2019年9月4日 17:30
ファン・ジョンミン&ソン・ガンホら韓国映画のプライドと気概を支える名優たち
でもファン層を広げたリュ・ジュンヨル。本作では終始感情を押し殺し、麻薬組織から見捨てられた青年ラクを演じる。是枝裕和監督の大ファンを公言しており、是枝監督も起用してみたい韓国俳優にマ・ドンソクと並んで彼の名を上げているという逸材だ。
そのほか、組織の謎の人物で残虐なクリスチャンを演じたチャ・スンウォン(『ハイヒールの男』)や、狡猾なドラッグディーラーを演じたパク・ヘジュン(「ミセン -未生-」)、闇マーケットを牛耳るボスを演じ、本作が遺作となったキム・ジュヒョク(『コンフィデンシャル/共助』)といった濃いにもほどがあるクセ者俳優たちがぶつかり合う点でも見逃せない。
ソン・ガンホ、“半地下”からセレブに寄生?
『パラサイト』
日本で最も知名度と人気のある韓国俳優として、ソン・ガンホを一番に挙げる人も多いだろう。韓国映画の底力を日本に知らしめた1作でもある『JSA』や、実際の歴史的冤罪事件を描いた『弁護人』など、代表作は数え切れない。『タクシー運転手~約束は海を越えて~』では「光州事件」の渦中に巻き込まれながら、ひとりの父親として、人間として、なすべきことをした市井のタクシー運転手役も記憶に新しい。