【インタビュー】永作博美、40代を迎えての“決断”…女優として、母として
自分が死んだ後に盛大な大宴会を――何て素敵な遺言なんだろうって思いました。この素敵な宴をぜひ私が開きたいって思ったんです」。
「一番最初に脚本を読んだときの印象を忘れないようにするというのが私のやり方」という永作さん。不妊治療に悩んでいる中で夫が愛人を妊娠させたことを知り、離婚を決意して実家へと戻った百合子の抱える“荷物”、そして彼女が少しずつ変化していく姿をイメージし現場に入った。
「(百合子は)すごく良い子として育った、ある種の生真面目さを持っているんだなというのは感じていました。本人も気づいていない固い“鎧”を着込んでいるというイメージ。それがゆっくりと溶けていく――でも、最後まで気丈さは残したい。そんな風に思いながら、タナダ(ユキ)監督にも『言葉で説明するとニュアンスが伝わらないので、現場に行ってやってみて、気になることがあれば言って下さい』とお話ししました」。
演じながら、百合子のリアリティが増していくのを実感していたという。
「最初の脚本の段階では正直、あまりに普通すぎて逆にこんな人いないんじゃないかって思ったんです。それがやってみたら『あぁ、きっとこういう人いるな』と味が増していきました。