ドラマ化記念、原作者よしながふみが語る『きのう何食べた?』
原作者として映像化される醍醐味は、関わってくださった方々が私の作品のどこを好きになってくれたのか、できあがったものを通して見られることですね。シーンのチョイスであれば、たぶんそれは脚本家さんの好きポイントだし、演出に関してなら監督さんのポイントだし、セリフをしゃべる間合いであれば、役者さんのポイントなのでしょう。
たとえばあるシーンで、役者さんが原作とは違う表情や間合いでしゃべっていたりすると、もう一回勉強させてもらったような気持ちになれるんです。特にいい役者さんは、リアルな感情の動きに近い間合いでしゃべるから、すぐには漫画に落とし込めなくても、発見が多いですね。
実写のお料理がどんなふうになっているかも、とても楽しみです。お料理のシーンでは、作りかけのもの、できあがったものなどを何段階も用意して、本番に対応していましたが、最後はスタッフの方たちで全部きれいに食べると聞いて、素晴らしいなと思いました。ポスター撮りで使ったシャケすらおにぎりにして、私もいただきましたから。さすが、シロさんが買わないような、いいシャケを使いよる……と思いながら食べましたけど(笑)。
そこはやっぱり映像が大事なので、原作よりも2段階くらいいい食材を使っているのではないでしょうか。