プレーンなデザインの美しさ閉じているのに光が抜ける主張をしない、普遍の住まい
閉じながら外とつながる室内
「外に対しては閉じたいけれど、中は明るく開放的にしたい、という矛盾したリクエストを頂きました(笑)」というのは、青木さん。
駐車場を挟むものの、敷地の前には集合住宅がありベランダと向かい合わせに。この問題をどう解決するかが設計のテーマだった。
「外からの視線を避けるために、リビングとつながる屋根のかかったテラスを設けました。正面は塞ぎながらもサイドに開口を設けることで、光と風が家の中を通り抜けます」。
リビングからフラットにつながったこのテラスは、ガラス、簾、障子の3段階の引き戸で仕切ることができ、開け放つとリビングの一部に。集合住宅に面した正面は塞がれているので、プライバシーは守りながらサイドの開口の先から隣地の借景が楽しめる。
「家の中は、1階から階段を通って2階まで吹き抜けになっていて、2階北側の窓から、対角線を通って南のスリット窓に光が抜けます。
つながった空間にすることで開放感が生まれます」。
仕切りには全て引き戸が使われていて、開ければ家全体がひとつの空間に。角を丸く仕上げた漆喰の白い壁と天井が流れるように連続して、光とともに包み込まれるよう。
リビングからつながった半室内的なテラスは、日本家屋の広縁のようでもあり、色々な使い方ができる。