2016年3月22日 21:00
仕事、家族、愛…人生を考えさせてくれるイタリア映画のススメ
さらに晩婚&少子化の傾向も日本と同様!故郷の母親や大叔母と話すたびに「いつになったらいい人が?」と聞かれて、セレーナはうんざり。日本の女性の観客の中にも、大なり小なりセレーナらが受けるような理不尽な差別や偏見、ハラスメントにさらされた経験があるという人もいるのでは…?
ちなみに、オープンで思ったことを遠慮なく口に出し、自己主張の強いイメージの強いイタリア人ですが、実は(日本人と同様に!)相手をガッカリさせまいと空気を読む気遣い屋さんが多いのも事実!映画ではセレーナや性的マイノリティのフランチェスコ然り、いろいろな事情を抱え、言いたいことを呑み込んで生きる人々が登場しますが、その姿に「あぁ、分かる、分かる!」と思わず頷いてしまう人も多いはず。セレーナが視察に訪れる公営住宅にたむろしている若者たちに名前を尋ねると「エルトン」「ジェニファー」など伝統的なイタリア人の名前ではなく英語名ばかり。登場人物の一人が「ここはニューヨークかよ」とボソッと漏らすが、これってイタリア版“キラキラネーム”問題…?
原題の「Scusate Se Esisto!」は直訳すると「私が存在してすみません」。そこにいないもののように扱われる女性の「ちょっと、ここに私がいますけど!」