2019年10月10日 19:10
「是枝監督の現場は…」ジュリエット・ビノシュが語る俳優の“真実”
そして、一回下に行くことによって、一度謙虚になり、「これから作品に対して何を奉仕することができるか」という問いと向き合うことになりますが、そこで「私にはこういう考えがあるんです」と拳を上げることも、知識をひけらかすことも私はしません。なぜなら、最初から「私の意志はこうです」とかたくなになっていると、それ以上に感情が入ってくることもありませんし、その時点で中立的ではなくなってしまいますからね。
たとえるなら、風船がパンパンの状態だとそれ以上空気は入りませんが、空にしておくと、そこに空気を入れられるのと同じこと。私はそういう状態でありたいのです。
インタビューを終えてみて……。
35年以上にわたって映画界の第一線を走り続けているビノシュさん。年齢を感じさせない美しさとオーラに圧倒されてしまいましたが、ひとつずつに丁寧に答えてくださる姿にも感銘を受けました。人としての表現力の高さと女性としての佇まいは、永遠の憧れです。
母と娘だからこそ生まれる感情を描く!
大女優の母と女優になれなかった娘との間にある愛憎を見事に描き出した本作。それぞれの女性たちの生きざまは、同じ女性として、心に響くものを感じられるはず。