産む選択、産まない選択。置かれた環境で決意が真逆になった二人【海のはじまり#4】
本当は産みたかったのに、だから赤ちゃんのためにノンカフェインのコーヒーを注文していたのに……。彼の返答で産まないことを決意した現れが、カフェインの入ったコーヒーの注文に表れていました。でも結局そのコーヒーを一口も飲むことができなかったのは、やっぱり子どもへの未練があったからなのでしょう。
■異様に繰り返された「普通」に隠された意味
弥生の元カレが弥生に放った「いい選択だと思う。キャリア築いて、お互いのいいタイミングで順序踏んで『普通』の家庭を築こうよ(意訳)」という言葉。
この『普通の』に大きな意味が隠れているように感じます。
普通の家庭ってなんでしょう。きっかけがデキ婚であろうと、家庭の形なんてその後の二人次第。
彼にとって何が普通じゃなかったのでしょうか。
その後、自暴自棄になった弥生が、コーヒーを注文する時に「はい普通ので。普通の(ブレンドコーヒーをください)」と彼の言葉の「普通」に大きな疑問を抱いたのか、あえて普通を連呼していました。また、弥生が実母に妊娠の事実を告げた時には、「私無理だからね!お金は出させなさいね!」と、弥生の母は弥生の心や体を心配することなく、自分に金銭や負担がかからないようにと自分の心配ばかりしていました。