欲望にまみれて身を滅ぼしていくさまを熱演しています。そこで、役作りへのこだわりや豪華共演者がそろった現場での様子、そして愛とは何かについて語っていただきました。―本作を手掛けたグザヴィエ・ジャノリ監督は、「バンジャマンこそ現代のリュシアンであり、すべてを具現化してくれた」と話されていますが、ご自身でもリュシアンと通じる部分はあると思いましたか?バンジャマンさんそうですね、僕もリュシアンと同じくらい少し弱いところがあると感じました。あとは、社交界での遊びを楽しんだり、メディアを利用したりするところも同じようなところがあるのかなと。でも、彼のような悲劇的な最期を遂げたいとは思っていませんよ。―19 世紀フランスを代表する文豪オノレ・ド・バルザックによる『幻滅——メディア戦記』が原作ということで、バンジャマンさんにとっては初のコスチューム劇となりました。これまでの作品と違いを感じるようなこともあったのでしょうか。バンジャマンさん今回心がけたのは、観客のみなさんがリュシアンの目を通してこの時代を理解できるようにすること。そのために特別な何かをしたというわけではありませんが、自分の存在がどうあるべきかを意識して演技しました。ここまで集中して撮影に挑んだことはなかったかもしれないと感じたほどです。大俳優との共演は、いつまでも心に残っている―表情や佇まいなどがどんどん変わっていくさまを見事に表現されていて素晴らしかったですが、実際に本作が完成したときは、どのようなお気持ちでしたか?バンジャマンさんこの映画に出られたことはもちろん、リュシアンという役を演じられたことがすごくうれしかったです。というのも、原作の小説はフランスでも非常に知られている作品ですし、僕の祖父が一番お気に入りの登場人物はリュシアンだったからです。それに、舞台が1820年代にもかかわらず、現代の世相や社会的な問題も反映されているところがあるので、そこもおもしろいなと。まさに“現代の鏡”とも言えますが、昔といまとで変わらないところが描かれているのがこの作品の魅力だと思いました。―今回は、豪華な先輩俳優たちも多数出演されていますが、印象に残っている共演者とのエピソードがあれば、教えてください。バンジャマンさんジェラール・ドパルデューという大俳優と共演できたこと、そして彼と向き合って目と目を見ながら撮影ができたことは、本当に素晴らしい経験になりました。僕にとっては手の届かない人であり、彼がやっていることを真似しようと思ってもとても真似できないような存在ですから。たとえほかのことを忘れてしまったとしても、ドパルデューさんと共演できた思い出は自分の心にいつまでも残っていると思います。―監督は、「バンジャマンはジェラール・ドパルデューと対峙しても揺るがない図太さがあって、2人は同じ金属でできている」とも表現されています。それを聞いていかがですか?バンジャマンさん僕はドパルデューさんだけでなく、ジャノリ監督のことをも尊敬しているので、そう言ってもらうことができてすごくうれしいですし、とても光栄です。これからもドパルデューさんと同じくらいの努力をしていきたいと考えています。愛とは、どんなリスクにも値するもの―また、日本でも人気のグザヴィエ・ドランさんとの共演はいかがでしたか?バンジャマンさんフランスでも非常にファンが多い方ですが、彼との共演もまた最高でした。とはいえ、実は初めて会う前は、監督として姿勢を残したまま現場に入ってくるのではないかと心配していたところもあったんです。でも、彼は100%俳優として参加してくれたのでとても助かりました。というのも、たまに俳優と監督を両方している方と共演すると、監督としての目線が垣間見えてやりにくいときがあるんです。今後監督する作品で僕を使おうかどうしようかと値踏みされているようなところがわかってしまうというか…。なので、最初は不安もありましたが、彼にはまったくそういうところがなかったので、とてもいいチームで素晴らしい映画が作れたと思います。―今回演じられたリュシアンは女性や文学への愛に生きた人物でもあると感じましたが、バンジャマンさんにとっての愛とはどのような存在なのかをお聞かせください。バンジャマンさん「怖い」とか「悲しい」みたいに簡単に説明できたらよかったのですが、愛について答えようと思うと、だいたいバカみたいな答えになってしまうものですよね(笑)。でも、それくらい難しい問いということではないでしょうか。ただ、僕にとって愛とはどんなリスクにも値するものだと考えています。女性読者のみなさんにとって、こういう話ってすごく大切なことですよね。―はい、その通りです。バンジャマンさんだから、僕がみなさんのためにいるんですよ(笑)。多くの人に、自分の愛を届けたいと思っている―素敵なお言葉、ありがとうございます。ちなみに、ご自身はどんなときに愛を感じますか?バンジャマンさん必ずしも同じ相手とは限りませんが、愛は毎日感じていますよ。というのも、恋愛関係からはもちろんですが、たとえばベンチに座っているおじいさんを見るだけでも愛情を抱くことはありますからね。そして、僕はなるべく多くの人に愛を届けたいとも思っています。自分のなかにある愛が少なくても多くても、そのすべてを相手にあげたいのです。120%の愛を持っていれば120%全部、それに満たなかったとしても持っているすべてを与えたいという気持ちでいます。―そういうところもリュシアンと似ているのかもしれませんね。それでは日本についてもおうかがいしたいのですが、どのような印象をお持ちでしょうか。バンジャマンさん日本に来たのは今回が初めてで、まだ前日に着いたばかりです。でも、すでに日本でできたクマが目の下にできてしまいました。というのも、到着した日の夜にバーを5、6軒はしごして、そのあとにナイトクラブを2軒回り、朝の8時に帰って来たからです(笑)。僕は完全に日本に恋してしまったところですが、本当に最高ですね!―初日からかなり満喫されていますね。バンジャマンさんこのあと10日ほどかけていろんなところを回るつもりですが、まだ行き先もホテルも決めていないような状態です(笑)。これからたくさん楽しみたいと考えているところなので、この質問は最後の日に聞いてもらったほうがもっと答えられたかもしれないですね。ただ、日本のゲームや食べ物は前から大好きですし、ファッションもすごくエレガントで素敵だなと感じています。ナイトクラブのなかでも、日本のみなさんの装いがスタイリッシュでかっこよかったです。ヨーロッパの服でも日本的な要素が入っているのが好きなので、ファッション面では影響を受けていると思います。自分のために時間を使うことを大事にしてほしい―最近はお忙しいと思いますが、オフのときはどのようにして過ごしていますか?バンジャマンさん絵を描いていることが多いですね。もともとは、役づくりで始めたものでしたが、いまは撮影以外の時間に自分の気持ちの奥底を探るためと自己表現の手段として絵を描くようになりました。俳優としての大きな撮影は1年に1~2回ほどですが、そのほかの時間を芸術に費やすことが俳優にとっては有効だと考えていますし、自分の内面を探ることでストレス軽減にもなっています。絵画といっても誰かに習っているわけではなく、自分で好きなように描くなかで自分なりのやり方を見つけているだけので、みなさんにもオススメです。あとは、スポーツもいいですよ。これは僕の場合ですが、スポーツをしているときのほうが恋愛もうまくいくことがありますから。―なるほど、おもしろいですね。それでは最後にananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。バンジャマンさんまずは、自分のために時間を使うことを大事にしてほしいと思っています。そして、繰り返しにはなりますが、恋愛にはリスクと同じくらいの価値があるので、リスクを冒してでも恋愛に生きてほしいです。女性にとっても男性にとっても、愛というのはこの世にあるもののなかでもっとも美しいものですから。なので、仕事ばかりではなく、自分が愛を向ける対象を大事にする時間を持ってください。いまの時代は将来に対する不安も付きものなので、経済的な悩みに支配されてしまうかもしれませんが、自分のために時間を使い、しっかりと自分を見つめたほうがいいと思います。その過程でたとえ失敗しても、その経験が将来につながることもあるので、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいです。僕はみなさんのことが大好きなので、ぜひパリにも遊びに来てくださいね。インタビューを終えてみて…。ほとんど寝ていない状態だったとは思えないほどパワフルで、チャーミングなバンジャマンさん。ときおり悩ましい表情や真面目な顔になるときもありましたが、その姿もまた美しかったです。26歳という若さながら、愛についての深い考察もさすがフランス人だと思いましたが、リュシアンを演じたからこそたどり着いた答えのようにも感じました。これからフランス映画界を盛り上げていく存在となることは間違いないので、今後にますます期待です。激動の世界へと飲み込まれていく!豪華絢爛な社交界を見事に再現するとともに、社会の闇や人々の間に渦巻く欲望をダイナミックかつスピーディに描いている本作。愛と情熱を持ちながらも誘惑に翻弄されてしまうリュシアンの生きざまは、現代を生きる私たちにも通じるものがあると感じるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー恐怖政治の時代が終わった19世紀前半のフランスは、宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。そんな社交界に現れたのは、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン。貴族の人妻ルイーズと愛し合うようになり、駆け落ち同然で憧れのパリに上京する。しかし、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされてしまう。そして、生活のために始めた新聞記者の仕事では、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、文学を愛する気持ちを忘れて、欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくのだった…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『幻滅』4月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開配給:ハーク(C) 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. – UMEDIA
2023年04月12日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。日差しが強くなってきて、明るめカラーが気になる季節。今回は全身ホワイトファッションの着こなしスナップです。ホワイトワンピースで可愛い&きれいめスタイルふんわりとしたワンピースですが、真っ白な色がシャープで、可愛すぎずキレイな雰囲気にしてくれています。真っ白なワンピースなので、小物はどんな色でも合わせやすいのが魅力。ただし、小物も色を使いすぎたり、サイズが合わないものだと、雰囲気が台無しになるので気をつけて!愛くるしいデザインで魅了するホワイトワンピースといっても種類は豊富。デザイン次第で可愛くもキレイめなスタイルにもなるんですよね、その中でも可愛いの代表的なデザインはこちら。ショルダー部分と胸元がポイントになったフェミニンなスタイル。その他の小物をボーイッシュな感じでまとめていて、やり過ぎにならないように調整されているのがわかります。とっても上手!プリーツが大人っぽさアップ!上下のセットアップがドレスのように見えてかっこいい!さらにプリーツが上品さをよりアップさせてくれていて、他のスタイルとは一線を引いているくらい好印象。ゴージャスなホワイトズボンが目を引くかっこいいスタイルがお好きな方でしたら、こちらが参考になるはず!ホワイトのズボンだけでもなかなか難しいと敬遠してしまいがちですが、全身ホワイトを上手に着こなしています。バッグまでホワイト!ポイントは、素材違いで色の加減を楽しんでいるところです。柄で雰囲気が変わる!ホワイトでも柄が入るとまた雰囲気異なる!個性的な柄とチェックシャツなんて、斬新すぎてなかなか真似できないですが、共通の白系という点で全身がまとまっているように見えます。またバッグとシューズの色を統一することで、バランスもバッチリ!上級者レベルの着こなしです。今回はこれからの季節に気になるホワイト系のファッションをご紹介しました。ホワイトをメインカラーにするって、意外と勇気がいるように思えますが、実はそんなに難しくないんです。小物とデザイン次第で他のカラー同様に楽しめるので、ぜひ今年の春夏はホワイトで爽やかに着こなしてくださいね。写真 平野秀美
2023年04月09日通年、多くの観光客で賑わう沖縄。暖かくなってくるとさらに人気が高まります!今回は沖縄本島南部に注目。世界50か国以上を旅して、数々の絶景を見てきた旅のプロが、一生に一度は行くべき南部の絶景スポットと激推しのホテル「琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ」をご紹介します。沖縄南部はパワースポットや絶景の魅力に溢れている©八重瀬町観光物産協会まずは沖縄南部の今行くべき絶景スポットからご紹介します!具志川城跡沖縄本島南端の喜屋武岬(きゃんみさき)の西海岸に突き出た断崖に築かれた城です。標高約17mの崖にあり、ここらかは城跡と海の絶景を見渡せます。訪れるなら海の青さが際立つ満潮の時がおすすめです。©南城市観光協会知念岬公園岬から広がる青い海、公園のグリーンのコントラストが美しい大パノラマの絶景に出会える場所。木陰もあり、自然を感じながらの散策も気持ちいいですよ。©南城市観光協会ニライカナイ橋南部をドライブする際に通ってほしい橋。短いトンネルを抜けると絶景が広がります。天気がいい日のドライブコースに組み込んでみて。©糸満市観光協会大度浜海ゴツゴツした岩場と透明度の高い青い海が広がる海水浴スポット。ボーッと海を眺めるのも、ゆっくりと時間が過ぎて癒されます。©南城市観光協会ガンガラーの谷数十万年前の鍾乳洞が崩れてできたパワースポット、太古の谷です。この神秘の領域は専任のガイドが案内してくれます。ツアーは予約が必須なので事前に予約してから訪れましょう。他にも日本屈指のパワースポット、久高島や車で行ける離島の奥武島など沖縄本島南部は魅力に溢れていておすすめです!絶景スポットにもアクセス便利な「琉球ホテル&リゾート名城ビーチ」自然も満喫できる沖縄本島南部でおすすめのホテルが2022年7月にオープンしたばかりの「琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ」。空港から車で約20分とアクセス便利で南部観光の起点としてもぴったり。全室オーシャンビューで、空港から最も近いラグジュアリーリゾートとして最近話題になっています。デザインコンセプトは「琉球コロニアル」。沖縄の伝統が取り入れられた豪華なロビーがお出迎えしてくれます。ホテルは国定自然公園内に位置しているため、遠浅の美しい天然ビーチが1.8kmに渡り目の前に広がります。ホテルの魅力の一つは流れるプール、通年利用できるインドアプールやオールシーズンプールなど6種類のプールを備える約1万平米ものプールエリアです。ビーチ直結のため、他のホテルとは比べものにならないくらい、海とプールの行き来がとても楽です。プールエリアの中心では音楽に合わせて噴水ショーも30分ごとに見られます。クラブラウンジではお酒や料理を思う存分に!部屋から見渡す景色も絶景11階建ての大型リゾートで部屋数は全部で443室。カップルや女子旅、ファミリーなど全てのカテゴリーで楽しめるホテルとなっています。筆者は「プレミアクラブツイン」に宿泊。9階〜11階に位置し、42平米の広さに加えてバルコニーもあるので開放感があります。窓際にソファが置いてあるなど居心地のいい造りや、琉球コロニアルのインテリア、色使いが素敵です。全室、オーシャンビュー&サンセットビューでお部屋から見る景色もまさしく絶景。満潮の時に見渡す景色が、海の青さがより際立って美しいです。「プレミアクラブツイン」宿泊者は特典としてクラブラウンジの利用もできて(※1)、お料理や軽食、ソフトドリンクのほかスパークリングやワイン、オリオンビールをフリーでいただけます。カクテルタイムではバーテンダーがシグネチャーカクテルを作ってくれて、お酒好きにはたまらないサービス。※1.利用時間は朝食、ティータイム、カクテルタイム、イブニングタイムと8:00〜21:00の間になります。なお、オリオンビールは20:00まで。さらにスイートルームの「パノラマコーナースイート」はハネムーンや特別な日にもぴったり。館内唯一のL字型バルコニーからは美しい海のパノラマビューが広がります。クラブラウンジの利用だけでなく、スイートルーム宿泊特典としてVIP専用のセンタープール&VIPプールバー「Oasis」を利用でき、ここでは常時8種類のシャンパンが用意されていてフリーフローで飲めちゃうんです。プールから出てすぐお酒が飲めることや、週末の夜は生演奏のライブなども開かれるため、海外リゾートのようなラグジュアリー気分を味わえます(※2)。※2.スイートルーム利用以外でも追加料金でアクセス可能。このエリアは20歳未満は入れません。このホテルにきたら絶品グルメを味わいたい「琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ」にきたら欠かせないのがグルメ。9種のレストラン&バーがあり、美味しいと地元の人も通うほど評判です。沖縄料理にこだわらず、旬の食材を全国から集めた、シェフこだわりの料理を各レストランで味わえます。ジャパニーズフュージョン「Kanazawa」では創作和食のコース料理やアラカルトがいただけ、それに合わせたアルコールペアリングも用意されています。旬のお魚などに加えて、メインは黒毛和牛のしゃぶしゃぶなど、お肉とお魚の両方を贅沢にいただけます。ファインダイニング「MILANO」ではオープンキッチンから出される、盛り付けも見事な洋食のコース料理がいただけます。豪華な伊勢海老やメインの国産牛のローストグリル、好きなデザートを選べるデザートワゴンなど特別な夜にもぴったり。暗くなる前までは海を望める絶景も楽しめます。朝食はビュッフェダイニング「Nashiro」で和洋中・沖縄料理のビュッフェを。約150種もメニューがあり、何を食べようか迷ってしまいます。スムージーや沖縄そば、お粥、インドカレー、ご飯に合うおかずや、フレンチトースト、パンと、バラエティに富んだ飽きのこない朝食は連泊も楽しいです。「琉球ホテル&リゾート 名城ビーチ」は、ほっとする居心地のいいホテルで過ごしやすく、お酒好きやグルメな人にもおすすめのホテル。そしてこのような絶景が見渡せるお部屋でラグジュアリーにも過ごせます。ここを起点に沖縄本島南部で大自然を満喫してみてはいかがでしょうか。雨宮あゆみ世界50か国以上をフリースタイルで巡った後、トラベルライターとしても活動し、世界の旅インフルエンサーが集まる大使館や観光庁主催の会への参加や旅に関する国際会議登壇、ASEAN tourism Awards Japanからは東南アジア諸国への観光促進に尽力したということで感謝状をいただいた経歴も。現在は国内の絶景や思わず写真で切り取りたくなる魅力的な場所を中心に旅をしている。
2023年04月09日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は春のパーティにも着ていける、おしゃれなワンピースをご紹介します。着飾ってもシューズでカジュアルさを出してかしこまったパーティではないなら、スニーカーを合わせても良し!長袖のロングワンピースだって、小物次第で雰囲気が一気に変わります。そのため、このようなワンピースは、パーティドレスとしても普段のお出かけワンピースとしても使用可能でとても便利。あなたはどのスタイルがお好き?スタイルが異なるワンピースですが、それぞれお洒落で彼女たちらしさが出ています。共通して言えるのは、みなさんが持っているのは、小さめのハンドバッグ。やはりクラッチだけでは少々物足りないのか、携帯や他のものも入れられるくらいのサイズのバッグを持っていました。また色もトレンドなベージュ系かホワイト系で統一していて、全体的に皆さんまとまっていてかっこいいですよね!ロングワンピースは永遠に憧れスタイル以前は膝丈だったり、膝下くらいのワンピースが比較的人気でしたが、最近ではもうロング、または超ロングサイズのドレスをとにかく見ます。同じブラック系でも、レースからチラリと見えるシルクワンピースもまたセクシーで魅力的!左の全身真っ黒なワンピースもシルエットがしっかりしていて、ウエストが高めで脚長効果も抜群。シルエット次第ですっきり見えたり、緩く見えたりするので、色や柄だけではなく、シルエットはかなり重要です。シルキーなタイプは上品見え。パーティドレスとなれば、シルキータイプがけっこう人気のようです。こちらの淡いピンクと、光沢ブラック、どちらがお好きでしょうか?どちらも上品でシックなスタイルなので、こういう場合は自分に似合うカラーをチョイスすると良いかも。シルキードレスでも小物をカジュアルにこちらもシルキードレスですが、ベルトが重要なポイントに!腰の位置を少し高めにするだけで脚長効果のみならず、すっきりとした見栄えに。またドレスが長すぎる場合などもベルトはかなり重宝しますよ。今回は上品すぎないよう、チェック柄のサンダルとバッグをお揃いで使用していてお洒落!鮮やかなピンクレッドが目を引く美しさとっても素敵なERDENのロングドレス。ベルベッド調のレッドが光に当たって色が異なって見える魅惑のドレスです。そんなドレスにもスニーカーと合わせちゃうのが海外流。こんな組み合わせもありなんだ!と思わせてくれます。いかがでしたでしょうか?パーティに行くことは少なくても、いざお呼ばれしていく時に、何を着ていけばいいか悩みますよね。上記のようなスタイルを参考にしてみてください。写真 平野秀美
2023年04月08日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第137回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その47をお届けします。1.甘えられる相手を探す男【結婚引き寄せ隊】vol. 137それは30代から40代の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。その日は、どちらかというと男性は40代のほうが多いようで、女性は30代と40代が半々といった年齢層になっていました。定番の自己紹介からスタートして、ひとりずつと顔を合わせていったときに、自己紹介カードの好きな異性のタイプの欄に“包容力のある女性”と書いてある40代半ばのサラリーマンの方と対面。最初の自己紹介はだいたい時間が短く、仕事や趣味といった差し障りのない話ですぐ終わることが多いなか、「仕事ばかりしてきまして…」と話す私に、その男性は「自立してる女性っていいですよね」とこちらを気遣うような発言も多く、好印象でした。でも、フリータイムで、さっそくその男性からふたりで話したいと言われ、会話していると、だんだん違和感を覚えてきたのです。「できれば毎日膝枕して癒してほしい」だとか、「ボクがしてほしいことをなんでもやってほしい」だとか、いろいろな話を総合すると、どうやらその男性は女性に“甘えたい”様子。その男性は、自立した強そうな女性を長年かけて探しているそうで、なんだか私は頼れそうだと思われたのでしょうか…。初対面から、自分の理想像を全力で当てはめて寄り掛かろうとする年上男性なんて、無理です。有り難いのかどうなのか困惑しながら、これは器の小さい私の手に負えそうもないなと、その場限りのご縁となったのでした。2.むりやり関西弁の男それはシングルが集まる婚活飲み会に参加したときのこと。少人数での飲み会だったこともあり、慌ただしく自己紹介をすることもなく、落ち着いた雰囲気のなか、和気あいあいと会は進んでいきました。飲み会も半ばに差し掛かった頃、参加している男女の出身地の話になり、その会では偶然ほかの参加者は関東地方の出身者ばかりのなか、関西出身は私だけ。それに気を遣ったのか、それともいつもそういったアピールをしているのか、関西に少しだけ住んだことがあるという話をしてくれた男性がいました。出身地の話をするまでは普通にみんなと標準語で会話をしていたのに、そこからその男性は、なぜか関西弁に。しかも、“なんちゃって関西弁”なので、ところどころイントネーションが妙なところがあり、いちいちツッコンでもいいのか初対面で距離感も難しく、対応に悩むところ。最初は私をはじめ参加者のみんながとまどっていたものの、そのうちその男性の妙な関西弁にも慣れてきて、飲み会も盛り上がっていきました。関西弁を話す男性は、女性からの人気も高いらしく、そういった場で関西弁を話すユーモアのあるところも好ポイントだったのかもしれません。とはいえ、最終的にはその場以降、誰ともご縁はつながりませんでしたが、いろいろな男性がいるんだなと充実した1日になったのでした。3.やる気のない男それはながらく彼氏のいない私を心配した女友達が、「いい男性がいるよ」と、紹介してくれるという話になったときのこと。指定された場所に行くと、ちょっと小洒落た居酒屋といった雰囲気のところでした。ウキウキして早めに到着してしまい、ちょっと恥ずかしいなあと思っていたら、紹介するといわれていた男性と一緒に女友達が登場。当時はイケメン好きだった私の好みを知っていた女友達のおかげで、好み通りのイケメン男性を連れてきました。ついうれしくなってテンションが上がり、けっこうおしゃべりしてしまった私でしたが、後になって思えば相手の男性はそんな勢いに押されているようで、質問したら答えるけれども自発的にいろいろ聞いてくることはなく…帰宅後、連絡先を交換したものの、その日以降いっさい連絡はありませんでした。紹介されるということは相手の男性も彼女を探しているんだろうな、と勝手に思っていたものの、女友達によくよく話を聞いてみると、仕事に夢中になってずっと独り身の私を心配して、実はそれほど恋人探しに興味がないシングルのイケメンを無理やり連れてきちゃった、ということでした。がーん。だからか、相手はまったく盛り上がっていなかったのは。女友達の気持ちもわからなくもないし、でも最初から無理筋だったなんて。まあ、あんなイケメンが相手にしてくれるわけないか、とひたすら落ち込んだのでした。婚活していると、普段はあわないような出来事にも遭遇することがあります。最初からうまくいかなくても、七転び八起きできっと、いい恋ができるはず! みなさんの未来が素晴らしいものでありますように。文・かわむらあみり©Tom Werner/Getty Images©Prostock-Studio/Getty Images©mihailomilovanovic/Getty Images
2023年04月07日近年、自分らしい生き方を考えるうえで欠かせなくなってきた終活。今回ご紹介するのは、年々関心が高まっているテーマにユーモアを織り交ぜて描き、フランスで初登場新作1位に輝いた話題作です。『パリタクシー』【映画、ときどき私】 vol. 568パリでタクシーの運転手をしているシャルル。お金も休みもなく、さらに免停寸前という状態にまで追い込まれ、人生最大の危機を迎えていた。このままでは最愛の家族にも会わせる顔がなかったが、そんな彼のもとに、あるマダムをパリの反対側まで送るという依頼が偶然舞い込む。そのマダムとは、92歳のマドレーヌ。最期のときが近づいてきた彼女は、老人ホームへと向かう途中でシャルルに寄り道をしてほしいとお願いをする。人生を過ごしたパリの街には、マドレーヌの秘密がたくさんあり、彼女の並外れた過去が明かされていく。そして単純だったはずのドライブは、いつしか2人の人生を大きく動かす驚愕の旅になるのだった…。フランスの国民的歌手であるリーヌ・ルノーとコメディアンとして大人気のダニー・ブーンが共演を果たし、本国で大きな注目を集めた本作。そこで、作品の見どころについてこちらの方にお話をうかがってきました。クリスチャン・カリオン監督(C)Jean Claude Lother監督と脚本を手掛けたのは、『戦場のアリア』などで高く評価されてきたカリオン監督。今回は、出演者とのエピソードや撮影時の苦労、そして自身が感銘を受けた言葉などについて語っていただきました。―本作はシリル・ジェリーさんによるオリジナル脚本が基になっているそうですが、最初に脚本を読まれたとき、思わず電車のなかで涙を流してしまったとか。どのあたりに心を動かされましたか?監督特に、どのシーンというわけではありませんが、高齢の女性がタクシーで最後の旅をしている様子や話している内容、そして彼女の行動のすべてに感動して泣いてしまいました。そして、本作ではドメスティックバイオレンスについても語られていますが、これは1950年代だけの話ではありません。いまでも世界中で起きていることなのです。―マドレーヌとシャルルを演じたリーヌさんとダニーさんは、プライベートでも親交があり、親子のような関係性だそうですね。そんなおふたりだからこそ、できたこともあったのでは?監督彼らは昔からの知り合いであるだけでなく、一緒に映画に出演したいという気持ちがあったので、それがシナリオにもプラスの効果をもたらしてくれたのは確かだと思います。実際、アドリブもたくさんありましたし、2人で演技をすることに彼らが喜びを感じているのもわかりました。彼らには“共犯関係”のようなところがあったと言えるかもしれません。厳しい人生でもポジティブに生きる姿に感銘を受けた―もともとおふたりは同じ北部出身ということもあって意気投合したそうですが、監督も北部のご出身なので、そういう部分で絆が深まる部分もあったのでしょうか。監督それはありますね。日本でも同じだと思いますが、地域によって文化は異なるので、フランスでも北部と南部では生活のスタイルがまったく違います。たとえば、北部では太陽が少ないので家にいることが多く、その代わりにお互いに家に招き合って一緒にコーヒーを飲んだり、おしゃべりを楽しんだりするのが好きです。逆に南部では太陽が多いので、外で過ごす時間が長くなる傾向があるように思います。ある意味、この映画は北部出身者のつながりから成り立っている映画と言えるかもしれませんね。―なるほど。また、劇中のマドレーヌが発する言葉にはどれも重みと説得力がありましたが、監督自身に響いた言葉があれば教えてください。監督「人は微笑むと若返り、怒ると老ける」というセリフがありますが、この言葉はリーヌ自身も実践していることであり、彼女の哲学を定義している言葉だと感じました。ただ、僕はリーヌの言葉よりも、彼女の人間性に感動することが多かったように思います。今回、彼女はこの映画に出演することを非常に喜んでおり、「これは私の遺言のような映画です」とも言ってくれました。僕は「そんなことは言わないでほしい」と伝えましたが、「それは事実だから仕方がないのよ。長年こういう映画を待っていたなかで、いまその機会が私のところに訪れたことはとてもいいことなんだから」と話してくれてうれしかったです。―ダニーさんも、マドレーヌの生き方や苦しみに対するものの見方から人生の教訓を得たと感じていらっしゃるようですね。監督いまほど女性の権利が認められていない時代を乗り越えてきたマドレーヌの生き方には、僕も感銘を受けました。彼女はドメスティックバイオレンスに直面し、大切な人を失うという厳しい人生を送っていますが、それでも活力を持ち、ポジティブに生きようとしているのです。そういう生き生きとした姿がマドレーヌの魅力ですが、それはリーヌの性格にも近いと感じました。フランス映画でも初めての撮影方法に挑んでいる―リーヌさんは監督のことをアドバイスが的確で、「自分の持っているすべてをこの監督のために出し切りたい」と思わせてくれる人だとおっしゃっていましたが、現場で大事にしていることは?監督映画を作るときにいつも感じることですが、俳優がしていることは非常に難しいことだと思っています。なぜなら、すべてが偽物の世界のなかで、本物の演技をしなければいけないからです。だからこそ、俳優がリラックスした状態で安心して演技ができるようにする環境を作ることに時間をかけています。それが僕のやり方です。―本作の現場では、どのようなところに苦労されたのでしょうか。監督この作品では、特殊な状況で撮影を行いました。というのも、実はタクシー内のシーンは、実際にパリで車を走らせて撮っているわけではありません。実は、撮影所のなかに車を置き、その周りに設置した4Kの大きなスクリーンでパリのなかを走って撮った映像を上映して撮影しているのです。フランス映画でもこの形式で映画を作ったのは、初めてのことだったので、僕たちはまずこの撮影方法に適応しなければなりませんでした。―まるで本当にパリを走っているかのような臨場感だったので、大半がスタジオで撮影されているのには驚きましたが、そのような手法を取った理由を教えてください。監督なぜスタジオでの撮影にしたかというと、当時リーヌはすでに93歳と高齢だったので、彼女を疲れさせる撮影は避けたかったからです。パリは大好きな街ではありますが、そこで撮影をしようとすれば、本当に大変なことですからね。ただ、初めてのことだったので、撮影に入る前に正しいやり方を見つけるまでに時間はかかりました。日本は独自の文化を持ち、別世界のように感じる―日本ではパリに対しては憧れを抱いている人は多いと思いますが、監督は日本にどのような印象をお持ちですか?監督これまで日本には2回訪れたことがありますが、初めて来日したのは『戦場のアリア』を公開したとき。東京で開催されたフランス映画祭では観客賞をいただくことができ、日本のみなさんに受け入れられたことに感動しました。日本というのは島国なので、独自の文化や強いアイデンティティがありますが、それを守ることに努力している国でもあると思うので、僕からすると別世界のようにも感じています。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督本作のマドレーヌは、周りからされるがままではなく、自分自身で選択して生きてきた1人の女性です。ですから、日本の方々にも「自分らしくあれ」というのは伝えたいと思います。日本の女性たちが置かれているいまの状況はわかりませんが、フランスでは50年ほど前から女性も男性も同じように扱われるべく動いているところです。とはいえ、現在でも男性と同じ能力があっても女性のほうが男性よりも給料が安い場合もありますし、女性に対する男性の暴力も増えているので、フランスでもまだまだ改善すべき点は多いと感じています。最後の瞬間まで全力で走り抜ける!人生もドライブも、寄り道をするからこそ味わえる喜びがあることを教えてくれる本作。美しいパリの街並みを堪能しながら、マドレーヌのような強さを身につけることを学び、そして自分らしい生き方とは何かに思いを巡らせてみては?取材、文・志村昌美驚きに満ちた予告編はこちら!作品情報『パリタクシー』4月7日(金)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国公開配給:松竹️(C) 2022 - UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS, PATHE FILMS, ARTÉMIS PRODUCTIONS, TF1 FILMS PRODUCTION
2023年04月06日