ヒーロー映画全盛期に誕生したR-18指定のアンチヒーロードラマ、「ザ・ボーイズ」が世界を変える
テレビの会見を通して謝罪はあるものの事実と異なるAトレインの供述。ヒューイに対する直接の謝罪もない。そこで登場するのが、Aトレインの裏で糸を引いているヴォート社というヒーローのエージェント企業だ。特殊能力を持った人々をオーディションし、エージェントとして契約。ただの特殊能力を持った人ではなく、人気ヒーローとして社会的地位を得るよう戦略的にプロデュースするのが彼らの役目だ。かつて憧れていたとはいえ、理想のヒーロー像と現実のギャップに打ちのめされるヒューイ…と私たち視聴者。そう、ここまでの設定はまだ第1話の序盤であるが、『アベンジャーズ』などに心躍らせたヒーロー映画ファンにとっては気が気でないストーリーの幕開けである。
女性スタッフの声が新たなヒーロー作品を生み出す
現在シーズン2の撮影真っただ中の「ザ・ボーイズ」、原作は同じくAmazon Prime Videoで配信中のドラマ化「プリーチャー」で知られるガース・エニス。
今回、彼の作品の大ファンであるエリック・クリプキ(「スーパーナチュラル」など)がクリエーターを務めている。登場するほぼすべてのキャラクターがこれまでヒーロー映画で描かれてきた側面をシニカルに描く役割を果たしているが、特筆すべきは女性キャラクターたちの「#Metoo」