くらし情報『なぜ松雪泰子は舞台上で輝き増すのか? ネリー・アルカンに捧げる「自分の中にある闇」【第2回 役者の岐路】』

2017年11月1日 10:00

なぜ松雪泰子は舞台上で輝き増すのか? ネリー・アルカンに捧げる「自分の中にある闇」【第2回 役者の岐路】

自分という人間が限定され、そこにとらわれる苦しみです。

でも……だいたいの人はそういうものを消化しながら生きていますよね? 彼女もそれを理解しているんですが、うまく処理できなくなります。憎悪を抱きながら愛されたいとも思っていて、そういう矛盾と飽和してしまった思考のループに飲み込まれてしまって抜け出せなくなります。それって苦しいことなんですよね。出口が見つからないならば、自分で終わらせよう。そう読み取りました。

――「影の部屋」を担うのは、精神的にもかなり大変そうですね。

とても苦しいです。
分析していく作業で、彼女の生きている苦悩、自分の中の闇が反応してくるのもあって。自分の中にあるものも浮き上がってくる。必然的に、生きるということとか、自分の中にある闇の部分の苦悩にも向き合わざるをえない感覚になったりして。――聞いているだけで苦しくなります(笑)。

そうですよね(笑)。本当に苦悩の中に引きずり込まれそうなことが何度もあって、その上でセリフも突き刺さってくる。それほどセリフが強烈なので。でも、身をもって体験することで、痛みが解放されるような感覚にもなっていて。
彼女はそれを超えられずに死を選択してしまったけども、死を選ぶ瞬間を客観視している彼女の人格も表現しています。

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