2020年8月4日 19:00
「椿の花咲く頃」ラブコメ×サスペンスに隠された心に沁みるメッセージ
上にあげた登場人物のうち誰がジョーカーでもおかしくないような描き方がなされ、彼らが織りなすサイドストーリーとキャスト陣のアンサンブルが相まって最終話まで飽きさせることなくドラマを牽引する。
ドンベクが自分らしく咲き誇れるようになるまでの物語
脚本を手がけたのは、パク・ソジュン主演「サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~」のイム・サンチュン。同作がラブコメの中に “自分の人生を自分らしく生きる”というテーマをしのばせていたように、ラブコメ、サスペンス、そしてヒューマンドラマとジャンルを行き来する「椿の花咲く頃」には、一人一人、毎日を必死で生きている誰もが愛されるべき特別な存在であり、いとも簡単に奪われてしまう何気ない日常にこそ奇跡が詰まっている、というメッセージが込められている。
ちなみに、「椿」という字には「不意の出来事」という意味があり、ドンベクにとっては不意に訪れたヨンシクとの出会いがまさに奇跡の始まり。今作は、韓国語で「椿」という名前を持つドンベクが心の拠りどころとなる人たちと関係を深めながら、安心して(これが大事)自分らしく咲き誇れるようになるまでの物語でもあるのだ。
主人公を取り巻く母娘関係と女性たちの連帯にも注目
「血は水より濃い」