Microsoft傘下のSkypeは14日(米国時間)、Webブラウザで動作する「Skype for Web」に携帯電話や固定電話への通話機能を追加したと発表した。Skype for Webは、サインインすることでブラウザ上でSkypeが使えるサービス。デスクトップアプリのダウンロードや、アプリ上でのサインインが不要なため、出先や共有PCで手軽にSkypeを利用できる。2014年11月に限定ユーザー向けに、2015年6月に一般向けに提供開始していたが、当初は電話への発信はできなかった。電話機能の追加により、Skype for Webには「電話に通話」タブが設けられた。これをクリックすると、番号を入力/クリックできる操作パネルが表示され、電話番号をダイヤルできる。このほか、Skype for WebでYouTubeを視聴する場合の表示方法を改善。YouTubeのリンクがSkype for Webのメッセージに含まれていた際、直接Skype for Web内でYouTube動画を再生できるようになった。通知機能も追加され、自分宛の連絡があった場合、Skype for Webのファビコンに通知マークが表示されるようになった。
2016年03月15日ソフトバンクは7日、病院の診察料と携帯電話料金をまとめて支払える「スマート病院会計」を28日より提供すると発表した。ソフトバンクユーザーのみ利用でき、料金は1回あたり税別100円。同サービスは、My SoftBankから事前登録することで診察料を携帯電話料金とまとめて支払えるもの。受付の際に診察券、健康保険証の提示をし「スマート病院会計」の利用を申し出ることで受診後、会計せずにそのまま帰れるほか、一部病院では処方箋を優先してもらうこともできる。ソフトバンク携帯電話の契約者本人だけでなく、登録した家族なども利用できる。対象機種は、iPhone、iPad、SoftBank スマートフォン/タブレット、4G ケータイ、AQUOSケータイ。携帯電話料金を口座振替または、VISA/MasterCardのクレジットカードで支払っているユーザーが対象。サービス開始時点での対応施設は、東京医科歯科大学附属病院、順天堂大学医学部順天堂医院、厚生中央病院、東京ベイ・浦和安市川医療センターなど約50。そのほかの施設については、同社ホームページを参照いただきたい。
2016年03月07日ソフトバンクは3月28日、病院の診察料を携帯電話料金とまとめて支払える「スマート病院会計」をSoftBankの利用者向けに提供開始する。利用料金は1回あたり100円(税別)で、サービス開始時は約50の医療機関で利用できる。同サービスでは、診察料を後から携帯電話料金とまとめて支払うことが可能に。受診後、会計せずにそのまま帰れるほか、外出先での急病時などでも診察料を気にせずキャッシュレスで受診できるという。また、ソフトバンク携帯電話の契約者本人だけではなく、利用登録した家族なども利用可能。処方箋がある場合も、優先して処方箋をもらうことができるとのこと(一部除く)。さらに、通院先や診察料などの受診履歴をスマートフォンで一括管理することができる。対象機種は、「iPhone」「iPad」「SoftBank スマートフォン」「タブレット」「4G ケータイ」「AQUOS ケータイ」。「スマート病院会計」のサービス開始にあたり、人気音楽グループ「GReeeeN」が「スマート病院会計」の応援大使に就任した。「スマート病院会計登録キャンペーン」では、3月7日~4月27日に利用登録した人を対象に、10万円分のJCBギフトカードや「GReeeeN」のサイン入り小説などが抽選でプレゼントされる。
2016年03月07日IDC Japanは3月7日、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2015年通年(1月~12月)と2015年第4四半期(10月~12月)の出荷台数を発表した。2015年通年の携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、スマートフォンの増加分が従来型携帯電話の落ち込みを補完することができず、前年比5.9%減の3442万台。2015年第4四半期もその傾向に変わりはなく、前年同期比15.7%減の1046万台となった。2015年の国内携帯電話市場でシェア第1位を維持したアップルだが、2015年第4四半期のiPhone 6sの販売が伸びず、前年同期比20.8%減と大幅に落ち込んだ。第2位にはスマートフォンと従来型携帯電話を安定して供給しているシャープ、スマートフォン端末に特化したソニーは第3位、京セラが第4位、富士通が第5位となり2014年から順位に変更はなかった。一方、2015年通年のスマートフォン出荷台数は従来型携帯電話からの移行が進み、前年比3.6%増の2749万台。しかし、2015年第4四半期だけをみるとiPhoneの落ち込みが影響し、852万台、前年同期比13.7%減のマイナス成長だった。また、この落ち込みは年間のスマートフォンOS別シェアにも影響を及ぼしており、2011年以降、順調に伸ばしてきたiOSが2015年は後退し、52.4%となった。2015年のスマートフォンのベンダー別シェアでは、アップルが2014年から6.3ポイント落としたが第1位を維持。第2位以下は、ソニー、シャープと続き、2014年に第4位であったサムソンは第6位に後退、京セラが第4位、富士通が第5位へと、それぞれ順位を上げた。IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネージャーの片山雅弘氏は「大手通信事業者の2015年度第3四半期決算を見ると、各社とも増収・増益(増収:2%~8%、増益:11%~18%)である。この要因として、契約者向け動画などのコンテンツサービスが伸び、利用単価が上昇していることが挙げられる。また昨年2月に始まった総務省の『携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース』を見越して、販売経費の削減を行った効果が出てきたことも背景にある」と分析。さらに「今後は、タスクフォースの答申に基づく総務省要請によりスマートフォンの実質0円販売を廃止することで、通信事業者は過度の買い替えを追う必要がなくなり、端末販売や価格設定に関する主導権は、iPhoneを中心に携帯電話機ベンダーから通信事業者に移っていくであろう」と述べている。
2016年03月07日電話は苦手、携帯電話は"いないふり"が難しいから余計にイヤ、という人は少なくないはず。確かに、場所と時間を選ばず突然かかってくる電話は困ったもの。iPhoneなどスマートフォンの場合、電話どころかメール、SNSなど多種多様な手段があるため、連絡を受けて見て見ぬふりをすることは余計に困難だ。そんなユーザのための機能が「おやすみモード」。名称こそ夜間を連想させるが、朝昼問わずに利用でき、スイッチをオンにしている間は着信があっても呼び出し音を鳴らさない(iPhoneをロック解除している間を除く)。通知も制限可能だ。大切な友人・知人は例外的に着信/通知を許可することもできるので、夕方5時から翌朝までは仕事関係の電話や通知を伴う連絡はすべてスルー、といった使い方が可能になる。おやすみモードを文字どおり就寝するタイミングではなく、特定の時間帯は原則オンとすることもできる。iOS 9の初期設定では、コントロールセンターや『設定』の画面でスイッチを手動切り替えすることが想定されているが、これを自動化できるのだ。毎日決まった時間になると「おやすみモード」がオン/オフされるので、うっかりプライベートの時間帯に仕事の連絡を受けずに済む。設定はかんたん、『設定』→「おやすみモード」の順に画面を開き、「時間指定」スイッチをオン(白→緑)にして開始/終了時刻をそれぞれ登録すればいい。これだけの作業で、毎日特定の時間帯が自動的に「おやすみモード」になるのだ。土日や祭日を例外指定することはできないものの、解除したければコントロールセンターで手動解除すればいいだけのこと。iPhoneに振り回されない静かな時間帯を確保したい、それも毎日自動的に、と願う人にはお勧めの使い方だ。
2016年03月02日ソフトバンクは29日、毎月の携帯電話利用料金の3%を社会貢献活動を行う非営利団体に、同社が2年間寄付する「チャリティモバイル」を開始した。支援したい対象団体の専用ページより申し込み可能。追加負担金はなし。同サービスでは、対象の非営利団体ごとに用意された専用申し込みページで、ソフトバンク携帯電話を購入(新規契約・機種変更)すると、追加負担金なしで、2年間毎月の利用料金の3%を、申込時には6,000円をソフトバンクが寄付する。29日時点では、東日本大震災被災地の復興支援や子どもの支援活動などを行う7団体から選択可能。3月中には9団体に増える予定。サービス開始時点での対象となる7団体は以下の通り。あしなが育英会社会福祉法人 中央共同募金会認定NPO法人 テラ・ルネッサンス特定非営利活動法人 トイボックス公益社団法人 日本PTA全国協議会公益財団法人 日本ユニセフ協会一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター
2016年02月29日NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、29日より近畿日本鉄道 けいはんな線のトンネル内において携帯電話サービスを提供する。対象となるエリアは、「長田駅~吉田駅」区間のトンネル。サービス開始は29日の始発列車から。これにより、駅構内だけでなく、トンネル内においても携帯サービスが利用できるようになる。各社は、事故や災害発生時などの異常時にも情報収集の手段として活用できるとしている。
2016年02月26日NTTドコモは、携帯電話の契約数が2月10日に7,000万契約を突破したと発表した。ドコモでは、1979年に携帯電話のサービスを開始。その後、1997年に1,000万契約、2005年に5,000万契約を超え、この度7,000万契約に到達した。同社は、2013年に取り扱いを開始したiPhoneをはじめとする端末ラインナップの充実、2台目需要としてのタブレット端末の拡大、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が好調であることを契約数増加の要因として挙げている。そのほか、法人向けのIoTビジネスに関連するモジュールの販売、光通信サービス「ドコモ光」なども増加に貢献したという。
2016年02月15日説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『電話番号なしでも携帯電話としてやっていけますか?』という質問に答えます。***「電話番号なしでも」の意味がわかりませんが、それはデータ通信専用SIMでiPhoneを運用するという意味でしょうか? それとも、通信をWi-Fiだけで行うという意味でしょうか? いずれにせよ、電話番号なしでiPhoneを使い続けるには、それなりの工夫と覚悟が必要です。通信費用は節約できますが、便利さとのトレードオフであることは確かですよ。音声通話については、IP電話アプリ(例:050 Plus、SMARTalk)を導入すると、050から始まる電話番号を割り当てることが可能です。ただし、バックグラウンド動作させておかねばならずバッテリー消費量が増えるうえ、無料ではないため、音声通話契約ありのSIMと比べたメリットは小さくなります。無料でやり繰りしたければ、FaceTimeオーディオを使う手があります。相手はiPhoneユーザ (iOS 7以降)に限られますが、家族や親しい友人がiPhoneユーザばかりであれば、それほど困らないかもしれません。通話品質も高く、待ち受け時のバッテリー消費量が増えないこともポイントです。iPhoneかAndroidかを問わず多くのユーザに利用されている『LINE』の音声通話機能は、利用できるものの多少苦労します。LINEの認証方式には『Facebook認証』と『SMS認証』があり、データ通信専用SIMの場合前者の方法を利用しているはずです。音声通話機能の利用にはSMS認証が必要となるため、データ通信専用SIMでは通知を受けることができません。「電話接続による認証」などの回避策もあるため(ここでは触れません)、調べてみるといいでしょう。ただし、電話番号(またはオプションのSMS契約)がないと、119番などに緊急通報できません。この点は、かなりのマイナスポイントではないでしょうか。SMSを使えない点も弱みです。いまだフィーチャーフォンとの連絡にはSMSを利用することが多く、この点では不便を強いられます。
2016年02月08日オーラは、サンリオとのライセンス契約により、ハローキティをモチーフにしたSIMフリー折りたたみ式携帯電話「Hello Kitty FIGURINE KT-01」を4月に発売する。端末価格は税別12,000円(予定)。「Hello Kitty FIGURINE KT-01」は、1.54インチ(240×240ピクセル)のディスプレイを搭載する折りたたみ式携帯電話。ハローキティをモチーフにしており、折りたたむとフィギュアのような形状になる。パッケージには、オーラが用意するIP電話が利用可能な専用SIMを同梱。SIMフリー端末のため、手持ちの音声通話付きSIMを使用することもできる。LTEには非対応だが、SMSの送受信には対応している。カメラなどは非搭載。主な仕様は以下の通り。サイズ: W58×H78.4×D41.5mm重量: 約74gW-CDMA: 800MHz/2100MHzGSM: 850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHzSIMカード規格: microWi-Fi: 対応(詳細は今後発表)Bluetooth: 対応(詳細は今後発表)
2016年02月01日●データ通信の特典付与が中心に春商戦を間近に控える中、携帯電話キャリアは今年も学生向けの割引施策を発表した。だが今年の学割は、各キャリア共に料金を割り引くよりも、高速通信の利用が可能なデータ通信容量を増やすことに力を入れた内容となっている。一体なぜ、料金ではなくデータなのか。その裏にあるキャリアの狙いを探ってみよう。○割引ではなくデータ通信容量が目玉に携帯電話業界にとって、1年で最も販売競争が過熱するのが春商戦だ。この時期は新入学シーズンを迎えた学生や新社会人が、新たに携帯電話を契約することが多い。そうしたことから、携帯電話キャリアは毎年、春商戦に合わせて学生を中心とした若年層向けの"学割"キャンペーンを提供している。従来の学割は、新たに契約した25歳以下の利用者に対し、一定期間基本料金を大幅に割り引くなど、料金面での施策が中心となっていた。しかしながら今年、各キャリアが発表した学割の内容を見ると、その様相が大きく変化していることがわかる。実際、1月12日にソフトバンクが発表した「ギガ学割」は、25歳以下のユーザーが新機種を購入した場合、3GB(後に6GBに増量)の高速データ通信容量を36カ月間、つまり約100GB分(後に200GBに増量)の容量をプレゼントするとしている。新規・番号ポータビリティ(MNP)による契約の場合は、データ通信容量の増量と、ホワイトプランの基本料が3年間0円になるという料金割引のいずれかを選ぶことができるが、「ギガ学割」という名前が示す通り、割引よりもデータ通信容量の増量を前面に打ち出しているのは確かだ。同じ日に「auの学割」を発表したKDDI(au)も、やはりデータ通信容量を25歳までの間、毎月5GB分のデータ通信容量をプレゼントすることを、今年の学割の目玉として前面に打ち出していた。また1月14日に発表されたNTTドコモの「ドコモの学割」も、ソフトバンク同様6GB分のデータ通信容量を36カ月プレゼントすることを、学割の柱に据えているようだ。このように、今年の学割は料金の割引から一転して、データ通信容量のプレゼント合戦となっている。しかし一体なぜ、学割で料金を直接割り引くのではなく、データ通信容量の増量を主軸に据えるようになったのだろうか。そこには若い世代とキャリア、それぞれの最近の動向が大きく影響している。●若年層の事情を汲み取った施策○動画に積極的だが固定回線と縁遠い若年層まずは、学生を主体とした若年層の事情を紐解いてみよう。キャリアの主力製品であるスマートフォンは、若い世代ほど積極的に利用する傾向が強く、中でも学割の対象となる中高生から20代前半くらいは、スマートフォンが生活の一部として手放せない存在となっている世代だ。そうした若い世代が近年、頻繁に利用するようになったのが動画のストリーミングサービスである。現在ではスマートフォンでLTEなどの高速ネットワークが利用でき、動画の再生が快適になったことから、スマートフォンで動画を楽しむことは、若い世代にとって一般的な行為となってきているのだ。なかでもYouTubeは、音楽やエンタテインメントを中心として、若い世代にとって欠かすことのできない身近な動画メディアとなっており、その利用率も非常に高い。また最近では、「ツイキャス」などに代表される動画のライブ配信サービスの人気も高まっており、LINEがライブ配信サービスの「LINE LIVE」を開始するなど盛り上がりを見せている。だが動画は、テキストや画像と比べ圧倒的にデータ量が大きいことから、ストリーミングで動画を長時間視聴していると、データ通信容量をどんどん消費してしまう。つまり若い世代は動画を頻繁に視聴することで大量のデータ通信容量を消費するようになっており、3GBや5GBといった容量ではとても足りないという人も多く出てきているのだ。しかしよくよく考えてみると、外出先ならともかく、自宅であれば光回線などを敷設し、Wi-Fi環境を整えれば、動画を視聴してもデータ通信容量を消費しないはずだ。にもかかわらず、若い世代がスマートフォンで大量のデータ通信容量を消費し続けているのには、若い世代が光などの固定回線を引かない、あるいは引けないことが大きく影響している。そもそも中高生は、自宅のインフラ整備に関する権限を持っていないため、固定回線を引くにしても"親の許可"という非常に大きなハードルを超えなければならない。また一人暮らしの大学生や新社会人などであっても、スマートフォンで高速通信ができることに満足していることもあり、工事などの手間を嫌って固定回線を引かない人が少なくない。ネット動画をもっとたくさん視聴したいけれど、固定回線を引くのは難しい。キャリアはそうした若い世代の動向変化に目を付けて、今年は学割でデータ通信容量を増量するという判断を下したと見ることができよう。●割引からシフトしたキャリアの思惑○"割引よりデータ"の流れを作りたいキャリアだが、キャリアがデータ通信容量の増量を学割の目玉に据えたのには、他にも理由があると筆者は見る。先に触れた通り、若い世代はデータ通信容量に対するニーズが高まっているが、実はキャリアにとって、このことは好都合なことでもある。なぜなら、データ通信容量は必ずしも、学割対象となったすべてのユーザーが使い切るとは限らないからだ。従来通り基本料を割り引いた場合は、学割の対象になったすべてのユーザーに対し、割引を適用する必要があるため、ユーザーの数だけ減収要因が発生することとなる。だがデータ通信容量をする分には、料金自体を割り引く必要はないし、すべてのユーザーが増量したデータ通信容量を使い切るわけではないため、増量によるインフラへの負担も限定的だ。こうしたことから、データ通信容量の増量を学割の主軸に据えることは、直接料金を割り引くのと比べ、お金をかけることなくユーザー満足度を高められる、キャリアにとってメリットの大きな施策と見ることができるのだ。そして、料金を下げずにデータ通信容量を増やすという学割の施策は、今後通常の料金プランにも広がる可能性もある。実は動画コンテンツの利用は、キャリアも定額動画配信サービスの「dTV」「Netfrix」などの販売を進めるなどして利用を促進している。それゆえ今後は若年層だけでなく、幅広い世代がスマートフォンで動画を視聴し、カジュアルに大量のデータ通信容量を消費する可能性が高まっているのだ。そこでキャリアは学割にならう形で、売上を大きく左右する料金に直接手を付けることなく、データ通信容量を増やしてユーザー満足度を高めつつ、売上を高める取り組みを増やしていくものと考えられる。○総務省へのメッセージにもそしてキャリアがこうした取り組みを進めることは、昨年ライトユーザー向けの安価な料金プラン提供を促すなど、携帯電話の料金引き下げを要請してきた総務省に対し、「ユーザーは料金引き下げよりもデータ通信容量を求めている」というメッセージを送ることにもつながっているように感じられる。キャリアとしては、データ通信の利用を拡大して通信料収入の底上げをしたいのが本音であり、低料金プランの導入は本意ではない。それゆえキャリアはデータ通信利用の拡大を積極化し、世論を"割引よりデータ"という流れに変えていきたいのは確かであろう。そうしたキャリアの目論見が成功するかどうかの試金石としても、今年の学割に対する若い世代の反応は大いに注目されるところだ。
2016年01月22日2016春夏は「アルケミスト(錬金術)」をテーマに選んだmame。デザイナー・黒河内真衣子さんのインスピレーションを刺激するものとは?そして、彼女が考えるデザイナーの役割とは?彼女の言葉から、mameの現在地とこれからを読み解く。ーー2016春夏では錬金術、アルケミストがテーマになっています。これも、様々な素材や技術をmameなりのやり方で編んでいく「美しいイメージ」なのでしょうか。今回のコレクションにあたり、ニューメキシコと奄美大島を旅されたと伺いました。黒河内さんご自身が、その場所に赴くことは、クリエイションにはどのような影響があるのでしょうか?今は情報を集める方法が多岐に渡る時代です。携帯電話でも、自分が気になる情報をすぐ、簡単に調べることが出来ますよね。ところが「こういうものが見たい」と思って、実際にその場所に赴いてみると、探していた目的以上の何かを発見することがあります。目にしたささいなことに心を動かされることがよくあります。例えば、目的地への道中で見た光景だったり、工場の片隅にあるゴミ箱に捨てられていた試作品の一部だったりするかもしれません。実際の現場でしか触れられないものは、携帯の画面上では決して出会えないものだと感じています。その何かに出会うために、時間を作り、なるべく現地へ行くようにしています。試作品の一部は、現場の人にとっては日常の光景だったり、捨ててしまうほど、些細なものかもしれませんが、私たちにとっては、新しいデザインを想像するための重要なヒントにもなりえます。「このピースを、美しいドレスのパーツとして使ってみたい」という思いが沸き上がってきます。デザイナーとして私がいつも行っていることは、そういったパズルの組み合わせを考えていくことです。半年後の次のクリエイションのために、パズルを完成させるためのかけらとかけらの組み合わせを探しています。ーー具体的に、2016春夏のコレクションではどのようなパズルの組み合わせが見つかりましたか?今シーズンは、鹿児島県の奄美大島とニューメキシコの2カ所をリサーチに訪れました。それぞれの場所ではまだパズルは完成しなくて、破片のようなものでしかありませんでした。途中の鹿児島ではミルク色の薩摩焼を目にしたり、奄美大島のでは泥染の技術を学びました。ニューメキシコでは、美しいグリーンの風景を表現するためには、どんな色の掛け合わせや技法が出来るだろう?と思いを馳せていました。それらの記憶を元に、日本に戻って職人さんと話しながら「自分が見てきた、あの景色の色を作りたい」と相談しながら進めてきました。そうして完成したのが2016春夏コレクションです。ーーこれからのmameは、女性にとってどんなファッションでありたいと考えていますか?ブランドを設立した当初からずっと変わらないことですが、自立した女性には、オンでもオフでも、様々なシーンの中でその人だけの戦いがあると思います。その人たちの背中を押してあげられるような、そんな洋服を作っていきたい。それがmameというブランドの役割だと思っています。1/2に戻る。
2016年01月19日ソフトバンクは12日、携帯電話やインターネット、電力サービスなど“家”に関するサービスにおいて、まとめて契約すると割安になる「おうち割」を発表した。第1弾として「おうち割 でんきセット」、「おうち割 光セット」を用意する。申し込み開始日は28日。「おうち割 でんきセット」は、電力サービス「ソフトバンクでんき」とソフトバンクの携帯電話または「SoftBank 光」などの固定通信サービスをセットで契約すると、携帯電話また固定通信サービスの利用料金から最大毎月300円を割引くサービス。携帯電話の対象となる料金プランは、「スマ放題」、「スマ放題ライト」、「ホワイトプラン」のいずれか。対象となる固定通信サービスは「SoftBank 光」、「SoftBank Air」、「Yahoo! BB ADSL」、「Yahoo! BB バリュープラン」、「SoftBank ブロードバンド ADSL(NexyzBB、EnjoyBB)。申し込み開始日は28日だが、提供開始日は「ソフトバンクでんき」がスタートする4月1日となる。「おうち割 光セット」は、現在提供されている「スマート値引き」が名称変更されたもの。ソフトバンクの携帯電話と指定の固定通信サービスを契約し、「おうち割」に申し込むことで、2年間、携帯電話の利用料金から最大毎月2,000円が割引かれる(3年目以降は最大毎月1,008円の割引き)。こちらは、申し込み開始日、提供開始日ともに28日となっている。そのほか、「おうち割 でんきセット」、「おうち割 光セット」に加入したユーザー向けに水漏れや配管のつまりなどの「水のトラブル」、鍵の紛失などの「カギのトラブル」、ヒビ割れや破損などの「ガラスのトラブル」に出張料・作業料無料で対応する「おうちレスキュー」を2年間、特典として用意する。
2016年01月12日●全5回を振り返る16日、総務省の諮問機関である「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が5回目の会合を開催し、携帯電話の料金などに関する提言を行った。安倍首相の「携帯電話料金をもっと安く」という発言から発足し、わずか2カ月あまりの間に提言がまとめられたかたちだが、これによって本当に携帯電話料金は安くなるのだろうか?○1~5回の会合を振り返るこのタスクフォースは総務省の「ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの見直し・充実に関するワーキンググループ」の下に設置された会合で、携帯電話の利用者にとって、より低廉で利用しやすい携帯電話の通話料金を実現するための方策を検討することを目的に設置された。背景には、9月11日の内閣府・経済税制諮問会議において、議長である安倍晋三首相が「また、携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題である。高市(早苗)総務大臣には、その方策等についてしっかり検討を進めてもらいたい」と発言したことによるものだ。この発言を受けて10月には高市総務大臣の元タスクフォースが設置され、10月と11月に2回、12月に1回会合を開催、12月16日に提言をまとめることになった。なお、タスクフォースの構成員は大学教授、総研のコンサルタント、弁護士、婦人団体連絡協議会の事務局長、という面子である。総務省からは大臣補佐官を始め、総合通信基盤局、事業政策課、料金サービス課などから担当者が出席した。第1回の会合では、総務省からは携帯料金の単純な低廉化ではなく、サービスと料金の透明性、およびMNPで頻繁にキャリアを変更するユーザーを獲得するためのマーケティング費用が莫大になり、それが長期間使っているユーザーとの公平性を損ねているという問題が提起され、この2点を軸に検討するよう要請があった。もう少し議論を噛み砕いてみると、諸外国では端末代と通信費が独立しており、また通信費も通話やSMSは無制限で、データプランが容量によりシンプルに多数用意されているだけで、端末代や通信費の割引原資として他のユーザーの通話料が使われることはない、すなわち公平である、ということだ。日本の場合、通信品質などから見て決して料金全体が高いわけではないが、端末代の割引のため、あるいはMNPの報奨金のために他のユーザーが支払った料金が使われていること、また音声にせよデータにせよ、ヘビーユーザーにはお得だが、プランの最低値でも余らせてしまうようなライトユーザーにとって現在の料金プランは不公平ではないか、ということが問題であると認識されたわけだ。この先、第2回~第5回の会合も、3大キャリアおよびIIJ、日本通信がMVNO代表として出席したりはしたものの、基本的にはこの認識を中心に議論が進められている(第3回は非公開ヒアリング)。最終的な提言をまとめてみると、以下のようになる。(1)利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系になるよう、年齢や機種を限定せず、ライトユーザーも利用しやすい料金プランの提供を検討するべき(2)高額な端末購入補助を受けず長期間同一端末を利用するユーザーの負担軽減になるような料金プランの提供を検討するべき(3)端末購入補助金は行き過ぎで、端末を購入しないユーザーや、販売奨励金を出せないMVNOにとって不公平なものとなっているので是正すべき(4)MNPで端末購入するユーザーと既存利用者の機種変更で著しい不公平があるので是正すべき(5)料金プランの透明化をもっと進めるべき(6)MVNOの活性化のためMNOとのシステム連携や接続料の適正化をはかるべき(7)MVNO市場の活性化のため、中古市場の発展を図るべき●総務省の論点はどこか○総務省の論点は問題解決につながるのか当初、安倍首相の発言が伝えられた時は、携帯電話料金全体の低廉化が期待されるかと思ったのだが、提言のふたを開けてみればライトユーザー中心のコストダウンと端末購入補助金の削減が中心で、ヘビーユーザーにとっては肩透かし、あるいはもっと率直にいって改悪と映った人も多いのではないだろうか。第1回から総務省主導でテーマが決まっており、どうにも総務省の思う壺、という感が抜けない。今回の提言から、確かにライトユーザーが最低でも5,000円代後半の料金を支払うケースは少なくなるだろう。おそらく各社とも、データ容量1GB、通話無制限1,700円で合計3,000円代程度の料金プランを用意してくるのではないだろうか。ただ、これではミドル~ヘビーユーザーにとっては現状と大差ないということになる。そもそも、そういった低廉な料金体系はMVNOが担当するべきだったはずで、MVNOの仕組みがわかりにくい、あるいはサポートや販売力に差があって普及しにくいというのであれば、そこを解決するような提言があってもよかったと思うのだが、うまいこと論点をずらされたようにも思われる。また販売奨励金などについても、確かにMNPするたびに数万円が飛び交うような現状は異常だが、同時に「実質0円」はゲームなども楽しめるハイエンドな端末が普及し、アプリや配信といった日本のモバイルサービス市場が、世界に先駆けて大きく成長できた一因ともいえる。そもそも発展途上にあるモバイル端末において、2年というのは最新のテクノロジーを享受できるギリギリの範囲だ。最新OSが動かなければセキュリティが維持できるかどうかも疑わしいような状況で、古い端末にしがみつかせるのは、本当にユーザーのためなのだろうか? 少なくとも、販売奨励金がなくなったとして、笑うのは出費が減るキャリアだけだろう。そのぶんが料金に反映される保証もない。●結局どうなる携帯料金○携帯電話料金は下がるのか?携帯電話料金が世帯あたりの家計に占める割合が増えているというのは明確な事実だ。ただしそれは、世帯あたりの携帯電話の台数が増えていることや、タブレットやフォトフレームといった端末が加わっていること、携帯電話の料金が電話料金以外のさまざまなコンテンツやサービス(音楽・映画やアプリ代など)、あるいは公共料金の支払いなどを巻き込むかたちでひとつの決済手段として成立しているからであり、例えばスマートフォンの通信料金そのものはiPhoneの登場以来、ほぼ横ばいといっていい水準で、極端に高くなっているわけではない。今回のタスクフォースの議事録を見ると、どうも、最初から論点が微妙にズレたまま進んでいる感がある。第2回のヒアリングでもキャリア側から指摘があったが、音楽や動画配信のユーザーが増え、ひとりあたりのトラフィックはむしろ増大する傾向にある。安いプランを作るのは、スマートフォンをあまり活用しない層にとっては有意義かもしれないが、モバイル市場を支えている先進的なユーザーの負担減にはつながっていない。総務省主導の話はいつもそうなのだが、このまま話を進めても、結局料金は何ら変りない、ということになると確信している。個人的にはVoLTE対応端末もかなり普及しており、コミュニケーションの中心がすでに音声よりもメッセージングが中心となった時代に、「通話」という行為をそこまで特殊な行為として高い金額を払う意味があるのかが疑問だ。諸外国のように通話は基本定額とし、料金プランは純粋にデータ量に準じて段階的に選べるほうがいいのではないか、つまり現在の「通話し放題プラン」がそもそも無駄である、とも感じている。ユーザーにとって本当に必要なものは何なのか、キャリアの嫌がるところにももう少し突っ込んだ議論が欲しいところだった。
2015年12月27日●首相の要求には応えられたか総務省が2カ月にわたって開催してきた「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が終了し、取りまとめ案に基づいた総務省の取り組み方針が決まった。総務省は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのキャリア3社にスマートフォン料金の負担軽減、端末販売の適正化、その取り組み状況の報告を要請しており、今後さらにガイドラインの策定などを進めていく方針だ。○なんとか首相の要求に応えた形タスクフォースでは3社に対して、ライトユーザー向けに月額5,000円以下の料金プランの検討を求めていたが、「ライトユーザや端末購入補助を受けない長期利用者等の多様なニーズに対応した料金プランの導入等により、利用者の料金負担の軽減を図ること」とされており、具体的な施策はキャリアに委ねられている。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が携帯電話料金の家計負担軽減を口にしたことからスタートした会合で、10月19日の第1回会合以来、わずか2カ月で取りまとめとなった。具体的な数字などは後回しとなり、要請でも報告を求めるのみで、なんとか「年内」という安倍首相の要求に応えた形だ。取りまとめ案では、以下の3点について検討が行われ、それぞれ方向性(案)が示されている。(1)利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系(2)端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換(3)MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進(1)では、キャリアのスマートフォン向け料金がライトユーザーにとって割高で、生活インフラとしてのスマートフォン普及に必要な料金プランを検討すべきとして、年齢や機種を限定せずライトユーザー向けプランを検討する方向性が示された。さらにキャッシュバックや端末購入サポートの高額化に歯止めをかけ、長期利用者などの負担軽減に繋がる料金プランを検討すべきとしている。例としては、より少ないデータ通信料のプランを創設する、低廉な国内通話カケ放題プランと少ないデータ通信プランの組み合わせの柔軟化、低容量のデータ通信プランの低廉化、SIMのみの低廉なプランの提供、買い替えしない長期利用者への割引、といったものが挙げられる。ただ、これらの例のほとんどはすでにMVNOが提供しているサービスだ。MVNOは、キャリアと比べ料金が安いことがメリットとして知られるようになり、ようやく普及の途についたところ。ライトユーザーであればMVNOに移転して自分に合ったプランを選ぶこともできる。MVNOへの流出が無視できなくなれば、MNOであるキャリア側もそれに対抗する措置は必要になるはずで、本来はそうした方向性を目指すべきだったはずだ。ここでMNOに低廉な料金プランが打ち出されると、もともとMNOからの移転を当てにしているMVNOにとっては打撃が大きい。しかも、MVNOは今、ようやくビジネスが立ち上がり始めたところで、まずはこれを育てる方策を練るべきだろう。検討の(3)でMVNOについて触れられているが、「MVNO自身が大手携帯電話事業者との差別化を図りつつ、より多くの利用者から選ばれるような戦略をとっていくことが望まれる」という方向性が示されたのみで、正直なところ、「それができれば苦労しない」という思いがあるはずだ。もちろん、CCCと組んだトーンモバイル、自社の動画サービスと連携できるU-mobileといった特色を打ち出せるMVNOもあるが、それは「MVNO同士の差別化」であり、一番の武器である「MNOに対する価格優位点」を奪うと、MVNOビジネスに影響が出かねない。●MVNOが普及するには○MVNOが普及するためには取りまとめ案ではMVNOの通信品質、サポートへの不安があげられ、「スーパーやコンビニと連携するなど、地方でも店舗を拡充することが望まれる」という意見が出されたが、すでに店舗を展開するMVNOもあるし、キャリア並みのサポートを望めない代わりに低価格化する、というのはMVNOの特徴でもある。逆に、MNOはサポートに多大なコストをかけているわけで、そのサポートを利用しないユーザーもそのコストは負担している。例えば「キャリアの店頭サポートを有料化してその分通信料金を下げる」という「不公平を解消する」考え方だってできてしまう。キャリアは手厚いサポートを売りにしている分、そういうことはできないだろうが、MVNOはそれを抑えているため安くできている、という面は無視できない。MVNOが普及するほど、MVNOは独自サービスを提供しやすくなる。その中で、MVNO同士の淘汰も始まるだろうが、それが自然なはず。MVNOが一定のシェアを獲得すれば、キャリアもそれに対抗する必要も出てくるだろう。もちろん、MVNO普及のために必要な措置はある。MNOの接続料は必要に応じてさらに下げることは検討すべきだろうし、HLR/HSSの開放といった問題も、さらに検討すべきだろう。MVNOへの移転をしやすくするために、2年間の契約拘束後のMNPを簡単にできるようにすることを求めてもいい。「2年契約をしないでいつでもMNPできるようにする」ことは現時点でも可能だが、料金が高くなるので、現実的ではないだろう。2年契約なしで料金を現状並みに下げた場合に、携帯3社の経営にどれだけのインパクトがあるのかは、改めて検証すべき事柄ではあるはずだ。とはいえ、ライトユーザーであれば、月額5,000円ならMVNOに移転した方が安くなる場合が多い。あまり使わないがサポートは手厚い方がいい、という使い方なら、サポート費用込みと考えて5,000円程度というキャリアのプランを選んだらいい。KDDIが有料の手厚いサポートサービス「auスマートサポート」を提供しているが、一定以上のサポートは有料化するというのも一つの方針だろう。逆にMVNOが、「有料サポートが2年間込みで月額3,000円」といったプランもありえる。実際、ソフトバンクはワイモバイルに対してサポート面での手厚さによって差別化できるという話をしており、MVNOに比べると料金は高く、サポートは手厚い、というあたりに落ち着きそうだ。こうした意味で、料金プランの新たな取り組みが生まれてくる可能性はある。一時期、複雑化した料金プランが批判されたことで定額制に一本化され、今度は容量別に複数プランが用意されるようになったが、結局、ユーザーは、多少複雑でも自分に合ったプランを選びたいということなのだろう。●サービスで勝負するキャリア○端末代金の不公平を是正するには(2)の端末購入補助に関しては、同じく総務省による2007年のモバイルビジネス研究会の議論を経て、現在の「端末代金は定価で分割払い」「その分を通信料金から割引」というプランが生まれた。MNPのスタートによって、MNP獲得のためにその通信料金割引が変動して、販売奨励金を使った販売店のキャッシュバック競争といった売り方も生まれたが、それが異常であることは間違いない。方向性案では、「不公平を是正する方向で適正化」という方針を示したが、携帯電話を売り切らなくてはキャリアの不良在庫になる。しかし、端末または通信料の値引きができないとなると、ますます売れなくなる。普通の電気製品であれば、旧機種は値引きして販売されるのだから、適切な値引きであればこれを認める方向性もあっていいだろう。キャリアが売れ残った在庫を中古市場に販売する、というパターンもあってもいいかもしれない。未開封で中古よりは高いが、新品で買うよりは安いし、これを購入した人が持ち込み契約をすれば、端末補助金も必要ない。これであれば、方向性案が求めた「中古市場の活性化」にも繋がるだろう。キャリアも「下取り」という形で、旧機種の回収を進めており、この下取り額を増やすことで中古市場に流通させられれば、流通量が増える。さらにユーザーが「中古市場で購入する」ことを一般的に行うようになれば、中古市場は活性化する。ユーザーの意識改革も必要だろう。何しろ、「端末は売れなければ意味がない」のだ。会合では「新機種を作りすぎ」というようなニュアンスのコメントもあり、どうもキャリアとメーカーを一体化して考えている節があるが、メーカーが端末を作るのは一定の利益が望めるからで、売れない市場であればメーカーは撤退するしかなく、方向性案の「国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させる」という方針にそぐわない。PC業界のように一定のビジネスは成り立つかもしれないが、そもそも日本はPCの普及率が低く、同列に並べるのであれば「生活インフラ」レベルには達しないだろう。ただでさえ、日本市場では技術基準適合証明(技適)のような規制や日本固有の周波数帯、日本語への対応など、独自のコストが必要になる。結局、誰かがコストを負担するわけで、それは広く浅くならざるをえないため、「ライトユーザー“だけ”、長期利用者“だけ”優遇する」というわけにもいかない。最も優遇されるのは「最も収益性が高いユーザー」のはずで、端末補助金を削減しても収益性の高いユーザーの優遇になるだろうし、それがライトユーザーであるとは限らない。○キャリアはサービスで競争方向性案では、端末価格での競争ではなく、通信料金・サービスでの競争への転換を求めているが、すでにMNOは差別化と新たな収益源として、コンテンツサービスを開始し、最近はポイントサービスや電子マネーといった決済系、O2Oといったビジネスにも力を入れている。これは利益があるからこそできるわけだが、それにはインタフェースとなるスマートフォンが不可欠で、やはりMNOにとっては人々にスマートフォンを使ってもらいたい。しかし、AmazonのKindleのように低価格で売ることはできない、という状況になると、新たな方策を考えざるを得なくなる。すでに、端末購入で現金の代わりにポイントで還元するという売り方が販売店では出ているが、こうした方策が一つだろう。囲い込みとしては一般的なやり方だが、このあたりを総務省がどう判断するかという点もあるだろう。***基本的に、総務省からの要請に対して、各キャリアは対応を迫られることになる。ライトユーザーや長期利用者向けに何らかの施策を打ってくることは間違いないが、端末を購入したいユーザーに対しての不利益も避けたいところだろう。MNPよりも複数契約に対する優遇策の強化も考えられる。今後、各社の施策と総務省のガイドライン策定に向けての取り組みが注目される。
2015年12月26日日本電気(NEC)は25日、子会社であるNECモバイルコミュニケーションズから携帯電話端末事業を2016年3月1日付けで譲り受けると発表した。NECは、2013年7月にNECカシオモバイルコミュニケーションズが担っていた、携帯電話端末事業の見直しを決定しており、スマートフォンの新規開発を中止するなど、同事業を段階的に縮小してきた。その結果、NECモバイルコミュニケーションズを独立会社として運営するには非効率な事業規模になったとして、NEC本体が事業を譲り受ける。また、NECは今後の携帯電話端末事業について、運営効率化を図った上で、継続していくとしている。NECモバイルコミュニケーションズの会社概要は次の通り。資本金は4億円。売上高は約230億円(2014年度実績)。出荷台数は約75万台(2014年度実績)。従業員数は約30名(2015年11月末現在)。なお、今回の体制見直しによる、NECモバイルコミュニケーションズの今後の動向についてはアナウンスされていない。
2015年12月25日総務省は16日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第5回の会合(最終会合)を開催した。同会合が示した携帯電話料金を下げるための方向性を受けて総務省が方策を決定する予定だが、その方策に関し各種報道で「携帯端末『実質0円』禁止」などと報道されていることについて、会合の参加者から、「早くも携帯ショップなどで"これから端末価格が高騰する"と駆け込みを煽るような動きが出ている。我々が示した方向性はあくまで、『段階的に携帯端末価格を適正化していく』というものであり、今回の提言は携帯端末の価格を数年かけて徐々に適正化するプロセスの始まりにすぎない」と報道に苦言を呈した場面もあった。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合は10月19日に開かれ、「ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正」などが指摘された。第3回会合は非公開ヒアリング、第4回会合では、"販売奨励金"の規制で「独禁法」との関係が議論になるなどした。第5回となる今回の会合では、これまでの議論を踏まえた携帯電話料金引き下げ策の今後の方向性が示された。今回の会合には、高市大臣、タスクフォース主査で明治大学法学部教授の新美育文氏、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏らが参加した。まずタスクフォース事務局から、第4回会合で示された各検討課題に関する、タスクフォースとしての方向性(案)が説明された。○検討課題(1) 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系方向性(案)(1)IoT時代の生活インフラであるスマートフォンのさらなる普及を図るため、対象年齢や機種を限定して提供されている5,000円以下のライトユーザー向けプランの価格帯も参考に、年齢や機種を限定せずライトユーザーも利用しやすいスマートフォンの料金プランを検討すべき(2)高額な端末購入補助に伴う利用者間の不公平の是正のため、端末購入補助を受けないスマートフォンの長期利用者などの負担の軽減になるような料金プランなどの提供を検討すべき(3)(1)(2)を実現する負担を軽減するための多様な料金プランなどの内容は事業者にゆだねるべきであるが、以下のようなさまざまな方策が考えられる。(1)の例としては、「より少ないデータ通信容量プランの創設」「低廉な国内通話かけ放題プランと少ないデータ通信量プランの組合せの柔軟化」「低容量のデータ通信プランの低廉化」、また(2)の例としては、「端末購入補助がない代わりに低廉なプラン(SIMのみ契約など)」、「端末を買い換えない長期利用者に対する料金割引の提供」。(4)事業者の提供する料金プランなどが利用者の利用実態に合致し、不公平の是正となるものであるかについて、総務省において、事業者に報告を求めて、事後的に検証すべき○検討課題(2) 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換方向性(案)(1)スマートフォンを「実質0円」にするような高額な端末購入補助は著しく不公平であり、MVNOの参入を阻害するおそれがあるため、不公平を是正する方向で補助を適正化する一方、端末購入補助を受けない利用者の通信料金の負担の軽減に取り組むべき(2)行き過ぎた端末購入補助の適正化については、例えば、MNPをして端末購入する人と新規契約・機種変更する人との間で著しい差があることや、料金プランによらずに一定額の端末購入補助となっていることなどを見直すことが考えられる(3)発売から期間が経過した「型落ち端末」などについて、端末購入補助の適正化の取組みの対象とすることは、端末の流通に与える影響が大きいと考えられるため、その扱いについて配慮をすべき(4)端末購入補助の見直しについては、一定のルールに沿った事業者の取組みを促す必要があることから、事業者間のカルテルや再販価格拘束を誘発しないよう留意しつつ、総務省において、ガイドラインの策定を検討すべき(5)端末購入補助の見直しについて実効性を確保するためにも、総務省が事業者の取組みを検証できるよう、必要な措置を検討すべき(6)利用者がニーズに合わせて通信サービスと端末を自由に組み合わせて利用できるようにするため、2年間の期間拘束契約の見直しやSIMロック解除の着実な実施などによる、利用者の囲い込み施策の見直しを引き続き促していくべき(7)端末購入を条件とした通信サービスの料金割引や通信サービスを解約した際の端末に関する負担について、利用者が理解して契約できるよう、総務省において、ルールの整備などをすべき○検討課題(3) MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進方向性(案)(1)接続料については、改正電気通信事業法に基づき、その算定方法などを定める省令・ガイドラインの整備を着実に進め、引き続き、適正性・透明性の向上を図るべき(2)MVNOのサービスの多様化を可能とする加入者管理機能について、ガイドライン上「開放を促進すべき機能」と位置づけることによって、事業者間の協議を加速すべき(3)MVNOと携帯電話事業者の顧客管理システムのオンライン提携について、早期の実現を促すべき(4)MVNOのさらなる普及を図るためには、MVNO自身が、大手携帯電話事業者との差別化を図りつつ、より多くの利用者から選ばれるような戦略をとっていくことが望まれる(5)利用者の選択肢をさらに拡大する観点から、行き過ぎた端末購入補助の適正化と相まって、中古の端末市場の発展が望まれる○高市大臣「速やかに政府としての対応方針を示す」以上の方向性(案)の現状と論点が示された後、自由討議となった。全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「さまざまな場で議論を指摘されてきたものが整理されているが、問題はユーザーのニーズに合った料金体系ができていないということで、どのぐらいの料金で提供していただけるのか、我々もみていく必要がある」と述べた。野村総研の北氏は、「業界の不透明な販売があらためられるべきということはずっと議論されてきたが、なかなか業界により自主的には是正されてこなかった問題。その問題に対し、総務大臣が自ら会合に出席するといった中で、方向性を打ち出せたことはよかったのではないか」と話した。その上で、「大きな方向性は示せたけれども、これに本当に実効性を持たせるためにやるべきことはいくらでもある」とし、「最終的には購入補助をやらないということを目指すが、すぐにというわけにはいかない」と述べた。立教大学の舟田氏は、「型落ち端末の扱いが難しい。型落ちになる原因はメーカーが新機種を出しすぎて、それ以前のものを"陳腐化"させるといった戦略をとっているためで、ユーザーにとっては迷惑な話。行政として、メーカーのマーケティングにそのままのっかるわけにはいかず、(型落ち端末に対する奨励金をどうするかは)難しい問題だ」と指摘した。中央大学の平野氏は、「首相の指示が議論のきっかけとなって、今回のとりまとめにいたった。ぜひ詳細を設計する上で生かしていただきたい」と述べた。主査で明治大学の新美氏は、「事業者の皆さんが自身で公正なものは何かを提示していただくしかない。今回の方向性(案)をタスクフォースの『方向性』としたいがどうか」と賛成を求めると、野村総研の北氏が「一点話したいことがある」と発言。北氏は、「端末『実質0円禁止』などの報道を受け、早くも携帯ショップなどで"これから端末価格が高騰する"と駆け込みを煽るような動きが出ている。我々が示した方向性はあくまで、『段階的に携帯端末価格を適正化していく』というものであり、今回の方向性は携帯端末の価格を数年かけて徐々に適正化するプロセスの始まりにすぎない」と、報道によるミスリードに苦言を呈した。その後参加者で、「方向性(案)」をタスクフォースの『方向性』にすることで合意。高市大臣は最後に、「今回のタスクフォース、第1回の会合は10月で、本日までの期間、大変タイトなスケジュールの中で、構成員の方々に真剣に議論してもらって本当に感謝している。本日とりまとめてもらった、1つはライトユーザー・長期ユーザーの負担軽減、それから端末販売の適正化ということ、またMVNOのサービスの多様化、こういった事柄について方向性を示していただいた」と総括。その上で、「さきほどから議論にも出ていたが、実効性が重要。方向性を示していただいてこれまでと同じというわけにはいかないので、総務省としては速やかに政府としての対応方針を示す」と早期の方針策定を示唆。そして、「私どもの目的は生活インフラとしてのスマートフォンがさらに多くの人々に使ってもらいやすくなるということ、そして競争の質を変えていくということ。サービスや料金の面で、多様性があって分かりやすくていいな、そんな風に思ってもらってより多くの国民の皆様が携帯電話を使ってくださる、そのような姿を目指しながらしっかりとした方針策定に取り組んでいく」と抱負を述べ、タスクフォースを締めくくった。
2015年12月16日iPhoneはいわゆるスマートフォンであり、携帯電話としての役割は切っても切れない関係にある。だから音声通話機能は重要であり、いつでもどこでもつながること、相手と自分の声が互いに届くこと、かつ通話品質に優れることが暗に求められる。それだけに、キャリアの音声通話を行うアプリ『電話』はよく練りあげられている。電源がオンで電波が届く状態でさえあれば、ボタンをタップする程度の反応で通話を開始できる。受信時にスリープしていようがアプリを操作していようが、状態を適切に判断し通話モードに切り替えてくれる。Bluetooth経由で音楽を聴いているときも同様、iPhoneは相手の声をBluetooth機器から出力してくれる。このしくみにより、いわゆるハンズフリー通話も意識せずに実現できる。ヘッドホンで音楽を聴いているときはヘッドホンから、クルマを運転しているときはカーステレオのスピーカーから相手の声が聞こえるのはそのためだ。しかし、"あるべき場所"以外から声が聞こえてくることには、どうしても違和感がある。自分はiPhoneに向かって話しているのに相手の声はヘッドホンや外部スピーカーから聞こえるというのは、やはり不自然かもしれない。相手の声はiPhone内蔵スピーカーで聞きたい場合には、通話画面で「スピーカー」ボタンをタップするのがオーソドックスな方法だが、毎回タップするのは面倒。そんなときには、「通話オーディオルーティング」の設定を見直そう。初期設定では「自動」に設定されているため、電話を受けた時点で利用している機器に声を出力してしまうが、ここで「スピーカー」を選択しておけば、音声通話のとき相手の声は必ず内蔵スピーカーから聞こえるようになる。いつでも電話は内蔵スピーカーで受けたい、そんなユーザのための設定術だ。
2015年12月12日ソフトバンクは12月11日、同日より法人向け電話会議サービス「GlobalMeet電話会議サービス」の提供を開始すると発表した。サービス提供元は、Web会議ソリューションを提供するプレミアコンファレンシング(PGi)。同サービスは、世界53カ国、70地域にローカルアクセス番号を用意して、海外に拠点を持つ顧客のニーズに合わせた国際通話料金がかからない仕組みを構築している。また、同社の直収電話サービス「おとくライン」やソフトバンクの携帯・PHSからの利用では、国内通話料が定額となる。プランは利用分数に応じたプランを選択して安価に利用できる「プラン1」と、利用時間でシンプルな支払いの「プラン2」がある。プラン2の利用料金では、サービス利用料金が1分あたり24円、日本とアメリカでは、ローカルダイヤルイン接続料金が0円となる。現地のアクセスポイントまでの通話料は別途必要となる。日本とアメリカ以外の51カ国ローカルダイヤルイン料金は、国によって異なる。初期費用や基本料金は発生しない。また、サービスはマルチデバイス環境にも対応しており、会議の開始・設定ができる専用アプリをスマートフォンやタブレット端末にダウンロードすることで、電話端末以外でも会議に参加できる。VoIPにも対応しているため、PCからの会議参加も可能となる。
2015年12月11日パラサ・エックスが運営する「家計の時間」はこのほど、12月16日の『電話の日』にちなんで、既婚女性を対象に電話にまつわる調査を実施し、その結果を発表した。それによると、7割超の家庭が「固定電話はない」と回答した。○1カ月の通信費、約半数が「1万~2万円」自宅に固定電話はあるかと尋ねたところ、70.1%が「ない」、3.7%が「以前はあったが今はない」と回答。反対に「ある」は26.2%にとどまった。「ない」と答えた理由は「携帯電話で済ませられるから」との声がほとんどだったという。「家計の時間」編集チームは「家電話のニーズが減っており、家にネットしか引かないという傾向があるようだ。また、調査対象に若い世代が多かったことも影響しているのかもしれない」と分析している。1カ月の通信費(固定電話、携帯電話、インターネット回線)の合計を聞くと、「1万5,000~2万円」が26.2%で最多、次いで「1万~1万5,000円」が22.4%と続き、月々1万~2万円の通信費を払っている人が約半数を占めた。一方、通信費を1万円以下に抑えている人の回答では「夫婦ともに自宅や会社ではWi-Fiにつなげるようにし、パケット量が少ないプランに変更」などの工夫がみられた。夫と「毎日電話をする」と答えた人は24.3%で、内容は「帰るコール」が圧倒的に多かった。仕事以外で最も電話をする先は、50.4%が「実家」と回答し、「義実家」の1.6%と大きな差がついた。また、友人関係では「独身時代の友人」の4.5%に対し、「ママ友」は1.1%となった。調査期間は2015年11月20~26日、有効回答は20~44歳の既婚女性709人。
2015年12月07日Androidの生みの親として知られる元GoogleのAndy Rubin氏が、再び携帯電話ビジネスに戻ってくるという噂が持ち上がっている。Androidプラットフォームを開発し、かつては買収前のDangerでユニークな端末の開発も行っていたRubin氏だが、次のビジネスは再び携帯端末の世界になるとみられる。同件はThe InformationでAmir Efrati氏が関係者の話として報じている。それによれば、Rubin氏は最近になりAndroid携帯ビジネスへの復帰をほのめかしており、実際に新会社設立に向けた人員確保に乗り出しているという。同氏は2013年にGoogle内部の事業部改編の中でAndroidビジネスを離れ、ロボティクス分野担当となっていた。その後、2014年秋に同社を離れ、翌2015年春に自身の新事業であるPlayground Globalを立ち上げた。Playgroundはハードウェア開発会社支援のいわゆるベンチャーキャピタル(VC)であり、今回噂になっているAndroid携帯の新会社もまたPlaygroundの出資機構を使うようだ。なお、立ち上げ時は4800万ドルの資金を扱うといった断片的な情報しかなかったPlaygroundだが、準備期間を経て半年以上が経過したことで、少しずつ規模が大きくなっているようだ。アップデートされたLinkedInのプロフィールによれば、現在本社はロスアルトスからパロアルトへと移っており、会社の従業員規模も51~200人となっている。The Informationによれば、資金規模も3億ドルまで増加しており、比較的近いうちに何らかの情報アップデートが行われることになるかもしれない。そのときを楽しみにしておこう。
2015年12月04日JR九州、西日本鉄道、福岡市交通局など九州の鉄道事業者11社局はこのほど、優先席付近における携帯電話使用マナーの変更について発表した。各社局とも12月1日以降、「優先席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください」と案内内容を変更する。優先席付近の携帯電話使用マナーに関しては、2013年1月の総務省の指針改正や、スマートフォンの普及に代表される携帯電話の利用形態の変化などにより、各地で案内内容変更の動きが拡大。関西エリアでは25社局が昨年7月から、関東・甲信越・東北地方でも37社局が今年10月から案内内容を変更。今月に入ってからも、東海地方の4社局が12月1日から案内内容を変更すると発表した。総務省指針では、携帯電話と植込み型医療機器(ペースメーカー)の装着部位との距離を15cm程度以上とするように求めている。変更内容は駅や車内へのポスター掲出で知らせるほか、優先席付近でのステッカー掲出、車内放送による案内などで利用者への周知を図る。
2015年12月01日総務省は26日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第4回の会合を開催した。さまざまな検討課題と課題を解決するための論点が示されたが、「販売奨励金」を規制する点については、独占禁止法との関係などが議論され、今後の議論の行方にも大きく影響しそうだ。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合は10月19日に開かれ、「ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正」などが指摘された。第3回会合は非公開ヒアリングとなり、一般社団法人 全国携帯電話販売代理店協会、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、インターネットイニシアティブ、日本通信からヒアリングが実施された。第4回会合は、高市大臣、タスクフォース主査で明治大学法学部教授の新美育文氏、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏、東京大学大学院工学系研究科教授の相田仁氏らが参加。これまでの議論やヒアリングを踏まえ、「『携帯電話の料金その他の提供条件』に関する論点」として、タスクフォース事務局から、検討課題とそれぞれの現状と論点が示された。以下にそれを記載する。○検討課題(1) - 利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金体系現状大手携帯電話事業者のスマートフォンのデータ通信については、2014年6月以降、多段階のプランが新たに導入され、各社2GBからの設定となっている契約データ量は7GBの利用者が最も多い一方、実際のデータ通信量が1GB未満の利用者も多く存在。ただし、利用者のデータ通信量は全体としては増加傾向にあり、月々のデータ通信量にも変動がある大手携帯電話事業者は、今年9月にスマートフォン向けに基本料金が1,700円のプランを新たに発表したが、データ通信量が2GB等が選択できず、最も低廉な場合でも6,200円(税抜き)からとなっている(ワイモバイル除く)大手携帯電話事業者は、スマートフォン向けの少ないデータ容量プランとして、5,000円以下の料金プランを提供しているが、年齢層や対象機種が限定されているスマートフォンの音声及びデータの組合せプランの国際比較では、諸外国のSIMプランについて、少ないデータ容量については日本のほうが高くなっている日本のスマートフォン個人保有率は概ね50%であり、7割を超える諸外国と比べて低くなっている。また、世帯保有率の伸びが鈍化している論点大手携帯電話事業者の現在のスマートフォン向けの料金は、ライトユーザーにとって割高なものとなっていないかスマートフォンのライトユーザー向けプランは年齢層や対象機種が限定されているが、スマートフォンのライトユーザー向けの料金プランのあり方について、どう考えるかIoT時代に向けた国民の生活インフラとしてスマートフォンを普及させるため、どのような料金プランが必要か○検討課題(2) - 端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換現状端末を購入する利用者に対し、大手携帯電話事業者は通信料金の割引、端末購入代金の補助、販売奨励金等を原資とした端末価格の値引きやキャッシュバック(端末購入補助)を行っている。特にMNPによる契約者に対する端末購入補助は高額なものとなっており、端末価格を上回っている場合もある大手携帯電話事業者は、長期利用者に対しては契約期間に応じて割引を提供しているが、端末購入補助と比較すると、少ないものとなっている端末販売台数に占めるSIMロックフリー端末の割合が1割以上となっており、今年11月からは対象端末のSIMロック解除が開始され、今後、大手携帯電話事業者と通信サービス契約をする際に携帯電話端末を購入をしない人の増加が見込まれるMVNOからは、大手携帯電話事業者の過度の販売奨励金等がMVNOの市場参入を困難なものにするとの指摘がある諸外国では、日本のような端末価格を上回る端末購入補助は、見当たらない端末価格と通信料金の具体的な負担額や、通信サービス契約を解除した場合に端末に関して解除料などの負担が発生することが、十分に認識されていないケースが生じている論点端末を購入した人が、端末を購入しない人よりも低い負担となる場合もある端末購入補助の現状は、日本独自のものであり、端末を買い換えない長期利用者や、端末を購入せずに通信サービス契約だけを行う利用者にとって、著しく不公平なものとなっているのではないか端末購入補助について、大手携帯電話事業者において行き過ぎは是正すべきとの認識が共有されている。一方、事業者間の競争がある中、その適正化を実現するため、事業者団体による取組、行政からの働きかけによる取組について、どう考えるか。また、その際に、価格カルテルや再販売価格の拘束との関係について、どう考えるか端末購入補助の行き過ぎの是正により、MNPによる顧客獲得競争が弱まるおそれがあることについて、どう考えるか発売から期間が経過した「型落ち端末」に対する端末購入補助について、どう考えるか端末の価格や通信サービス契約を解約した際の負担について、利用者が理解して契約できるような方策について、どう考えるか○検討課題(3) - MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進現状MVNOサービスの契約数は増加傾向にあるものの、普及はいまだ一部の利用者層にとどまっているMVNOは、接続料の低廉化を背景に、月1,000円台からの割安な料金を設定しており、認知度は大幅に上昇している。一方、MVNOを利用しない理由として、通信品質・サポート体制への不安を挙げる人が増加傾向にあるMVNOが独自にSIMを発行したり、音声サービスに係るコストを低廉化することを可能とする加入者管理機能の開放について、事業者間で協議が行われているものの、協議が長期化しているMVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携によるサービスの利便性向上が期待されている論点MVNOの費用の相当部分を占める接続量のあり方について、どう考えるかMVNOのさまざまなサービスの多様化を可能とする加入者管理機能の開放について、どう考えるか新規加入・MNP等の受付処理をワンストップで実行可能とする、MVNOと携帯電話事業者の顧客システムのオンライン連携について、早期の実現を促すべきではないか以上の検討課題の現状と論点が示された後、自由討議となった。野村総研の北氏は、「MNPによる顧客獲得競争は本当に意味のあるMNP、つまり今のキャリアに不満だからとか、他のキャリアのサービスがよさそうだからとか、そういうもともとの趣旨にあったMNPなのか、そういうユーザーは少ないのではないか。現状では、MNPしたほうが機種変更するよりも金銭面で有利だとかそういう理由だからではないか。真のMNPに戻り、付加価値や通信料金のよさで競争するMNPとなるべきではないか」と述べた。また、「そもそもキャリアがOEMで端末を大量に一括して調達する仕組みが問題の根本にあるのではないか。それを販売代理店が買い在庫ができると、叩き売りになってしまい、『0円携帯』が出てきてしまう。そのためにキャリアは販売奨励金を出し、そうしたどんぶり勘定の慣行が、スマホ時代にも引き継がれている。ここにメスを入れないといけない」と指摘した。全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「そもそも今回のタスクフォースは、携帯料金を下げることを目的としたもの。キャッシュバックの仕組みを変えるにしろ、とにかくライトユーザーの使用量に見合った料金プランを作らないことには意味がないのでは」と強調。これに対し、主査で明治大学の新美氏は、「その通りだが、そのためにある程度ステップを踏んでいかないと」と話した。一方、立教大学の舟田氏は、「過度の販売奨励金と行き過ぎた販売方法が問題となっているが、販売奨励金そのものに規制をかけるのは、技術的には難しいし、実効性があるかも疑問だ」と、独占禁止法との関係において問題があるのではないかと問題提起。これに対し、中央大学の平野氏は、「微妙なところだと思うが、たとえば強制力はないガイドラインみたいなものの場合はどうか」と質問。舟田氏は、「事業者団体によるそうした取組は問題があるが、事業者が行政からの働きかけに応じて自主的に対応するのであれば、独禁法上問題はないのでは」との見解を述べた。また、MVNOについて、東京大学の相田氏は、「MVNOは都会ではかなり普及してきたが、地方では知名度がまだ低いので、販売店の拡充などが必要ではないか。すでにあるスーパーやコンビニと連携して、販売体制やサポート体制を拡充すべきではないか」と話した。最後に高市大臣は、「公正取引委員会との関係も含めて、踏み込んだ議論をしてもらって感謝している。私からは、MVNOサービスの低廉化につながるように、加入者管理機能の開放についての事業者間協議のさらなる促進を図るということで、パブリックコメントを行いたい」との方針を示した。
2015年11月26日総務省は16日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第3回の会合を開催した。会議は非公開で行われ、報道関係者も冒頭のカメラ撮りのみ可能、会合周辺に留まることも不可、という"秘密会合"めいたものとなった。今回のタスクフォースは、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示したことが立ち上げのきっかけとなったもの。第1回会合では、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」などと指摘された。第3回となる今回の会合では、一般社団法人 全国携帯電話販売代理店協会、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、インターネットイニシアティブ、日本通信からヒアリングを実施。だが、タスクフォース主査を務める明治大学法学部教授の新美育文氏が冒頭で、「本会合は事業者や関係団体からのヒアリングを行うが、報道関係者にお願いがある」とし、「本日のヒアリングは事業者等の経営情報を扱うために非公開で行うことになっている。カメラ撮り終了後は速やかに退出を行うとともに、会場付近において留まることのないようにしてほしい」との要請を行った。続いて、高市早苗総務大臣が挨拶。高市大臣は、「前回のタスクフォースでのヒアリングで感じたことは、一つはユーザー側が分かりやすい料金体系、サービスを求めていること。もう一つは、事業者側も同じ端末で競争しなければならないという大変厳しい状況の中で、行き過ぎた点があったらなおしていきたいという問題意識を持っていること」と前回の会合を振返った。その上で、「スケジュールがタイトな中で議論を進めていくわけだが、本日は新美主査の提案によって事業者の経営戦略に関わることがあるので非公開でのヒアリングとなった。現在スマホを持っている人は大体50%だが、スマホもフィーチャーフォンも持っていない人もいる。これからの日本社会を考えると、スマホというのは大事な生活インフラになると同時に、『IoT(Internet of Things、物のインターネット)』を進める上でスマホをもっと普及させていくためにも、分かりやすい料金体系やサービスといったものが求められていく」と、今回の議論の意義を強調。「多くの事業者にとってもユーザーにとってもウィン-ウィンの関係になるような議論を進めていけたらと思っている」と議論が進展することに期待感を表明した。なお、この日のヒアリングや質疑応答については、簡単な議事要旨が総務省ホームページで公開される予定となっている。
2015年11月16日KDDIは11月5日、海上保安庁の船舶に携帯電話基地局のLTE対応無線装置と携帯電話のアンテナ、衛星アンテナを設置し、運用訓練を実施すると発表した。同日より、第十管区海上保安本部(鹿児島県)の協力の下に行われる。船上基地局は、2012年6月「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会(主催:総務省中国総合通信局)」において検討を開始。海上保安庁の協力のもとに、さまざまな実地試験を行っている。これまでは船上への設置にクレーンなどの重機を必要としていたが、無線装置を小型化したことで、作業員による運搬が可能となった。これに伴い、設置にかかる作業時間の大幅な短縮も可能とした。今回の運用訓練では、船上基地局設営にかかる時間やアンテナの耐久性などを訓練によって測定し、より実用に近い形での運用を行う。また今回より新たに、LTEによる音声およびデータ通信の試験も行う。同社は訓練を通じて、「携帯電話基地局の船上開設の早期実用化を推進していく」としている。
2015年11月06日●キャッシュバック批判に対しては……KDDIは5日、2016年3月期第2四半期決算を発表した。現在、総務省では「携帯電話の利用料金の引き下げ」等についての議論が行われているが、KDDIではどのように対処していくのだろうか。同社の田中孝司社長が記者団に語った内容を紹介していこう。○販売奨励金は必要先日、総務省の主導で行われた第2回「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」では、高市早苗 総務大臣から「端末代金と通信料金が一体化しており、分かりにくい」「頻繁に端末を買い替える利用者にキャッシュバックを行い、長期ユーザーに重い負担がかかっている」といった指摘があった。これについて、田中社長は「10万円もするような、ハイエンドなスマートフォンも増えている。したがって割賦で契約して、毎月払いにした方が嬉しい、というお客さんはたくさんいると思う。過度なキャッシュバックは避けるべきだが、ある程度の販売奨励金は必要」と回答。ただ「ほど良いところを模索している」とも話した。○横並びの料金プラン大手3社で横並びの新料金プランも批判の的になりやすい。これについては「横並びにするつもりではなく、1社がプランを出すと競合が追い付くという構図」と説明。ちなみに今秋、KDDIでは他社に先駆けて月額1,700円で1回5分以内の通話がし放題になる「スーパーカケホ (電話カケ放題プランS)」を導入。しかし、すぐにNTTドコモ、ソフトバンクが類似のプランで追従している。田中社長は「差別化は難しい」と苦笑いしていた。長期ユーザーを優遇すると3キャリアで競争がなくなり、携帯市場がかえって停滞するのでは、という問いに対して、田中社長は「矛盾している議論だらけ。ほど良いところっていうのは、その時々で違う」と回答。「安けりゃ良い、というのはその通りだが、ビジネスなので困ることもある。安いプランを出すとMVNOにも影響が出る。総論としては、どこに重点を置くか、ということ。これが難しい」と本音と建前の間で揺れ動く、苦しい胸の内を明かした。●100MBごとにデータ通信プランを刻んだら……○料金プランには歴史があるタスクフォースでは1GBから選べるプランなども議論されているが、これに対して田中社長は「再来週、タスクフォースのヒアリングがある。議論の行方を見守りたい。我々には、利用者に最適なプランをつくってきた歴史がある。スーパーカケホも出した。しかしまだまだ足らないのかな、という認識もある。今日、ここで申し上げることはそのくらい」と回答。決算発表会の直後には「料金プランも小刻みにやってきたつもりだが、これ以上細かくしたら、例えばデータ容量を100MBごとにしたら、従量課金プランそのものになってしまう」とボヤいている。○国内の料金、社長は高いと思う?記者から「田中社長は、現在の携帯電話の利用料金を安いと思うか、高いと思うか」と問われると、「グローバルで考えれば、利用料金の水準は先進国の中では中くらい。ただ日本国内のネットワークは世界で1~2番目に良い。その意味では、料金が高いということはない」と回答。「携帯電話の使い方は人それぞれ。課題はあるが、一概に高いとは思っていない」と続けた。また「国が主導していることを、どう思うか」と聞かれると「我々自身が、お客さんの方を向いて、解決していかないといけない問題。現状は足らないところがある、ということ。真摯にご意見を聞いていく」と答えた。○契約更新月について携帯電話の契約更新月を過ぎると、自動的に契約が更新されてしまう現在のシステムについては「解約を希望の方には、メールで伝えるなどの仕組みを導入したい」と回答。2年契約の契約更新月を、現行の1カ月から2カ月に延ばすなどの施策も考えているという。総務省から「長期利用者には通信料金を還元した方が良い」という指摘があった件については、「色々な還元の仕方があると思っている。それらを踏まえて検討していきたい」と田中社長。ちなみに決算説明会では、長期利用者のデータ容量を増量する「長期優待データギフト」などの施策を紹介した。誰もが不公平を感じないプランになるよう、KDDIでは今後とも料金プランを工夫していく構えだ。
2015年11月05日●PC・携帯電話の2事業が来春分社化へ富士通が、2016年春を目標に、PC事業および携帯電話事業を、それぞれ100%子会社として分社化する計画を明らかにした。富士通、PC事業・携帯電話事業をそれぞれ分社化(ニュース記事)2014年度の富士通のPCおよび携帯電話事業の売上高は7,093億円。全社売上高4兆7352億円のうち、約15%にあたる事業を分社化することになる。分社化したPC事業の新会社は数千人規模となり、携帯電話の新会社は数百人規模になる見込みだという。富士通は、なぜPC事業および携帯電話事業を分社化するのだろうか。10月29日に、同社本社で行なわれた経営方針説明会において、富士通の田中達也社長は、「PCは、IoT時代において、エッジを担い、データを取り込む製品という点でも重要である」と、富士通におけるPC事業の重要性を指摘しながらも、「富士通の事業体制は垂直統合。この仕組みのなかでは、甘えの構造が生まれやすい。事業の調子が悪くても、全体として儲かっていればいいということになりやすい。これからのIoT時代は水平分業の時代となり、さまざまなチャンスが出てくるだろう。PCは、当社のインテグレーションのなかでも活用できるが、それを切り出して、独立した事業体として、グローバルで戦うことに挑戦してもらいたい」と語った。田中社長が分社化の理由にあげたのが、「独立した事業とすることでの責任の明確化」と、「持続的な利益成長に向けてのマネジメント強化」。そして、PC事業には「甘えの構造」があったことを指摘。この構造からの脱却を目指すことになる。○田中社長が指摘する「甘えの構造」とは2014年度におけるPCの出荷実績は、前年の590万台から約2割減の470万台。2014年3月のWindows XPのサポート終了に伴う需要の反動により、販売台数が減少したものの、黒字を確保してみせた。だが、ここでは、米ドルに対するユーロ高が進んだことで、欧州拠点における調達部材のコスト低減効果が影響。実力値として評価するには厳しい内容だったともいえる。さらに、今年度に入ってからも、販売低迷からは抜けきらず、期初には、2015年度の出荷計画として、前年並みの470万台を見込んでいたものの、今回、上期決算を発表したのに合わせて、50万台減の420万台へと下方修正。そして、2015年度上期は赤字に陥った。ここ数年、PC事業は赤字と黒字を行ったり来たりしており、それが田中社長が指摘する「甘えの構造」の理由のひとつだといえる。「PCや携帯電話のような、機動性を求められる事業は、グループ会社として独立させ、単独でも競争に勝ち抜く製品開発と、ビジネス展開を目指す。経営判断を迅速化し、子会社は独立した事業として確実な利益体質と成長を目指す。これにより、これまで以上に競争力のある新商品を、タイムリーに市場に提供していくことになる」と位置づける。○デルやレノボが選んだ「統合」の道いま、PCメーカーは、世界的にみても、「統合」と「分割」の選択肢を迫られているといえそうだ。統合の道を選んだ代表格がデルだ。デルは、米国時間の10月12日、ストレージ大手のEMCを、670億ドル(約8兆円)で買収すると発表。PCまでを含むエンド・トゥ・エンドのソリューションプロバイダーへの進化を打ち出してみせた。10月20日(米国時間)から、米国テキサス州オースティンで開催された米デルのプライベートイベント「Dell World 2015」において、同社のジェフ・クラーク副会長は、「われわれは、PCビジネスにコミットし続けている。PC分野では、引き続き、大きなイノベーションが続くことになる。PCのイノベーションに終わりはない。全世界に、18億台ものPCが存在し、これをアップグレードしたいというユーザーがいる」とコメント。米デルのチーフ・コマーシャル・オフィサーのマリウス・ハース氏は、「デルはPC事業の売却は一切考えていない。PC市場は縮小傾向にあるが、そのなかでデルはシェアを伸ばしている。PC事業を継続することは、CPUやメモリ、HDDの調達といった点でも規模の経済が働き、大きなメリットがあると考えている。PC事業を売却した企業がサーバー事業で成功した試しがない」と指摘してみせた。米デルのマイケル・デル会長兼CEOも、「スケールこそが成長を牽引する」と強調する。躍進しているレノボも、統合路線を追求しており、それにより、PC市場における世界トップシェアを獲得してみせた。日本では、NECパーソナルコンピュータを傘下におき、ThinkPadを同社米沢事業場で生産を開始するなど、統合によるメリットを生かしている。○「分割」の道を歩むヒューレット・パッカードこれに対して、「分割」の道を歩んでいるのが、ヒューレット・パッカードだ。同社は11月1日付で、エンタープライズ事業を中心とするHewlett Packard Enterpriseと、PCとプリンティング事業を展開するHP Incの2社へと分社化。ヒューレット・パッカードのメグ・ホイットマンCEOは、分社化することで身軽になること、意思決定の迅速化が図れること、イノベーションに注力できる体制が整うことなどを理由にあげている。富士通も、同様に、PC事業を分社化する「分割」の道を歩んだといえる。どちらの選択肢が正しいかは、数年後に結果となって表れることになろう。●PC市場における「数の経済」の優位性分割の道を選んだ富士通だが、現在、富士通のPC事業が置かれた立場が厳しいのは事実だ。富士通の年間420万台という生産規模は、国内では、東芝に次いで2番目となるが、日本および欧州を主軸に展開する一方、アジア、そして米国にも展開し、さらに、タブレットからノートPC、デスクトップPCを品揃えし、個人向けにも、企業向けにも展開するという全方位的な事業体制を敷いている構造は、開発、製造、物流といった各領域において、コスト面でのデメリットを生みやすく、どうしても収益面で厳しい状況に陥らざるを得ないといえる。PC事業は数の経済が成り立ちやすい市場環境にある。CPUやメモリ、ハードディスク、OSといった基幹部材は、調達量が多いほど調達価格が有利になるからだ。年間6,000万台規模を出荷するレノボ、5,500万台規模を出荷するヒューレット・パッカード、4,000万台を出荷するデルに対して、10分の1以下の出荷量に留まる富士通との調達価格の差は明らかで、価格競争力は打ち出しにくい。それでいて、これらの企業と同様に全方位戦略を展開しているのは明らかに不利だ。年間1,000万台強を出荷する東芝は、ビジネス分野に特化する方向へと舵を切る一方、年間200万台規模のNECパーソナルコンピュータは、レノボ傘下でその調達力を生かしてコストを削減。その分を開発投資に回すことで国内での競争力を復活させてきた。そして、100万台以下の出荷量に留まるパナソニックやVAIOは、特定領域に特化した高付加価値モデルによって、収益確保に取り組んでいる。こうしてみると、国内PCメーカーのなかで、富士通の置かれた立場だけが最も不安定だといっていい。なにかしらの対策を講じなければ、今後は、赤字体質からの脱却が難しいという局面へと陥る可能性もあるといえよう。富士通の田中社長は、「今の時点で、PC事業を売却するということは決めていない。だが、長期的な観点を考えれば、いろいろな選択肢があり、状況の変化を見ていくことになる」と語る。気になるのは、今回、田中社長が打ち出した経営方針のなかで、「営業利益率10%以上」という指標があった点だ。「私の社長在任中に、必ず達成したいと考えている数値目標であり、ICTサービス企業として、グローバルに戦える域に達した数値」と位置づけている。だが、2015年度通期見通しではわずか3.1%。10%どころか、5%の営業利益率もはるか先にある状況だ。だが、富士通の全事業の7割を占める主軸事業となっている、サービスやシステムプラットフォームで構成されるテクノロジーソリューション事業は、2015年度見通しでの営業利益率は6.9%。もし、選択肢のなかに、PC事業売却というカードがあるとすれば、営業利益率の目標達成への距離感はぐっと近くなるのかもしれない。
2015年10月30日富士通は29日、同社のPC事業と携帯電話事業をそれぞれ分社化すると発表した。PC事業、携帯電話事業それぞれにおいて、100%出資の子会社を新たに設立し、コンシューマ向け・ビジネス向けを問わず移管。各製品の企画や開発、製造などを行う。同社は「新会社は連結子会社となるため、富士通からPC、携帯電話事業がなくなるというわけではない」としている。他方、グループ内に分散しているIoTに関する技術や企画、開発、製造、営業などのリソースは、全社IoT部門に集約し、中核事業として強化する。今回の措置は、ユビキタスビジネス事業の体質強化を目的に、PC事業・携帯電話事業の体制刷新を図るもの。その背景として、市場のコモディティ化が進み製品の差別化が困難となる中で、グローバルベンダとの競争が激化していることを挙げている。同社は、今回の体質強化により、従来以上に競争力ある商品をタイムリーに市場に提供していくとする。
2015年10月29日総務省は19日、携帯電話料金について議論する「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の第1回の会合を開催した。参加した委員からは、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」などの意見が出た。○総務大臣補佐官の太田直樹氏「透明性と公平性のある仕組みづくりを」携帯電話料金を巡っては、安倍晋三首相が9月11日の経済財政諮問会議で、携帯電話料金引き下げ策の検討を高市早苗総務大臣に指示。今回のタスクフォース立ち上げにつながった。タスクフォースには、明治大学法学部教授の新美育文氏が主査となり、中央大学総合政策学部教授の平野晋氏、野村総合研究所上席コンサルタントの北俊一氏、立教大学名誉教授の舟田正之氏、弁護士の森亮二氏、全国地域婦人団体連絡協議会 事務局長の長田三紀氏らが参加した。初会合に先立ち、総務大臣補佐官の太田直樹氏があいさつ。太田氏は、「先月の安倍総理の指示があって検討ということになったが、この10年間に通信料金が家計に占める割合が2割ぐらい上がったというのは事実。ただ、通信費が高くなったから安くするという単純な話ではなく、高くても価値があるものであれば、当然出費というものは上がっていくが、特に検討してもらいたいのは、利用者の目から見てどうなのかということ」と言及。「検討のポイントは2つあると思う。一つは透明性。私も携帯ショップに行って思うが、最初に端末を選び、その後料金プラン、その後各種サービスという一連の流れが結構複雑で、かつ送られてくる請求書を見ても20行ぐらいあり、何にいくら払っているのかよく分からないところがある。結果として自分が使っている以上の料金パッケージになっていて、透明性のないものになっているという思いがある。利用者から見てちゃんと納得して選んで、どれだけの対価を払っているのか簡単に分かる仕組みをなんとか業界として作っていけないか。その(仕組みをつくれていない)背景の一つとして、端末とサービスが一体になっていて、その二つの関係というのがあるのではないか」と指摘した。また、2つ目のポイントして、「よく言われることだが、頻繁に通信事業者や端末を変える人に莫大なマーケティングコストが費やされていて、それは誰が肩代わりしているかというと、おそらくは長期的に同じ端末・サービスを利用しているユーザーではないか。ここは公平性ということがポイントになる」と指摘。「やはり利用者から見た時に透明性と公平性がきちんと保障された仕組みづくりをぜひご検討いただきたいと思っている」と要請した。その後、タスクフォース事務局の総務省職員から『「携帯電話の料金とその他の提供条件」に関する現状と課題』について説明があった。○「データ通信のライトユーザーに対応した料金プランとなっているか」事務局からは、携帯電話市場の状況、携帯電話に関する制度の現状、これまでの「携帯電話の料金とその他の提供条件」に関する取組、携帯電話の料金負担の現状、大手携帯電話事業者の料金プランの現状、携帯電話端末の販売・流通の現状、MVNOの現状についての説明があり、検討課題が示された。検討課題としては、第一に「データ通信のライトユーザーや通話の『かけ放題』が不要な人などのニーズに対応した料金プランとなっているか」が挙げられた。第二に、「携帯電話端末の販売と通信契約が一体化し、通信料金割引と端末購入割引を通じた端末価格を中心とした競争になっているところ、利用者にとって端末価格と通信料金との関係が分かりにくいものとなっていないか」、「MNPを頻繁に行う利用者や端末を買い替える利用者にさまざまな形での優遇がある中、端末を買い替えない長期契約者、さらにはSIMロックフリー端末を自分で購入して契約する利用者等との間の公平性についてどのように考えるか」の2点が挙げられた。第三に、「MVNOサービスのさらなる低廉化・多様化を図っていくため、どのような方策が必要か」についても検討課題とした。○北氏「料金全体の値下げではなく、行き過ぎた不公平性の是正がポイント」この後、野村総研の北氏が「我が国の携帯電話料金の課題と解決の方向性」と題して、プレゼンテーションを行った。北氏によると、家計支出に占める携帯電話関連支出は増加する仕組みになっている。その理由として、家庭内におけるシニアからキッズまでの保有者の増加、一人複数保有、フィーチャーフォンからスマホへの移行に伴うデータトラフィックの爆発的増加、スマホでの多様なサービスの利用増、(実質的に)端末料金が通信料金で回収されている、ことなどがある。携帯電話の料金・販売の現状に関しては、キャリアの同質化(土管化)に伴い、過度な安売り競争が進展していると指摘。さらに、ARPU低下、端末高額化にもかかわらず端末販売奨励金が増加していると指摘し、新発売のiPhone6s(16GB)でも、MNPや新規であれば、ほぼ実質負担金ゼロ円で入手可能であることや、奨励金が端末を買い替えないユーザーを含む、全ユーザーの通信料金から広く回収されており、2007年の「分離プラン」は実質的に機能していないと述べた。また、キャッシュバックの状況について、2014年4月以降、一旦沈静化したように見えたが、一部のキャリアショップや、量販店・併売店では、手を変え品を変え、ゲリラ的にキャッシュバックが行われていると指摘した(「キャッシュバック」→「ポイント/Wallet/商品券還元」「最大○円還元!」「最大○円オトク!」)。さらに、抱き合わせ販売が横行し、キャリアオリジナルのオプションサービスや、代理店独自のアプリなどが、端末価格の値引きの条件として販売されており、その多くは、一定期間無料で使えるが、その後何もしないと有料になると指摘した。これに対し、英国では端末初期費用に応じて料金プランがパッケージされている例や、米国で端末と回線の分離が進行し、シンプルな仕組みに移行しつつある点などが紹介された。北氏は、日本の携帯電話料金の課題と解決の方向性について、「携帯電話料金全体の値下げという話ではなく、ユーザー間の行き過ぎた不公平性の是正がポイント」と述べ、不公平になっている点として、「音声のライトユーザーとヘビーユーザー」、「データ通信のライトユーザーとヘビーユーザー」(2GB以下のユーザーからの利益をヘビーユーザーに補填する構造)を挙げた。多額の端末販売奨励金がMVNO普及の阻害要因にもなっていると指摘した。その上で、「我々はどちらを選択するのか?」とし、「端末と回線を再度分離し、端末価格は上がるが、通信料金は安くなる世界。MVNO普及促進」VS「端末と回線を一体的に扱い、通信料金はある程度高いが、端末を安く買える世界。MVNO普及に壁」とし、「解はイチゼロではなく、これらの間にあるはずだが、規制を入れるとイチゼロになりがち」とした。○「透明性と公平性を柱にした枠組みを示すことが一つの方向性」北氏のプレゼンテーションの後、各参加者による討議が行われた。弁護士の森氏が北氏に対し、「論理を逆転し、MVNOの普及が進めば、販売奨励金が減るのではないか」と質問したのに対し、「やはり販売奨励金がMVNO普及が進まない隘路となっている。MVNOが市民権を得るためには、ワンストップで安心して買える環境の整備が必要」とした。また、全国地域婦人団体連絡協議会の長田氏は、「MVNOを選ぶべきライトユーザーがMVNOを選べない状況になっている。地方の人も含めて、MVNOに出会う機会が少ないのでは」と発言した。立教大学の舟田氏は、「携帯ショップに行くと説明が30分くらいかかるが、最後のほうは頭がボーっとなっている。もっとシンプルなプランがあっていいと思うが、どういうふうにシンプルにしていけばいいのか、現状では非常に難しい面がある。私の推測だが、アメリカと日本の違いは販売奨励金にあるのではないか。1990年代に入り、日本はリベートが各業界で少なくなっていったのに、この業界(通信業界)ではリベートが増えている」と指摘した。議論の最後に主査の新美氏は、「規制というと手足を縛るようなイメージがあるが、我々がなすべきこととして、透明性と公平性を柱にした枠組みを示すことが一つの方向性になるのではないか」と述べ、議論を締めくくった。次回以降は、大手キャリアなど事業者のヒアリングなどが行われる予定となっている。
2015年10月19日ソフトバンクは8日、病院の診察料を携帯電話料金とまとめて支払える「スマート病院会計」を、ソフトバンクのスマートフォンを利用する顧客向けに、2015年12月以降に提供開始すると発表した。現在、病院で受診する際の顧客の不満として、会計時の待ち時間の長さなどが挙げられている。「スマート病院会計」は診察料を後から携帯電話料金とまとめて支払えるため、受診後の会計をせずにそのまま帰れるほか、外出先での急病時などでも診察料を気にせずキャッシュレスで受診できる。また、通院先や診察料などの受診履歴をスマートフォンで一括管理することができる。対象機種は、iPhone、iPad、ソフトバンク スマートフォン、タブレット。なお、「スマート病院会計」開始時は、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京医科歯科大学附属病院をはじめ、全国の病院、クリニックなど130以上の医療機関が同サービスへの対応を予定しており、2016年12月には1,000以上の医療機関に拡大する予定となっている。
2015年10月09日兄の連れてきた婚約者は…
いきすぎた自然派ママがこわい
義父母がシンドイんです!