2010年11月11日 12:18
『100歳の少年と12通の手紙』シュミット監督×富永まい監督 対談インタビュー
劇中の舞台もリアルな場所ではなく、あくまでもオスカーが見たその場所が映し出されており、リアルな場所ではありません。
富永:いまおっしゃられたようにリアリティとは離れた世界ではあるんですけど、ある意味ものすごくリアルさを感じるんですね。ファンタジックに描くときに私も気をつける部分でもあるんですが、シュミット監督の作品の素晴らしいところは、人間の内面を映像化しているんだけれど、それが決してただのファンタジーではなくて、心と繋がっているある種のリアリティになっているところ。これは理想ですがすごく難しいことだと思うので、すごく感銘しました。
シュミット:確かに想像というのはリアルな世界ではない。けれども存在するんです。人間の心や頭の中に存在する、それはそれでリアルなものだと思います。想像は人生をものすごく豊かにするものだと自分では思っているんです。
1日を10年だと思って生きるというローズの提案、それはオスカーにとっては人生最大のプレゼントだったんじゃないかと思います。それがあったからこそ――もちろん、想像の中ではあったけれども――彼は人生の様々なときを経験することができ、深みのある味わい深い人生になったと思います。