2014年2月4日 12:30
羽田空港枠で国交省と「ケンカ」中のANAとJAL、その理由と利用者メリットは? (1) なぜJAL5枠・ANA11枠? 羽田空港の国際線がここまで増える!
実際にはJALの5枠に対し、ANAには11枠も配分したのだ。
○世界のエアラインがうらやむJALの経営状態
この問題は既に盛んに報道されているが、要点をおさらいしておきたい。
そもそもの始まりは2010年1月に経営破たんしたJALの救済手段にある。破たん前のJALの経営状態は言うまでもなく危機に瀕していた。有利子負債は約8,300億円もあり、会社経営に大きく影響する自己資本比率は11%程度と低水準。加えて、80数億円の営業損失を出す文字通りの赤字経営だった。
ところが破たん後は国が救済に乗り出し、企業再建支援機構から3,500億円の出資を受け、5,200億円強の債権は放棄(いわゆる借金の棒引き)され、法人税の優遇措置により経常利益に対する40%の税金もほとんど減免され、現在もその優遇措置は続いている。
その結果、業績は順調に回復し、2012年9月には再上場を果たした。
最新の2013年3月期(第3四半期=2013年10月~12月)の決算報告書を見ると、有利子負債は1,282億円まで減り、自己資本比率は51.2%まで上がり、経常利益(累計)は1,312億円と、利益の出にくい現在の航空業界にあって、世界中のエアラインがうらやむ数字をたたき出している。