【医師解説】不眠症対策の悩みを解消!病院の選び方から睡眠薬まで <日本睡眠学会認定医 佐藤幹先生>
こうした子どもたちも今では適切に治療することで学校にも行けるようになり、人生を取り戻すことができるようになっています。ADHD(attention deficit hyperactivity disorder:注意欠陥・多動性障害)の中には、眠気を訴える子どもたちが多いことが報告されています。臨床をしている中での印象ですが、将来的には、過眠症やナルコレプシー、ロングスリーパー、あるいはDSPS(Delayed sleep-phase syndrome:睡眠相後退症候群)と呼ばれる睡眠周期の延長や睡眠覚醒リズムの遅れなど、それぞれ別のものだと思われていた疾患についても、たとえば脳のノルアドレナリンやドパミンなどの神経伝達物質の分泌の偏りや、神経細胞の機能の個人差などを明らかにすることにより、病態の説明が可能になる時代が来るかもしれません。つまり、一部の過眠症状や睡眠覚醒リズム障害、ADHDなどが別々の疾患ではなく、ひとつの症候群なのかもしれないという仮説を自分なりに立てて患者さんを診察しています。
夜型は必ずしも悪いことではない
幼児でも遅くまで起きていて平気な子どもはいます。もちろん、20時ぐらいで寝てしまうというような子どものほうが多いのですが、それが教育や環境によるものなのかどうかというところははっきりしていません。