睡眠時無呼吸症候群のCPAPの治療中断を防ぐには【医師解説】
これは、最近急激に伸びてきた睡眠時無呼吸症候群に対する医療の今の限界なのかもしれないと感じているところでもあります。
医療機器メーカーの広報や営業活動の後押しもあり、睡眠時無呼吸症候群が広く知られるようになったことで、それまでまったく経験のなかった医師が睡眠時無呼吸症候群の治療を始めるというケースも増えてきました。しかしその結果、CPAPを導入はしたものの、使い方の指導が十分行き届いていないということもあるのではないかと思います。
CPAPは使う人に合わせて細かく設定を変更することができます。患者さんによっては初期設定のままでは圧が強すぎたり弱すぎたりすることがありますし、状況によってはある設定項目のオン・オフを切り替えると、もっと呼吸が楽になるような細かな設定が用意されているのです。ところが、転院されてきた患者さんが使っているCPAPの機械の設定条件を見ると、メーカーが出荷したときの設定とまったく同じだということがしばしばあったのです。本来ならば、患者さんが苦しくて途中で外してしまうようなことがあれば必要以上に圧がかかっていたりすることが考えられるので、設定を見直してみるべきです。