くらし情報『女の節目~人生の選択 (13) vol.13「初めての、詐称」【22歳】』

2015年3月20日 19:35

女の節目~人生の選択 (13) vol.13「初めての、詐称」【22歳】

を用いる、といった手口については、学生時代に知り合った大人たちから、じつに多くを学んだ。

ある企業が運営する商用サイトの「仕掛人」として、テレビ番組に出演したことがある。職場でカメラを向けられ、本名で、顔を出して、取材に応じた。実際にオンエアされた映像のテロップ、私の氏名の右上に冠された肩書には、そのサイトの「プロデューサー」と記されていた。何も知らずに番組を見た誰もが、私のことを、その運営企業に長年勤める正社員の女性管理職の凄腕の責任者だと、そう勘違いしたことだろう。実際には22歳の大学院生、時給1,000円程度で週2日出勤するだけのアルバイトだったのだけれど。

ほとんどの社員が開発に専念するなか、そのサイトの骨組みではなく肉付け、コンテンツ部分を熟知している人間といえば、日々の細かな更新作業を担当するバイトの私であったのは間違いない。リニューアル時には積極的にコンセプトの提案もした。
「君は普段、この肩書に十分見合う仕事をしているよ」と、取材クルーに差し出すための「プロデューサー」名刺を刷ってもらったときは嬉しかった。広報担当は「俺が出演してもいいけど、対外的には、君みたいな若い女の子が作っているイメージを打ち出したいんだよね」

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