更年期障害を認めてしまったら、生活が一気にバラ色になった
乳がんの顛末を綴った本『我がおっぱいに未練なし』にも書いたが、ホルモン治療を提案されたときには、すぐに閉経するということや、多岐にわたる更年期障害の症状を聞いておののいた。
イライラやめまい、突然の発汗、体重増加、髪や肌のパサパサ化、やる気の低下、などなど、全部ごめんこうむりたいラインナップ。中でも「やる気の低下」に至っては、「やる気」だけで生きてきた私としてかなりの致命傷に思われた。
しかし、命には代えられないし、更年期障害は放っておいても数年後には経験することだと考えた。そしてなにより、先生の言った「症状が全部出る人もいるし、まったく出ない人もいる」という言葉の「まったく出ない方」に希望を託し、私はホルモン治療かもーん! 更年期ばっちこーい! と閉経したのだった。
それから半年が経ち45歳になった私は、正直浮かれていた。あんなに心配した更年期障害は、突然の発汗は多少あるけどそれくらいで、他にはなんの不自由もなかった。「私は“まったく出ない人”だったのね~」と、なにかの賭けに勝ったような高揚感があったし、生理のない人生がこんなに快適だったとは! と驚いていたのだ。
あの毎月の腹痛やら倦怠感やら不快感がない世界は本当にハッピーで、こんなことなら若い頃からピルを飲んでいればよかったと後悔しつつも、来月再建する予定の「新しいおっぱい」