中庭はもうひとつの部屋日々の小さな変化を愉しむ自然の恵みで豊かな生活
緑と建築の融合
最寄りの駅から、高木のユリノキが彩る並木道を歩くこと10分。一本裏に入った住宅街に、建築家の新井崇文さんの自宅兼アトリエがある。建てたのは10年前。建物正面に施した木製ルーバーには程よくツタがからまり、エクステリアの植栽とともに涼しげな空気を放っている。
「建てた当初は板塀だけでかたい感じでしたが、10年経ってツタや植栽が育ち、いい具合に緑と建築が融合してきました」
高低差があり、東西には隣家が迫っている敷地。プライバシーの確保と開放的な空間を両立させるために、建物はL字型にし、西側には独立壁を設けた。南側の道路からの視線は木製ルーバーでカット。周囲からの視線を気にすることなく、ゆっくり過ごせる中庭が生まれた。
道路側からの視線をカットするために設けた木製ルーバーは、縦、横に変化をつけた。程よくからまったツタが涼やかな印象。
左側の独立壁は、西側の隣家からの視線をカット。
中庭からリビング・ダイニングを見る。建物に沿ったL字の軒天はベランダ下で、スギを採用。
壁の一部にボリュームをもたせ、戸棚状の収納を設置。キャンプグッズや園芸グッズを収納。
自然を感じる“外の部屋”
「中庭を“外の部屋”みたいに使いたかった」