"愛され"をやめたら、女は年下男性を育てたくなる!?--『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』
その原因として語られるのは、最近の恋愛論・女性論の界隈ではすでにおなじみとなったホットなキーワード"自己肯定感"と"母の呪い"である。
自己肯定感の低い女性には、母親との確執が背景にあり、結局のところそれは、母親ばかりを家庭に押し込めてきた戦後社会のひずみの表れである、という指摘は、このクラスタの間ではもはや自明の共通認識といってもいい。
しかし、そこで川崎氏は、母親もまた「私たちと同じ『幸せ探し』に迷走した女の一人」であるとして、そろそろ私たちは「母親の面影を優しく手放して」「彼女を一人の女性として」許してあげていいのではないかと進言する。
「それが『自己肯定』の初めの一歩であり、『自分自身の人生』を生きるファーストステップではないか」と語りかける下りは、この本の白眉かもしれない。私たちはどうあがいても、自分を許し、愛するようにしか、他人を許し、愛することができないのだから。
本書は、女性だけでなく男性にとっても、また、恋愛だけでなく仕事や生き方全般についても、コーチングやコミュニケーションのヒントとなる視点をたくさん授けてくれるだろう。
<著者プロフィール<
福田フクスケ
編集者・フリーライター。