2016年10月31日 13:00
独占スクープ「映画『デスノート』の最終ページ」 5時間4万字の記録 (12) 川栄李奈の愉快犯役、なぜ『デスノ』に必要だったのか? 池松も驚く女優魂
「渋谷にいそうな普通の女の子の凶行」を描きたかったので、AKB48の頃から役者として注目していた彼女にオファーしました。当時から「アイドルでありながら、アイドルではない顔」を持っていたので。その役が本当に存在しているように見せられる、素晴らしい役者だと思います。
これは映画では結果使われなかったカットですが、池松くん演じる竜崎が青井を蹴る場面がありました。池松が信介監督に提案し事前に本人にも確認を取っていたみたいで、川栄も「全然大丈夫です」としっかり覚悟を決めていました。本番で微動だにしなかったのを見て、池松は「すごいですね」と女優魂を褒めていました。自分が蹴ったくせに(笑)。
○"テロの恐怖"を表現できる世界観と歴史
――映画『デスノート』から10年、現実世界ではこの青井さくらのように突発的な凶行やテロなどが、大変悲しいことですが珍しくなくなってしまいました。
そうですね。とても怖いシーンなのですが、そこがデスノートという作品ならではというか。「ノートに名前を書いて人が死ぬ」というのは現実ではあり得ないこと。だからこそ、エンターテイメント作品として見せやすい。本来フィクションの映画であれば、銃を乱射して大量に人が死ぬシーンを入れることは可能なことです。