2020年8月4日 19:00
「椿の花咲く頃」ラブコメ×サスペンスに隠された心に沁みるメッセージ
ドンベクはそんな彼女にどこかシンパシーを感じ、店に置き続ける。
特に印象的なのは、ドンベク&ピルグ親子にヨンシク、突然現れたドンベクの母ジョンスク、そしてヒャンミが、血縁の有無や離れていた時間を全く感じさせないほどひとつの家族のように見える瞬間があること。「何なんだろう、この子」と不思議で仕方のなかったヒャンミの背景は中盤以降になって明らかにされるのだが…。
謎多きヒャンミを好演したK-POPシンガーでもあるソン・ダムビは、今作で女優としての評価が爆上がり。“親友”コン・ヒョジンの大賞を含む計12冠を獲得した2019年「KBS演技大賞」では新人賞に選ばれている。
さらに、ドンベクを捨てた母ジョンスク役を演じた『パラサイト 半地下の家族』の“家政婦さん”イ・ジョンウンの熱演も見逃せない。ジョンスクもまた不可解な言動をとり、急に姿を消してしまうことも。彼女がどこへ出かけているのか、そもそもなぜ、我が子を捨てたのか、なぜ、いまになって戻ってきたのかも、ある意味サスペンスとなって観る者を引きつける。
窮地に陥ったドンベクに手を差し伸べる“ヒーロー”たち
連続猟奇殺人犯ジョーカーの存在が暗い影を落とし、ひとクセもふたクセもある町民たちの介入で日常は決して穏やかとはいえないドンベク。