「旅は素晴らしい一瞬一瞬をかき集める、その繰り返し」韓国のベストセラー作家イ・ビョンリュル氏インタビュー
たとえば「晩ごはん食べに来る?」と言われたとしたら、ただの社交辞令かもしれないけど「いつ、どこに行けばいい?」と尋ねてみると、「あ、本当に来るんだ」というふうになりますよね。そして本当に招待していただいた時は、ケーキを買っていきます。旅をし始めた20代の頃は恥ずかしくてそんなことはできませんでしたが、今となっては、人間はそんなに変わらないから、私に広い心があればその方たちも広い心で歓迎してくれるものだと感じています。私には差し上げられるものは大してないけど、仲よくなりたいという気持ちはあります。
――1年の半分を旅して過ごしているというイ・ビョンリュルさんですが、今までしてきた旅の中でもっとも印象に残っている国とエピソードはなんですか?
最近、モンゴルに行ってきました。6日間の間に毎日3時間くらい馬に乗りました。 私は自分が馬に乗るのが好きなのかどうかわからなかったんですけど、私が行かないと馬をアシストしてくれる幼い子どもたちが私を待っている気がして、毎日お菓子を持って行きました。もちろん私がいなくたってその子たちにとってはどうってことないと思いますけど…。
言葉がまったく通じなくて、翻訳機を使わないと何も伝わらないような状況だったんですが、私が乗馬していて少しでもミスをすると、馬が怒ったり驚いたりして私が落ちることもありえるので、ずっと私を見守ってくれていたんですよね。