【エルピス 第2話 感想】『フィクション』でありながら『リアル』に感じる絶妙なさじ加減
無責任に足を踏み入れ、人の目を怖れて中途半端に身を引いたと思ったら、覚悟なんてそらに浮いたまま首を突っ込む。
そんな現代の若者の写鏡のような岸本に呆れつつ、仲間は多い方がいいと考えた浅川は、岸本にも松本の動きを再現してもらうことに。
その中で、違和感があることに気づく。
弁護側は退勤後、食品とケーキを買ってそのまま帰宅。1時間かけてカレーを作ったと主張。
しかし検察側は、ケーキを買った後八頭尾山に向かい、30分の間に殺害して、チェリーが帰宅するまでの10分でカレーを作ったと主張していた。
実際に二人が検察側の主張通り足取りを再現するも、時間的に厳しいものがあった。
しかも10分で作ったカレーは当然不味く、ケーキは原型を留めていなかった。
そんな短時間でカレーを作れるもんじゃないことを、検察側の人間も解っていたはずだった。
それでも、松本を挙げるという上の方針は変わることはなかったのである。
しかも、岸本が協力をお願いしていた報道局のエース斎藤正一(鈴木亮平)によると、山の入り口で目撃されたのは『ロン毛の若者』だと報道されたが、いつの間にかこの目撃証言はすり替わっていったのだ。