それでもとっさに、中学時代の同級生が4年制大学を卒業して証券会社に就職し、「年収400万円」と話していたのを思い出したんです。自分にはそんなキャリアはなかったので、ちょっと遠慮して「350万円」と言ったら、本当にその金額をもらえることになりました。単純計算でガス会社のときの3倍近くですから、それはもう嬉しかったですね。
●"アラサー"のときに、とくに大きな変化
○宝物になった1通の手紙
関下さんにとって大満足の「年収350万円」。実はその答えが大失敗だったかもしれないとわかったのは、シティバンクに就職して3年目の30歳頃のことだった。
――シティバンクではどんなお仕事を?
最初はクレジットカード部門に配属されました。仕事の内容は書類の整理や電話対応、クレーム処理といった地味なものばかりでしたが、そういった仕事はこれまでたくさん経験していましたから、むしろお手のもの。「ちゃんとしたお給料や健康保険証があるって、なんて幸せなんだろう」と、幸せいっぱいでした。
ある日、「お宅は電話をたらい回しにして感じが悪いので、クレジットカードを解約する」という年配の男性からのクレームが私に回ってきました。