『ドクター・ストレンジ』主演カンバーバッチが語る、チベット仏教僧院で過ごした過去
全編を通してアドリブも多く、実はマントの襟が涙を拭うシーンは僕のアイデアなんですよ。
――マントの登場シーンもかなりインパクトがありました。
マントは“もう1人のキャラクター”となっています。自分の意志を持つというところが、非常にユニークでしょ。普通ならばヒーローが自ら武器や道具を手に入れたり身につけたりするけど今回は逆で、マントの方がストレンジを見つけ出すんです。マントが向こうからやって来るというところも、今までの作品とは一味違った面白いポイントですね。
ストレンジとマントが初めて対面するシーンでは、お互いにどんなやつなのか?と探り合うんです。ストレンジはマントの使い方を知らないし、マントも彼の人柄が分からないので、ギクシャクした感じになる。
その凸凹コンビはまるで人間同士のようにとても面白く描かれています。
ストレンジはまだ修行の身であり、マントを使いこなせない状況で、そこもまた笑いを生むんです。みんなでアイデアを出しながら、キャラクターとしてのマントを練り上げていきました。――19歳でチベット仏教僧院で過ごした経験があるそうですが、今回その経験はどんなふうに役立ちましたか?
西洋の文化で育った若者が、初めて東洋の国に行って全く異なる文化に触れる、その体験自体が僕にとっては貴重なものでした。