チーズやバターは化学の証! 食材の秘密に迫る実験クッキング
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「料理は化学」といわれるように、食材の性質を知ることで、色や形が変化するユニークな「料理実験」を親子で楽しめますね。
化学の仕組みなどを説明しても、小さな子どもはわからないかもしれません。でも、
目の前で変わる食材の色や形を観察するところが肝心。自由研究のテーマにもなるし、夏休みを利用して子どもと一緒に料理実験を楽しんでみませんか?
■料理実験の登竜門! 変化がわかりやすいドリンク
紅茶にレモンを入れると、色が薄くなりますよね。これは紅茶の成分テアフラビンが、レモンのクエン酸に反応して色素が薄くなる現象。酸味のあるフルーツなら同様の効果が得られます。
一方で、
ハチミツを入れると色が濃くなるのですが、これはハチミツに含まれる鉄分にテアフラビンが反応するためです。アルカリ性の食品、たとえば重曹でも色が濃くなる現象が見られます。
これをわかりやすく観察できるのが、「マロウブルー」というハーブティーです。その名の通り、入れたては美しい青色をしていて、時間とともに紫へと変化していきます。ここにレモンを入れると、マロウブルーの色素と反応してピンクに! レモンの量によっても色の濃さが変わるので、少しずつ加えていくといいでしょう。
紫色になったマロウブルーに重曹を加えると、青い色に戻ります。ほかにも、酢やにがりなどを用意して、どのように色が変化するか、どの食品が酸性・アルカリ性に分類できるかを実験してみるのも楽しいですね。
また、ハチミツは紅茶の色を変えますが、マロウブルーではどうなるのでしょう? 緑茶や麦茶でも同じなの? というように、ベースとなるドリンクをいろいろ変えて実験してもいいでしょう。
■次々と色が変わる! カラフルな「カメレオン焼きそば」
こうした原理を利用した、
「カメレオン焼きそば」も子どもたちに人気があります。かんすいが含まれた中華麺(焼きそばの麺など)と、紫キャベツを用意します。
<実験手順>
1. 紫キャベツを千切りにします(太めでも大丈夫)。
2. 鍋に水を入れて沸騰させて、紫キャベツを入れます(お湯の量は紫キャベツが浸るくらい)。
3. 紫キャベツの色素がお湯に溶けだしたら、中華麺を入れます。
中華麺も紫キャベツと同じ色に…ならないのが、この実験のおもしろいところ。青みの強い緑色に変化するのです。紫キャベツに含まれる色素がアルカリ性のかんすいと反応すると青色が強く表れるわけです。これにレモン汁や酢をかけると、今度はピンク色に変わります。
紫キャベツの代わりにウコンを使うと赤色に、そこにウスターソースを足すと元の色に戻ります。
色が変わる実験は、化学反応が目に見えてわかりやすく、子どもの好奇心を刺激することでしょう。
酸性・アルカリ性などは小さな子どもにはわからないかもしれません。でも、レモンを入れたら色が変わるということや、どうしてそうなるのか疑問を抱かせることが、化学へ興味を持つ第一歩となるでしょう。
ちなみに、色が変わった後の麺は、料理に使っても問題ありません。