アートが満ち溢れた、瀬戸内国際芸術祭に行って思ったこと【EDITOR'S BLOG】
というところだ。
美術館の入り口は長くて暗い、でも先に光がある道。
このまるで異世界の入り口の先では、何か起こるだろう? どんな作品との出会いがあるだろう?
最初に入ったのは安藤忠雄が創造した迷宮のような建築。まるで世の中に存在しないような空間、見上げると、空にもボーダーがあった。
なかでも一番印象的なのは、ジェームズ・タレルの作品。スクリーンのような入り口を抜け、中は真っ白い部屋。いくら歩いても末が見えない、近くにあったスクリーンのような入り口も遠くに見える。まるで異世界の中に迷い込み、時間が止まったかのように、私は誰なの? 今はどこにいるの? と、自分と会話し始める。
再びその長い暗い入り口を抜け、庭を通った時、池中の睡蓮を見て、先ほど見た景色、感じたものは本当に存在していたのか? それどもただの夢だったのかも、と思う。
バスに乗って、「ベネッセハウス ミュージアム」で少しぼんやりしていたら、空も暗くなった。
宮浦港に戻った時、空はもう真っ黒。再び「直島パヴィリオン」と会うと、まるで夜空の星のように輝かしく見えた。
「赤かぼちゃ」も点灯して、まるで魔女が住む城のように、畏敬の念を抱きはじめた。