2015年10月21日 17:00
大学デビューの落とし穴 (14) 10月:雑多な自分を認め、"比較思考"から脱却しよう
自分の強みは何か。人と違うところはどこか。己の個性とは何か。そういうオリジナルなものを求め、いろいろともがきました。
が、しかし。スポーツをやろうと、カルチャーに走ろうと、必ず上には上がいる。何か特定の分野に詳しくなろうとしても、一歩分け入ればどんなものにもマニアがいるし、「文章なら書けるかも」なんて思ってライティングの授業を選択しても、すでに詩や小説を書いてる人がバンバンいて、追いつける気がしない。
ついには「チキショー、もう何もねえ!」とヤケになり、飲んだくれたり授業をサボったりと自堕落な生活に突入しかけましたが……ここもすでに激戦区で、飲み方のすごい人、サボり方がハンパじゃない人が、うじゃうじゃいる。
完全に八方塞がりでした。
○「自分は普通」という屈辱の自己認識
「男性学」の研究者である田中俊之さんによれば、男性が自身の「男らしさ」を証明しようとするとき、そこには「達成」と「逸脱」という2つの方法があるそうです。意訳すると「エリートかアウトローになることで"俺アピール"を試みる」ということになると思いますが、勝つことも負けることもできなかった私は、そのどちらにも失敗した感覚がありました。