"愛され"をやめたら、女は年下男性を育てたくなる!?--『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』
実際、この章には超年下夫をうまくマネジメントし、ハンドリングするコツも書かれてあって、一歩間違うとそれは"夫のことは犬と思え"的な、妻にばかり辛抱強い度量の大きさと底無しの母性を要求することになりかねないわけで。
もっとも、その点について第3章では、支配したがる男や、遊び人、DV男などの見分け方を挙げ、彼らのような危険で毒になる男とは即刻別れて手を切るように、とはっきり忠告している。"育てるのは、育つ見込みと価値のある男だけに限りなさい"というエクスキューズがきちんとなされているのは、本書の良心であり救いと言えるだろう。
本書は、女性読者に向けて書かれているので、もっぱら女性の啓蒙と激励に力点が置かれているのは当然だが、それでも第4章で"アラサー女性はとっとと「大人の女」になってしまったほうが、精神年齢の低い男たちを寄せ付けずに済みますよ"とまで著者に言わせてしまう現在の状況は、むしろ男性にこそ意識改革が必要だと思わされるのだった。○女性の自意識に横たわる"自己肯定感"と"母の呪い"
ちなみに、最終章となる第5章では、なぜ女性は「愛されたい」を「支配されたい」と混同し、恋愛で依存したり自分を責めたりしてしまうのか、という問題にも触れている。