2024年2月16日 16:30
『パスト ライブス/再会』グローバルな活躍を見せる俳優ユ・テオに注目
「最初に脚本を読んだ瞬間からすごく感動してしまい、泣き出してしまったんです。とても美しい映画だった」。また、ドイツで幼少期を、欧米で青春を過ごしたユ・テオにとって、この映画の中で描かれている“イニョン=縁”という概念が強く心に響いた。
「ソン監督が、この韓国ならではの文化を分かりやすく西洋の観客に紹介してくれたことが凄く嬉しかったし、幸運であるとすら思いました。日々の生活の中で、韓国では凄くカジュアルに使われているからです。物語の主題であるこの“イニョン=縁”という観念を学びながら、哲学や仏教思想などを自分の人生と関連付けて考えるようになったところが、この作品と出会った上で一番特別なことでした」。
本作で彼が演じたヘソンは、ソウルで生まれ育ち、兵役を経験した後大人になっても家族と同居しているという、劇中の言葉を借りると「韓国的な男らしさ」を持った人物だ。これまでの生い立ちやキャリアを思い返した時にユ・テオがぶつかる壁は、アイデンティティの在り方である。
そんな悩みにも、この作品との出会いで救われたそうで「韓国で生まれ育った俳優をキャスティングすることもできたはずなのに…。自分が韓国人だというアイデンティティを認められたようで胸がいっぱいでした。