【医師解説】不眠症対策の悩みを解消!病院の選び方から睡眠薬まで <日本睡眠学会認定医 佐藤幹先生>
おそらくそれは教育よりも、持って生まれた脳の特徴・性質的要素が大きいのではないかと考えています。
また、発達障害の子どもには夜型が多く、宵っ張りのタイプが多いということも知られています。発達障害の例も含めて考えると、理想をいえば、睡眠リズムの個人差を重視し、その人が一番効率よく働ける時間帯を考慮してフレキシブルに出社できるような形が一番よいのかもしれません。もちろん、そういった勤務が可能な企業もすでにあるかもしれませんが、現実的には、標準的な勤務形態の中で縛られてしまうことのほうが多いのではないでしょうか。
日本では一般に「早寝・早起き」が美徳とされていますが、必ずしもそれがすべての人にとってよいとは限りません。夜のほうが効率よく勉強できるという子どもはたくさんいます。私自身も夜中に勉強するタイプでした。ですから、全員に対して一律に朝活や朝練を求めるのは少し強引なのではないかという気もします。
早朝も深夜も情報量が少なくなるという点では共通しています。
外来で話を伺っていると、夜型の学生(中学生以降)の多くは、22時頃の時間帯に一度眠気が来てもそれを過ぎると元気になります。その後はどんどん眠気が少なくなり、23時から夜中の2時頃までとても元気になる傾向が見られます。