『ルパン三世』新TVシリーズには隠されたテーマがあった! 浄園祐プロデューサーが最後まで悩んだ「物語の終わらせ方」
――TVシリーズ第1~3作、劇場版などさまざまな展開がある中で、『ルパン』らしい『ルパン』、ど真ん中の『ルパン』というものは定義付けが難しい気もします。
明確な『ルパン』らしさを説明できる人ってなかなかいないんですよ。でも、僕は作り手なので、それを分析する必要があります。どういうものを届けたら「これぞ『ルパン』」と言ってもらえるのかということを考えた時に、やっぱり長年作品に携わってきたテレコムのスタッフが描くと、まず『ルパン』らしい『ルパン』になるということがあります。
例えば、線の温かみ。2000年以降アニメはデジタル化が進み、絵を描いても途中からはパソコンで作っています。どんなに有名なアニメも、それは『エヴァンゲリオン』、『ドラえもん』、『アンパンマン』であっても、作画したものをデータにして作業しています。データってやっぱり味気がないもので、人が描いた線もドットになってしまう。
つまり、線の温かみがなくなるということです。手書きの手紙のぬくもりと、メールの文書の味気なさの違いに似ていますね。
僕たちが小さい頃に見ていたアニメはセル画だったから、人が描いた絵を転写していたんです。