くらし情報『さよなら、「フィーレイ」 - 史上初の彗星着陸に挑んだ小さな探査機の物語 (2) フィーレイは舞い降りた』

2016年2月23日 14:00

さよなら、「フィーレイ」 - 史上初の彗星着陸に挑んだ小さな探査機の物語 (2) フィーレイは舞い降りた

現在ではアスワン・ハイ・ダムの建設によって水没しているが、オベリスクは現在も保存されている。

なお、Philaeをどう読むかについては、ESAでも、それを報じるメディアでも混乱が見られたが、ESAではおおむね英語読みに近い「フィーレイ」、もしくは「ファイリ」と発音しているため、本稿ではその読みのうち前者を採用したい。

○彗星に着陸する洗濯機

ロゼッタの打ち上げ時の質量は約2900kgで、宇宙探査機としては大型の部類に入る。一方、フィーレイは100kgほどの小さな探査機である。本体は六角柱の形をしており、縦・横・高さは1mほどで、よく家庭用の洗濯機に近い大きさだと表現される。

フィーレイには10基の観測機器が装備され、彗星核を間近から、そして直接触れて探査することができるように造られている。

また探査機の下部には3本の脚があり、この脚で彗星の表面を踏みしめる。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は重力が小さいため、単に表面に向けて落としただけでは、弾んで再び宇宙空間に飛んでいってしまう。
そこで、脚の先にはドリルが装備されており、脚の1本が彗星表面に触れた瞬間に、そのドリルを地面に潜り込ませ、機体を固定する。

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