くらし情報『不安な心がスッと整う…今お家で読みたい「本とその名言たち」 #35』

2020年5月6日 20:10

不安な心がスッと整う…今お家で読みたい「本とその名言たち」 #35

元々は出雲崎の名手の家の生まれですが、その立場を棄てて出家し、生涯寺も伴侶も持たず、扉も無いような粗末な草庵で暮らした乞食僧です。托鉢がなければ白湯でしのぎ、余るときは乞食や鳥獣に分かち与えるというその日暮らし。彼は書や歌の名手なので、その気さえあれば裕福な地主たちの世話になれたでしょうが、着物や食物を贈られても余分なものは全部返してしまうような、清貧生活を貫いた人です。

名利にとらわれない良寛ですが、塩焚き小屋を借りていたころ、小屋の火事が罪のない彼のせいだと疑われ、村民に生き埋めにされそうになります。そんなピンチのときも、自己弁護を一切せずに、良寛はただ黙って暴力に耐えていたそうです。また、地元の子どもたちと鞠つきをして「成人の僧侶らしくない」と蔑まれても反論せず、ただ申し訳なさそうに首を垂れるばかり。良寛は、自分と全く違う価値観を持つ人の存在も、自分のことも丸ごと認めているのです。
不安な心がスッと整う…今お家で読みたい「本とその名言たち」 #35


彼は外側のものには生きず、心の平安、自己充足のための生き方を重視しました。
世間一般で価値があるとされる生産効率を上げたり、収益を増やすことよりも、ボロボロの草庵で過ごす厳しい冬に訪れた春を心から祝ったり、鳥の声に耳を傾けたりと、自分の魂と自然との一体化のなかで、深い命の源泉を感じながら生きました。

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