【『正直不動産』第10話感想・考察】山下智久の魅力が作り上げた主人公・永瀬財地、正直不動産が本当に伝えたかったこと
ついに『誕生』した正直不動産
最終回の章タイトルは『正直不動産、誕生』。
ここでハッとさせられたのが、最終回でようやく正直不動産が誕生したことである。
これまで私たちは祟(たた)りに振り回される主人公・永瀬を見てきた。
しかし、このタイトルで悟った。正直不動産はまだ始まったばかりなのである。
祟りに頼らない永瀬の正直人生はこれからスタートするのだ。
つくづく、このドラマのキャラクターは『真摯に向き合うこと』を貫いてきた。
カスタマーファーストを最後まで貫き営業成績1位を勝ち取った月下(福原遥)も、最後は奥さんに薔薇の花束を買いに行った大河部長(長谷川忍)も、仕事に全力を注ぎ成功した桐山(市原隼人)も、みな自分が大切に思うものに真摯に向き合っていた。
家の数だけ人生があるということ、その人たちの数だけ大切なものがあるということ。
それらに向き合うには正直でなければならない。家族、結婚、仕事、大切にしたいものは何だっていい。でも『真摯に向き合う』ことは何に対しても欠かせない。
そのことに気付いた永瀬はきっとこれから多くの人々を不動産を通して幸せにしていくだろう。
彼と共に成長できたこの3か月は、私たち視聴者にとってもかけがえのない時間となった。