2022年9月28日 20:00
シングルマザーが家庭支援局で立てこもり…背景に潜む深刻な社会問題【映画】
カメラマンとしてキャリアをスタートさせたのち、テレビCMディレクターを経て、本作で長編映画デビューを果たしています。今回は、自身の経験やニュージーランドが抱える深刻な問題、そして日本の女性たちに伝えたいメッセージについて語っていただきました。
―本作には原案としても携わっているそうですが、物語が生まれたきっかけから教えてください。
監督もともとは脚本家から全然違うストーリーを提案されたのですが、そのときにはすでにバニーというキャラクターは存在していました。彼女は社会的にはみ出しそうなところに立っていて、逆境に置かれてはいますが、そういうところに私が惚れ込んだのが始まりです。
特に、このストーリーを考えていた10年ほど前はニュースとかでもこういったシングルマザーの話は取り上げられていましたし、私自身もシングルマザー。さらに、親が1人しかいない友達も周りに多かったので、リアルな形でこの物語を描けるのではないかという思いもありました。あとは、ほかの国を舞台にしたものはあっても、ニュージーランドでこのテーマを描いたものはまだなかったから作りたかったというのも大きかったです。
“社会の底辺”にいる人々が、大きな影響を受けている
―おそらく多くの人がニュージーランドには自然豊かで大らかな国民のイメージを持っていると思うので、本作で描かれているリアルなニュージーランドの姿には驚かされるのではないかなと。