2012年7月27日 12:01
奥様はコマガール (56) 結婚とスピード出世の浅からぬ関係
ところが、僕がこんな話を切り出すと、その彼の態度は急変した。
「やあやあ、○○選手、実は僕、あなたと同じ大学出身で学部も同じなんですよ。
ちなみに僕と同期の野球部には××選手がいてね……」その××選手とは、彼の3学年上のこれまたプロ野球選手(すでに引退)であり、すなわち僕は自分のほうが彼より年上で、しかも大学の先輩でもあるということを暗に(もろに)示したわけだ。
だって、それは事実ですから。
すると、おもしろいもので彼は途端に背筋を伸ばし、それまでの横柄な態度が嘘のように礼儀正しくなった。
「ああ、そうなんですか。
先輩だったんですね。
よろしくお願いします」と頭を垂れ、それ以降は柔和な笑顔を繕いながら実に丁寧な敬語で話しだした。
いくら高年俸の人気プロ野球選手とはいえ、やはりその根底には年功序列の理念がいつまでも眠っているのだろう。
バリバリの体育会出身者ならなおさらである。翻って女性である。
彼女たちも、それぞれ単独で考えると男性と同じような年功序列システムに倣い、年長者には敬語を使うことが基本だったりするのだが、そこに”あるきっかけ”が訪れた途端、突如として言葉遣いに大きな変化が生じてしまう。