2015年7月18日 19:30
「ファストとラグジュアリーの空間デザインの違いは時間のコントロール」。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】2/4
デザイン事務所で働いたことはないので、店をいろいろと見て回り、どの店が良い感じを与えてくれるのかを勉強しました。フランスにいるときはインテリアデザインの勉強はしましたが、実際に店を作ったことはなかったので、現場が勉強です。良い照明だと思ったら店で写真を撮って、そのメーカーを調べました。自分の心地良さを調べていくうちに、だんだんと自分の中で店舗デザインのルールが決まってきたのです。
――ニコラさんにとってのデザインのルールというのをもう少し教えていただけますか?
以前、音楽家の坂本龍一さんが映画の音楽を作るときに、3つのキーとなる音を探し出すことが大切だという話をされていました。その3つの音が決まれば、後はそれをベースに短い曲から長い曲まで自由に展開していけると、言うようなお話だったと思います。デザインで言えばアイコンと同じ。「ラコステ」でもルイ・ヴィトンでもユニクロでもその3つのノートを探すことが重要です。
3つの音のコードを見つけて展開していくというのは、インテリアも音楽も同じ。香水も同じです。
リアルワールドはバーチャルワールドとどうコネクトするか考えてデザインしている
――ファッションメディアはWEBの普及に伴い大きくファストメディア化してきているのですが、WEBがニコラさんの仕事に影響を与えていることはあるでしょうか?
私の仕事でいえば5年前、10年前とは大きく変わってきています。