まずは人間ドラマを描く…森山未來×森川ジョージ『アンダードッグ』対談【前編】
森山:そこ「最低だね」って言われますからね。そんなに見え透いてるのかなっていう(笑)。
森川:不安でしょうがないんですよ。だから、どうなんだろう、こいつ。本当にがんばってチャンピオン目指すのかな。もしかしたら途中で投げ出してもおかしくないですよね。何か不安で。自分にもダメな部分があるから共感はしますけど、「がんばれよ」しかない。
森山:「少年マガジン」では性的描写って描けないじゃないですか。今回、逆に言うとすごく盛り込んでるじゃないですか、主要な3人のボクサー全員に。末永は明確なパートナーっていないけれど、ほかのボクサーにはちゃんと彼女や奥さんがいて、性的描写がしっかり出てくるじゃないですか。それってどう思われますか。
というのは、末永に関していうと、ボクサーとそれを支える女性っていうことになるんですけど、その描かれ方っていうのが、ともすれば杓子定規に見えることもなくはないかなとおもうんですが。
末永の場合は妻(演:水川あさみ)にも逃げられてるし、生活もうだつが上がらない中で何とかやりくりして。デリヘルの女性(演:瀧内公美)と関わって。彼は言葉をしゃべらない、無口なので、セックスをするっていう描写そのものも彼自身の何かメンタルの表れみたいにならないかな、と思いながらやってるところはあったんです。