2021年10月21日 18:47
子供と接する大人の『消えない後悔』 大事なものを見逃さないためには【きしもとたかひろ連載コラム】
そして、一緒に「早起きできなかったなあ」と悔やめばよかった。
学童の施設で、お泊まり会をしてみたいと言い出した子がいた。何年か前に企画した子がいたことを知って興味を持ったらしい。
子どもの「今やりたい」という気持ちを尊重して、前向きに実現していくのが僕の役目だ。なんでもかんでもできるわけではないけれど、やりたいなって思った気持ちを逃さずに、大事に育ててあげたいと思っている。
けれど、その時は別のことで手がいっぱいになっていて「いいね、どうやったらできるか考えてみようか」と促したまま、そのあとなにも言ってこなかったのでそのまま放ったらかしにしていた。
数日後、「そういえばあの話」と切り出すと、「もういいねん」と素っ気なく返事をされた。ただ興味が薄らいだというだけでなく、友達関係も思うようにいかない時期でそんな気分じゃなくなったらしい。
本当にやる気があるのなら諦めずにやり遂げるし、それができないのは本当にやりたかったわけではない…なんてことはなくて、やりたいと思ったことをやり始めて自分で走り出すためには助走が必要で、その助走をつけるための環境や支援がさらに必要だ。
できるかできないかの主導権をその子が持っていないならなおさら、その子のやる気のせいにしてはいけない。