2023年5月26日 09:10
40歳以上の半数がなる!? 足の血管が悪目立ちする「下肢静脈瘤」はどんな病気? 原因は?【医師解説】
下肢静脈瘤の原因は遺伝、立ち仕事、出産、加齢
――下肢静脈瘤はどのような原因で引き起こされるのでしょうか。
佟先生一番大きな原因は遺伝です。片方の親御さんが下肢静脈瘤の場合は50%、両親ともに下肢静脈瘤の場合は90%の確率で下肢静脈瘤を発症するというデータがあります。同じ生活環境や労働環境でも、下肢静脈瘤を発症する人としない人がいるのは遺伝的な理由が大きいんです。
立ち仕事も下肢静脈瘤の原因の一つです。立っている状態では血液が重力に逆らって下から上へ流れようとします。つまり、逆流防止弁に常に負担がかかっていることになり、働きが悪くなったり壊れてしまったりする可能性があります。
また、出産も原因の一つに挙げられます。
妊娠時には女性ホルモンの影響で逆流防止弁が柔らかくなります。さらにおなかが大きくなると足の付け根の静脈が圧迫されて血流が悪くなるため、逆流防止弁に負担がかかりやすくなります。近年の研究によって、出産経験のある女性の2人に1人は下肢静脈瘤を発症すると報告されています。
加齢も原因の一つとされています。年齢を重ねるにつれて、体内の軟部組織(肌や筋肉などの柔らかい部分)