くらし情報『【エルピス 第2話 感想】『フィクション』でありながら『リアル』に感じる絶妙なさじ加減』

【エルピス 第2話 感想】『フィクション』でありながら『リアル』に感じる絶妙なさじ加減

このインチキな報道が偽物の真実を作り上げたのだろうか。最初から全て無かったかのように。

そして控訴審から松本を弁護していた木村卓(六角精児)を通して面会を申し込んでいた松本から、浅川宛てに手紙が届く。綴られたのは、悲痛な叫びだった。

「私は弱い人間であります。情けない男であります。しかしながら、私は決して殺人犯ではありません」

身に覚えのない罪で力づくで連行され、昼夜問わず暴力を振るわれ、脅され続けれ、身も心も疲弊したタイミングで、認めれば楽になれると見せかけの優しさに、松本は「もう許してください」と漏らしてしまった。

それが自白の代わりとなった。
松本は今、死刑囚として突然処刑を告げられる朝、格子の隙間から差す光を見る時を待っている。

そんな、違う世界線だと思いたくなるような自白の取り方を有り得ないと感じただろうか。きっとリアルならば、私達は自分が巻き込まれてなくて良かったと思うだろう。

真実がそうだと簡単に飲み込んでしまうのは、自分のテリトリー外のものには、潜在的に信頼を寄せていると見せかけて、ただ無関心なのだ。

だが実際そうした大きな権力が、松本のような声の小さい弱い者を選別し、踏み潰すと同時に、何も知らない人間を、嘘で塗り固められた簡単には出られぬ塀の中に追いやるのだ。

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