くらし情報『野木亜紀子が語る、脚本を書く時の矜恃 『罪の声』『MIU404』に通底する感覚』

野木亜紀子が語る、脚本を書く時の矜恃 『罪の声』『MIU404』に通底する感覚

があって、さらに、それとはまた別に「完全なノンフィクションの部分」があるんです。

映画を作るにあたっては、フィクションの部分だけは変えてもいいと思うんですけど、やっぱり、事実の部分は変えないようにしたいので、その境目を見つけるのが大変でした。細かいことをひとつひとつ、本打ち(脚本の打ち合わせ)のときに、みんなで確認していって、気づいたら12時間が経っていたということがありました。原作の中では地の文になっている箇所を、台詞に起こしたりする部分もあったんですけど、そこに関しても検証が必要だったりするので、かなり大変な作業でした。

――『MIU404』でも、かなり取材を重ねて書いたそうですけど、それともまた違うものなんですか?

違いましたね。オリジナルだと、映像としてベストなところで進めていけばいいんですけど、原作ものは、どこまで変えていいのだろうということがあるので。そういう意味ではオリジナルの方が楽なんですよね。

――確かに、以前もまた別の意味でオリジナルが楽だということは言われてましたもんね。


『罪の声』の原作は、映画を観た後でもぜひ読んでほしいです。臨場感があって入れたかった場面も、本筋を描く中では枝葉になってしまうところがあって、やむなく入れられなかったんですけど、そういう部分が面白い小説でもあるので。

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